国会質問議事録

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質問第五三号 キャンプ富士等へのオスプレイ配備・訓練に関する質問主意書

質問第五三号
キャンプ富士等へのオスプレイ配備・訓練に関する質問主意書
右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。
  平成二十五年三月十一日

井 上 哲 士   
田 村 智 子   

       参議院議長 平 田 健 二 殿


   キャンプ富士等へのオスプレイ配備・訓練に関する質問主意書


 オスプレイは最悪の欠陥機であり、墜落と爆音被害を拡大する危険をもつ航空機であり、この配備と訓練に懸念と不安の声が広がっている。在日米軍司令部は二月二十八日、海兵隊輸送機オスプレイの訓練を本州で初めて実施することを明らかにし、三月六日から米軍岩国基地を拠点に開始すると発表し、上空にオレンジルートが設定されている四国各地で訓練飛行が行われた。この訓練については、低空訓練はもとより、夜間訓練、兵員・物資の輸送訓練を行うとも説明されている。全国で配備への反対や訓練への不安の広がりがあるにもかかわらず、訓練を強行した米軍とこれを許している日本政府の対応は主権者たる国民の声をないがしろにするものであり、許されるものではない。  在日米軍が発表した「MV-22の普天間飛行場配備及び日本での運用に関する環境レビュー最終版」(以下「環境レビュー」という。)は、オスプレイの分遣隊を岩国基地とともに、キャンプ富士に派遣することを明らかにしている。そこで以下、キャンプ富士等でのオスプレイの運用について質問するので、政府の見解又は政府の承知しているところを示されたい。


一 キャンプ富士でのオスプレイの訓練について
 環境レビューは、キャンプ富士におけるオスプレイの運用について、分遣隊は年間約五百回、活動全体では、十パーセント増と明記している。また、在日米軍は、低空訓練、夜間訓練、兵員・物資の輸送訓練を行うと発表している。

1 キャンプ富士への分遣隊配備について、環境レビューが「活動全体は十パーセント増」とし ていることについて、「使用協定運用委員会拡大会議」が具体的運用を質問したのに対し、防衛省は「一定の想定に過ぎない」と回答している。「一定の想定」とはどういうものか。

2 キャンプ富士でのオスプレイの運用は、滑走路を着陸帯とした訓練に限定されるのか。それとも東富士演習場を使用しての訓練も行うのか。

3 環境レビューは、夜十時までの訓練に言及しているが、このような夜間訓練を実施するのか。

4 キャンプ富士でのオスプレイ訓練に当たっては、航空機の進入出路が爆音被害にとってきわめて重要となる。防衛省は、使用協定で特定しているジェット機の進入出路はオスプレイに適用しないとしている。では、オスプレイの進入出路は新たに設定するのか。ヘリ・モードと航空機モードというモード別の進入出路を設定するのか。ヘリ・モードで進入出する場合、防衛省の発行する自衛隊の航空路図誌において示される既存の進入出路を使用するのか。また、オスプレイの進入出路については、地元の関係者の同意が必要ではないのか、政府の見解を明らかにされたい。

5 防衛省は地元からの質問に対し、「キャンプ富士は、現在、航空機の整備・補給機能を有しておらず、また、かかる機能を保有する具体的な計画もない」と回答しているが、キャンプ富士での訓練に当たっての「整備・補給」はどこの基地で行うのか。

6 キャンプ富士の使用に当たっては、地元との使用協定など厳格な手続きが必要となっている。その際、地元の同意なしにオスプレイの使用や訓練をすることはないと思うが、政府の見解を明らかにされたい。

二 米軍厚木基地へのオスプレイ配備について
 野田前内閣の神風防衛大臣政務官(当時)は、二〇一二年七月二十四日の衆議院総務委員会において、塩川鉄也衆議院議員の「オスプレーの部隊が他の米軍施設に飛行することもあり得るとしているその他の米軍施設には、防衛省側が説明を行った三沢基地、横田基地、厚木基地も含まれているということでよろしいですか」との質問に対し、「そういう御理解でよろしいかと思います」と答弁した。また森本防衛大臣(当時)は十一月六日の記者会見で、環境レビューが岩国基地やキャンプ富士をあげたのは例示にすぎず、「その他の米軍基地を使って、例えばターン・アラウンドといいますか、そこで一旦降りて補給をして、訓練ルートで訓練するということが大いにあり得る」と述べた。

1 キャンプ富士への分遣隊派遣や運用が行われる場合、厚木基地はどの程度使用されるのか。

2 厚木基地は、キャンプ富士と違って、「整備・補給」機能を有しており、キャンプ富士での運用の際にそれらを利用することはあるのか。

三 その他の米軍基地の使用について
 在日米軍はオスプレイの本土訓練において、全国七つのルートを使用するとしている。これらはすでに、米軍機の低空飛行訓練ルートとしても使用されている。

1 関東地域には、米軍横田基地のC130輸送機の編隊低空訓練ルートが存在することが米軍の説明で明らかとなっている。日本グライダークラブの資料は、米軍横田基地からの情報として、「米軍横田基地所属のC130戦術輸送機(四発のターボプロップ機)の編隊飛行ルートが、ミカモ山から佐野市北付近に設定され、五百フィートから五千フィートの低空で飛行するのでニアミスの危険がある」と指摘している。政府は、このようなルートが首都圏上空にあることを確認しているか。

2 日本航空機操縦士協会発行の広報誌「PILOT」は、米軍横田基地と関係団体で構成する「空中衝突防止会議」について紹介しているが、この会議はいかなるものであるか。その目的、設置の経緯、開催状況、政府関係機関の関与の有無について、政府の承知するところを明らかにされたい。

3 前記三の2の広報誌は「空中衝突防止会議」の情報として、C130の編隊飛行ルートが、群馬、栃木、茨城、埼玉、神奈川、静岡、山梨、長野にまたがって設定されていることを明らかにしているが、政府はこれを確認しているか。また、オスプレイが訓練でこうした飛行ルートを使用することはあり得るのか。

4 これらのルート上には、厚木基地や横田基地があるが、厚木基地とともに、横田基地の使用はあり得るのか。


  右質問する。

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