[news:260] 再稼働道理なし (2012/07/11) 一覧へ
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 おはようございます。

 昨日は、予算委員会で質問に立ち、大飯原発の再稼働問題で総理をただしまし
た。NHKのテレビ中継を見ていただきましたか?

 さて、昨日のポイントは、総理が「福島なみの地震、津波が来ても大丈夫」
として再稼働を判断しましたが、大飯原発の地震の想定は全く見直しておらず、
柏崎刈羽原発を襲った地震なみの揺れがあれば、炉心溶融にいたる限界点を超え
てしまうこと明らかにしたこと。

 多くの国民は「福島なみの地震」といわれると、これまでの想定をはるかに超
えた地震を思い浮かべると思いますが、実はそうではない。政府は専門家の意見
も聞いて大飯は見直す必要はないと判断したといいますが、それがいかに道理が
ないかを浮き彫りにするために、文科相と気象庁長官から答弁を求めました。

 まずは文科省。東日本大震災をうけての日本海側の海域断層の調査を始めるの
は来年度からだと明らかにしました。続いて気象庁長官。柏崎刈羽原発をおそっ
た中越沖地震クラスのM6.0〜7.9の地震は毎年20回程度発生していること、日本で
はどこでも大きな地震が起きうることを答弁しました。

 日本海側でどんな地震が起きうるかの調査はこれから、そのうえ日本のどこで
も大地震は起きうる――そうであるならば、少なくともこれまで原発を襲った最
大の揺れを考慮すべきというのが専門家の意見。

そこで柏崎刈羽なみの1699ガルの揺れを大飯を襲うと、炉心溶融に至る限界点を
超えてしまうことを示し、想定見直しもなしに再稼働するのは新たな安全神話だ
と総理に迫りました。

 さて質問する際には、「手元に資料がないので…」などと言い逃れを許さない
ために事前に役所を呼んで、質問項目をある程度通告します。さらに特に事実関
係などはどのような答弁になるかを確認します。ところが、みずから公開してい
る事実であっても、論戦で都合が悪いと思うと委員会の場ではきちんと答弁しな
いことがあります。昨日もそうでした。

 気象庁のホームページの「地震について」のQ&Aには「日本で地震が発生しない
ところはありません。小さな規模の地震は日本中どこでも発生しています。また、
ある場所で過去に大きな地震が発生していたとしても、地表に痕跡(活断層など)
が残らないことがあります。このため『この場所は大きな地震が絶対ありません』
と言えるところはありません」とはっきり書いてあります。

 前日のレクでは、「この通り答弁していただければ結構です」と気象庁に通告
してありました。気象庁の職員の方は「科学者として、大きな地震が絶対ありま
せんとはいえません」と述べて帰りました。

 ところが、「日本ではこの場所は大きな地震が絶対おきないといえる場所はあ
りますか」と質問すると気象庁長官は「小さな地震を含めれば一般論としては、
全国どこでも地震が発生するものと考えてございます」と肝心の「Q&A」の後
半部分は触れませんでした。

 自分のHPで書いておきながら答弁では隠そうとする――「この野郎」と思い
ましたが、もう一度「この場所は大きな地震が絶対ありませんといえますか」
と問い直すと、やっと「えーと、そのようなことをいうことは、科学技術的には
難しいと考えてございます」と答弁しました。

 現場の職員が科学者としての当然の答弁書を書いても、長官が政治的配慮で最
初はきちんと読まなかったのかもしれません。官邸筋からの意見があったのかも
しれません。逆に言えば、この点を認めると地震想定の抜本的見直しもなしで再
稼働したことの道理のなさが浮き彫りになると恐れたのか――。

 今回は、HPに明記されていましたから、再質問すれば答弁しましたが、事実
であっても国会答弁で隠そうとすることはよくあること。それを許さず、きちん
と答弁をさせることは、質問を左右する勝負どころです。

 事務所には「日本に安全なところがないことがはっきりしてよかった。私はそ
う思っていたが、知っている人はすくないのではないか」と年配の女性から電話
があったとのこと。良かった。

 再稼働中止、原発ゼロへさらにがんばります。



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