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井上哲士ONLINE
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2005年3月23日(水)

参院予算委員会
「政治とカネ」問題集中審議(対総理質疑)

  • 証券取引法違反で起訴された西武グループ総帥、コクド前会長の堤義明被告と小泉純一郎首相の関係について質問。

井上哲士君

 日本共産党の井上哲士です。

 今日、堤義明コクド前会長が西武鉄道株をめぐる証券取引法違反で東京地検に起訴をされます。堤前会長は西武グループの総帥として政界との関係が深いことは有名です。総理は、この堤氏が逮捕されたときに、堤さんは政治家のお世話や応援をしても政治家に頼まないのではないかと述べられておりますが、総理自身は堤氏からどんなお世話や応援をしてもらったんでしょうか。

内閣総理大臣(小泉純一郎君)

 私は、堤氏とは親しくお付き合いをしておりますし、私の所属していたグループはプリンスホテルに事務所も借りておりますし、そして、どういう方とどういうお付き合いをしているかは私はつぶさにしておりませんが、私に対しましては大変親しく、各種選挙におきましても、応援してほしいと言えば快く応援していただいていると思っております。

井上哲士君

 総理の資金管理団体である東泉会が発行している機関誌「泉」っていうのを今ここに持っております。この中で裏表紙を全部取ってプリンスホテルの広告が入っておりますけども、これもお世話や応援の一つですか。

内閣総理大臣(小泉純一郎君)

 いろいろな私の政治活動に応援していただいている、私はそう、応援している一環だと受け止めて有り難いと思っております。しかし、今はもうその機関誌は発行しておりません。

井上哲士君

 在任中は発行を自粛しているという報道もありましたが、この東泉会の広告収入を政治報告、政治資金の収支報告書で見ました。一九九〇年から二〇〇〇年見ますと、毎年千四百二十万から二千四百万円、十一年間で計二億四十五万円の広告収入があります。毎号二十社ぐらいが広告出しておりますけれども、大抵小さい広告なんですね。このプリンスホテルが全面広告を出しているというのは大変際立っているわけですけども、これは総理の側からプリンスホテルに依頼をされたのか。そして、この広告料金はどうなっているんでしょうか。

内閣総理大臣(小泉純一郎君)

 それは、機関誌にどの程度の大きな広告を出すか小さな広告を出すか、それは編集者に任しておりますし、大きいから額が多い、小さいから額が小さいと、一定のものとは決まってないと承知しております。

 それは、政治活動の一環として機関誌を発行しておりますし、事業収入としてもなされているんだと思います。政治資金法にのっとって厳正に対処しているわけでございます。

井上哲士君

 政治活動の一環、政治活動への応援だと言われましたけども、この政治家の機関誌への広告料は普通の政治献金と違いまして上限もないわけですね。収支報告書に名前書く必要もないと。ですから、事実上、広告料という名目で企業からの献金を受け取るやり方だと、法の抜け道だということで随分問題になってきた問題です。

 例えば、かつて加藤紘一元自民党幹事長の金庫番の秘書が所得税法の違反で有罪になりました。この人物が公共事業の口利きの見返りに加藤さんの後援会の機関誌に広告を出させていた。これ大問題になって加藤さんの辞職にもつながった、そういう問題なわけですね。

 しかも、総理とグループとの関係はこれだけじゃありませんで、先ほどありましたように、派閥の事務所をプリンスホテルに置いている、資金パーティーも毎年赤坂プリンスホテルでやっておりますし、就任以降二百五十回以上施設を利用されたということも報道されておりました。

 さらに、自民党の資金管理団体である国民政治協会を見ますと西武グループからの献金を受けております。九四年から二〇〇三年までの十年間でコクドから百二十万円、西武鉄道から七千二百四万円、西武建設から二千二百七十二万円など、総額九千九百八十万円の献金を受けております。特に、この西武グループの資産は一兆八千億と言われていますけれども、この中核のコクドはこの五年間調べても法人税を一円も払っておりません。二十年ぐらい前に堤氏が新聞に出まして、利益がないから税金を払っていないと述べておりますけれども、それがずっと続いているようなんですね。経常利益が出るとその分だけ特別損失を出して、利益を消して法人税をゼロにすると、利益操作によって税を払わないと、こういう操作、事実上の税金逃れしてきたわけですね。

 こういうところから政治献金をもらうと、これは総理は問題と思われないんでしょうか。

内閣総理大臣(小泉純一郎君)

 それは、各党におきましても、各政治家におきましても、献金している側がどのような活動をしているかというものを逐一調べるのは困難だと思っております。様々な企業から、団体から政治活動資金を提供されていると思います。しかし、問題があった場合には、そういうような企業からは献金を受けるべきか受けない方がいいかという点についてはよく思料しながら、公正な資金の受け方については注意する必要があると私は思っております。

井上哲士君

 この税金逃れというのは、西武の関係者もまあ法律すれすれの行為だと言っているんですね。しかも、今もうすれすれでなくなっているわけですよ。堤前会長のこの証取法違反の行為は、西武鉄道などの上場廃止に追い込んで大変な損害を与えているわけでありますし、この違反行為は三十数年間ずっと続けられてきたと、こう言われております。しかも、それだけじゃありませんで、今日、この個人犯罪だけではなくて、コクドもそして西武鉄道も証取法違反の容疑で法人として東京地検に告発をされると、こういう報道もされておりました。

 問題になった場合には考えると言われましたけれども、三十年間ずっと違法行為を続けながら西武グループが献金してきたんですから、これ皆全部さかのぼって私は返すべきだと思いますけれども、総理、いかがでしょうか。

内閣総理大臣(小泉純一郎君)

 それは、政治活動資金は各党が厳正に対処すべき問題であると思います。

井上哲士君

 だから、厳正に対処すべきだと言っているんですよ。いいですか。ずっと違法行為を続けながら、その一方で自民党には政治献金をしてきたんです。しかも、先ほど言いましたように税金逃れをしてきたと。こういうところからの献金も返すことができないようで、どうして国民の政治への信頼を回復することができるんですか。返すべきじゃないですか。

内閣総理大臣(小泉純一郎君)

 まだどういう事情か私はよく承知しておりません。党としては、政治資金は政治資金法にのっとって厳正に対処しているということでございます。

井上哲士君

 事情を把握していないと言われましたけれども、既に告訴をされるということは今朝も報道もされておりました。

 そういうことが明確になった時点で、そうしたら総理として決断されるんですか。

内閣総理大臣(小泉純一郎君)

 政治資金の調達方法については、政治資金規正法にのっとって厳正に対応すべきだと思っております。

井上哲士君

 先ほども、政治資金規正法というのは最低の問題なんだと、こういうお話がありました。そして、この例えばコクドの税金逃れというのは脱法すれすれという関係者の声もあるんですね。すれすれのところから最低のところにお金回ると。これでいいということであれば、本当に国民の政治不信というのは極に達します。

 コクドがリゾート法を使って各地で大規模開発を進めて利益を上げたというのは周知の事実でありますけれども、かつてリゾート法の実現に向けて自民党の元総理を会長とした大規模リゾート建設促進議員連盟つくられましたけれども、元総理は当時、このリゾート法案はコクド計画の堤義明社長も全面的にバックアップしてくれておりますと、こういうふうに述べておりました。堤前会長は、広告とか政治献金とかパーティーとかゴルフの会場を広く便宜を図ることによって、その政治的影響力を背景にあうんの呼吸でこうした利益、利権も上げてきた。

 こういう政治をゆがめるものについては返すべきでありますし、企業献金そのものも禁止すべきである、そのことを申し上げて質問を終わります。


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