[news:318] 空飛ぶタイヤ (2014/01/06) 一覧へ

 井上哲士です。

 「倍返しだ!」が流行語大賞にもなった、「半沢直樹」。TVではほとんど見ること
はできませんでしたが、参院選挙後に原作の池井戸潤さんの三部作を読みました。こ
れが痛快で面白い! 描かれた大銀行の内部の話も実に興味深いものでした。

  以来、昨年後半は移動中の車内でずいぶん池井戸作品を読みました。その中でも、
上下になる長い小説なので年末までとっておいたのが「空飛ぶタイヤ」。これも実に
面白かった。大手自動車会社製のトラックのタイヤが走行中に脱落する事故で歩行者
が死亡。その責任を「整備不良」だとして押し付けられた運送会社の社長がメインバ
ンクや自動車会社とたたかい、リコール隠しを暴く話です。

 フィクションとされていますが、2002年に走行中の三菱自動車のトラックからハブ
の破損によりタイヤがはずれ子ども連れの母親を直撃して亡くなるという事故が起き、
2年後に三菱側が設計ミスを認めてリコールを届け出たという事実を題材にしたもの
です。

 
  私が、この「空飛ぶタイヤ」をとりわけ興味深く読んだのは、この事故について
2004年の予算委員会で質問をしているからです。私が追及したのは、国土交通省の責
任です。

 三菱自動車だけで十年間で38件もハブの破損事故をおこしているのに、同社は、
「構造上の欠陥ではない、整備不良が原因だ」と報告していました。そして、ついに
死亡事故がおきたのです。

 事故直後にわが党の瀬古議員が質問していますが、国土交通省は立ち入り検査もし
ていないのに、三菱側の説明をうのみにして、「設計、製作の過程に問題があると判
断するのは困難であり、現時点ではリコールには該当しないと判断している」という
驚くべき答弁をしていたのです。

  その後、三菱側が設計ミスを認めたわけで、事実上放置してきた政府の責任は重
大だとただしました。

  同時に追及したのが、同社から自民党への政治献金です。同社はこの事故の前にも
リコール隠しをおこなって処分されています。にもかかわらず同社から自民党は、毎
年1500万円前後の献金を受けていたことを指摘し、企業犯罪を続けてきた会社から企
業献金をもらうのかと、当時の小泉総理をただしましたが、まともな答弁はありませ
んでした。

  その後、金で動く自民党政治への厳しい批判のなかで政権交代も起きましたが、再
び自民党が政権に復帰するもとで、金権政治が堂々と復活しつつあります。この問題
でも、安倍政権と正面からたち向かわねばと、思いを新たにしています。