国会質問議事録

ホーム の中の 国会質問議事録 の中の 2018年・196通常国会 の中の 外交防衛委員会(防衛省自衛隊イラク「日報」隠ぺい問題①)

外交防衛委員会(防衛省自衛隊イラク「日報」隠ぺい問題①)


○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。
 国会に対して防衛省が、ないとしていたイラクの日報が実はあったということが二日の会見で明らかになりましたが、さらに昨日、研究本部で発見されたのは昨年三月二十七日であったという驚きの会見であります。実力組織である自衛隊が大臣や国会を欺いてきたと。軍部に強大な権限を持たせて暴走を許したあの戦前の教訓からシビリアンコントロールが生まれたわけでありますが、その根幹を揺るがす事態、深刻な事態だと言わざるを得ません。
 今日の議題は防衛省設置法の改正案でありますが、三年前のこの法律の改正で、制服組が大臣を直接補佐をすると、こういう、我々は改悪と思っておりますが、行われました。シビリアンコントロールを崩すとして当時反対をしたわけでありますが、その後起きているこういう事態なわけですね。
 大臣は先ほど来の答弁で、その南スーダンPKOに関わる特別防衛監察の結果によって日報を一元管理をすることになったと、その過程の中でこの問題が明らかになったので、シビリアンコントロールは利いているという趣旨の答弁をされました。私、全く逆だと思うんですね。この日報隠蔽が大問題になって大臣が特別監察を命じたと、そのさなかで出てきたにもかかわらず、それを再び隠蔽をしたわけですよ。全く、むしろシビリアンコントロールが利いていないことの私は表れだと思います。
 そういう深刻な事態だということへの大臣の認識を改めてお聞きしたいと思います。


○国務大臣(小野寺五典君) 今回このような、日報を、これは当時の稲田防衛大臣でありますが、イラクの日報について調査するようにという指示があったにもかかわらず、昨年の三月二十七日の段階で研究本部がこの日報の存在を認識していたということ、これは大きな問題であり、私も大変遺憾だと思っております。
 そして、これがなぜ分かったかということは、今回再発防止の一環としてこの日報の一元管理をするという中で日報の存在が確認をされ、それが三月三十一日に私に報告がありました。私は、その報告を受けた中で、なぜ昨年の時点で分からなかったのかということを再度調べるように指示をし、その結果、先ほどお話しした、もう既に昨年三月二十七日の時点で研究本部においてイラクの日報があったことを認識していた者がいたということ、これが確認をすることができました。
 そして、昨日、私の方からこのことを公表し、そして、まだどの範囲でこのことを知っていて上に上げなかったかという、それが確定していませんので、大野大臣政務官を中心にして今そのことをしっかり調べてもらい、この問題に対しては厳正に対処していきたい、そのように思っております。


○井上哲士君 昨年の南スーダンのときも、当時の稲田大臣は、私が指示したから探して出てきたんだと、そういうことを何遍も言われましたよ。しかし、その裏で実は陸幕にあったものは隠されていたと。私、同じこと繰り返されていると思うんですね。シビリアンコントロールやっているやっているといいながら、実際には見付からなければいいと、隠蔽が行われてきたと。
 特別防衛監察が出た直後に閉中審査で小野寺大臣にただしたことがありますが、この特別監察結果が出た十日ぐらい後に陸自のフォーラムが行われて、当時の陸自の前田防衛部長が主催者挨拶としてこういうふうに言ったと、こういうものなんですね。日報問題等で陸自が隠蔽組織ではないかという報道がありましたけれども、そういうところは一切なくて、文書管理上のミスはあったと、こういう挨拶だったんですよ。大臣にただしますと、残念なことであり、私からは該当する隊員に対して注意喚起を行いましたと、こういう答弁でした。
 これ、注意喚起なんというものじゃないんですよ。文書管理のミスをしたと。私に言わせれば、ばれたからまずかったと言っていたようなものですよ。それを注意喚起という程度で収まらせた。私はこの認識に大きな問題があると思いますよ、今も。どうでしょうか。


○国務大臣(小野寺五典君) 注意喚起という言い方というのは、私がこの前田部長を呼んで厳しく指示をした、指導をしたということであります。私も、この認識はこれは違うということは明確にお話をさせていただきました。


○井上哲士君 私言いたいのは、特別監察でやられていても、実際にはこのイラクでも同じように新たな隠蔽が行われていたと。自分たちはそういうことは文書管理のミスしかなかったと、こういう認識で全く変わっていなかったということですよ。そのことを見てメスを入れるということが私は大臣は必要だと思います。
 具体的に聞きますけれども、今回の昨年の三月以来明らかになっていなかった問題ですが、昨日の会見では、少なくとも政務三役、内部部局、統合幕僚監部には報告がなされていなかったと、こういうふうに言われていますが、陸幕はいつ承知したんでしょうか。


○国務大臣(小野寺五典君) その点が私どもとして、今回、三月三十一日、昨年ですが、そのときにこのイラクの日報をあるのが分かっていたのにそれをしっかり報告しなかった範囲がどこまでなのかということを確認する中で、今、陸幕も一つの対象の中で、大野大臣政務官が調査チームの中でどこまでがその範囲かというのをまず調べるということをしていることになります。


○井上哲士君 つまり、陸幕は知っていた可能性があるということになるわけで、一層私は深刻な問題だと思います。南スーダンで起きた、その特別監察を受けている、その陸幕が知りながら全体として隠蔽をしていたという可能性がある。極めて深刻な問題であります。
 昨年三月に知りながら大臣に報告してこなかったというこの問題と同時に、昨年の二月に、国会質問や資料要求に対してイラク日報はないと、こういう虚偽答弁を稲田大臣がしたという問題。それから、今年一月に陸幕が報告を受けながら、大臣への報告が予算成立後の三月末までずれ込んだという問題。これは、それぞれ自衛隊の、防衛省の隠蔽体質として厳しく問われなければならないと思います。
 具体的にお聞きしますけれども、今回、陸幕の衛生部と研究本部にそれぞれ保管をされていたというこのイラク日報の文書は、それぞれいつ作成され、どういう形態のデータだったのか、また文書管理上の取扱いはどのようになっていたでしょうか。


○政府参考人(鈴木敦夫君) お答え申し上げます。
 今回見付かりましたイラクの日報につきましては、陸上幕僚監部衛生部で確認された文書につきましては、作成、取得年度が二〇一五年度、平成二十七年度になります、とされており、紙媒体で管理されておりました。
 また、研究本部で確認されました文書につきましては、作成、取得年度が二〇一三年度、平成二十五年とされておりまして、外付けハードディスクというところにデータで保存されていたということでございました。


○井上哲士君 文書管理上の取扱い、つまり、何年保存とかはどうなっていますでしょうか。


○政府参考人(鈴木敦夫君) お答え申し上げます。
 衛生部の方で見付かりました文書につきましては、保存期間が五年間、保存期間満了時期が平成三十三年三月三十一日となってございます。
 それから、研究本部で確認されましたものにつきましては、特定日以降一年、特定日以後一年で破棄ということに措置されたというふうに承知しております。


○井上哲士君 つまり、両方とも公文書だったということですね。


○政府参考人(鈴木敦夫君) そのとおりでございます。行政ファイルに入っている行政文書でございます。


○井上哲士君 南スーダンの日報の隠蔽のときは用済み後廃棄することになっていたと。しかし、それを探してみたらあったと。しかし、これは個人データであって行政データじゃないから公表しないことにしましょうと、こういう話になったわけですね。
 今回は、これ明確な公文書なんですよ。今言われたように、衛生本部について言いますと、保存期間中の公文書なんですね。保存期間中の公文書が資料要求されて、中身を、ないと言っていたと。何でこんなことになるんですか。法律違反じゃないですか。


○政府参考人(鈴木敦夫君) 御指摘のございました衛生部の方に見付かりました、この確認されましたイラクの文書でございますが、昨年二月の段階のときは、国会等での答弁ということでございまして時間的に限られた中で限られた部署での検索、探索ということでございましたので、衛生部はその検索の、探索の対象になっていなかったということが事実でございます。


○井上哲士君 公文書として保存してあってもどこにあるのか分からないと、何のための公文書保存かということになるわけです。よっぽどずさんなのか、それとも意図的に隠してきたのかということが問われると思います。
 陸幕から統幕、統幕から大臣への報告は合わせて二か月半掛かっているわけですが、このことに対して、先ほど大臣からは、昨年の特別監察であるように、職務遂行の義務違反ということが指摘をされているという下で、大臣からは、直ちに自分に報告されるべきだったと、こういう御答弁が先ほどありました。
 ただ、私、二日の大臣の会見見ていますと、記者から、こんなに掛かってどうだったのかというふうに聞かれて、どういう経過があったということは確認をしたいと思いますと、こう言うばっかりで、当時、遺憾とも、すぐ報告されるべきだったという発言は二日にはありませんでした。その後、遺憾と言われたことはありますが、やっぱり最初の姿勢は私、大変おかしいと思います。
 それで、聞きますけれども、総括官も先ほどいろんなことを言われましたが、本来、昨年の特別監察で大臣報告に一か月要したことが自衛隊法五十六条の職務遂行義務違反とされているということから考えれば、今回これだけ掛かったことはこれに違反をしていると、こういう認識は今ありますか。


○政府参考人(鈴木敦夫君) 先ほど御説明させていただきましたように、大臣に御説明するのに十分な作業をしようということで時間が掛かってしまったということでございますが、御指摘がございましたように、南スーダンのPKOの問題の反省等を踏まえれば、こうした事案を認知しているのであれば直ちに大臣に一報すべきであったというふうに認識しております。


○井上哲士君 私、去年の特別監察の経過を見れば、陸自に実はあったということが判明して大臣に報告するまでの間、事務次官を含めて何回も協議しているんですよ。それを今回あなただけが判断をしたという先ほどのことは、全く私は信用できません。そのことは申し上げておきたいと思いますが。
 さらに、昨年の二月十六日にイラク日報の資料請求があって、二十日には稲田大臣が我が党の畠山衆議院議員に対して、イラクに関して日報は残っていないことを確認いたしておりますと、こういう答弁を行っておりますが、この答弁までに今回の日報の存在が確認をされた研究本部については調査をしていたのか、また、それが終わっていたのか、全体の調査は何日まで行っていたのか。いかがでしょうか。


○政府参考人(鈴木敦夫君) 昨年二月の御指摘の国会での資料要求ですとか質疑ですとか、そうしたものに必要な材料をそろえていたということにつきましては、限られた時間という中で、今回出てきました陸幕の衛生部ですとか研究本部はその探索範囲から除いていました。
 ただ、国会での御質問を受けて、今回もお話しさせていただいておりますけれども、二月二十二日に当時の稲田大臣から事務方に対して探索指示がなされまして、三月十日までにこの陸自研究本部につきましては改めて探索が行われました。そして、三月十日の日に確認されなかったという結果でございましたけれども、昨日公表させていただきましたように、それとは異なる結果として、その三月十日まではそういった状況でございましたけど、三月二十七日には確認されていたという事実が出ましたので、今それにつきまして調査をしているという状況でございます。

○井上哲士君 つまり、二十日の大臣の答弁の時点では、まだこの研究本部については調査をしていなかったということでありますが、これ、研究本部は海外派遣部隊のデータを全部保存しているわけですよ。一番あるところじゃないですか。なぜここを除いたんですか。


○政府参考人(鈴木敦夫君) やはり、早急に探す必要があるというところで、限られた時間で限られた探索結果、具体的に申しますと運用系統という部署だけを探索したということでございます。


○井上哲士君 いやいや、ここにデータがあるんですよ。誰でも知っている話ですよ。そこを意図的に除いたんじゃないですか。
 そして、しかも、そういう調査がまだ、つまり終わっていないにもかかわらず、大臣はイラクに関しては日報は残っていないことを確認しておりますと断言をしたんですよ。これ虚偽答弁じゃないですか。小野寺大臣、いかがですか。


○国務大臣(小野寺五典君) それ、そのとき私が防衛省にいたわけではないので内容はつまびらかには分かりませんが、少なくても事務方が稲田大臣に対して正確な状況を上げて大臣に答弁をさせるということは、これは確実に行わなければいけないということであります。
 今回、事務方の確認が十分でない、あるいは、もしかしたらその内容についてつまびらかではない中で大臣にそのような答弁についての資料を上げたということはあってはならないことだと思っております。


○井上哲士君 何でこういう答弁を行ったかと。これ、当時、南スーダンの日報が実は陸自にあったと、それをどう隠すかというその協議の真っ最中だったわけですよ。
 この特別防衛監察の報告書を見ましても、二月の十五日に陸幕長や統幕長、事務次官が協議して、陸幕にあったものは、これはもう個人データだから出さなくてもいいということに、行政文書で管理されているか不明だという説明を受けるわけですね。翌日の十六日に、次官が、保存されていたものは個人データであって対外説明をする必要はないと、こういうことを言うわけです。そして、その間の十五日の夜に大臣に説明がされているんですね。この防衛監察の中では、その十五日の夜の事務次官室で打合せの後に、防衛大臣に対して、この説明した際に、陸自における日報データの存在について何らかの発言があった可能性は否定できない、こういうことが書かれました。
 つまり、この十五日の、十五から十六にかけて、陸自にはデータがあったけど個人データということで公表しないでおこうと、こういうことが大臣も含めて議論された疑いが濃いんですよ、この特別監察を見れば。その後の答弁で、だから、イラクの問題も調べもしないでないことにすると、こういう答弁を行ったんじゃないですか。特別監察を見ても私はそうしか考えられませんけれども、大臣、いかがお考えでしょうか。


○政府参考人(鈴木敦夫君) 少し事務的な話もございますので、御説明させていただきます。
 特別監察につきましては、御案内のように、南スーダンのPKOの日報ということでございますけれども、もう一つ、今回、このイラクの日報が研究本部で出てきたものにつきましては、これはいわゆる先ほど申し上げましたように外付けハードディスクというところでございます。このハードディスクの中には三十数万件に及ぶようなデータが入っておるということでございますので、直ちにそうしたデータ、今回のイラクの日報というものが出てくるというような形にはなってございませんので、そうしたことも国会での御議論の後にでも、三月十日時点でも確認できなかったという背景ではないかと思われますが、ただ、他方におきまして、二十七日には確認できたという事実も、あれもございますので、そこについては現在調査しているというところでございます。


○井上哲士君 そんなこと言っているんじゃないんですよ。二月二十日の段階で調査もまだ終わってもいないのに、ないと断言をしたと、その背景には南スーダンの陸自にあったことを隠す相談を幹部でしていたと、その結果じゃないんですかということを言っているんですよ。
 この問題は更に追及していきたいと思いますが、結局、なぜこのイラクの日報が隠蔽をされたのか。南スーダンでは戦闘という実態を隠すということが言われました。
 この陸自がまとめた内部文書で、第一次復興支援群長を務めた番匠幸一郎氏は、イラク派遣は純然たる軍事作戦だったと、こういうふうに書かれております。実際、宿営地等への攻撃は十四回にもわたり、宿営地内の着弾もありました。陸自部隊が群衆に取り囲まれて投石を受けるという事態もありました。こういう事態、生々しいことの報告を隠すためじゃないかと。
 オランダや米英は戦後に独立調査委員会を設けてイラクの検証をしておりますが、日本はしておりません。私はそれができるようなものにしなくちゃいけないと思いますが、黒塗りばかり、四月半ばには公表されるそうでありますが、黒塗りばかりとか、そういう資料であってはならない。検証に値するような最大限の公開を求めたいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。


○国務大臣(小野寺五典君) 御指摘のように、この文書、公文書であります。これは国の諸活動や歴史的事実を記録するものであり、国民主権の理念にのっとって、その諸活動を国民に説明する責務を全うするため、適切に情報を開示する必要が私どもあると思っております。
 他方、その中には自衛隊の任務の効果的な遂行に支障を生じるおそれの部分もありますが、私どもとしてはできる限り適切に情報を開示していくことが大切だと思っております。


○井上哲士君 当時の事態を明らかにするために、当時の稲田大臣の参考人の招致を求めたいと思いますが、よろしくお願いします。


○委員長(三宅伸吾君) ただいまの件は後刻理事会において協議いたします。


○井上哲士君 今回の問題は、財務省の森友での改ざん、名古屋市の中学校への文科省による介入、東京労働局長がマスコミに対する調査権かざした脅しなど、今、安倍政権の下での隠蔽、暴走が、その一つだと私は思います。
 極めて重大な問題だということを重ねて指摘をして、質問を終わります。

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