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倫理選挙特別委員会(視覚障害者のための選挙公報/パーティー券収入の公開)


○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。
 まず、法案と視覚障害者の投票環境の向上についてお聞きいたします。
 昨年のマラケシュ条約の批准に当たって、外交防衛委員会で、視覚障害者等の読書機会の拡大のために点字図書や読み上げ図書の拡充等を求めました。さらに、現在、超党派で読書バリアフリー法案の制定が取り組まれておりますが、投票環境の向上も大変重要であります。
 法案には、選挙公報の掲載文を電子データで提供できるようにして、各世帯配布の早期化を図ることが盛り込まれました。さらに、PDFだけではなくてテキストデータでも提出を求めることで、視覚障害者に音声で選挙公報の内容を提供できるようにする取組が進められていると承知しております。
 そこで、まずお聞きしますが、点字又は音声による選挙公報の提供の現状はどうなっているのか、及びこのテキストデータでの提出を求めることでどのように変わるのか、お答えください。

○政府参考人(大泉淳一君) お答えを申し上げます。
 視覚障害者に対する選挙情報の提供としまして、平成二十八年七月に執行されました参議院議員通常選挙においては、全都道府県において点字版及び音声版、これは、音声版はカセットテープ、CD、音声コードのいずれかによるものでございますが、それが全都道府県において配布されていたということを承知しております。
 これに加え、昨年八月の総務省に置かれました投票環境の向上方策等に関する研究会の報告を踏まえまして、総務省といたしましては、委員御指摘のとおり、選挙公報の掲載文原稿のテキストデータによる提供について検討を行っておるところでございます。
 現在、選挙公報の掲載文の提出は紙原稿によることとされておりますため、選挙管理委員会のホームページに掲載される選挙公報は音声読み上げソフトに対応できない画像PDFファイルとなっておるところでございまして、改善を求める声があったところでございます。
 今回の法改正によりまして選挙公報の掲載文を電子データで提出できるようになれば、テキストデータが含まれたファイル形式でも併せて提出いただくことができるようになりまして、音声読み上げソフトに対応できる形でホームページに掲載できるというふうに考えております。これにより、音声読み上げソフトを用いる視覚障害者につきましては、選挙公報の候補者情報を入手しやすくなるものと考えております。

○井上哲士君 自宅のパソコンで聞けることになるわけで、大変重要だと思うんですね。
 衆議院では候補者や選挙管理委員会の過度の事務負担にならないように配慮しながら詳細を詰めているという答弁でありましたけれども、具体的にどういうことなのか、是非夏の選挙から実現できるようにしていただきたいと思いますけれども、大臣の御決意をお願いします。

○国務大臣(石田真敏君) 御指摘の委員会の答弁は、選挙公報のテキストデータの提出に関する検討に当たりまして総務省としての留意点を述べたものでありまして、すなわち、選挙公報のテキストデータの提供のためには、掲載文を提出いただく際、テキストデータが含まれたファイルも併せて提出いただくというこれまでと異なる作業が発生することを踏まえまして、候補者等及び選挙管理委員会の双方にとって極力負担のない形での運用に向けて技術的な詳細を検討しているものを述べたものでございまして、選挙公報のテキストデータの提出につきましては、視覚障害者が候補者情報を入手できる手段を増やす意義あるものでございまして、今年の参議院通常選挙から実現できるよう取り組みたいと考えております。

○井上哲士君 是非よろしくお願いしたいと思うんですが、この法案は国政選挙と知事選挙が対象でありますけれども、他の地方選挙において、選挙公報を発行している地方自治体についても同様の取組が期待をされます。
 この推進についての取組はどうなっているでしょうか。

○政府参考人(大泉淳一君) お答えを申し上げます。
 国政選挙と都道府県知事選挙以外の選挙につきましては、公職選挙法第百七十二条の二の規定によりまして、国政選挙等の選挙公報の発行に係る規定に準じて、条例で定めるところにより選挙公報を発行できるとされております。これは任意公報と言われるものでございます。
 今回の法改正によりまして、この任意制選挙公報につきましても選挙公報の掲載文の電子データの提出が可能になるということとともに、テキストデータの提供を行うことができるようになるものと考えております。
 総務省といたしましては、まずは国政選挙の選挙公報のテキストデータの提供に取り組みたいと考えておりますが、各選挙管理委員会においても、地域の実情を踏まえつつ、国政選挙を参考に取組を検討いただくとともに、優良事例などが出てきましたらその周知を図る旨の横展開に努めてまいりたいと考えております。

○井上哲士君 是非夏の参議院選挙から音声読み上げが実現をし、地方選挙でも広がっていくように求めたいと思います。
 次に、政治資金パーティーの問題でお聞きをいたします。
 まず、大臣にお聞きしますが、政治資金規正法で、この政治資金の収支を明らかにするとしていることの目的、理念はどういうことでしょうか。

○国務大臣(石田真敏君) 政治資金規正法の目的につきましては、第一条におきまして規定されております。政治活動が国民の不断の監視と批判の下に行われるようにするため、政治資金の収支の公開及び政治資金の授受の規正等の措置を講ずることにより、政治活動の公明と公正を確保し、もって民主政治の健全な発展に寄与することを目的とすると定められているところであります。
 また、政治資金規正法の基本理念につきましては、第二条において規定されておりまして、この法律は政治資金の収支の状況を明らかにすることを旨とし、これに対する判断は国民に委ね、いやしくも政治資金の拠出に関する国民の自発的意思を抑制することのないように、適切に運用されなければならないこと、政治団体はその責任を自覚し、その政治資金の収受に当たっては、いやしくも国民の疑惑を招くことのないように、この法律に基づいて公明正大に行わねばならないことと定められているところであります。

○井上哲士君 政治資金の公開によって国民の監視の下に置く、同時に、政治団体は国民の疑惑を招くことのないようにするということでありますが、政治資金をめぐって国民の疑惑を招く事態は繰り返されてまいりました。
 今、その一つが政治資金パーティーの問題であります。
 我が党は、政治資金パーティーも政治献金も同一だとして、企業、団体による献金そしてパーティー券購入も禁止すべきと主張し、法案も出してまいりました。
 一方、現行法では企業・団体献金と政治資金パーティーの取扱いが違っておりますけれども、その内容と理由はどういうことでしょうか。

○政府参考人(大泉淳一君) それでは、現行の政治資金規正法の説明をさせていただきたいと思います。
 政治資金規正法第四条第三項において、政治献金を意味します寄附について定義がございまして、金銭、物品その他財産上の利益の供与又は交付で、党費又は会費その他債務の履行としてされるもの以外のものをいうというふうに規定されております。また、これの公開でございますけれども、同法の第十二条第一項第一号ロにおいて、同一の者からの寄附で、その金額の合計額が年間五万円を超えるものについて、氏名等の明細を記載することとされております。
 一方、政治資金パーティーでございますが、政治資金規正法第八条の二において、政治資金パーティーとは、対価を徴収して行われる催物で、当該催物の対価に係る収入の金額から当該催物に要する経費の金額を差し引いた残額を当該催物を開催した者又はその者以外の者の政治活動に関し支出することとされているものをいうとされておりまして、この公開につきましては、政治資金規正法第十二条第一項第一号のトにおきまして、同一の者からの政治資金パーティーの対価の支払で、その金額の合計額が一のパーティー当たり二十万円を超えるものについて、氏名等の明細を記載することとされておるところでございます。
 寄附に対しまして政治資金パーティーは事業という、対価を徴収して行う事業というところに違いがございます。

○井上哲士君 政治資金パーティーは対価性があるということで、政治献金に比べて緩い規制になっているわけですね。
 ところが、近年、パーティー券が事実上の献金になっているという実態が一層明らかになっております。
 政治資金規正法が改正された直後の九四年と直近の一七年で、政治資金全体に占める企業・団体献金及び政治資金パーティーの収入、それぞれ割合はどうなっているでしょうか。

○政府参考人(大泉淳一君) お答えを申し上げます。
 一九九四年、平成六年につきまして、総務大臣届出分及び都道府県選管届出分を合計した全国の収入総額に占める企業・団体献金の割合は一八・六%、パーティー収入の割合は四・五%でございました。
 また、二〇一七年、平成二十九年分につきましては、同様に総務大臣、選管分を合計した全国分の収入総額に占める企業・団体献金の割合は四・三%、パーティー収入は八・四%となっておりました。

○井上哲士君 企業・団体献金の割合が低下する一方で、政治資金パーティーの比重が拡大をしております。
 直近の報告書で、では政治資金パーティー全体の収支の状況はどうなっているでしょうか。

○政府参考人(大泉淳一君) 直近、二〇一七年、平成二十九年の政治資金パーティーの収入額及び政治資金パーティー開催事業費について調べましたところ、これも総務大臣届出分及び都道府県選挙管理委員会届出分を合計した金額でございますが、収入額につきましては百八十九億四千七百万円、開催事業費につきましては四十六億四千四百万円となっております。

○井上哲士君 大体利益率は約七五・五%、非常に高くなっているわけで、対価性があるのかという疑問の声が広がっております。
 そして、この七五・五パーよりもっと高いものも開かれているわけですね。
 例えば、安倍総理の資金管理団体、晋和会の一七年分の収支報告書を見ますと、計三回の朝食会で約七千三百五万円の収入を得ておりますが、会場費等の諸経費の支出は約五百七万円で、利益率は九三%になるわけですね。
 大体、このパーティー券の購入者の人数に比べて初めから会場の広さなどパーティーの規模が著しく小さくて、高い利益を上げているという場合も指摘をされております。これ、主催者側がパーティー券の購入者の相当部分が参加しないとあらかじめ把握していなければできないようなことだと思うんですね。
 九一年の三月の総務省の答弁では、そのパーティー券の価格が社会常識の範囲内であり、出席を前提として購入されたものである限りは政治資金規正法上の寄附には該当しないと答弁をされております。
 逆に言えば、パーティー券の価格が実態と比べて常識の超えるものであったり、欠席を前提に購入されたものは寄附に該当するということでよろしいでしょうか。

○政府参考人(大泉淳一君) 先ほど申し上げましたとおり、政治資金規正法上の寄附とは、債務の履行とされるもの以外のものをいうというふうになっております一方で、政治資金パーティーの対価に係る収入というものは、政治資金パーティー自体が催物で、それに対価として支払われるものであるということで、性質が異なるものと解されているところでございます。
 それで、かつ、過去の答弁との整合性でございますけれども、個別の事案につきましては、これは具体の事案に即して判断されるべきものであるので、なかなか申し上げることは差し控えたいと思いますが、一般論として、対価関係にあるものであっても、社会通念上の価額を超えるものである場合などには、その超える部分につきましては理論的には寄附になるものと解されているということになっております。

○井上哲士君 事実認定は、それは総務省がやるんじゃなくて個々のところがやるわけでありますが、範囲を超えた場合はそうだと。
 欠席を前提で買った場合も寄附に該当するという、よろしいですか。

○政府参考人(大泉淳一君) 個別の事案につきましては、具体的な事実に即して判断されるものでございますし、欠席を前提にしてというのはどのような状況かというのはちょっと分かりにくいところもございますが、先ほど申しましたとおり、対価関係にあるものであっても、社会通念上それに当てはまらないというものであれば寄附になる余地はあるということでございます。

○井上哲士君 それは簡単な話でありまして、一人しか行く予定はないけど十枚分買ってあげますわと、よく行われているという話でありまして、問題は、そういうことが分からないわけですよ。ですから、購入した企業、団体がその人数分の参加を前提にしたのか、それとも政治献金の代わりに参加者以上に購入したのかと。政治資金規正法の趣旨に基づいて国民が判断するためにも、収支の公開を広げる必要があると思うんですね。
 それを示したのがお手元に配っている稲田朋美衆議院議員の政治資金パーティーの問題なんですが、稲田議員の政治資金管理団体のともみ組が開催した政治資金パーティー、金額の書いていない領収書でも問題になりましたけれども、この購入状況が明らかになりました。
 なぜかといいますと、二〇一七年の夏まで稲田氏は防衛大臣を務めておりまして、同年夏の政治資金パーティーを取りやめました。その結果、一旦買ってもらっていた人に返金をしたわけですね。そうしますと、政治団体の支出として取り扱われますから、一万円以上の支出が全部報告書に記載が必要になったと。ですから、パーティー券購入の公開基準は二十万円のために、公開されていなかった購入者の実態が期せずして明らかになったわけですね。
 お手元に配っておりますけれども、約三百九十の団体、個人に二万から三十万円分の券を購入してもらって、それを返金したことが記載をされております。
 そこにありますように、総額は一千五百三十一万円、企業、団体は二百五十八団体、千百九十七万円、個人は百二十九人、三百三十四万円が購入し返金をされているわけで、総額に占める企業、団体の割合は七八・二%になっておりまして、これは形を変えた企業・団体献金ではないかと、こういう指摘がされるわけですね。
 この千五百三十一万円は返済しておりますけれども、そのうち、実際にパーティーが開かれた場合には公開をする義務があったのはどれだけでしょうか。

○政府参考人(大泉淳一君) お答えいたします。
 御指摘のともみ組の平成二十九年分の政治資金収支報告書を確認いたしました。そのところ、一の政治資金パーティーの対価に係る収入のうち、同一の者からの政治資金パーティーの対価の支払で、その合計額が二十万円を超えるものとして様式に記載がございましたのは、二つの政治団体からそれぞれ三十万円の対価の支払があったということが記載されていることが確認できます。

○井上哲士君 六十万ですから、全体の僅か四%にすぎないわけですね。大半は、本来、政党と政党の政治資金団体以外には企業・団体献金はできないのに、このパーティー券購入という形で、こういうお金が入っていても全く公開をされないという事態になっております。
 しかも、表にありますように、いろんな企業が買っている。主なこと書いておりますけれども、電力業界は、電力供給の地域独占が認められた公益企業にそぐわないとして業界として献金を自粛をしているわけですけれども、そのうち東京と沖縄を除く九社が、電力会社、献金をしておりますし、関西電力の関連の会社なども献金をしております。
 これが、しかし、全部公表されていないわけですね。そうしますと、有権者がその政治家の原発やエネルギーの問題に対する姿勢について、政治資金を通じて判断をすることができないわけでありまして、政治資金を公開して国民の判断に委ねるとした政治資金規正法の目的に反する事態になっていると思いますけれども、いかがでしょうか。

○政府参考人(大泉淳一君) 政治資金の規正法につきましては、公開基準あるいは購入限度額なども含めまして、政治改革の議論の中で各党から様々な案が出され、その中で各党の協議によって、協議の結果として現在の公開基準あるいは購入限度額などになってきているところでございますので、その流れ、そういうような動きを伴って、政治活動の自由に密接に関わる問題でもございますので、各党各会派の協議に基づいて決まってきているということだと思います。

○井上哲士君 報道では、かつて東京電力が、電力業界での重要度を査定して、十人の議員を上位にランク付けしてパーティー券購入で厚遇していると、こういうようなことが書かれておりました。その記事の中でも、一回当たりの購入額を政治資金規正法の報告義務のない二十万円以下に抑え、表面化しないようにしていると担当者が述べているわけですね。
 そして、これやはり、国民の判断に委ねる、そして政治家の方は、政治団体は国民の疑惑を招かぬようにするということとやっぱり反していると思うんですね。私たちは、企業献金そして企業、団体のパーティー券も禁止すべきだと考えておりますが、少なくとも政治献金と同様に公開基準を年間五万円以上にするべきだと考えますが、大臣、いかがでしょうか。

○委員長(渡辺猛之君) 時間ですので簡潔にお願いします。

○国務大臣(石田真敏君) はい。
 今御議論がございましたけれども、政治資金パーティーに関わる収入については、政治資金規正法上、当該パーティーへの参加の対価として支払われておるものでございまして、寄附とは性質が異なるということでございまして、これも先ほど答弁ございましたけれども、公開基準等につきましては、今日までの政治改革の議論の中で各党から様々な案が提案され、各党間の協議の結果として今日の公開基準となっているわけでございます。
 いずれにいたしましても、政治資金パーティーに関わる公開基準の在り方については、各政党、各団体の政治活動の自由と密接に関連していることでございますので、各党各会派において御議論をいただくべき問題だと考えております。

○井上哲士君 時間ですので終わりますが、現に疑惑を招いておりますから、各党会派に議論を呼びかけて、質問を終わります。
 以上です。

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