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米兵は刑務所でも特別待遇

 罪を犯した在日米軍の兵士は横須賀刑務所で受刑しますが、軍務についている時と基本的に同じメニューの食事で、毎日ステーキなどの肉が出て、デザートやフルーツ付き、コーヒーや牛乳も三食つくという特別待遇――この問題を十一日の参院法務委員会で追及しました。

 米兵への特別待遇は、五年前に緒方参院議員が最初に取り上げ、法務大臣が「善処する」と約束しました。ところがほとんど改善されていません。たとえば暖房。米兵の房にだけスチーム暖房があるというのはどう改善したかとただすと、「日本人の房も、廊下にストーブを置くようにした」というのです。これで部屋が暖まるはずがありません。

 最大の問題は食事。米兵の食事と比べ、日本人受刑者の食事には肉はほとんど出ませんし、甘いものは祝日だけ。政府は「米軍の差し入れによるもの」と言い訳しますが、日本人には食事の差し入れは認められていません。こんな特別待遇を続ければ、日本で罪を犯しても罪とも思わない米兵を増やすだけであり、必要な処遇の改善は平等にやるべきです。

 「米兵の犯罪に悩む沖縄のみなさんが、こんな特別扱いを知ったらどう思うか。ただちに是正すべき」と迫ると、森山法務大臣もついに「三十年間続いてきたことであり、米側との協議をしているが、廃止しなくてはならない」と答弁しました。(2002/4/21 付け京都民報)


隘路とワイロ

 


加藤紘一氏の地元、鶴岡市の道路公団事務所で調査
 
 
 

 二十五日の参院本会議のこと。法案の趣旨説明をしていた扇国土交通大臣が、「都市開発の隘路(あいろ)」と読むべきところを「ワイロ」と読んでしまいました。与党席は苦笑いをし、野党席からは笑いと野次が飛び交いました。

 「開発」と聞くと、思わず「ワイロ」と口に出てしまうのか、と思うほど自民党の利権体質はひどい。先日、加藤紘一自民党元幹事長の地元、山形県鶴岡市に調査に行ってそう痛感しました。同地で公共事業を受注すると、「口利き料」として受注額の三〜五%を加藤事務所に納めるというシステムができているのです。地元では「加藤消費税」と呼ばれているとのことでした。公共事業に介入して、建設業者から献金を巻き上げるという構図は鈴木宗男氏も加藤紘一氏もまったく同じです。

 国民の怒りもすさまじい。四月末投票の新潟参院補選に向けた演説会で二十三日に上越市に行きました。会場に飛び込んできたのは、自民党から出馬する予定だった県議長が、勝ち目がないと出馬を辞退したというニュースでした。前代未聞のことです。そこまで、国民の声が自民党を追い込んでいます。山形でも新潟でも、「まず京都で勝ってほしい」とたくさんの激励を頂きました。残りはわずか、森川さん勝利へがんばりぬこう。(2002/3/31 付け「京都民報」)


スニーカーと紙風船

 薬害ヤコブ病訴訟で国は、和解案の受け入れを決めました。その翌日の二日、京都市内で開かれた「薬害ヤコブ病に倒れた夭折の画家 林琢己遺作展」に足を運びました。

 滋賀県に住む琢己君は野球部に所属する元気な子でした。中学生の時に脳腫瘍 ( しゅよう ) の手術を受けて体が不自由になりましたが、リハビリに取り組むなかで絵を描く楽しさを学び、個展開く夢を見ていました。しかし、手術で使われたヒト乾燥硬膜がヤコブ病に汚染されており、琢己君から絵を奪い、命を奪ったのです。

遺作のなかには、スニーカーの絵が二点ありました。「歩けることを信じ、靴が履けることを信じて描いたのだと思います」とご両親の添え書きがありました。

 私は一昨年の暮れに初めてヤコブ病の患者の方をお見舞いし、衝撃を受けました。だから、当選して真っ先に「薬害ヤコブ病を考える議員の会」に入会しました。会議がひんぱんに開かれ、被害者家族の声を聞き、研究者から学びました。あくまで加害責任を認めようとせず、全員救済に抵抗する厚労省の役人と厳しいやり取りもありました。私も委員会質問で法務大臣に早期和解を求めました。原告団の皆さんが、国の厚い壁を打ち破るための後押しができたと思います。 

 琢己君の最後の作品は「紙風船」でした。高く、高く打ち上げたかったに違いない。夢も命も奪う薬害を二度と許してはなりません。そのためにも、国の謝罪表明と再発防止策をさらに迫ります。(2002 年 3 月 7 日、赤旗関西版)


「カンダハール」を見て

 「神にさえ見放された国」――タリバン政権下アフガニスタンの現実を描いた映画「カンダハール」を東京で見ました。2000 年に撮影され、2001 年 5 月のカンヌ映画祭で国際キリスト教会審査員賞を受賞したこの映画は、ニューヨークでのテロ事件以降、新たな注目を浴びてきました。

 25 年にわたりこの国は爆弾が投下され、地雷が埋められました。そこには絶望と憎しみだけがありました。映画は、妹を救うために祖国に戻る女性ジャーリストの旅路を通して、飢餓と貧困、タリバンのイスラム教育、女性に対する抑圧、そして地雷で傷ついた人々の群れなどアフガンの過酷な現実を詩情あふれる映像とともに描いています。そして、おそらく誰もが一番印象に残る場面は、赤十字のヘリコプターからパラシュートで落とされる義足をめがけ、足を失った男達が松葉杖で必死で走るシーンでしょう。その男達のまなざしの先にどんな希望があるのか…。

 今、アフガンに落とされているのは、義足ではなく、報復のための爆弾です。日本はそれを支援しました。それが許されるのか。この国に希望を育てるために、何をなすべきなのか…。今後この映画は、全国で上映されます。ぜひ見てほしい。考えてほしい。


通常国会開会――「口利き」疑惑追及へプロジェクトチーム

 「有事立法許すな」「医療改悪反対」――私にとっては初めての通常国会の開会日。初日から、雨をついてやってきた昼休み請願デモを出迎えました。続いて開かれた「有事法制」と「憲法改正国民投票法案」に反対する院内集会には宗教者や市民団体の皆さんで会場からあふれるほど。たたかいの幕を開けました。

 急浮上してきたのが金権腐敗問題。日本共産党国会議員団には、ロッキード事件やリクルート事件などで大きな役割を果たしてきた伝統ある金権・腐敗政治追及委員会があります。今国会から木島日出夫衆議院議員が委員長になり、私もメンバーに加わることになりました。開会初日から同委員会の「公共事業等にかかわる『口利き』疑惑追及プロジェクトチーム」の初会合。配られた五十枚もの資料には、ライジングプロ脱税事件や自民党加藤紘一議員秘書の「口利き料」問題、日本道路公団関西支社の談合事件など、政治家がかかわったこの間の金権事件がずらり。ひどいものです。

 金丸汚職の「教訓」から、政治家が直接関与せず、秘書による「口利き」という形に変えただけのこと。それをビジネスにしたのが「業際研事件」。この事件の中心は民主党の鹿野副代表の元秘書ですから、この党の自浄能力も問われています。

 国民には痛み、自分たちは公共事業でワイロ。もう、やめさせましょう。(「しんぶん赤旗」北陸版 2002/01/23)

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