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ダブルスタンダード

  「ダブルスタンダード」――安倍政権で目立つのがこれ。この間の外交防衛委員会での質問でも痛感しました。

 一つは、インドとの原子力協定です。核不拡散条約(NPT)未加盟でありながら核兵器を保有する国との協定締結は初めて。インドはこの10年間で保有核弾頭を倍近くに増やし、核搭載可能のミサイルの発射実験を繰り返しています。こんな国と原子力協定を結ぶことは、被爆日本が核軍拡を認めることになり、許されません。

 しかも、日本が共同提案して採択された1998年の国連安保理決議ではインドに「核兵器開発」「弾道ミサイル開発」の中止を求めているのです。「北朝鮮の核・ミサイル開発を非難しながらインドと協定を結ぶことはダブルスタンダード。北朝鮮問題の解決に逆行する」と厳しく批判しました。

もう一つはイスラエルとの投資協定。イスラエルは昨年来、20数年ぶりに国際法違反の入植地拡大を進めています。国際社会も日本も入植地でのイスラエルの主権を認めない立場。昨年12月には国連安保理で、日本も賛成して非難決議を上げました。

投資協定では入植地でのイスラエルの主権について両国間で一致していません。にもかかわらず協定を結ぶことはイスラエルの無法を認めることになりかねません。

原発メーカーなど経済界の要望を優先して二重基準をとることは外交でも内政でも、信頼を失わせ、政治の土台をそこねています。(2017.6.18 愛知民報)

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