24ヵ国訪問記

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中東見聞録

現存する最古の都市、ダマスカスを歩く

午後からはダマスカス市内を視察しました。ダマスカスは現在も人が住んでいる都市としては世界最古で、旧約聖書にもその名前がでてきます。市内には、一世紀に築かれたという城壁をはじめ、歴史的遺産がたくさんあります。

 まず、十字軍からアラブを守った英雄サラディンの廟。続いて、ウマイヤ朝時代に建てられた、イスラム世界でもっとも壮大なイスラム寺院の一つであるウマイヤド・モスクへ(写真)。この場所には四世紀以降、聖ヨハネ教会堂がありましたが、七世紀にイスラム教徒がダマスカスに入り、ここを首都としてウマイヤ朝を開きました。ウマイヤ朝はキリスト教徒と共存する形で支配し、イスラム教徒は祈りの場として教会のスペースを間借りしていましたが、やがて交渉の末、ここを買い取り、モスクを建設しました。

 縦100m、横160mの広大な敷地で、内部にはキリスト教会だったことを偲ばせるつくりが残っています。また、内部にはヨハネの首が納められていると伝えられる墓もあります。

こうした遺産を見ると、午前中の会談のなかで元文化相が強調していたように、イスラムは本来、寛容な宗教であるといことが実感できます。

 モスクを出た後、スーク(市場)へ。長さ600mと中東で最大級の市場で丸天井で覆われています。香辛料や日用雑貨から、金細工まで様々なものがそろっています。地元の人や観光客で一杯でした。その後、聖アナニア教会も見ました。 

 夜は、元文化相主催の夕食会。人民議会議長や二人の現職大臣も参加されるなどの歓迎ぶりでした。ただ、この国の生活は夜が遅く、この会食も始まりが午後九時。終わると11時でした。 

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