24ヵ国訪問記

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ニュージーランドかけある記

ブラッシュ国民党党首/教育科学常任委員会/アジア2000基金/公式昼食会/労働党/広島・長崎の火

今日は8:15にホテルを出て、朝から7つの会談・行事が夕方まで続きました。夕方には念願のウェリントン市内にある「広島・長崎の火」も見に行くことができました。

 8:30からは野党第一党である国民党のブラッシュ党首との会談。最近、景気が上向きといわれる中で、どう与党との違いをうちだしていくのか、苦労されている感じがしました。

 その後、国会議事堂の耐震構造を見学。3年間かけて議事堂の土台全体を耐震構造にする大工事をしたもので、震度7.5でも耐えられるようにしてあります。世界中から視察があるそうです。

 続いて教育科学常任委員会の皆さんとの会談。同委員会に所属する各党の議員からそれぞれ、教育行政の改革、高等教育、幼児教育の問題などの説明を受け質疑応答をしました。

 ニュージーランドでは、中央集権的な教育制度を見直しが行われました。新しい教育省をつくるとともに、従来の教育省と小・中学校の間にあった地方教育委員会を廃止し、新たに学校運営委員会が学校運営を取り仕切ることになりました。

 興味深かったのは学校運営委員会の構成。日本でも先の法改正で学校評議会を設置することができるようになりましたが、そのメンバーは教職員、父母、地域の代表で、生徒は含まれていません。ニュージーランドの制度では中学段階では生徒の代表も評議会に含まれます。

 また、技能教育と幼児教育に大変力を入れていることも印象的でした。技能教育については、古い徒弟制度が嫌がられたこともあり、技術をもった労働者が足りなくなっているのが理由。相当の資金を入れて若者の技能教育に国を挙げて取り組んでいる様子でした。

 その後、アジア21基金に行き、サティアント副理事長と会談(写真上)。同基金はアジアとの交流深めるためにニュージーランド政府や民間の資金を集めて作られたもの。日本との間でも語学教員の派遣や研修の受け入れ、文化交流なども進んでいます。アジアとの交流を重視する同国の姿勢がよく分りました。
 
 その後、再び国会に戻り、ハント議長主催による公式昼食会に出席。国会開会中ですが、議事堂の中の大きな部屋で着席式の昼食会を開いてくださり、議員の半数ぐらいが参加されていました。日本では開会中にこんな大規模な昼食会を行うのは考えられないこと。その手厚い歓迎に感激しました。

 昼食会の時に同じテーブルの人に「Japanese Comunist Party」と自己紹介すると、少し驚いた表情をされ、さっそく「党員の数は」「議員は何人か」など質問攻め(通訳がついています)。そこで、英文の日本共産党紹介のパンフを皆さんに配りました。
 
 興味深そうに読んで、「ソ連や中国とは違う党であることが良くわかった」と握手を求めて来られた議員も。うれしい交流の広がりです。

 私の両隣に座った議員は、マオリの人と、香港出身の人でした。120人の国会議員の中で、女性が29%、マオリが16%、諸島系が3人、アジア系が2人、ゲイが2人、性転換された人が1人と大変多様性に富んでいるのがニュージーランドの特徴。性転換された議員は男性から女性へと転換する手術を当選後に受けた人。性転換をした国会議員は世界でただ一人だそうです。

 その後、本会議場で行われるクエスチョンタイムを傍聴。日本のように二階に傍聴席があります。冒頭、議長が私たちを紹介され、議員全員が起立して拍手で歓迎してくださいました。

 30分ほど傍聴した後、退室。続いて、ティム・バーナル議員からニュージーランドの選挙制度について説明を受けました。新たに導入された比例代表の部分が多様な議員構成につながっているようです。

 続いて与党第一党の労働党の幹部との協議。院内総務の方など三人の方と質疑応答しました。日本側から、昨日のACT党との懇談で「京都議定書への加入は間違い」と述べられたことも示して、今後のエネルギー政策について質問。

 これに対し、「それはごく一部の考えで、わが国は京都議定書に参加している」と議定書支持をきっぱり。原発は一切考えておらず、新しいクリーンなエネルギーの開発や省エネを進めて行くとはっきり応えられたのが印象的でした。

 一連の会談が終了した後、ウェリントン平和公園内にある「広島・長崎の火」を見に行きました。この火は上野東照宮の境内にある「広島・長崎の火」を10年前に同公園内にともしたもの。日本風の公園の池の中にある石灯籠の中に火がともされています。

 今年6月にはウェリントン市長の主催で10周年記念式典も行われ、日本から金子満広氏ら平和団体関係者も参加しました。当初、訪問予定には入っていませんでしたが、私から、是訪問したいとお願いして実現。念願の記念写真がとれました(写真下)。

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