国会質問議事録

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予算委員会(台風19号被災者医療費/関電「原発マネー」還流疑惑)

○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。
 昨日に続いて、台風被害について質問をいたします。
 全容が明らかになるにつれ、被害は更に大きくなっておりますし、必要な課題、そして被災者の要望も刻一刻変化をしております。総理、答弁されました、できることは全てやるは当然のこととして、従来の枠を超えて必要なことは全てやるという立場をまず求めたいと思います。
 まず、被災地での医療問題について、昨日の質問で避難所での医療保健体制の整備の強化を求めました。災害担当大臣からは、医療スタッフの派遣など、被災者の健康管理への対応を厚労省と連携するよう指示したという答弁でありました。
 そこで、厚労大臣にお聞きいたしますが、持病を持っている被災者への支援や、また、薬を流された人、持たずに避難したなども含めて、避難所の医療体制の強化は必要でありますが、具体的に厚労省としてどのように対応されているでしょうか。

○厚生労働大臣(加藤勝信君) 避難所での生活の長期化も予想される中でどう健康管理をしていくのか、重要な課題であります。
 厚労省としては、まず、台風上陸前日の十月の十一日に、避難所生活を過ごされる方々の健康管理に関するガイドラインというのを各自治体に送付をいたしまして、避難者の方で持病を持っている方、その悪化予防を含めて、避難所生活全般について十分な備えを行っていただくよう、あらかじめ周知を行っています。【避難所運営ガイドライン.pdf
   〔理事三宅伸吾君退席、委員長着席〕
 それから、現在、各自治体の保健師等の医療スタッフが避難所を巡回して、避難者の健康状態や課題について把握をしております。特に配慮を要する方、服薬中の方、病気をお持ちの方については、保健指導や健康相談を実施して必要に応じて適切な医療機関につなぐなど、きめ細かな対応をしておりますけれども、ただ、今は地域の保健師さんが対応しておりますけれども、これでは当然マンパワーが不足するというふうに考えておりまして、他地域からの応援、保健師等の応援派遣チーム、これを備え、要請があれば速やかに派遣調整をし、既に長野からも要請がありますから、これに応えていきたいと思っております。
 また、今後、さらにフェーズが変わっていく中で、やっぱり医療、福祉、あっ、ごめんなさい、医療、保健、例えば介護、薬剤、歯科、栄養士の皆さん、あるいは福祉の皆さん、それぞれの専門職の方もおられますから、適宜、チームを組んだり、あるいは団体にも要請して、それぞれの避難所において健康管理がしっかりなされるよう対応していきたいと思っています。

○井上哲士君 今後、避難所における、などで、災害救助法に基づく医療から保険医療による継続的な診療に移っていくわけでありますが、一方、災害によっては保険証を流されたという方もいらっしゃいます。被災者が保険証を提示できなくても保険医療を受けられるようにすべきだと思いますが、これはどう対応されているでしょうか。

○国務大臣(加藤勝信君) 従来、災害救助法等が適用された際に、被災者の方が保険証を保険医療機関等に提示できない場合でも、氏名、連絡先などを申し立てることによって受診できる、こういう取扱いをしているところであります。
 今般の台風被害でも、その旨を私どものホームページとかあるいは都道府県、関係団体を通じて被災者、医療機関に対して既に周知をしておりますけれども、まだ十分ではないと思いますので、例えば避難所にポスターを貼るとか、様々な形で実際個々の方々にこうした情報が届くように更に努力をしていきたいと思います。

○井上哲士君 被災者の皆さん、不安に思っておられますが、なかなかホームページも見れない、今日もテレビも見れない方がいらっしゃいますので、是非しっかり周知徹底を図っていただきたいと思います。
 その上で、被災者の方々の医療費の負担についてお聞きします。
 大きな被害を受けた被災者や着のみ着のままで広域避難をされている被災者に窓口で自己負担を求めるのでは医療を受ける権利の保障はおぼつかないわけでありまして、全国保険医団体連合会も昨日、全ての被災者の医療費一部負担金及び入院時の食事一部負担金を国の負担で免除し、医療費が無料になる措置を直ちに講じることという要望書も出されております。
 厚労省は十三日に医療費の窓口減免について事務連絡を出していると思いますが、どういう内容でしょうか。

○国務大臣(加藤勝信君) 今御指摘の十三日付けで保険者に出した内容でありますけれども、まず一つは、保険者の判断で一部負担金の徴収猶予や減免等を行うことができますということ、二点目として、国民健康保険及び後期高齢者医療制度においては、一部負担金の減免額が一定の基準を超えている場合には減免に要した費用の一部について国がそれぞれに対して財政支援を行いますという中身について周知をしたということでございます。

○井上哲士君 保険者の判断でできるということであります。自治体でできるということだけですと自治体の財政負担が必要で、これから災害復旧など大きな財政支出が、出動が必要だというところでちゅうちょされると思うんですね。被災者への対応や復旧で手いっぱいの被災自治体に、免除の基準や手続など、制度設計から医療機関への徹底などを求めるというのは非常に酷なことだと思います。被害は広範で、かつ被災者の方も広域に避難をしているということを考えますと、国がしっかり仕組みをつくって国として免除を図るということが、しなければ機能しないと思います。
 これ、過去の大災害では国として自己負担の免除を決め事務連絡をしていると思うんですが、東日本大震災、それから熊本大震災、西日本豪雨の際は発災後何日目にこういう連絡をしているでしょうか。

○国務大臣(加藤勝信君) 先ほどの告知は、まずできるということと、それからその負担が一定を超える場合には八割までやりますよということなんですが、さらに、これは災害の実情をよく見た上ではありますけれども、今度は私どもから要請をする、そして、要請をした場合には、そこに出て必要になった費用については全額国費で負担をする、そういう制度であります。
 その制度については、これまで、直近で言えば西日本豪雨災害、熊本、東日本大震災の際にそうした措置を講じておりますが、東日本大震災の際は災害発生の四日後、熊本地震の際は災害発生の七日後、西日本豪雨災害の際は災害発生の五日後までにそうした要請を行った上で必要な対応をすると。
 我々は、今それについて鋭意、これは政府全体の中で議論をしなきゃなりません。ただ、これは決めた後、遡って発生をしたところから適用になると、こういう仕組みにもなっています。

○井上哲士君 今回既に五日たっているんですね。今ありましたように、西日本の場合は五日目に国として決めたということであります。
 被災者の皆さん不安に思っていらっしゃるわけですから、これはもう直ちに、検討中ではなくて決断をしていただきたいと思いますが、改めていかがでしょうか。

○国務大臣(加藤勝信君) やはり判断するに当たっては被災地の状況や過去の対応等も踏まえながら考えなきゃいけませんが、ただ、今被災地からはそういう声が上がっているということ、そのことはしっかり踏まえて迅速に検討させていただきたいと思っています。

○井上哲士君 被災地の状況と過去を見れば、私、直ちに決断をすべきだと思うんですね。西日本の際には、厚労省保険局長は五日目に、私たちの申出に被災者第一で考えたいと、後手に回ってはいけないと、一刻も早く結論を出したいということで決められたわけでありまして、その日に決断されました。現場からの要望も上がっています。
 そこで、総理、この間、できることは全てやると、現場主義とも言われたわけでありますから、過去やっていることです、現場からの声も上がっているわけですから、是非直ちに決断をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 被災された方の医療費の一部負担の取扱いについては厚労大臣から答弁をさせていただいておりますが、被災された方々が安心して医療を受けられるように、被災自治体が自己負担の減免等を行う際には、被災地の状況や過去の災害時における対応等も踏まえ、国としても当該自治体に対する支援をしっかりと行ってまいります。

○井上哲士君 是非、過去にやったように減免をすると、もう一回しっかり明確に言っていただきたいんですが、どうでしょうか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今答弁をさせていただいたように、今委員もおっしゃったわけでございますが、過去の災害時における対応も踏まえというところを酌んでいただきたいと、こう思うところでございますが、当該自治体に対する応援をしっかりと行ってまいります。

○井上哲士君 是非、過去の対応も踏まえて、直ちにこれは決断をして周知をしていただきたいと思います。
 避難所におけるジェンダー問題についてもお聞きするんですけど、昨日も紹介した内閣府の避難所運営ガイドラインでは、女性や子供への配慮についてチェック項目を挙げております。
 具体的に何を求めているのか、それをどのように徹底しているのか、防災担当大臣、お願いします。

○内閣府特命担当大臣(防災)(武田良太君) 避難所の生活環境を常に良好に保つためには、お子さんや女性に対する配慮というものがこれ重要になってまいります。
 市町村向けの取組指針におきましては、発災後に間仕切り用パーテーション等を整備するとともに、男女別のトイレや授乳室の設置等の生活環境の改善対策を講ずることが盛り込まれており、市町村の取組を促しております。
 今回の台風第十九号に伴う災害におきましては、被災地のニーズや課題を把握しながら、哺乳瓶、粉ミルク、液体ミルク、紙おむつ等のプッシュ型支援を行っております。
 内閣府としては、引き続き、女性や子供に配慮しつつ、避難所の生活環境の改善に努めてまいりたいと思います。

○井上哲士君 こういうジェンダー配慮という問題は、まだまだ現場では知られていなかったり、徹底がされていないということであります。
 是非しっかり、災害時であっても考慮、最大限これができるようにやっていただきたいし、このガイドラインでは、女性自身の視点から避難所運営を実施するために委員会への女性の参画も促しましょうとか、様々提起をされているわけでありまして、こういうことをしっかり徹底していただきたいと思いますけれども、改めていかがでしょうか。

○国務大臣(武田良太君) 御指摘の点を踏まえてしっかりと徹底していきたいと、このように思っております。

○井上哲士君 もう一点、瓦れき撤去などを行う被災者やボランティアへの第二次被害を防ぐ方策も重要だと思います。
 先ほど紹介した全国保団連の要望書では、こういうボランティアなどを行う皆さんや被災者に、破傷風ワクチンの接種を希望する者については、国がワクチン接種費用を公費で負担するということも求められておりますが、これも大変大事だと思うんですけれども、この点いかがでしょうか。

○国務大臣(加藤勝信君) 被災者の方、あるいは復旧するためにボランティアで来られた方々が二次被害に遭わないようにする、これは大変大事な視点だというふうに思っております。
 私どもも、清掃作業をされる方向けのリーフレットも既に自治体に向けて出させていただいておりますが、今御指摘の破傷風の関係に関しては、これ、手袋とか靴等で感染予防が割と比較的可能だということもあって、丈夫な手袋や底の厚い靴などを着用してほしいということ、それから、万が一傷を負って、それが深い場合とか傷口が汚れた場合、これには必ず医療機関を受診をしていただいて、医療機関で、予防処置としては事後的な破傷風ワクチンの接種とかあるいは破傷風グロブリンという形での治療、こういったことを対応するということになるわけでありますけれども、そうした対応をしてもらうように受診をするといった破傷風の感染予防に対する注意喚起を行っているところでありますけれども、引き続き、そうした事故が起きないようにしっかりと周知を図っていきたいと考えています。

○井上哲士君 今後、相当大規模なボランティアも出ていくと思うんですね。しっかりこれは対応していただきたいと。
 改めて、できること、必要なことは全てやるという構えを政府にこの問題で求めたいと思います。
 次に、関電の原発利権問題についてお聞きをいたします。
 当初、自らはまるで被害者かのような会見を行って続投を表明しておりました関西電力の幹部も、役員の皆さんの退任ということになりました。
 これは、国策であるとして原発立地、再稼働推進の原発マネーの還流であって、その原資は国民の電気料金でありまして、国会としての事実解明が求められております。そのために、当委員会に関電の幹部に参考人としての出席を要請いたしましたけれども、断りの連絡でありました。
 私、これはやっぱり解明のために絶対必要だと思っておりまして、理事会として要請をすることなど、この委員会として真相解明ができるように、委員長、お取り計らいいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○委員長(金子原二郎君) 改めて、後刻理事会で検討させていただきます。

○井上哲士君 是非よろしくお願いいたします。
 関西電力は、あの三・一一以降、国の認可を受けて、二〇一三年度、一五年度の二度にわたり電気料金を値上げをいたしました。(資料提示)【配付資料191016①.pdf】一三年の値上げの際は、役員報酬を平均四千二百三十一万円から二千万円と六割カットをしておりますけれども、これはどういう議論だったんでしょうか。

○経済産業大臣(菅原一秀君) 関西電力が二〇一三年に値上げの申請を行っているわけですが、その際、値上げを消費者にお願いをする中で、最大限の効率化を前提として、公開の場における専門家による厳正な審査を行っております。とりわけ、料金審査専門小委員会の査定方針におきまして、役員報酬については、国家公務員の指定職の給与水準を上回る分を料金原価から減額するという方針が示されたわけでございまして、そこはそういう中でこの金額になったわけでございます。

○井上哲士君 再稼働反対の世論が広がる中でも、政府は再稼働に固執をいたしました。安倍政権下での再稼働の九基のうち四基は関電の原発なわけですね。そのための追加的安全対策費は関電だけで一兆円を超えて、高浜原発一―四号機だけで五千億を超えるとされております。これが電気料金を値上げして充てられたわけですね。
 その下で、二〇一六年に高浜三、四号機が再稼働し、その後、大津地裁の運転停止仮処分の後、一七年に再び稼働し、一八年には大飯三、四号機が再稼働をいたしました。これが進む中で電気料金の若干の値下げはありましたけれども、いまだに前より高いわけです。
 一方で、役員報酬は、二〇一六年以降、逆に引き上がりまして倍加をし、一八年には平均四千百六十九万円、ほぼ事故前の状況に戻ったわけですね。同時に、原発立地のときから地元で大きな役割を果たして、再稼働のための安全対策工事にも深く関わった森山高浜町元助役から三億二千万円が関電幹部に渡されていたということが今大問題になっております。つまり、役員報酬は増えて、関電からも金品と二重にもらっているということになるわけですね。
 私は、この再稼働のための電気料金を認可をしたことでこういう事態になっているという点では国の責任があると思いますけれども、経産大臣、どうでしょうか。

○国務大臣(菅原一秀君) 今、井上委員、そこに表をお示しをいただいていますが、関西電力の二〇一三年及び二〇一五年度の料金の値上げ申請は、御案内のとおり、二〇一一年に三・一一の事故の発生の後、原発が長く停止をして火力の燃料費が大幅に増えて、電源ベースでいうと約九〇%火力になったわけでありまして、再稼働のための料金値上げではない、こういうふうに捉えております。また、現に原発が再稼働をしてこの燃料費が減った、そして、その二〇一七年、一八年は電気料金が逆に下がっております。
 あわせまして、役員報酬に関しましては、御案内のとおり、総括原価方式の中で人件費が定められておりますけれども、その中で、その企業が、例えば八割が自由料金、二割が規制料金という中で、規制料金のある意味ではキャップがはまっている、つまり、自由料金の方の上げ下げ、過大に大きくならない状況になっているわけでありまして、そうなると、その料金水準による収入を前提として、社内的に経費の削減、コストカットあるいは内部留保を使う、こういったことで役員報酬を上げ下げするということになっておりますから、そこは、企業、これは関電ではありますが、ほかの電力会社も含めて企業のこの報酬等は一定の裁量は認められているものというふうに理解をしております。

○井上哲士君 いろいろ言われましたけれども、電気料金は事故よりも、上がったままなんですね。そして、関電幹部の収入はその前のとおりに戻ってしまっていると。
 で、この二〇一一年の福島原発事故を受けて策定された国の新基準によって、再稼働の関電の安全対策工事費の総額の見込みは増え続けております。それにつれて、関電幹部への金品の受領額が拡大をしております。【配付資料191016②.pdf
 安全対策費を見ますと、二〇一三年は二千八百五十億円でありましたけれども、一七年には八千三百億円になり、そして一兆二百五十四億円、これは総額の見込みでありますけれども、こういうふうに増え続けていくと。その一方で、関電の原子力事業本部の本部長など要職を務める四人への金品受領額が、一三年には一千百一万円でありましたけれども、一七年には一億百六十万円に増えているわけですよ。
 ですから、今回の森山元助役から関電幹部への金品の提供は、一企業の金銭不祥事と私は矮小化をしてはならないと思うんですね。政府が国策として進めてきた原発政策と一体で原発マネーが還流したものだと思いますけれども、大臣の、総理、これ認識いかがでしょうか。総理。

○国務大臣(菅原一秀君) 原発の安全対策は、三・一一以降、当然、事故があったわけですから、一定的の確保をしなければいけないわけであります。そして、その安全対策費については、原子力規制委員会による規制に対して着実に実施をする必要があるわけでございます。
 震災後の規制強化について、当然安全対策費が増えていることは自然の流れでありまして、一方で、今御指摘があった森山氏から、この金品の原資は明らかになっておりませんから、そこを今回の厳格な第三者委員会で徹底究明して、その調査結果を踏まえて厳正に対処をしていきたい、こう考えております。

○井上哲士君 この安全対策費の下で工事額が増えていっているんですよ。これで一体じゃないか、こういうことを、つまり原発マネーの還流がされているんではないかと、この認識をお聞きしていますが、総理、いかがでしょうか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 電気は人々の暮らしに欠かせないものであり、その意味において電気事業者は単なる一企業ということにはならないと考えています。電気事業者たるもの、原子力に関わるものか否かにかかわらず、その事業全体について、電気料金を支払う利用者の皆さんから不信を持たれることのないように、常に適正な事業運営に努めるべきは当然であります。
 そうした観点から、今回の問題について、電気事業法に基づき、経済産業省から関西電力に対して事実関係や他の類似事案の有無などの報告徴収命令を既に出しており、これを受けて関西電力は独立した第三者委員会を設置をし、現在調査を行っているものと承知をしております。
 独立をした第三者の目を入れて、御指摘のような論点も含めて徹底的に全容を解明し、信頼回復に努めるものと、べきものと考えています。

○井上哲士君 まるで人ごとみたいなんですよね。これ、国策と一体で進められてきたという認識が私は聞こえてきません。
 原発マネーは関電からの受注工事だけではありません。国の電源立地地域対策交付金も原発立地に深く関わってまいりました。この交付金の目的及び財源は何でしょうか。

○国務大臣(菅原一秀君) お尋ねの電源立地交付金の目的でございますが、発電所を立地をすることがその地域の経済発展、福祉向上には必ずしも結び付かないという問題を解消するためのものでありまして、財源は電気の消費者が、言わば電気料の中の、電源開発促進税が含まれております。
 これを発電所が立地をする自治体に交付をしておりまして、具体的にはそれぞれ自治体によって使い道は違うわけですが、道路や水道の整備や病院の整備とか地元農産品の開発、いろいろと使われているというふうに理解をしております。

○井上哲士君 財源は何でしょうか。

○国務大臣(菅原一秀君) 今、後段で申し上げた、立地自治体においてその交付金をどのように使うか、道路、水道の整備、維持補修、病院などの整備、運営、地元農産品の開発やあるいは普及、こうしたことをやっているわけでございます。(発言する者あり)
 財源、今申し上げたとおり、財源は電気料金の中の、いわゆる支払をする方々が払っている電源開発促進税、これが財源です。

○井上哲士君 国民の税が財源だと。
 これ、福井県高浜町への交付金の交付総額は幾らになっているでしょうか。

○国務大臣(菅原一秀君) 平成二十九年の決算の数字でございますが、福井県全体で百八十七億円、高浜町は約三十億円でございます。

○井上哲士君 非常に多額のお金が入っているわけですね。
 高浜町の資料によりますと、この吉田開発は、一五年から一七年の三年間に、交付金を活用した高浜町の公共事業五件、総額四億五千二百五十三万円を受注し、そのうち少なくとも三億七千百四十万円、同交付金が充てられているわけでありまして、この会社から森山元助役に提供されたという三億円の資金についても、関電からの受注工事とともに交付金による工事の原資になっている疑いがあるわけですね。
 こうした交付金事業というのは、関電の第三者委員会の調査対象になるんでしょうか。

○国務大臣(菅原一秀君) 国として確認すべきは、立地交付金が適切に使われているかどうかであります。
 高浜町から、今お話のあった吉田開発、工事、それぞれ契約があるわけですが、これは指名競争入札でこの吉田開発が選定をされている経緯、また、それぞれ工事を請け負っている経緯がございます。それは、いわゆる設計書に沿ってしっかり工事が完成しているかどうかを確認する検査も行っているわけでありまして、その点は適切に実行されたということがこれまでは認識を、確認はされてきたわけであります。
 その上で、井上委員からお話あったその交付金の部分、国から自治体に、自治体から結果として流れているこの部分に関して不適切な事案、反例が出てくればですね、第三者委員会に、そこは経済産業省として厳しく対応、対処していくという考え方であります。(発言する者あり)

○委員長(金子原二郎君) 速記を止めてください。

   〔速記中止〕

○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。

○国務大臣(菅原一秀君) 今の段階でその第三者委員会の中に、今御指摘の交付金について項目は入っていないんですが、調べている中、調査の中でそこに疑義があったとすれば、それは当然こちらに報告があるわけです。その報告があるわけですから、そこで経産省として判断して対処していく、そういうことであります。

○井上哲士君 いや、関電からの直接の受注でないものも対象になるんですか。

○国務大臣(菅原一秀君) お話は、森山氏が還流したとされるお金について、それも含めて全て第三者委員会で調査をする、こういう流れがございまして、国から立地交付金が高浜町あるいは県、あるいはそこから事業を請け負う業者という流れについて、その流れの部分については、この第三者委員会が徹底調査をして、そこで嫌疑や疑義が出てくれば、当然そこはこっちで経産省として対処をするということでありますから、第三者委員会の、元々のお金の流れも徹底して調べてもらって、それを私たちは報告を受けたい、このように思っております。(発言する者あり)受けます。

○井上哲士君 受けると言われました。徹底してこれは調べていただきたいと思うんですね。
 関電の報告書には、森山氏が福井県議会及び国会議員に広く人脈を有したと書いていることが見逃せません。
 この間、森山氏が筆頭株主の株式会社オーイングから三十六万円、その関連会社アイビックスから、稲田元防衛大臣に七十二万円の献金がありました。これ、私、表を作ったわけでありますけれども、こういうのは隠せと、こういうお話になったわけですね。
 実際にこういうお金の流れを国民の前に明らかにするということが必要なわけでありますけれども、森山氏が相談役を務めて、高浜原発のメンテナンスを受注している柳田産業というところから、社長から、世耕参議院議員が官房副長官時代に四年間で六百万円の献金したということも明らかになっておるわけですね。
 何でこんなことを国民の前に隠すのかと、こういう事実を含めて、森山氏が国会議員に有したとされる広い人脈が今回の問題にどう関与していたか調べるべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。

○国務大臣(菅原一秀君) 森山氏の、含めた金の流れについては第三者委員会で徹底して究明をしていただきます。
 また、それぞれの政治家、議員が一人一人、国民からの信頼を得られるように、政治活動については説明をするものだと思っております。

○井上哲士君 さらに、関電そのものの献金もあるわけですね。
 電力業界というのは、地域独占が認められた公益企業にそぐわないとして献金を自粛をしておりましたけれども、関電幹部の個人献金が事実上行われておりました。それも三・一一以後は減った中で、電力会社が事実上の政治献金である政治資金パーティー券を企業名が表に出ない形で購入をしてきたことが稲田朋美元防衛大臣の政治資金の報告書で明らかになりまして、稲田氏は、このパーティーを大臣になった関係で取りやめて、購入者に返金をいたしました。その結果、二十万円までは公開の必要がないパーティー券の購入企業名が全部明らかになったわけですね。【配付資料191016④.pdf
 これを見ますと、日本原電や電気事業連合会、関電以外の電力会社七社で約六十二万円......

○委員長(金子原二郎君) 井上君、時間が来ております。

○井上哲士君 関電とそのグループ会社で計五十万円、合計百十二万円を購入をしております。原発マネーの購入ではないかと、国民の広いやはり疑問があるわけでありますが、私は......

○委員長(金子原二郎君) 時間来ておりますが。

○井上哲士君 原資は国民の電気料金であるわけでありますから、政治家を含む原発利権の闇に徹底してメスを入れることが必要だと、そのことを強く求めまして、質問を終わります。

○委員長(金子原二郎君) 以上で井上哲士君の質疑は終了いたしました。(拍手)

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