国会質問

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外交防衛委員会(防衛省自衛隊イラク「日報」隠ぺい問題⑤)


○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。
 イラク日報の問題の調査報告書について質問をいたします。
 ないとされていたイラク日報が昨年三月に陸自内で発見をされたにもかかわらず、約一年間大臣に報告がなかった。この問題について、組織的隠蔽はなくて、統幕の職員が防衛大臣からの指示を十分に履行できなかったこと及び教訓課における事務処理が不適切であった、これが理由と結論付けております。これでは国民の疑念は晴れないんですね。
 南スーダンの日報の隠蔽でも政治的動機が問われました。先ほど来、意図のあるなしはシビリアンコントロールとは関係ないという提起もありました。同時に、本当に意図がなかったのかということも問われると思うんですね。
 元イラク派遣航空支援集団の司令官を務めた織田氏が、四月五日の産経新聞で、自衛隊のPKO参加は紛争当事者間での停戦合意が前提だが、南スーダンでは政府軍と反政府勢力の衝突が相次いでいた。陸自は国会で問題にならないようにそんたくして南スーダンの日報を破棄された扱いにしようとしたのではないかと、こういうふうに述べられております。
 特別監察結果はこういう政治的動機の究明には踏み込んでおりません。しかし、それでも南スーダン特別監察は、陸自のCRFの副司令官が南スーダン日報の存在を確認しながら、行政文書の体を成していない個人資料だとして情報開示の対象から外した意図として、部隊情報の保全や開示請求の増加に対する懸念があったということが特別監察には書かれました。
 ただ、今回の報告では、イラク日報が発見されたことが大臣に報告されていなかった理由は、先ほどあったような大臣指示の不徹底や事務処理の問題とされまして、意図、動機は一言も触れられておりませんけれども、一体なぜでしょうか。


○政府参考人(高橋憲一君) お答えいたします。
 今回のイラク日報調査チームによる調査の結果でございますが、以下の事実が明らかになってございます。
 まず、イラクの日報の存在を認知した者が、稲田防衛大臣の再探索指示や情報公開請求に係る業務においてイラクの日報の探索を行っていたことを認識していたという事実は確認できませんでした。
 他方で、統幕の職員が稲田防衛大臣からの指示を十分に履行できなかったこと及び教訓課における事務処理が不適切であったことなどが、平成二十九年三月二十七日にイラクの日報が発見されていたにもかかわらず稲田防衛大臣に報告が上がっていなかった理由であるとの結論に至りました。
 こうした不適切な対応について、隠蔽することを含めて、特別の意図や動機が確認されなかったため、御指摘のような事項については、報告書にはその事項は記述されておりません。
 以上でございます。


○井上哲士君 情報共有や事務処理の問題だと、こういうふうになっているんですね。
 しかし、およそこれは信じられないわけですよ。当時、国会冒頭から日報の隠蔽問題が大問題になっておりました。さらに、三月になって、日報が当初から陸自に存在をして、つじつま合わせのために廃棄をしていたということも報道で明らかになったわけですね。つまり、去年の二月から三月にかけての予算委員会の質疑が全部虚偽だったと、これが大問題になって特別監察が指示をされました。ですから、もう連日、テレビ、報道もこの問題をやっていたわけですよ。そのさなかにこれが起きたわけですね。
 報告では、通達に基づく探索の中で、研究本部でイラク日報が発見をされて、陸幕への報告が必要じゃないかという議論になったけれども、通達が求めるのは南スーダン日報の報告だからイラク日報については報告の必要はないと、こういうふうに判断をしたというふうに書かれております。それから、イラク日報への情報公開請求に基づく探索依頼について、三月二十七日の情報公開請求ですね、これについても、担当者は発見されていたことを知らず、再度探索もしないまま不存在と回答して、それを上司にも報告しなかったと、こういうふうになっているんですよね。
 これは余りにも不自然と思うんですね。あれだけ日報隠蔽が社会的に大問題になっていて、イラクの日報を発見しながら報告の必要はないと、そんな判断が果たして行われることがあるのかと。そして、情報公開に対して、きちっと存在を確かめずに不存在として回答したと、この手続も大問題に当時なっていたわけですね。普通、新聞やテレビ、自分たちの関わる問題があれだけ大問題になっていて、そのことが問われたときに、情報公開請求に対して探索もせずに不存在と回答し、それを上司にも報告しなかったって、これはあり得ない話ですよ。余りにも不自然、およそ信じ難いことだと思うんですね。
 当時の担当者たちは、こうした国会の状況や報道について全く知らなかったというんですか。いかがですか。


○政府参考人(小波功君) お答えいたします。
 ただいま先生が御指摘になりましたように、当時いわゆる南スーダンの日報問題というのは大変大きな問題になっておりまして、今御指摘ありましたように、連日国会での議論等もいただき、また、既にこの三月の中旬以降でございますと特別防衛監察等、あくまでも南スーダンの日報問題について防衛省全体としてそれに対する対応が厳しく求められていた時期でございます。
 その状況の中で、今回起こりましたことはあくまでもイラクの日報の問題、イラクの活動というのはもう皆様方御案内かと存じますけれども、既に当時からいたしましても約十年以上前に活動が終了していたものの文書の存在の問題でございまして、今回私どもも、今先生からるる御指摘いたしましたような観点について、一般の国民目線に立って厳しく調査を行うようにということで、チーム長である大野政務官、また防衛大臣からも直接御指導いただきまして、そのような観点についてるる調査を行ってまいったところでございます。
 この点については、私どもとしてはそのような観点をるる調査いたしましたけれども、明確に、先ほど来先生方から御指摘いただきましたような、イラクの日報の存在を認知した者が、稲田防衛大臣の再探索の指示でありますとか情報公開業務に係る業務においてイラク日報の探索を行っていたことを認識していたこと、また、明確にその当時イラク日報の問題自体が各種報道等で議論になっていた等々のことについて認識していたという事実を確認できませんでした。そのためにこのような調査結果になるとともに、御指摘させていただきましたような事務処理については極めて不適切な点が多く存在いたしましたので、今回、それらについて厳しい処分をされたというふうに理解しております。


○井上哲士君 自衛隊の中でも、例えば前線の部隊じゃないんですよ、こういういろんな情報や教訓を扱うそういう部署の皆さんが、当時それが一番大問題になっていた国会の状況や報道をその程度しか知らなかった、およそ考えられないと思うんですよ。
 そして、南スーダン、南スーダンと言われますけれども、例えば情報公開請求に対してきちっと探索をせずに答えていたと、この在り方も問題になっていたんですよ。それを再探索もせずに、ないと回答して、それを上司に報告もしなかったと、そんな組織なんですかね、自衛隊というのは。大臣の指示も徹底されない、こういう大きな社会問題になっていることに対しての対応があっても上司にも報告しないと。およそ考えられないですよ。ですから、私は、この報告書というのは本当につじつま合わせのままで全く真相に切り込んでいないと、こういうふうに思うんですね。
 これでは、イラク派遣の実態を隠したかったんではないかという国民の疑念は深まる一方なわけですが、この間、明らかになった日報には、いわゆる非戦闘地域とは程遠い実態が生々しく明らかにされてきております。攻撃という、戦闘という言葉も何度も登場してきたわけですね。ところが、宿営地に対する攻撃などが集中をした二〇〇四年の日報はほとんど発見をされておりません。なぜ二〇〇四年の日報はないんでしょうか。


○政府参考人(鈴木敦夫君) お答え申し上げます。
 先月、約一万五千ページ、延べ四百六十九日分のイラクの日報について公表させていただきました。これらにつきましては、四月七日に防衛大臣からの指示等にございまして、全ての部隊、機関において海外に派遣された自衛隊の活動に関し、全ての日報を含む定時報告の探索作業を徹底して行って統幕への集積作業を行った結果その存在が確認されたものであって、確認された全ての日付の日報を公表したところでございます。
 このうち、御指摘の二〇〇四年、平成十六年でございますが、このときに作成されたイラクの日報については、現時点では二十九日分が確認されておるというところでございます。
 現時点で確認されていない日報について、その確認ができない理由を個別にお答えすることは困難でございますが、一般論として申し上げれば、当時の文書管理者の中には保有する日報の保存期間を一年未満の期間としていた者もいたと考えられることなどから、保存期間満了後、該当文書を破棄したこと等も考えられます。
 いずれにいたしましても、お尋ねにつきましては、イラクの日報等の保有状況について、こうした保有状況に関する記録が確認できないため、確定的にお答えすることは困難でございます。
 ただ、しかしながら、現状におきましては、防衛省では、昨年の南スーダン日報に関する再発防止策として、こうした行動命令に基づき活動する部隊が作成した上級部隊の定時報告、これにつきましては統幕参事官において一元的に管理することになりまして、十年間保存した後は国立公文書館へ移管することされました。
 こうしたことによりまして、今後はより適切な文書管理が行われるとともに、情報公開等にも適切に対応できるようになるものと考えてございます。


○井上哲士君 〇四年の分だけないというのが不自然なんです。〇四年の分だけ破棄したんですか。そういうことは確認されているんですか。


○政府参考人(鈴木敦夫君) 繰り返しになりますが、今この時点で確認されていない日報について、その確認できない理由というのを個別にお答えすることは困難でございます。ただし、当時の文書管理の状況等を考えますと、保存期間満了後に当該文書を破棄したということも考えられます。
 ただ、いずれにいたしましても、そうした保有状況に関する記録、これがございませんので、確定的にというか、今の時点でどうしてそうしたものが破棄されたのかということをお答えすることは困難でございます。


○井上哲士君 驚くべき答弁ですよね。
 イラクの日報は誰の指示に基づいたもので、報告内容、報告時期、様式、報告書はどういうふうになっていたんでしょうか。


○政府参考人(鈴木敦夫君) 行動命令に基づき活動する部隊の上級司令部や指揮官に報告するために作成される定時報告のうち、陸自のイラク日報につきましては、これまで作成の根拠ですとか報告を受ける上級部隊、報告の経路等の詳細について国会等の場で度々御質問いただきました。
 しかしながら、それまでにはイラク派遣に関する上級部隊の命令などやそうした指示などが、一般に日報の報告要領が定められている文書、これが特定できなかったことから確たることを申し上げられなかったというふうにお答えしてきたところでございますが、その後、陸上自衛隊の日報作成の根拠となった文書につきましては、省内で探索を行った結果、第六次、第八次及び第九次隊のイラク復興支援群等の派遣、交代等に関する陸上幕僚長指示、また、第五次隊の当該陸上幕僚長指示の案文等が確認されております。これらの文書におきまして、報告書の報告内容、それから報告時刻、様式などが定められているというところでございます。


○井上哲士君 その文書によりますと、日々報告は、前日十七時の状況をその日の二十二時までに報告すると、支援群長が報告するということになっているわけですね。こういう明確な指示に基づいて行われたものが、その後どうなっているか分からぬと。
 じゃ、誰が報告を受けて、それはどういうふうにその後使われていたのか。あの南スーダンPKOの場合には、陸自指揮システムにアップロードされて、それが毎日モーニングリポートにも使われたとなっていましたけれども、そういう、どこが受領して、その後どういうふうに使われたかというのは明らかになるんでしょうか。


○政府参考人(鈴木敦夫君) 先ほど御報告させていただきましたこうした陸上幕僚長の指示、この文書の中には、先ほど申し上げましたとおり、報告の種類、報告の時刻、報告要領等が定められておりますが、具体的な日報の提出先、これについては記載がございません。ただし、当時の担当者等に聞き取りを行った限りでは、この日報につきましては、電子メール等の通信手段を用いまして、現地部隊が陸上幕僚監部などに送付していたものというふうに承知してございます。


○井上哲士君 驚きますよね。当時の派遣に行かれた佐藤外務副大臣も、イラク現場で日報を書いて送った元隊長としては非常に残念ですと、少なくとも教訓を集める陸自の研究本部では過去の日報が電子データで残っているかと思っていたと「正論」に書かれていますよね。そんないいかげんな扱いがされていたのか。どこが受けたかも分からないと。
 少なくとも、南スーダンの日報の場合は、陸自指揮システムに一旦アップロードされた。それが、誰が見れるかということも明らかにする中で探索したら、結局......


○委員長(三宅伸吾君) 井上君、時間が参りましたので質疑をおまとめください。


○井上哲士君 現在、過去合わせて二百三十六人が保有していたと、こうなっていたわけですよ。それが、誰が受けたかも分からない、どこにあったかも分からないと、だから二〇〇四年のがどこにあるか分からないと。こんないいかげんなことでは、およそ国民は納得しません。やっぱり実態を隠そうとしたんではないか。更にこの問題を追及していきたいと思います。
 以上、終わります。

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