国会質問

ホーム の中の 国会質問 の中の 2018年・196通常国会 の中の 政治倫理の確立及び選挙制度に関する特別委員会(参議院選挙制度②)

政治倫理の確立及び選挙制度に関する特別委員会(参議院選挙制度②)


○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。
 一昨日の委員会の質疑で、我が党の山下議員が、本格的議論が始まった下、議論を打ち切って自民党案を多数決で可決するのではなくて、法案審議を一旦中段をして、改めて各派代表者懇談会など各党協議で合意を図るべきだという理事会協議を求めました。委員長は、後刻理事会で協議いたしますとその場で答えたわけでありますけれども、委員会終了後の理事懇ではこの問題について全く協議をすることなく、議論の整理を理由に、五法案のうち、公明、維新案のみを採決するという自民党からの提案に基づいて協議を始めました。
 私、これに抗議をいたしました。しかしながら、結局、各党協議を求める野党の声をまともに取り上げず、そして、自党の案を採決をするということに対する維新の会の抗議もある中で、職権で公明党案のみの採決、そして昨日の委員会立てが決められました。
 維新の会が問責決議を出される中で昨日の委員会は今日になったわけでありますけれども、私は、この選挙制度という民主主義の土台を成す問題の質疑で、このような合意に基づかないやり方、運営が行われることに厳しく抗議をしたいと思いますし、先ほどの理事会で今日の採決という提案も自民党からありましたけれども、およそそういうことは許されないということを最初に申し上げておきたいと思います。
 そういう中で、JNNが昨日、土日に行った世論調査を報道しておりました。これによりますと、自民党案への賛成は一五%にとどまって、反対が六九%に上っております。また、この法案を今度の国会で成立することについて反対と答えた人は実に七〇%であります。
 主権者国民の理解と信頼が得られないままに選挙制度が数の力で第一党の都合で変えられるならば、私は政治そのものへの国民の信頼を揺るがすことになると思います。この点での提案者の認識はどうなのか。そして、世論調査を受け止めて、今からでも会派間合意を図る協議に戻すべきだと考えますけれども、いかがでしょうか。

○委員以外の議員(岡田直樹君) 先生御指摘の世論調査結果は承知をいたしております。これまでも各社が自民党案についての世論調査を行っておりますが、賛成が三二%という調査結果もございます。ただ、この世論調査は質問の仕方によりまして大きく調査結果が変わることもあり、定数増というところを強調しますと、賛成、必ずしも多くない。しかし、例えば、一票の較差を是正するために定数を増やしますが賛成ですかと、こう聞くと、また数字が変わってくるということでございます。また、賛成でもなく反対でもなくどちらとも言えないという、そうした回答も多くなっております。
 いずれにせよ、国会の外においても、国民の皆様方に直接発議者である自民党の議員から自民党案の趣旨についてお伝えをすることが大変重要と思っております。参議院改革協議会等に戻すべきではないかという御意見もございましたけれども、今ここの国会の審議の場、倫理選挙特別委員会で各派の案が御議論いただいている段階ではそれはなかなか難しいのではないかと、このように存ずる次第でございます。

○井上哲士君 国民の理解と信頼が得られないまま選挙制度が数の力で変えられたら、政治そのものへの国民の信頼が揺らぐということについての認識もお聞きしましたけれども、それはいかがでしょうか。

○委員以外の議員(岡田直樹君) この国民の民意というものがいずこにあるかが世論調査の数字のみでそれを測り得るかということはいつも難しい問題でありまして、例えば地方の民意を代表する、例えば徳島県知事がこういうふうにおっしゃっておられます。今回の自民党案については、合区解消ということにはならなかったけれども、やはり実質的に地域の声を代弁するそういう参議院議員がいなくなる、そうしたことを回避するという点ではこれは評価し得ると、そういうふうに、これは徳島の飯泉知事でありますけれども、合区された非常に痛みというものを感じながら、また全国知事会においても政権評価特別委員会の委員長をお務めである、そういう知事がこうした自民党案を評価いただいていること、これもまた地域の民意の一般を反映するものであると思います。
 国民の信頼を求めていく、そのことは粘り強く今後も努力をしていきたい、このように思っている次第でございます。

○井上哲士君 知事のあれこれ言われましたけど、主権者国民の信頼が揺らぐということについては何もお答えがありませんでした。
 理解というのは強行してからやるものじゃないんですよ。今、主権者国民がどう考えているのか、このことが私は問われていると思います。その上で、自民党案は、合区により立候補できない議員候補の救済のための特定枠と一体として定数増を図るものでありまして、国民の理解は得られないと思います。
 ただ、一方、定数増が消費税の増税など国民の負担を求めるための身を切る改革に逆行するという議論には私どもはくみいたしません。議席というのは何も政党や政治家の持ち物ではないんですね。本来、有権者の、国民のものでありまして、この議席を減らすということは民意を切り捨てて行政監視機能を低下させるものになると。ですから、定数を減らすから国民負担増を迫るということは、すり替えであり、道理もありませんし、ですから私どもは定数減にはこれまでも反対をしてまいりました。
 その上で、国会議員の一議席が何人の国民を代表しているかを見ますと、我が国の国会議員の数は国際的にも少ないと。民意をより反映をさせるという点でいいますと、議席増は必要だというのが私たちの立場であります。
 そこで、自民党提案者にお聞きしますが、四月十三日の専門委員会で、選挙制度改革の具体的方向性についての会派としての意見表明において、憲法改正による対応が必要だとしつつ、参院が果たしてきた立法府としての責務や決算の特徴を生かした活動、衆議院との比較などを挙げて、必要かつ合理的な議員定数を検討すべきものであるとされました。
 今回の提案というのは必要かつ合理的な議員定数であると、こういう認識でしょうか。

○委員以外の議員(石井正弘君) お答えいたします。
 参議院議員全体で定数は六人増加をし、総定数は二百四十八人としているところでありますが、この数につきましては、参議院創設時の二百五十人や、沖縄選挙区追加後の二百五十二人の定数まで戻さないということ、さらに、国会が開設されました昭和二十二年の人口が約七千八百万人に対しまして、平成二十七年の国勢調査人口は約一億二千七百万人でありまして、約一・六倍に増加していることも考慮いたしますと、定数六人増加はやむを得ない幅の措置と、このように考えられると、このように存じます。
 また、国会開設時から一名減の四百六十五名の定員となっております衆議院との関係におきましてもバランスを欠くものではないということから、国民の理解を得ていきたいと考えているところであります。
 御案内のとおり、参議院ではこれまでも二百四十二人という、衆議院に比べまして限られた人数で衆議院と量的に同様の法案、予算、条約等の審議あるいは調査などを行ってきておりまして、また、参議院の独自性ということから決算審査に力を入れてきたところでありますが、これに加えまして、今回、行政監視機能の一層の充実強化にも取り組むこととなっているところであります。
 参議院が従来の役割を十分に果たしながら更なる行政監視機能の強化の着実な進展を支えるという観点から、参議院の数が若干でも増えることには一定の意義がありまして、行政監視機能の成果、実績を上げることによって今回の定数の増加について国民の理解が高まっていくようにしていかなければならないと考えております。
 以上のような必要性あるいは抑制的な考え方を踏まえた上で、六人の定員増、これを、定数増をお願いをしていきたいと考えております。
 なお、御指摘のとおり、選挙制度専門委員会では、複数の会派から較差是正や合区問題の解決のためには定数増の議論も避けては通れないという意見も示されたと承知をしているところでございます。
 以上でございます。

○井上哲士君 協議会においても削減ありきが横行している下で、一方で、自民党が今のような考え方で定数増を提案されたということは確認をしておきたいと思います。
 国民民主の提案者にお聞きしますが、全国比例は多様な民意をくみ上げる上で重要な役割を果たしてきたと思います。専門分野を生かすなど多くの有為な議員が今も活躍をされております。だからこそ、一貫して選挙区と比例の定数の比率は維持をされてきたわけで、にもかかわらず、選挙区での較差是正のために比例定数を削減するというのは多様な民意を反映する機能を損なうことになるのではないかと考えますが、いかがでしょうか。

○委員以外の議員(大野元裕君) 多様な民意の反映に重きを置かれた井上委員の御意見に対しては敬意を表したいと思っております。
 他方で、一般論で申し上げれば、多様な民意の反映は比例区のみで実現するものではなく、選挙区においても多数代表制や少数代表制の選択等によって配慮するべき事項で、かつ、地方の意見をくみ上げられるような制度も都市化と過疎化の中で検討するべき事項と考えています。
 このような観点に立って、参議院の在り方について抜本的な見直しが必要ではありますが、今回の改正では緊急避難的に最高裁で取り上げられた選挙区における投票価値を優先させたものであり、この点を御理解いただきたいと思います。
 したがいまして、多様な民意の反映を十分に考慮しつつ、定数、参議院の役割、さらには選挙区と比例区の在り方については、附則に示したとおり抜本的な見直しの際に多様な意見を踏まえて可能な限り広範な合意を目指したいと考えておりますところ、是非とも共産党さんにおかれましても我が党の案に御賛同いただきまして、これからしっかりとした検討をさせていただくよう御賛同をお願いしたいと思っております。

○井上哲士君 当面策としても、やはり多様な民意を反映する比例の削減には私どもは賛同できません。
 もう一度、自民党提案者にお聞きしますが、先日、特定枠に対する私の質問に対して、自民党案の趣旨としていることは党派を超えた地方の声だとして、地方六団体の決議や全国三十五の県議会の意見書で強く求められているという答弁がございました。本当にそうかと、私、全部の意見書を調査室に取り寄せてもらいましたけれども、この決議は合区の解消とか抜本改革を求めるものであって、特定枠を求める、そんなものはないと思いますけれども、その認識はいかがでしょうか。

○委員以外の議員(古賀友一郎君) お答え申し上げます。
 委員の御指摘でございますけれども、地方六団体の決議、それから全国三十五の県議会の意見書、これはもちろん多少の表現ぶりの違いはあるところではございますけれども、総じて申し上げれば、この合区を解消することによって都道府県単位による代表が国政に参加できるような、こうした選挙制度の構築を求めているものでございます。しかも、この地方の切実な声は党派を超えて、我が党以外の幅広い賛同を得て採択されていて、八県の県議会では全会一致で採択をされているということを昨日御答弁申し上げました。
 今回の我が党の提案はこうした地方の声に応えるものでございまして、先ほど来、民意あるいは世論調査のお話がございましたけれども、是非この議論を御覧いただいている国民の皆様方にも御理解をいただきたいと、このように思っているところでございます。
 以上でございます。

○井上哲士君 すり替えてもらっては困るんですね。合区で立候補できなくなった議員、候補者の救済を求める、特定枠を求めると、そういう意見書はないということでよろしいですね。

○委員以外の議員(古賀友一郎君) お答え申し上げます。
 今回の我が党の提案は、地方の声を国政に届ける、こういった趣旨を持って提案を申し上げているところでございます。
 以上でございます。

○井上哲士君 結局、特定枠を求めるなんという決議はないんですよ。地方の代表、都道府県の代表と言われますけれども、皆さんが特定枠でやっているのはその県の有権者が決めた代表じゃないんですね。あくまでも自民党が党として特定枠としたということで、私はそれはすり替えた議論になると思いますよ。
 あくまでも、やはりこういう形ではなくて、私たちも合区は解消が必要だと考えてきましたけど、それは抜本改正を通じてそういうことをやるべきであって、合区で立候補できなかった議員や候補者の救済のための身勝手なやり方は絶対認めることはできないと、そのことを申し上げまして、質問を終わります。

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