国会質問

ホーム の中の 国会質問 の中の 2018年・196通常国会 の中の 予算委員会(米国の核態勢に関する日米協議②)

予算委員会(米国の核態勢に関する日米協議②)


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○委員長(金子原二郎君) 次に、井上哲士君の質疑を行います。井上哲士君。


○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。
 北朝鮮の核・ミサイル問題の解決へ米朝の首脳会談が、開催が表明をされました。対話による解決を主張してきた党として歓迎をいたします。そして、圧力とともに対話での解決を求めてきた国際社会も今歓迎をしております。首脳会談が危機の打開、緊張の緩和、そして非核化、平和体制の構築として実るように願っております。
 同時に、日本政府は、対話否定、圧力一辺倒の態度を改めて、拉致問題も含め、対話による解決を促進するという立場に立つことを求めたいと思います。
 その際に、核兵器は人類と共存できないと、この立場に確固として立つことが必要であります。日本政府は、核兵器禁止条約に反対をいたしました。しかし、一方で、総理は、唯一の戦争被爆国として、核兵器のない世界の実現に向けて国際社会の取組を主導する、NPTの議論をリードすると、こう述べてまいりました。
 ところが、アメリカのトランプ政権が二月に発表した核態勢の見直しを政府は高く評価して歓迎をいたしました。果たして歓迎できるようなものなのか。(※井上質問18年3月26日予算委員会配付資料①~④.pdf)
 この核態勢の見直しには、オバマ政権時代にはないものが盛り込まれております。通常兵器による攻撃に対しても核兵器の使用を検討を明記をいたしました。そして、低威力の潜水艦発射型弾道ミサイルの配備を進める、核弾頭が搭載できる海洋発射巡航ミサイルも求める、さらには核・非核両用航空機を強化し、そしてF35にその任務を与えると。使いやすい小型核兵器を配備を進めて、使用の条件も緩和し、そしてCTBTの批准も求めないと。文字どおり、核軍備拡大の戦略であります。
 核兵器のない世界の実現、そう言いながら、なぜこんな米国の核軍備の拡大戦略を高く評価できるのか。総理、いかがでしょうか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) まず最初に、私は、北朝鮮の問題の解決のために圧力一辺倒で対話を否定したことはないわけでありまして、非核化を前提に北朝鮮から対話を求めてくる状況をつくる、そのためには圧力を掛け、抜け道は許さない、こう申し上げたわけでございますが、だからこそ北朝鮮の側から対話を求めてきたと、このように考えております。
 さて、昨年、北朝鮮は、広島に投下された原爆の十倍以上の威力を持つ核実験を強行し、日本列島を核爆弾で海の中に沈めるべきといった極めて挑発的な声明を発していることは、井上委員もよく御存じのとおりであります。
 北朝鮮の核弾道ミサイル計画の進展は、我が国の平和と安定に対するこれまでにない重大かつ差し迫った脅威であります。政府には、何よりも国民の命と平和な暮らしを守り抜く責任があります。そのためには、日米同盟の下で、通常兵器に加えて核兵器による米国の抑止力を維持していくことが必要不可欠であります。我が国は専守防衛を旨としており、非核三原則を堅持するとの方針の下、北朝鮮の核に対して核の抑止力を自ら用いることはできません。北朝鮮の核の脅威から国民の命と平和な暮らしを守り抜くためには、米国の核の抑止力に頼らざるを得ないというのが現実であります。まず、この現実と向き合う必要があると考えます。
 このような状況の下で今回米国が発表した核態勢の見直し、NPRは、米国のみならず、同盟国の安全を確保するという核による拡大抑止に明確にコミットしています。そこで、我が国は、当然これを高く評価したところであります。
 抑止が失敗した際に何が起こるか検討すべきとの指摘がございました。この唯一の戦争被爆国である我々は、核兵器が実際に使われたらどうなるか、これをよく理解をしております。だからこそ、日米同盟の下で、通常兵器に加え、核兵器による米国の抑止力を維持していくことが必要不可欠であると、こう考えております。

○井上哲士君 現実と言われましたけれども、現実と言うならば、広島、長崎での非人道的なあの惨禍こそ現実なわけですね。
 核態勢の見直しには、抑止が失敗した場合のアメリカの目標の達成ということも明記をされました。それが何をもたらすのかと。オーストリアの代表は、昨年の国連総会の第一委員会で、核兵器による破局的な人道の帰結が意味するのは、抑止力のいかなる失敗も必ず壊滅的な結果になるということだと、こう指摘しているわけです。この現実こそ私は見るべきだと思います。
 結局、今の総理の答弁は、核軍拡の悪循環になって、抑止の失敗による破局的な結果の危険が増すだけだと思うんですね。大体、アメリカのこの核態勢の見直しに盛り込まれた核軍備の拡大は、核不拡散条約、この六条、核軍備の縮小に関する誠実な交渉、核軍縮義務、そして、二〇〇〇年のNPTの再検討会議の最終文書で核兵器国も約束をした、核兵器の完全廃絶への核兵器国の明確な約束にこれ反しているんじゃないでしょうか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) NPTは、米国、ロシア、英国、フランス、中国の五か国を核兵器国とし、核兵器の保有を認めた上で、第六条において核兵器国の核軍縮に向けた交渉の義務を定めています。今回のNPRにおいても、米国は冷戦のさなか以降八五%以上の核兵器保有量を削減してきたことを説明をしています。中距離核戦力、INF全廃条約の遵守そして維持及び新戦略兵器削減条約、新STARTの履行をこれ表明をしております。今回のNPRにおいて、米国は現実の安全保障環境を踏まえた上で核兵器等の究極的廃絶に向けた自らの取組に引き続きコミットをすることを表明するとともに、NPTの規定を遵守し、NPT体制の強化に取り組むことをこれも確認しているわけでございます。
 今後ともこの米国のコミットメントは揺るがないものと認識しておりまして、御指摘は当たらないというふうに考えております。

○井上哲士君 言葉では遵守すると言っていますよ。だけど、アメリカなどの核保有国がこの義務を守らないからこそ多くの国々がもう我慢できないということで核兵器禁止条約を作ったわけですね。今度の態勢は、守らないどころか逆行しているわけですよ。小型の核兵器、これ促進をする、そしてさらにはCTBTも批准求めないと。私は、NPT条約の議論をリードすると言いながら、こんな核態勢に高く評価するというのはとんでもないことだと思いますよ。
 しかも、それだけではありません。日本が核削減の妨害をしてきたことが明らかになりました。アメリカのオバマ前政権は、核態勢見直しの策定に向けて、アメリカ議会に諮問機関、アメリカの戦略体制に関する議会委員会を設置をいたしました。この委員会が二〇〇九年五月に発表した報告書には、委員会が協議した外国政府関係者のリストがあって、そのトップに当時の秋葉公使、現在の事務次官ら在米日本大使館の四人の氏名が載っております。
 外務大臣に確認いたしますけれども、この協議での発言は当然個人的なものではありませんね。そして、日本側にもその記録は残っていますね。

○国務大臣(河野太郎君) 当時の外務大臣の了解を得た日本側の考え方を委員会に対して説明したわけでございます。

○井上哲士君 記録は作成していますね、記録。

○国務大臣(河野太郎君) 日本側の記録はございます。

○井上哲士君 どんな情勢でこの戦略体制委員会がつくられたのか。この前の年の十一月にオバマ大統領が初当選をいたしました。核兵器のない世界を目指して四月にはプラハで演説をする。世界でも日本でも核兵器廃絶への大きな期待が高まっていたわけですね。その中でオバマ政権が核兵器の大幅削減を模索してこの委員会がつくられました。
 ところが、この委員会の意見聴取で日本側が核削減に反対する驚くべき発言をしていたわけですよ。二〇〇九年の二月二十五日にこの委員会の意見聴取で日本が発言した際の文書、それから同委員会のスタッフが作成した意見聴取の概要メモを私たちは入手をいたしました。
 日本側は、アメリカに求める核抑止能力として、柔軟性、信頼性、ステルス性など六点を列挙し、退役が検討されていた水上発射型の核巡航ミサイル、トマホークですね、これについて、退役を決定した場合には能力の喪失の相殺について協議したいとして、代わりの兵器の配備を要望しています。古くなったと言われていた核弾頭の最新鋭化も促しております。
 これにはアメリカ側から驚きの声が上がっているんですね。アメリカ側のメモを見ますと、日本側が、低爆発力の地中貫通型核兵器が拡大抑止に特に有効だと述べた、委員の一人は、我々が今聞いたことはびっくりさせるものだと、こういうふうに記されております。
 さらに、日本側は、核兵器が搭載できる戦略ミサイル原子力潜水艦の運用や、B2、B52のグアム配備にも言及をしております。その上で、潜在的な敵が核能力の拡大、近代化を思いとどまらせるための十分な質量の核戦力を要求しています。戦略核弾頭の大幅削減については、事前に日本との緊密な協議が不可欠だと、こう言っているわけですね。つまり、アメリカの核削減に反対をして、質量共に核戦力の維持、増強を求め、核弾頭の最新鋭化、小型核兵器まで促しております。
 こういう発言を日本がしたんじゃないですか。発言、協議、いかがでしょうか。

○国務大臣(河野太郎君) 日本側から四名の者がこの戦略体制委員会の会合に参加したことは事実でございますが、個別の会合に誰が参加し、どのようなやり取りがあったかについては、戦略体制委員会の会合は対外的に議論を明らかにしない前提で行われておりますので、米側の最終報告書にある以上の詳細についてお答えをすることは差し控えます。

○井上哲士君 アメリカ側からはいろいろ発言されているんですよ。
 例えば、この諮問委員会のメンバーであるジョン・フォスター氏が、議員が、同年五月七日のアメリカ上院軍事委員会の公聴会で証言しています。特に日本の代表は、米国の核の傘としてどんな能力を保有すべきだと自分たちが考えているかについてある程度まで詳細に説明した。彼らが語った能力とは、ステルス性があり、透明で迅速であること、また、堅固な標的を貫通できるが副次的被害は最小化し、爆発力の小さい能力を望んでいたと、こうはっきり議会で証言しているんですね。
 これ、先ほどのメモを裏付ける内容だと思うんですね。アメリカの議会の発言でありますから、こういう内容があったことは認めるべきではありませんか。

○国務大臣(河野太郎君) 当時のやり取りの詳細については、先ほども申し上げたとおり差し控えたいと思いますが、我が国は米国の特定の装備体系の保有等について判断する立場になく、米議会戦略体制委員会とのやり取りにおいて、御指摘のような特定の装備体系を米側が保有すべきか否かについて述べたことはないと承知しております。

○井上哲士君 トマホークの廃止は反対なので、明確に述べているんじゃないですか。
 私は、被爆者や日本国民の多数がオバマ政権の核削減に歓迎をしていたときに、国民に隠れてアメリカに対して全く逆のことを言っていた、核削減反対をしていた、これは本当に許せないと思うんですね。
 しかも、この委員会の概要メモには驚くべき発言がありました。アメリカから、沖縄に核貯蔵庫を建設してはどうかという提案があって、それに対して秋葉氏が、説得力があると、こう応対をした。三月五日の赤旗で私ども大きく報道いたしましたが、その後、各紙も報道しました。これは沖縄の沖縄タイムスの一面であります。衆議院の答弁で、大臣は、北米局を通じて秋葉次官に確かめたが、そのような発言をしたことはないと確認したと述べられました。しかし、事は衆参の国会で国是として決議をしている非核三原則に関わる問題なんですよ。
 私は、北米局の職員任せではなくて、大臣自身がきちっと事務次官に確認すべきだと思いますけれども、いかがですか。

○国務大臣(河野太郎君) 我が国は、当時、米側からの要望に応じ、日本側の考え方を外交ルートを通じて戦略体制委員会に対して説明したことはあり、我が方の記録を通じ、その議論の詳細を把握しております。その結果、我が方から非核三原則に反する発言や、沖縄に核貯蔵庫の建設を是認するような発言はしておりません。また、この旨は秋葉次官本人にも確認をしております。
 今回の報道や国会の議論を受け、外務省として、日本側との会合に実際に臨席していた戦略体制委員会委員や事務局機能を担当したスタッフ等、合計三名に確認をいたしました。その結果、以下の回答が得られました。戦略体制という機微な内容を扱う委員会の活動を円滑に行うため、会合はあらかじめ決められたとおり対外的に議論を明らかにしない前提で行われた、会合の公式な記録は作成していない、日本側から日本への核持込みを是認するような非核三原則に背馳する話はしていないとのことでありました。

○井上哲士君 このアメリカ側のメモについて、当時委員の一人であったモートン・ハルペリン元アメリカ国防次官補代理も、このメモは自分が当時受け取ったものだ、責任あるスタッフによって書かれた信頼できるメモだと、こう言っているんですよ。
 さらに、今来日中のアメリカの団体、憂慮する科学者同盟のグレゴリー・カラーキー氏が、金曜日に国会内で国会議員との懇談開きました。そこで新たなメモを明らかにいたしました。同委員会の情報を管理しているアメリカ平和研究所から氏が開示を受けたもので、意見聴取の参加者によると見られるこれ手書きメモです。概要よりも更に詳細にやり取りが分かります。
 これによりますと、シュレジンジャー副議長が核兵器の地上配備について政策を調整するつもりはあるかと秋葉氏に聞いたら、秋葉氏は、ある一部が非核三原則の核を持ち込ませずに見直しについて話しているけれども、政治的には現実的でないと、こう回答した。そうしたら、シュレジンジャー氏が、兵器抜きの沖縄への核貯蔵庫についてはと聞いたら、秋葉氏が、私には説得力があるように聞こえると、こう答弁したという、より詳しい、生々しいやり取りなんですよ。
 そこで大臣、お聞きしますけれども、大臣は衆議院の答弁で、弾薬庫を将来核兵器の貯蔵のためにいつでも使える状態に維持しておくことは日本としては認められないという我が党赤嶺議員の質問に、そのとおりだと述べられました。そうであるならば、このメモの秋葉氏の発言は日本の立場とは相入れないものになるわけですね。重大だと思うんですよ。
 日本側の記録の提出とともに、アメリカ側にも関連資料の開示を求めて国会に提出していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○国務大臣(河野太郎君) 戦略体制委員会の会合は、対外的に議論を明らかにしない前提で行われ、既に二〇〇九年に最終報告書が提出され同委員会としての役割を終えているため、かかる調整を現在行うことはできません。日本側の記録についても、同じように対外的に公表しない前提で行われた会議でございますので、公表は差し控えたいと思います。

○井上哲士君 あのね、今この委員会は対外的に明らかにしない前提だと言われました。しかし、先ほども言いましたカラーキー氏は先日の懇談で、この答弁は間違っていると明確に言われました。カラーキー氏は、この委員会は連邦議会の法律によってつくられた委員会であって、今はアメリカ平和研究所が情報を管理していると、全ての記録があって、日本側がオーケーと言えば開示すると述べているんですね。さらに、そもそも協議内容というのは、これは機密情報ではなくて、日本の外務大臣が開示を求めれば開示をできる性格のものだと。
 ところが、この憂慮する科学者同盟が、これ以上の情報を求めても、日本の外務省が情報提供してほしくないと言っているから出せないと向こうが言っていると言っているんですよ。なぜ外務省は情報提供しないように求めているんですか。

○国務大臣(河野太郎君) この委員会は、当初から一貫して対外的に議論を明らかにしない前提で行われたものでございまして、日本政府が米側に対して非公開とすべく働きかけた事実はございません。
 また、今回の報道を受け、事務局機能を担当した米平和研究所のスタッフに改めて確認した結果、会合の公式な記録は作成していないということを確認しております。

○井上哲士君 あのね、沖縄タイムス、三月十九日は、これを裏付ける報道をしております。オバマ政権の国家安全保障会議担当者の証言として、意見聴取はオンレコだった、しかし、後に日本側の要望でオフレコ扱いに変更されたと、秋葉氏の発言の詳細を記した議事録はアメリカ政府内で共有されたと、こういうふうに報道をされております。議論を明らかにしないように求めて、今も情報提供しないように求めているのは日本側じゃないですか。
 この問題は、先ほど答弁ありましたけれども、もし日本側が日本の方針、日本の立場とも違うような、つまり非核三原則に反するような発言をしていたら、これ大問題ですよ。もししていなかったとすれば、アメリカ側にはそういうふうに記録が残っているのに、これ正さなくちゃいけないわけですよ。ですから、責任を持ってこれを突き合わせる必要があると思うんですね。
 カラーキー氏が述べているように、外務省が望めば開示されるんです。開示求めてくださいよ。国会の前に明らかに、国民の前に明らかにして、日本側の今大臣が言っていることが本当なのか、アメリカの記録に残っているのが本当なのか、これ、きちっとする必要があると思うんですよ。それぐらい大事な問題だと思いますよ。いかがですか。

○国務大臣(河野太郎君) この委員会は、当初から一貫して対外的に議論を明らかにしない前提で行われたものであって、日本が会合後非公開とすべく働きかけた事実はありません。
 また、今回の報道を受け、事務局機能を担当した米平和研究所のスタッフに改めて確認した結果、会合の公式な記録は作成されていないことを確認しております。

○井上哲士君 同じ答弁繰り返さないでくださいよ。
 今、外務省が情報提供を求めれば向こうは開示すると言っているんですから、求めてくださいと言っているんですよ。何で求めないんですか。

○国務大臣(河野太郎君) アメリカの平和研究所のスタッフに改めて確認した結果、会合の公式な記録は作成していないことを確認しております。

○井上哲士君 公式な記録、言っているんじゃないですよ。
 私が先ほど示したような様々な概要メモであるとか手書きメモであるとか、それ全部残っているんですから、だから出てきているんですからね。これ、委員会の情報の管理をここはやっているわけですから、これを求めないということは結局、国民の前から隠蔽しようという姿だと思いますよ。
 しかも、これは過去の問題じゃありません。当時協議した駐米大使が、その後もアメリカとのこの問題の協議に関わり続けて事務次官になっているわけですね。この間、国民の声に反して、核削減に反対して、非核三原則に反するような協議が行われたんじゃないか、トランプ政権の核軍備の拡大の戦略にもつながったんじゃないかと。
 この協議の翌年から日米拡大抑止協議が始まりました。先ほどの諮問委員会のアメリカ側のメモでは、NATOの核計画グループのようなハイレベル協議を望むか、こういう問いに対して秋葉氏が、憲法や国内の反対世論が困難にするかもしれないが自分は賛成だと、こう述べたと書かれております。
 憲法尊重擁護義務を持つ公務員が、憲法上困難であるけれども賛成だと言うこと自身が問題だと思いますが、この翌年から始まったこの日米拡大抑止協議、議題は何か、誰が参加し、何回開かれたのか、トランプ政権発足後はいつ開かれてどのような協議がされたのか、明らかにしてください。

○国務大臣(河野太郎君) 日米拡大抑止協議は、日米安保・防衛協力の一つとして、日米同盟の抑止力を強化する方策について率直な意見交換を行うものとして実施しております。本協議は、日米の外交防衛当局の審議官級を代表とし、米国から抑止力の提供を受けている我が国が、米国の抑止政策及び複雑化する安全保障環境下での政策調整の在り方について理解を深める場として機能しております。この協議は、二〇一〇年以降定期的に実施しており、二〇一三年以降でいえば、これまで九回実施しております。トランプ政権下では、昨年六月及び本年三月の二回実施いたしました。
 これ以上の詳細については、事柄の性質及び米側との関係に鑑み、お答えすることは差し控えたいが、北朝鮮の核・ミサイル開発の進展等、我が国をめぐる安全保障環境が厳しさを増す中、極めて有意義な協議であると考えております。

○井上哲士君 二〇〇九年の意見聴取で、秋葉氏らが主張したトマホークの退役反対、こういう内容は今回のNPRに盛り込まれました。日本はすぐに高い評価を与えたわけですね。
 当時、戦略体制委員会の議長だったペリー元国防長官は、トマホークの退役の懸念を示した秋葉氏の発言を覚えている、トランプ政権が検討する新たな水上発射型核巡航ミサイルの再配備について、私は日本政府がそれを望んでいるのではないかと想像していると、こう最近述べられました。
 拡大抑止協議が極めて有意義だという答弁でありますが、こうした協議の内容が今回のNPRに盛り込まれたと、こういうことでしょうか。

○国務大臣(河野太郎君) 日米拡大抑止協議というのは、我が国が米国の抑止政策及び複雑化する安全保障環境下での政策調整の在り方について理解を深める場として機能をしております。
 この場での詳細なやり取りについては差し控えます。

○井上哲士君 ですから、国民の前には何にも明らかにならないんですよ。〇九年の協議のように、国民の声、被爆者の声に反して、核削減は反対だとか、こういうことがやられてもさっぱり分からないということになっております。
 この日米拡大抑止協議はNATOを念頭として始まったわけでありますが、NATOの核管理に、ニュークリアシェアリング、核兵器の共有というものがあります。NATOの幾つかの国が核兵器を借り受ける形で自国内に戦術核を配備して、平時はアメリカに管理を預けているが、非常事態には迅速に迎撃態勢が取れると、こういう状況になっているわけですね。
 河野大臣は二〇一〇年一月十三日のブログで、共同通信主催の日米関係シンポジウムでパネリストを務めたことについてこう述べております。北朝鮮の核を抑止するための日本としての戦略の議論を始めなければならない、その際に、最初から非核三原則ありきではなく、アメリカの核を持ち込むニュークリアシェアリングも検討すべきだと訴えたと、こうブログで書いておられますが、非核三原則ありきでないということは、非核三原則とは相入れないという認識ですね。今もこれを検討すべきだと、そういうお考えでしょうか。明確に答えてください。

○国務大臣(河野太郎君) 政府は、政策上の方針として非核三原則を堅持しております。北大西洋条約機構におけるニュークリアシェアリングは、NATO加盟の非核保有国が核に関する情報共有、協議、計画参加、実施協力を通じ、米国の核抑止を共有しているものと承知をしております。
 我が国は非核三原則を維持する中、我が国を取り巻く安全保障環境が厳しさを増す中で、政府としては、我が国の平和と安全の確保、国民の安全、安心の確保に万全を期すべく引き続き米国と緊密に連携し、日米同盟の抑止力、対処力を一層強化してまいりたいと思います。

○井上哲士君 外交防衛委員会と同じ答弁なんですね。
 私が聞いているのは、非核三原則とこのニュークリアシェアリングが相入れないんじゃないかと、そのことを明確に答えていただきたい。そして、大臣は当時ブログで言われていますけれども、今も検討すべきお考えなのか、そのことを明確に答えてください。

○国務大臣(河野太郎君) ニュークリアシェアリングについては現在検討も研究もしておりませんので、仮定の話を申し上げることは差し控えたいと思います。
 日米安保条約第五条に基づく日本の防衛のための共同対処行動に係る米国のコミットメントには、米国が核を含むあらゆる種類の米国の軍事力を用いることが当然含まれており、我が国として米国が条約上の義務を果たすことに信頼を置いております。
 いずれにしろ、政府としては、政策上の方針として非核三原則を堅持してまいります。

○井上哲士君 これは外防委員会でも言いましたけど、単なる政策じゃないんです。衆参の本会議でも決議を上げられている国是なんですよ。
 そして、今、検討もされていないと言いましたけれども、アメリカの団体、憂慮する科学者同盟の二〇一三年十一月のレポートには、秋葉氏がこの同盟に語ったことが掲載をされております。同氏の考えでは、日本にとって唯一の効果的な核抑止のオプションは、アメリカが冷戦期間中に独自の核兵器を持たない幾つかのNATO同盟国に対して提供したニュークリアシェアリングと同様の取決めだと。さらに、こう述べております。秋葉氏が話したことによると、同氏は日本がヨーロッパのような取決めを必要と考える、中国及び北朝鮮は、使用を決定するのはアメリカの役目ではなく日本の役目になることを知る必要があると。つまり、共同管理をして、いざというときには日本が使用決定に関与する、これが必要だということを述べているんですね。
 非核三原則は国是だ、これに反することを外交官が発言している。私、本当に重大だと思うんですね。
 外交防衛委員会で質問いたしますと、大臣は、秋葉氏に確かめたけれども、憂慮する科学者同盟関係者と会って話をした記憶はないと言っていたと答弁されました。
 カラーキー氏がこの答弁に驚いたんですね。私、確かめますと、二〇〇九年十一月と二〇一二年十一月に会った記録があると氏は述べておられますけれども、事前に言ってありますけれども、確かめられましたか。

○国務大臣(河野太郎君) 三月二十日の質疑では、当日配付された井上議員の資料を受け、時間も限られていたことから、担当部局から秋葉次官に急ぎ電話し確認したところ、秋葉次官は、何ら思い当たることがなく記憶にない旨答えたのことであり、当該報告を踏まえて答弁を行いました。
 その後、二十三日に井上委員から、秋葉次官が会った相手の氏名と日時、場所の指摘を受けたので当該情報を基に担当部局で確認したところ、平成二十四年十一月九日に外務省で当時の秋葉北米局審議官がカラーキー博士と懇談を行った際の記録を確認いたしました。この記録は、専ら先方発言のうち興味深い点を記したもので秋葉審議官の発言は記されておりませんが、この記録によれば、カラーキー博士は秋葉審議官に対し中国の核や宇宙について話をしたとされております。秋葉次官にはこの記録を見せた上で当時のやり取りを改めて担当部局が確認しましたが、同次官はこの懇談について思い出せないとのことでありました。
 いずれにしろ、政府としては、非核三原則を堅持しており、外務省幹部が非核三原則に相入れない政策を推進する趣旨で発言することは考えられないと思っております。

○井上哲士君 あのね、記憶にない、資料がない、あっても出せない、どこかで聞いたような話ですよ。結局、この間政府がやってきた様々な隠蔽と同じ姿が、この核兵器という、日本にとって、被爆者にとってこれほど大事な問題でまた行われている。私は本当に怒り感じますよ。
 この本委員会に秋葉氏本人に出席をしていただきたい。それから、戦略体制委員会に提出をした日本のメモ、外務省が持っている協議内容の提出を求めたいと思います。そして、アメリカの関連資料、この提出も政府として求めて提出をいただきたい。
 協議を求めます。

○委員長(金子原二郎君) ただいまの要求に関しましては、後刻理事会で協議をさせていただきます。

○井上哲士君 核兵器禁止条約に日本政府が反対をしたことに対して、昨年八月九日、長崎の祈念式典で被爆者の方が総理に面と向かって、あなたはどこの国の総理なのかと、こう言いました。私も言いたいと思うんですね。今、国民の知らないところで、被爆者や国民の願いである核兵器のない世界の実現、そして国是たる非核三原則に反することを発言をしていたとすれば重大だと思うんですね。アメリカからこれだけの資料が出ているんです。発言も出ているんです。ところが、日本政府からは何もこれを裏付けることは出されておりません。こういう隠蔽は許されないと思います。
 総理、核兵器のない世界を目指すというのであれば、総理の責任でこういう一連の事実、資料を明らかにしていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 非核三原則の方針は全く揺るがないわけでございます。
 その上で申し上げれば、今この資料についての政府としての考え方は河野大臣から既に答弁させていただいているとおりでございます。

○井上哲士君 河野大臣からは何も明らかにされていません。
 国民も被爆者も全く納得しておりません。真実の資料の提出を求めて、質問を終わります。

○委員長(金子原二郎君) 以上で井上哲士君の質疑は終了いたしました。(拍手)

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