活動日誌

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選挙制度専門委員会/幹部会

DSC00713.JPG 参院選挙制度改革委員会が10時から開かれ、一票の格差について各会派が意見表明しました。私は、投票価値の平等は、日本国憲法の一番の核心をなす「個人の尊重」と一体のものであること、国会の民主的正統性の基盤であるということを強調し、選挙制度の抜本改革による格差の是正が必要だと述べました。大要は以下の通りです。

 終了後、来週の質問準備や参院議員団の会議など。午後からは党本部で幹部会。明日、明後日の第三回中央委員会総会に提案部会報告の案について議論し、出された意見に基づいて補強することを了承しました。

〇選挙制度専門委員会での発言(大要)

投票価値の平等は、日本国憲法の一番の核心をなす「個人の尊重」と一体のものだ。

憲法第 13 条は、「すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。」としている。

つまり、全ての人が個人として尊重される。年齢、性別、職業、そして住んでいる場所等に関わらず、「この世にたった 1 人しかいないからこそ最高の価値を持っている」ということを憲法は保障している。

この13条に続いて14条で「法の下の平等」を規定し、投票価値の平等を要請している。このように投票価値の平等は、個人の尊重――すなわち一人ひとりがかけがえのない最高の価値を持っているというという日本国憲法の核心の規定と一体のものとして一人ひとりの政治参加を等しく保障するものだ。

だからこそ、最高裁判決も、選挙制度の仕組みを決定することを国会の裁量としつつ、憲法の「投票価値の平等の要請と調和が保たれる限りにおいて」と限定している。投票価値の平等が選挙制度を考えるうえで最も重要な基準だということだ。

さらに、一連の最高裁判決が「60年余にわたる制度及び社会状況の変化を考慮することが必要」とのべ、参考人質疑の中でもこの間の日本社会の変化が投票価値の平等の要請をより強くしていることが最高裁判決の背後にあると強調された。

その変化とは、人々の価値観が多様化し、個人が様々な社会関係の中に身を置くようになっており、あの人はこういう集団の一人なのでこういう選択をすると単純に割り切れない。さらに、ある個人にとって地域がすべてでなく、インターネットなどを通じてつながり、個人が地域を飛び越えた存在にもなっている。地域などの一つの物差しではなく、一人ひとりが会社の利益、地域の住民、家族の一員などたくさんの選択肢の中で悩みながら投票をするようになっている――などだ。

その一人ひとりの決断である投票が議員の選出における影響力の平等――投票価値の平等ということが国民の中でより強く求められるようになっていることは重要だ。

もう一点、投票価値の平等は、最高裁判決が「国民の意思を適正に反映する選挙制度が民主制度の基盤」としているように、国会の民主的正統性の基盤であるということ。

憲法43条は、「両議院は全国民を代表する選挙された議員でこれを組織する」とし、参議院は衆議院と共に国権の最高機関であり、衆院の優越規定以外は同様の権限が定められている。参議院を地方の代表などとして投票価値の格差を許容するならば、民主的正統性の基盤が崩れ、衆参の権限の配分を見直し、参議院の持つ憲法上の権限を縮小する議論とつながることになる。

我々は、2院制の下で「再考の府」である参院の特性をさらに発揮することが必要と考えおり、参院の権限縮小には反対である。

民主的正統性の基盤である投票価値の平等を追求することこそが必要である

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