国会質問

ホーム の中の 国会質問 の中の 2018年・196通常国会 の中の 外交防衛委員会(イージスアショア配備計画と巨額のFMS調達問題、米国の国連人権理事会脱退について)

外交防衛委員会(イージスアショア配備計画と巨額のFMS調達問題、米国の国連人権理事会脱退について)

○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。
 モントリオール議定書の改正の承認については、地球温暖化対策のために必要なものであり、賛成であります。
 まず、外務大臣にお聞きいたします。
 アメリカが十九日に、反イスラエルの姿勢や人権侵害国が理事国入りしているのは問題だとして、国連の人権理事会から正式に離脱することを表明をいたしました。人権理事会は、世界の人権水準を引き上げるために加盟国の人権水準を検証し、改善に向けた勧告などを実施をしてきました。この間、連続九年、北朝鮮の人権状況決議も上げられております。
 アメリカの離脱がこういう人権改善に向けた国際的活動に悪影響を与えるんじゃないかと国際NGO団体からも懸念の声が出ておりますけれども、日本政府としてはどうお考えでしょうか。


○国務大臣(河野太郎君) 我が国は、国連の人権理事会設立以来、長年にわたり同理事会の理事国を務めてきており、この人権理事会が様々な課題に直面しながらも世界の人権保護促進に果たしてきた役割を評価をしております。我が国としては、引き続き、この理事会の議論への参加などを通じて、世界の人権の保護促進に取り組んでまいりたいと考えております。
 アメリカの国際機関への対応についての一々についてコメントすることは差し控えますが、今般の発表におきましても、米国は引き続き人権の擁護者として人権分野ではリードしていく旨述べていると承知をしております。
 我が国としては、人権分野でアメリカが果たし得る役割は大きいと考えており、アメリカが国際場裏において人権の保護促進に向け引き続きリーダーシップを取っていくことを期待してまいりたいと考えております。


○井上哲士君 そうであれば、やはり離脱というのはそれに反すると思うんですね。
 国連事務総長は失望を表明をいたしました。イギリスの外務大臣は残念だ、フランスの国連大使は、人権が大きな試練に立たされている今、良い兆候とは言えない、ドイツの人権政策、人道支援担当委員は心の底からがっかりしていると述べたと報道されております。人権は国際問題でありますから、日本政府としても、私はもっとはっきりとしたこのアメリカの離脱問題については物を言うべきだということを申し上げたいと思います。
 その上で、防衛大臣、イージス・アショアについてお聞きをいたします。
 政府は、昨年の十二月に、弾道ミサイル防衛能力の抜本的向上についてと題する閣議決定を行いました。防衛大綱や中期防を議論したときにはなく、概算要求にも盛り込まれていなかったにもかかわらず、今年度予算にイージス・アショアの整備の経費を盛り込みました。その候補地は秋田県の陸上自衛隊新屋演習場と山口県の同むつみ演習場となっております。
 防衛省は、秋田には一日に政務官が訪れて、十四日には県議会と秋田市議会で説明をし、十七日に住民説明会を開催をしております。
 候補地は住宅地に非常に近い場所で、関係自治体や住民からは、レーダーの運用の際に発生する強力な電磁波の影響や、施設が攻撃目標になるんじゃないか、こういう懸念や反対の声が上がっております。防衛省は、ここでは丁寧に説明し、理解を求めると繰り返したわけですね。
 ところが、防衛大臣が二十二日に秋田に行かれました。その前日、知事と面談する前日の二十一日に防衛省は、測量などの現地調査の一般競争入札を公告をしたんですね。これに対して地元から大きな批判の声が上がっておりますし、佐竹知事も大臣に対して、地元感情を軽視していると、こう反発をされました。これでも丁寧な説明を行っていると、こういうふうに言えるんでしょうか。


○国務大臣(小野寺五典君) 今委員から御指摘ありました、先日、二十一日、イージス・アショアに係る地質測量調査等の入札公告を実施しました。これは、配備候補地となっている自衛隊演習場の敷地内において地盤の強度や地質を把握するためのボーリング調査等を実施するためのものです。今後は、配備候補地の地元の皆さんが心配されているレーダーが発する電波に関する環境影響調査についても実施をいたします。
 こうした調査を実施させていただくことについては、既に六月一日に福田、大野両政務官を秋田、山口両県に派遣した際に御説明させていただいているほか、その後の地元の住民説明会等の場においても事務方から御説明をさせていただいております。
 また、これらの調査については、イージス・アショアを配備できるか否かを確認し、地元に対して説明するために必要な調査ではありますが、同時に、地元の皆様の懸念や不安に対して防衛省として責任を持って具体的にお答えするためにも必要な調査であると考えております。その上で、今後、地元の皆様に対して、その具体的な内容を含めてしっかりと御説明することが重要であると考えております。
 二十二日に私からも地元に対して述べさせていただいたとおり、現地での調査に着手する前の適切なタイミングで改めて御説明すべく、地元との間でしっかりと意思疎通を図りながら、一つ一つ真摯に対応してまいります。


○井上哲士君 住民からは、なぜここが最適地なんだと、調査そのものに対してもいろんな反発の声がある中でこの公告が知事面談の前にも行われたと、これに怒りが上がっているんですね。
 地元の秋田魁新聞は六月二十三日の社説で、小野寺氏は国会で地元首長との理解と協力は必須と言明しただけに、候補地表明後は防衛省は誠意ある対応をしてくれると期待したが、またも裏切られたと、こう書きました。さらに、沖縄の辺野古でも民意を一顧だにしなかったと述べて、今回の小野寺氏の来県も、地元の意向は聞いた、誠意を尽くしたとのアリバイづくりとの声がある、こういう指摘までしているんですね。
 これ、やっぱり受け止めるべきだと思うんですね。住民の合意のないままには進めないと是非明言をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。


○国務大臣(小野寺五典君) これからも地元に丁寧に説明をしながら、私どもとしてはこの問題に対応していきたいと思っております。


○井上哲士君 合意なくても、説明したからといって強引に進めるようなことは絶対あってはならないということを申し上げておきますし、今そのものが、この計画そのものが問われております。
 弾道ミサイル防衛について、政府は、SM3ミサイルによる迎撃については、「あたご」型イージス艦の二隻へのBMD能力の付与と、新たなイージス艦二隻の増勢を含めていわゆる八隻体制を取るとして、巨額の経費がこの間つぎ込まれてまいりました。ところが、昨年末の閣議決定でイージス・アショア二基の導入計画を決め、これによって日本列島をカバーできるんだと、こういう説明なんですね。
 イージス艦八隻で対応すると決定したものを突然変えたわけでありますけれども、そもそも陸上イージス二基でカバーできるんならば、八隻体制にする必要というのはどこにあったんでしょうか。


○防衛省整備計画局長(西田安範君) お答えを申し上げます。
 海上自衛隊の保有しますイージス艦、これはBMD任務にも従事をいたしますが、本来、諸外国の対艦攻撃能力の向上等を踏まえまして、護衛隊群の艦隊防空に万全を期すために導入を行ってきたものでございます。海上自衛隊は四つの護衛隊群を編成をしておりますが、一つの護衛隊群において二隻のイージス艦が必要との考え方の下、イージス艦八隻体制を整備をしてきたところでございます。また、北朝鮮の弾道ミサイル能力の向上等を踏まえて、このイージス艦の高い能力を活用するために、それぞれのイージス艦にBMD対応能力を付加させるべく取り組んできたということでございます。
 他方、我が国の防衛を考えます上では、我が国を射程に収めます数百発の弾道ミサイルが現実に存在するなど、弾道ミサイル防衛能力の強化は喫緊の課題であることに変わりはございません。防衛省としては、いかなる事態にも対応し得るよう、万全の備えをすることは当然のことであるというふうに考えてございます。
 さらに、現状のイージス艦では、整備、補給で港に戻る隙間の期間等も生じることが避けられず、長期間の洋上勤務が繰り返される乗組員の勤務環境は極めて厳しいものとなってございます。イージス・アショアの導入によりまして、我が国全土を二十四時間切れ目なく防護することが可能になりまして、隊員の負担も大きく軽減されるということでございます。さらに、イージス艦を元来の任務である海洋の安全確保任務に戻すことが可能になり、我が国全体の抑止力向上にもつながると考えているということであります。


○井上哲士君 元来の任務に就けられると、こういうふうなお話もありました。我が国防衛のために必要だと、こういうお話がありましたけれども、だったらなぜそもそも八隻体制をやってきたのかということの私は説明になっていないと思うんですね。
 実は、二年半前から、アメリカの議会では、日本がイージス・アショアを導入すれば米国にどんな利点があるかということが議論になっております。二〇一六年アメリカ会計年度国防権限法には、議会の意思として、イージス・アショア能力を日本に情報開示又は技術公開することに関して、日本の購入は相互運用性及び対空ミサイル防衛能力の統合を促進する大きな機会となり、戦力が増加する効果をもたらし、多目的の装備において必要とされる軍事体制における要件を潜在的に緩和することになり得ると、こう明記をされております。
 さらに、アメリカ太平洋軍のハリス司令官は、今年二月二十四日の下院軍事委員会の公聴会で、この日本のイージス・アショア導入による効果について問われて、アメリカ海軍や太平洋艦隊がBMDの任務において直面している負荷の一部を軽減することになるだろう、艦船を持ち場から離して他の場所へ投入することができるだろうと、こういうふうに証言をしております。どういう場所かと問われますと、その時点で必要な場所ならどこへでも、南シナ海、インド洋、フィリピン海など必要があればどこへでもだと答えているわけですね。つまり、米海軍のこういう軽減に資するものだと。
 イージス・アショアの導入というのは日本の防衛のためだと、これ説明付かないんじゃないですか。


○防衛省防衛政策局長(前田哲君) お答えいたします。
 弾道ミサイルの脅威に対しましては、我が国自身の防衛力を強化すること、もとよりでありますけれども、日米同盟全体の抑止力、対処力を強化していくことが重要であるというふうにも考えております。
 同盟国である米国との間では、この点、平素から弾道ミサイル防衛に関して緊密に連携をしておるわけです。例えば、米軍の早期警戒情報を始めとする情報の密接な共有でありますとか、米軍のイージス艦あるいはPAC3等の我が国への展開あるいは配備、そして能力向上型の迎撃ミサイル、SM3のブロックⅡAというものがございますが、これの日米共同開発、こういったことを進めてきているわけでございます。その上で、我が国が整備を現在進めております弾道ミサイル防衛システムについては、委員の御指摘になりましたイージス・アショアを含めて、あくまでも我が国自身が主体となって、我が国を防衛することを目的として整備をしているものでございます。
 イージス・アショアについては、北朝鮮が我が国を射程に収める数百発の弾道ミサイル、これは現在も保有しておりますし、奇襲的にミサイル攻撃を行う能力を有するという中で、国民の生命、財産を二十四時間三百六十五日切れ目なく守り抜く能力をこれ抜本的に向上させることが必要であるということでございます。そのために導入するものでございまして、米軍の負担軽減を目的として導入をするといったものではないということでございます。


○井上哲士君 今ハリス司令官の証言を紹介しましたけど、明確に、日本のイージス・アショア導入でアメリカの艦船を持ち場から離して必要な場所、これ別に日本防衛と関係なくてもどこへでも投入できるとしているわけですね。
 私は、結局こういう米要望に応えることになれば際限ない拡大になっていくと、日本防衛では説明が付かないということを改めて指摘したいと思います。
 さらに、このイージス・アショアの導入を決めた閣議決定のときとは情勢大きく変化しております。閣議決定は導入の理由を、北朝鮮の核・ミサイル開発は我が国の安全に対するより重大かつ差し迫った新たな段階の脅威となっているとしたわけですね。しかし、米朝首脳会談によってこの情勢が変わっております。
 菅官房長官が会見で、極めて厳しい安全保障の状況がかつてより緩和された、日本にいつミサイルが向かってくるか分からない状況は明らかになくなったと述べた。これについて総理も、そして外務大臣、防衛大臣も、この点については同様の認識だと先日も答弁があったわけですね。
 そうであれば、配備計画そのものを見直すべきではないでしょうか、大臣、いかがでしょうか。

○国務大臣(小野寺五典君) 先般の米朝首脳会談により、北朝鮮の金正恩委員長が朝鮮の完全な非核化について、米国のトランプ大統領に対し、自ら署名した文書の形で直接約束した意義は大きいと考えております。この成果の上に立って、今後とも、北朝鮮に対して国連安保理決議の完全な履行を求め、北朝鮮の具体的な行動を見極めていく必要があるものと考えております。
 同時に、我が国の防衛を考える上では、我が国を射程に収める数百発の弾道ミサイルが現実に存在するなど、弾道ミサイル防衛能力の強化は喫緊の課題であることに変わりはありません。
 防衛装備品については、事態が切迫してから取得しようとしても、取得までには長期間を要します。国民の命と平和な暮らしを守ることは政府の最も重要な責務であり、防衛省としていかなる事態にも対応し得るよう、万全の備えをすることは当然のことであると考えております。

○井上哲士君 日本周辺を射程に収める中距離弾道ミサイルというのは前からあったんですね。しかし、このイージス・アショアは、中期防にも大綱にも盛り込まれなかったと。新たな段階に対応してと去年の閣議決定で言っているんですね。じゃ、新たな段階というのは一体何なんですか。

○国務大臣(小野寺五典君) 北朝鮮の弾道ミサイル能力の向上、そしてまた、私どもは二十四時間三百六十五日の体制でこれから日本を守るという、そのような新たな段階になっているということであると私どもは承知をしております。

○井上哲士君 昨年の閣議決定、十二月の時点で言ったことと、その後のやはり大きな情勢の変化がある。それを見ずに、結局従来の状況を理由にするのは、結局配備ありきの、私は後付けの理論だと思うんですね。
 なぜこういうふうにあくまでも推進をするのか。米軍との一体化を進める下での、アメリカからの多額の武器購入、これが先にありきじゃないかと、こういうことも言いたいと思うんですが、四月の日米首脳会談で安倍総理が、アメリカの高性能の装備品の積極的購入を表明した、これ、日米首脳会談としては初めてじゃないかと質問いたしますと、これは従来からの考えを述べたものだと、こういう答弁でありました。
 しかし、実態はどうか。FMS、アメリカ政府の有償軍事援助が急増しております。お手元に防衛省からの資料(※配付資料180628.pdf)を配付をしておりますが、防衛装備品の中央調達の契約相手方別の契約高順位でありますが、安倍政権発足時の二〇一二年度、一位から順に、三菱重工、日本電気、川崎重工、そして米国政府と、こうなっております。
 ところが、二〇一四年度から新しい防衛大綱が始まって、二〇一五年度にはこれらの企業を抜いてアメリカ政府が契約額のトップに出ております。以来、連続してアメリカ政府がトップでありまして、最新の二〇一七年度は断トツの三千八百七億円、二位が三菱重工の二千四百五十七億円と、こうなっておるわけですね。
 安倍政権の下でこのアメリカ製の高額装備品の積極的購入というのは、事実が物語っているんではないかと思いますが、いかがでしょうか。

○国務大臣(小野寺五典君) FMSは経済的な利益を目的とした装備品の販売ではなく、米国の安全保障政策の一環として同盟諸国等に対して装備品を有償で提供するものです。これにより、一般では調達できない機密性の高い装備品や、米国でしか製造できない能力の高い装備品を調達できる点で、FMSは我が国の防衛力を強化するために非常に重要なものと考えております。
 FMS調達が増加傾向にあるのは事実ですが、これは、イージスシステムやF35A戦闘機といった我が国を守るために必要不可欠な装備品はFMSでしか調達することができないためであります。我が国のほかに、英国、フランス、オーストラリアといった国々もFMS調達を活用しており、米国との同盟関係にあるからこそ、FMS調達制度を円滑に利用し、最新鋭かつ能力の高い装備品の導入が可能となっております。
 今後とも、米国と連携して、FMSによる適切な調達に努めてまいります。

○井上哲士君 六月十八日の毎日が、このFMSに長期契約を新たに導入する検討に入ったと、こう報道がされておりますけれども、事実でしょうか。

○政府参考人(西田安範君) お答えを申し上げます。
 FMS調達につきましては、一般では調達できない軍事機密性の高い装備品あるいは米国でしか製造できない最新鋭の装備品を調達できるという点で、防衛力強化のために非常に重要なものでございます。
 一方で、FMS調達には、精算手続の促進あるいは価格の透明性確保等様々な課題があることも事実でございまして、その適正化に向けて日米間で積極的に取り組んでいるところであります。これについては逐次改善を図っていく考えでありますが、現在、防衛省として、FMS調達によります装備品の導入に関して、長期契約を活用する等の具体的な方向性を決定したといったことは事実ではございません。
 なお、この現行の長期契約法につきましては、これは平成三十年度末までの限時法とされているところでございます。平成三十一年度以降におけるこの法律の取扱いにつきましては、今後検討してまいる所存であります。

○委員長(三宅伸吾君) 時間が参りました。

○井上哲士君 時間がなくて終わりますが、会計検査院は昨年このFMS調達について是正改善要求も行っておりますし、先日も全会一致で会計検査院への検査要請が決算委員会で行われております。抜本的な問題点をえぐることが必要でありますし、全体の防衛費そのもの、先日、自民党の国防部会がNATOを参考に二倍というような提言も出したようでありますけれども、全くこのようなことは今の国際的な......

○委員長(三宅伸吾君) 井上君、時間が参っております。

○井上哲士君 平和の流れ、対話を無視をした方向でありまして、やめるべきだということも改めて申し上げまして、質問を終わります。

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