国会質問

ホーム の中の 国会質問 の中の 2017年・193通常国会 の中の 外交防衛委員会(南スーダンPKO「日報」問題、統幕長訪米会談記録隠蔽問題)

外交防衛委員会(南スーダンPKO「日報」問題、統幕長訪米会談記録隠蔽問題)


○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。
 私からも、南スーダンの日報隠蔽問題でお聞きいたします。
 陸自で廃棄をされたとされていた日報のデータが実は陸自にあって、つじつまを合わせるために、隠蔽した上、統幕の幹部の指示で廃棄をされたと、こういう報道が続いております。
 昨日の夜のNHKでは、防衛省幹部によるものとして、陸上自衛隊で日報が見付かったのは今年一月中旬で、これを受けて陸上自衛隊の複数の部署が事実を公表しようと説明用の資料を準備した、しかし、統合幕僚監部の背広組と言われる防衛官僚から公表しない方針が伝えられ、陸上自衛隊の複数の部署が関連資料を廃棄していたことが分かったと報道をされております。さらに、防衛省幹部は、この際、陸上自衛隊では資料が確実に廃棄されたことを確認する作業も入念に行われたと証言、その後、陸上自衛隊の司令部に保管されていた日報のデータそのものも先月になって消去をされたと、こういう具体的な報道でありました。
 ですから、資料もデータも両方残っていた、それを廃棄したわけでありますね。極めて重大だと思います。
 元々の最初の報道以降、大臣が統幕、陸幕の幹部のうち直接事実を確かめたのは誰でしょうか。昨夜の報道内容を含め、現時点で確認している事実は何か、明らかにしてください。
○国務大臣(稲田朋美君) 先般の報道を受けまして、報道されている内容が事実であるとすれば、防衛省・自衛隊に対する国民の信頼を大きく損ないかねないものであることから、私の責任の下で陸上自衛隊から離れた独立性の高い立場から徹底した調査を行わせることが重要と考え、元検事長を長とし、現役の検事も勤務する大臣直轄の防衛監察本部に特別防衛監察の実施を指示をいたしました。十七日には私が特別防衛監察計画を承認をし、既に特別防衛監察を開始をいたしております。
 本件につきましては、独立性の高い立場から徹底した調査を行わせるため、特別防衛監察が既に開始されていることから、その調査に支障を来さないよう、私から、特別監察開始以降、本件について事情を聞くことは控えているところでございます。
○井上哲士君 では、その監察前に、始まる前に、統幕、陸幕の幹部のうち、直接事情を確かめて明らかになった事実は何でしょうか。
○国務大臣(稲田朋美君) それについても、今後特別監察の中で検証が行われるものでございますので、詳細についてはお答えすることは差し控えたいと思います。
○井上哲士君 では、辰己総括官にお聞きしますけれども、あなたはいつ陸自にこのデータが残っているという事実を知ったのか、廃棄の指示についてはいつ知ったのか、いかがでしょうか。
○政府参考人(辰己昌良君) 私は統合幕僚監部に今所属しております。統合幕僚監部は、特別防衛監察の対象機関に含まれておりまして、徹底的に調査をされることになっています。したがって、これ以上のコメントは差し控えたいというふうに考えています。
○井上哲士君 この間、独立性の高い特別監察の対象になっているから答弁ができないと、こういうことの繰り返しなんですね。
 先ほどもありましたように、この防衛監察の実施に関する訓令を見ますと、第二条、防衛監察についてですね、防衛省の他の機関から独立した立場において調査、検査するとしておりまして、防衛省そのものから独立しているわけじゃないんですね。これはやっぱり行政内部の調査なんです。
 これは国会での答弁を拒否する理由に私はならないと思うんですが、官房長、お聞きしますけれども、この訓令の中に特別監察の対象だからとして、国会での答弁を拒否するような根拠があるのでしょうか。
○政府参考人(豊田硬君) 先生御指摘のとおり、防衛監察の実施に関する訓令の第二条(1)のところで防衛監察についての定義がございます。防衛省の他の機関から独立した立場において、一部略しますけれども、法令遵守の観点から防衛省における職務執行の状況を厳格に調査し、及び検査することにより、職員の職務執行の適正を確保することを目的とした防衛監察本部が実施する監察をいうということでございます。
 お問合せの国会等々との関係でございますけれども、私どもとしましては、国会との関係に関する規定はこの訓令の中にはございません。ございませんが、私どもも、この徹底的な特別防衛監察の対象機関というのが定められておりまして、調査が徹底的に行われるということでございますので、私ども職員としましては、防衛監察の円滑な運営を阻害するようなことはできないわけでございまして、その点については是非御理解を賜りたいと思います。
○井上哲士君 訓令の第五条には、防衛監察の実施に対する協力義務が定められておりまして、対象となった機関等の関係者は、防衛監察監等から書類その他の物件の提出、説明を求められたときには、これに誠実に協力しなければならないと、これがあるだけなんですね。ですから、皆さんが協力するのは当然ですけれども、それをもって国会での答弁を拒否するには全くならないんですよ。
 で、訓令の中には、じゃ、この防衛監察に協力をしなかった場合の罰則あるんですか。防衛監察監に強制調査の権限はありますか。
○政府参考人(豊田硬君) 御指摘の防衛監察の実施に関する訓令の中には、そのような規定はございません。
○井上哲士君 ですから、大臣はさっきも元検事長を責任者にする、そして検事もいる特別監査を指示したと述べて、何か検察のような、そういう権限を持っているかのような答弁を繰り返しておりますけれども、これは防衛省の中の内部調査なんです。そして、協力をしない場合の罰則もなければ強制調査の権限があるわけではありません。国会での答弁を拒否する理由はどこにもないんですよ、根拠は。で、もちろん、特別監察を行ってください。真実解明してください。しかし、同時に、国会は独自にこれは真相解明をしなくちゃいけないんです。
 先ほどもあったように、一月の総理の答弁、二月の予算委員会での答弁、全くこれは虚偽答弁を国会で大臣や総理がさせられていたと、一月にあったとすれば。ないと大臣、何回も答弁したんですから。ですから、これについては国会が独自に事実解明する必要があるんですよ。特別監察をしているからといって、そのことについて答弁ができないというようなことは絶対ありませんから、特別監察を理由にした答弁拒否はやめると、大臣自身もそうですし、是非指示をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(稲田朋美君) 私は、本件に関してはしっかり、何が客観的事実であったか、事実の徹底的な解明が必要であると思っております。
 その上で、当日に、まず陸幕長にこの一連の事実経過について事実の解明を指示をいたしております。そして、その陸の中で解明した事実を更に特別監察に報告を上げて、そこで検証した上で、いろんなところの検証が行われた上での客観的事実の解明、徹底的な解明が必要であると、このように考えております。
○井上哲士君 では、解明してくださいよ、特別監察でね。しかし、同時に、国会は独自の解明が必要なわけですから、大臣が独自に陸幕長などから直接話を聴く、国会でも答弁に答えると、これ当然じゃないですか。それができないって言うんならば、結局、特別監察を隠れみのにして自らの延命を図るだけだということになりますよ。ちゃんと自らも国会の求めに応じてそういう監部から事情も聴く、答弁もする、是非お願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(稲田朋美君) この特別防衛監察においては、関係者への聞き取り、必要な場所への立入り、書類の確認等が含まれ、その間の調査は独立した立場の専門家に委ねることが必要だと考えており、この点は御理解をいただきたいと考えます。
○井上哲士君 全く理解できません。だから、それをやってくださいと言っているんですよ。それと、独自に国会での事実解明が必要だから、ちゃんと国会での質問に答えられるようにしてくださいと言っているんですよ。それができないって言うんなら、先ほど申し上げましたように、結局、これを隠れみのにして自らの延命をしているだけだということを厳しく申し上げたいと思います。
 その上で、私、この間、自衛隊のいわゆる隠蔽体質というものを指摘をしてまいりました。同様の問題として、安保法制の審議の際に我が党の仁比聡平議員が委員会で明らかにした統合幕僚長の訪米記録に関して、十七日に現役の陸上自衛隊の三等陸佐がさいたま地裁に提訴した問題に関連してお聞きをいたします。
 この訪米記録の内部文書が問われたのは、一四年の十二月に、総選挙後のまだ安保法制の法案の具体化も検討も与党協議もされていないときに統幕長が訪米をして、米軍の幹部に対してこの法律は夏までに成立すると、こういうことまで語っていたと。まさに、制服の暴走が問われているということを申し上げました。ところが、防衛省がやってきたのは言わば犯人捜しであります。
 提訴した自衛官は、この内部文書を漏えいした犯人扱いをされて、警務隊から執拗な取調べや配転を強いられて、物理的、心理的苦痛を受けたということで慰謝料五百万円を求めておりますけれども、まず当局に確認しますが、この仁比議員が国会で明らかにした内部文書に関して情報漏えいの疑いがあるということで、自衛隊法五十九条違反で捜査をしていると、このこと自体は事実ですか。
○政府参考人(鈴木良之君) 警務隊が自衛隊法五十九条違反の疑いで捜査を行っていることは事実でございます。
 ただし、警務隊が何について捜査をしているかにつきましては、捜査の具体的内容に関することでございますので、お答えは差し控えさせていただきます。
○井上哲士君 私、これ仁比議員が関わっておりますので、弁護団から訴状もいただきました。具体的に、例えば警務隊から行政府の長が怒っているなどと言われた、官邸主導の捜査ではないかと提訴した自衛官は会見でも語っているわけですけれども、当時の大臣も、仁比議員が示した資料と同一のものは防衛省にないと繰り返し答弁をしておりました。ないと言いながら、なぜないはずの文書の流出元を漏えいの疑いがあるとして調べるんですか。おかしいんじゃないですか。
○政府参考人(鈴木良之君) 先ほど申し上げましたように、警務隊が自衛隊法第五十九条違反の疑いで捜査を行っていることは事実ですが、先生御指摘の文書が捜査対象になっているかどうかも含めまして、具体的内容についてはお答えは差し控えたいと思っております。
○井上哲士君 いや、その捜査をされた本人が提訴して訴状でそう言っているんですよ。違うんですか。
○政府参考人(鈴木良之君) 訴状につきましては、まだ防衛省の方には届いておりませんので、訴状を確認した上で適切に対応したいと考えております。
○井上哲士君 訴状が来たら答弁できますね。
○政府参考人(鈴木良之君) 訴状が届きましたら、訴状を確認の上、裁判の中で適切に対応したいと考えております。
○井上哲士君 国会では言えないということですか。これ、本当に生々しいことが書いてありますよ。ポリグラフで調べられたことであるとか家宅捜索をされたこととか具体的に書いておりますけれども。
 仁比議員が特別委員会で資料を提示したのは九月の二日でありますけれども、その後、防衛省は省内にあったこの訪米記録を、それまでは取扱厳重注意でありました、我々が国会で示したものは。その後、この訪米記録について秘密指定にしておりますけれども、それはいつなのか、その理由は何でしょうか。
○委員長(宇都隆史君) どなたが答えますか。
 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(宇都隆史君) 速記を起こしてください。
○政府参考人(前田哲君) お答えいたします。
 平成二十六年十二月の統幕長訪米時の会談記録、これをいわゆる省秘に指定いたしましたのは平成二十七年九月三日でございます。それまでの間は取扱い上の注意を要する文書として扱われてきたわけでございます。
 当時、海自幹部学校及び統幕が作成をいたしました平和安全法制に係る法案に関する説明資料、これが外部に流出していたことを受けまして、当時の中谷大臣から文書の取扱いに係る規則の遵守と情報の保全を徹底するよう指示がございました。このことを踏まえて保管する文書等の再点検を行ったわけでありますが、これを行う中で統幕長訪米時の記録についてはいわゆる省秘に指定することが適当であると、こういう判断に至ったことから、その当該記録を省秘に指定したわけでございます。
○井上哲士君 訪米記録は元々は取扱厳重注意だったと。つまり、九月二日に仁比さんが提示したときにはそうだったんですね。そして、その翌日に慌てて秘密指定しているんですよ。前からの指示と言われましたけれども、まさに国会でこれが出てきたということだから、翌日秘密指定にしたんじゃないんですか。
○政府参考人(前田哲君) お答えいたします。
 繰り返しになりますが、統幕長訪米時の会談記録をいわゆる省秘に指定いたしましたのは、当該記録が防衛省から流出したことを受けて行ったわけではございません。あくまで当時の中谷大臣からの指示、これは八月に出ているわけでありますが、これを踏まえまして再点検を行う中で、情報の保全と文書の適正な取扱いの観点から行ったということでございます。
○井上哲士君 誰がそんな答弁納得するかという話ですが、この記録は、ですから取扱厳重注意であって秘密指定ではありませんから、言わば普通の省内OAの端末に残っていたわけですね。
 三日に秘密指定をして、九月五日頃に防衛省の職員に向けて省内OAの端末に残っていた類似の文書を削除するという指示が出されていると思いますけれども、これは一体誰が指示をしたんでしょうか。
○政府参考人(前田哲君) この当該記録の取扱いの詳細につきましては、秘密保全に関することでございますのでお答えは差し控えたいと思いますけれども、いずれにしても、この当該記録は現在、この当該記録そのものは、現在防衛省で適切に管理をされているということでございます。
○井上哲士君 削除の指示をしたんじゃないんですか。違うんですか。
○政府参考人(前田哲君) お答えいたします。
 一般論として申し上げますと、作成後、配付済みの文書につきまして、事後的に秘密指定を行う必要が生じた場合におきましては、この従前の文書を一旦回収するなどした後に改めて秘密指定を済ませたものを必要な部署に限定して配付をすると、こういうことになるものと考えております。
○井上哲士君 つまり、それ以外のところは廃棄をしたということですよ。
 訴状の中では、九月三日に秘密指定がされ、そして五日頃に防衛省内の職員に向けて電子データで保管している統幕文書と同一か類似の内部文書を削除することが指示をされたと明確に書かれております。
 ですから、国会では、同一のものはありませんと、こういう答弁をしていながら、一方では、実際にある内部文書は秘密指定をしてそして削除を命じていると、残っているものは。国民の知らないところで秘密にして廃棄すると。今回の日報と全く同じことをやっているじゃありませんか。これが大臣、隠蔽体質なんですよ。
 これを正すことが必要だと思いますけれども、大臣、いかがですか。
○国務大臣(稲田朋美君) 今回の南スーダンの日報、一年未満、用済み後廃棄、廃棄すること自体は違法ではなく、一旦不開示としたものを防衛省自らが捜索をして公表したものであります。
 しかしながら、今回の報道を受け、特別防衛監察において事実関係を徹底的に調査をした上で、改めるべき体質があれば私の責任でしっかりと改革を進めていくということでございます。
○井上哲士君 あればじゃなくて、あるんです。
 真相解明とこの体質の一掃を強く求めて、質問を終わります。

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