国会質問

ホーム の中の 国会質問 の中の 2019年・198通常国会 の中の 外交防衛委員会(米軍相模原ミサイル防衛司令部/サイバー攻撃への安保条約5条適用問題)

外交防衛委員会(米軍相模原ミサイル防衛司令部/サイバー攻撃への安保条約5条適用問題)


○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。
 先ほど大野議員から議員立法の提出の話がありました。安保法制の廃止法案については我が党も共同提案をしております。是非審議をお願いをしたいと思います。
 その上で、日本・フランス、日本・カナダのACSAに関連してお聞きいたしますが、昨年一月の日仏2プラス2でこのACSAの内容を大筋合意をするとともに、インド太平洋地域における両国の共同訓練及び演習を全軍種で実践的かつ定期的に進めていくということが明記をされておりますが、なぜフランスと全軍種での共同訓練なんでしょうか。

○国務大臣(岩屋毅君) 先ほど来説明がございましたように、フランスとは自由で開かれたインド太平洋というビジョンを共有いたしております。したがって、そういう考え方の下に、これから多角的、多層的な安全保障協力をやっていこうということを先般の日仏2プラス2で確認をさせていただいたところでございます。
 フランスは、御案内のように、インド太平洋地域にニューカレドニア、ポリネシアという領土を有しておりますまさにインド太平洋国家でございまして、インド太平洋に関するビジョンも発表をしているところでございます。
 したがって、私どもとしても、フランスとの間で、海軍種にかかわらず、陸空も含めた実践的な共同訓練・演習を推進する方針を、元々防衛大綱にもフランスとの間でもしっかりやっていくというふうに書かせていただいておりますが、そういう考え方に基づいて、両国の共同訓練・演習を全ての軍種で実践的かつ定期的に進めていこうという方針を確認をさせていただいたところでございます。

○井上哲士君 防衛大綱と言われましたが、元々、日米ガイドラインに多国間の軍事協力の推進強化ということが強調されておりまして、その具体化だと思うんですが、この点は今回の日米の2プラス2でも議論をされ、共同発表には、一定の場合、サイバー攻撃への安保条約五条の適用があり得ると盛り込まれました。
 これが盛り込まれた理由、まず外務大臣にお聞きします。

○国務大臣(河野太郎君) 各国は、全般的な軍事能力の向上のため、宇宙やサイバーといった新たな領域における技術優位を追求しているわけでございます。
 日米においても、これらの能力を向上することなくして将来にわたる十分な抑止力、対処力は確保できない、そうしたことから、今般の2プラス2において領域横断作戦における協力強化を確認をしたところでございます。
 サイバー分野に関して申し上げれば、サイバー攻撃が、一定の場合には、日米安全保障条約第五条に言う武力攻撃に当たり得るということを確認をいたしました。これは、サイバー空間における日米の共同対処の可能性を明確にするものであって、抑止の観点からも意義が大きいものと評価をしているところでございます。

○井上哲士君 国際的に、これまでサイバー攻撃を武力攻撃とみなして自衛権を行使をしたという例はあるんでしょうか。

○国務大臣(河野太郎君) これまでサイバー攻撃に対して自衛権が行使されたことはないと承知しております。

○井上哲士君 どんな場合に、サイバー攻撃が安保条約適用上の武力行使とみなされるのは極めて曖昧でありますし、これまでも自衛権行使の例はないという答弁でありました。共同発表では、その点、日米間の協議で個別具体的に判断するとしております。
 この点は当委員会でも議論になりました。例えば昨年十一月の答弁では、防衛大臣の答弁でありますが、サイバー攻撃と自衛権の関係についてはなかなか一概に申し上げることは困難、そして、どういう事例が該当するかは個別具体の状況に応じて判断をすると、こういうふうに言われております。
 一方、アメリカは、例えば九・一一テロに対しても、これはもう自衛権を発動してアフガニスタンを攻撃をしたわけですね。ですから、日本が判断をするのは困難な問題があるとしながら、こういうアメリカと一緒になって協議をしてどういう判断ができるんだろうかと思うわけでありますが、この武力攻撃とみなす上で、攻撃の主体であるとか被害の状況などについて日米間で判断する上での基準というのは、これ一致しているんでしょうか。

○国務大臣(河野太郎君) 二〇一五年四月の日米防衛協力のための指針では、日本の安全に影響を与える深刻なサイバー事案が発生した場合には、日米両政府は緊密に協議し、適切な協力行動を取り対処することとなっており、この中には武力攻撃と評価されるサイバー攻撃が発生した場合も当然含まれるわけでございます。
 この御指摘の点につきましては、個別具体的に判断をすることとなるため、今一概に申し上げることは困難でございます。

○井上哲士君 ですから、様々な事実を認定して判断をしていく上で、その判断の基準というものが両国間で一定のものがないと、結局極めて曖昧なままということになると思うんですね。
 さらに、昨年の答弁では、サイバー防衛についてほかの武力の使用が可能になるのかということに対して防衛大臣は、相手のサイバー攻撃が実際の武力行使を伴ったものであるのかどうか、その態様を見定めなければならないということと、専守防衛の基本的な考え方というのは適用されなければならないというふうにもお答えされていますが、つまり、このサイバー攻撃への反撃はサイバー空間に限定されるということでよろしいんでしょうか。

○国務大臣(岩屋毅君) サイバー攻撃であっても、物理的手段による攻撃と同様の極めて深刻な被害が発生し、これが相手方により組織的、計画的に行われていると判断される場合には、武力攻撃に当たり得ると考えております。
 その上で、かかる武力攻撃が発生した場合に、国民の命と平和な暮らしを守り抜くために、その武力攻撃を、当該武力攻撃を排除するために必要な措置をとるべきことは当然でありまして、防衛出動を命じられた自衛隊は我が国を防衛するために必要な武力を行使することができます。
 これは、サイバー攻撃による武力攻撃が発生した場合も同様でございまして、必要な武力の行使として物理的な手段を講ずることが排除されているというわけではありませんけれども、具体的にいかなる対応を行うかということについては、個別具体の状況に即して判断すべきものであるというふうに考えております。

○井上哲士君 憲法九条と専守防衛にも関わる問題でありまして、個別具体的に判断をする、何をもって判断をするかという点も含めて、やはり明確に国民に対する説明が必要だと思います。なし崩し的な行使が行われるべきではないということは申し上げておきたいと思います。
 さらに、この日米2プラス2で、イージス・アショアの適時かつ円滑な配備というのが盛り込まれました。この飛行安全の問題では、国民の懸念に対処する重要性を認識したと書かれているわけでありますが、これは認識にとどまらず具体的な規制が問われております。ただ、このイージス・アショアについては、こういう住民の懸念というのは何も触れられていないんですね。
 この間、秋田でも山口でも、情勢が変わったのになぜ必要なのかとか、攻撃の対象になるんじゃないかとか、健康被害に対する不安の声も上げられております。秋田では周辺の町内会が反対を決議をし、山口の阿武町は町長が反対を表明をしております。
 先日、NHKの番組見ておりますと、この阿武町は、移住者を呼び込むIターン事業に非常に力を入れておられて、この間、町自らが空き家を管理して紹介したり、奨励金を出したりして、十年間で二百人が移住していると。小中学校の四分の一が移住者の子供だと。そういう皆さんから非常に動揺の声が出ているということを紹介もされておりました。
 こういう声を無視して推進するようなことがあってはならないと思いますけれども、いかがでしょうか。

○国務大臣(岩屋毅君) さきの2プラス2の共同発表では、弾道ミサイルの脅威から二十四時間三百六十五日我が国全域を防護するために、この弾道ミサイル防衛という取組は非常に重要だと。そういう観点を踏まえて、イージス・アショアの適時かつ円滑な配備を通じたものも含めて、両国がそれぞれ能力を強化する旨の文言を盛り込んだところでございます。
 他方で、イージス・アショアの配備に当たりましては、地元の御理解が前提であるという政府の立場に変わりはございません。したがって、現在イージス・アショアを安全に配備、運用できるかということについて責任を持って説明できるように各種調査を進めてきたところでございます。現在、追加の調査も含めて中身を精査しているところでございまして、遠からず地域住民の皆さんにしっかり説明をさせていただきたいというふうに思っております。
 今後とも、地域住民の御理解をいただくべく、一層努めてまいる所存でございます。

○井上哲士君 きちっと、同意なしのことが絶対あってはならないと思いますが、そもそもこれ、イージス・アショアの導入は、トランプ政権の武器購入要求に応えた流れでありました。
 確認しますけど、このイージス・アショアのレーダーで得た情報というのはアメリカにも提供するということでよろしいですかね。

○政府参考人(槌道明宏君) アメリカとは平素から情報交換をしておるところでございます。弾道ミサイル対処に当たってのレーダーで捕捉した情報についてもしかるべく米国と情報共有できるというふうに考えております。

○井上哲士君 かつて防衛省の防衛研究所は、アメリカのミサイル防衛について、アメリカは自らの本土に対する報復の危険を恐れることなく軍事作戦を遂行することができると、こういうふうにも述べておりました。
 この体制の一層の一体化になると思うんですが、その中で、昨年十月に、米軍の相模補給廠に、突然、在日米軍の三つのミサイル防衛部隊を指揮する司令部、第三八防空砲兵旅団が設置をされました。PAC3を配備する嘉手納基地、弾道ミサイルを探知するXバンドレーダーがある青森の車力と京都の経ケ岬の部隊を指揮する司令部でありますが、ハワイが拠点の第九四陸軍防空ミサイル防衛コマンド機能の一部を移転したものだとされておりますが、将来はTHAADを配備するグアムの部隊も指揮下に置く方針ということも公表されております。
 なぜ米軍はこのハワイから指揮、司令部機能の一部をこの相模補給廠に移したのか。そもそもの米国内の部隊をも指揮する、将来的には、そういう司令部が日本国内にほかにどこかあるんでしょうか、いかがでしょうか。

○政府参考人(槌道明宏君) 御指摘の第三八防空砲兵旅団司令部につきましては、昨年十月十六日に相模総合補給廠において新編されたものでございます。これまで経ケ岬通信所や車力通信所等の我が国に配備されている米軍の防空部隊に対する指揮統制及び調整は、ハワイに所在する第九四陸軍対空ミサイル防空コマンドが行ってきたと承知をしております。
 今回の新編によりまして、このような指揮統制及び調整は、同じ国内の専任の上級司令部たる第三八防空砲兵旅団司令部を通じて行われるようになります。このことは、我が国に配備されている米軍の防空部隊の運用上の有効性あるいは即応性を一層確保し、日米同盟の有するミサイル防衛能力を向上させるものというふうに認識をしているところでございます。
 他方、御指摘の将来的にグアムのTHAAD部隊も隷指揮下に置くということでございますけれども、米側はその可能性は排除されないとはしておりますけれども、現時点で何ら決まったものではないというふうに考えております。
 その上で、こうした米国内の部隊を指揮する司令部が日本国内に設置されている事例につきましては、防衛省として網羅的に把握しているわけではございませんが、例えば沖縄県に所在する第三海兵機動展開部隊司令部の隷下にある部隊の一部は米国ハワイ州に所在しているというふうに承知をしております。

○井上哲士君 極めてまれなわけですね。
 在日陸軍の司令部は、マスコミの取材に対して、ハワイで担当していた指揮を日本で実施することで、二国間の連携を高め日米同盟を強化することができると、自衛隊との取組を更に密接に行うというふうに述べております。
 先ほど米軍の国内の部隊の運用上の問題と言われましたけど、こういう日本の今後設置を計画している防衛省が、イージス・アショア、こういうシステムなどとの一体的運用ということを念頭に置いたものと、こういうことでしょうか。

○政府参考人(槌道明宏君) もちろん、我が国に対する弾道ミサイルの脅威に対しましては、米軍もイージス艦を我が国に展開するなど、日米間で緊密に連携し、対処することとしております。
 他方、我が国の弾道ミサイル防衛システムにつきましては、これはあくまでも我が国を防衛することを目的として整備をしているものでございまして、イージス・アショアにつきましても、我が国自身の主体的判断に基づいて導入を決定したもので、そのようなこと、御指摘のように一体的な運用と、目的としたというものではございません。

○委員長(渡邉美樹君) 質疑をおまとめください。

○井上哲士君 はい、終わりますが、先ほど、防衛研究所が、この米軍のミサイル防衛体制というのが、自らの本土に対する報復の危険を恐れることなく軍事作戦を遂行することができるというふうに言っているわけでありまして、こういう状況に一層一体化をするということは容認できないということを申し上げまして、質問を終わります。

―――


○井上哲士君 私は、日本共産党を代表して、カナダ及びフランスとの物品役務相互提供協定の承認に反対の立場から討論を行います。
 ACSAは、元々、米国が世界規模で展開する米軍の軍事作戦に不可欠な物資や役務について、米軍が必要とするときにいつでも調達できる集団的軍事支援網を構築するために、国内法を制定して、同盟国等との締結を進めてきたものです。
 カナダ及びフランスとのACSAは、日米、日豪及び日英の協定と同様、多国間の軍事協力の推進強化を明記した二〇一五年の日米ガイドラインに従って軍事体制を強めることを狙うものです。
 安倍内閣は、二〇一五年、日米ガイドラインと一体で、憲法違反の安保法制を強行しました。これにより、平時の活動から集団的自衛権の行使が可能になる存立危機事態に至るまで、自衛隊による外国軍隊への後方支援を拡大し、政府が重要影響事態や国際平和共同対処事態と認定すれば、相手国の艦船や戦闘作戦行動に発進準備中の戦闘機への給油も弾薬の提供もできることとしました。
 両協定も、二〇一七年に発効した米国、英国、オーストラリアとの協定と同様に、安保法制に沿って他国の武力行使と一体化した後方支援を担保するものであり、憲法九条に反することは明らかであり、断じて認められません。
 米国が自由で開かれたインド太平洋のビジョンを掲げ、軍事を含め同盟国などとの協力を前進させると標榜する下で、日仏両国は2プラス2で、米国と同様のビジョンの実現に向けた協力とともに、共同訓練及び演習を全軍種で実践的かつ定期的に進めていくと表明しました。ACSAの整備は、こうした訓練を含め、今後の自衛隊による海外活動の一層の拡大強化につながるものです。
 政府に対して、地域における軍事対軍事のエスカレーションを防ぐための外交努力こそ求めて、討論を終わります。

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