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2008年1月8日(火)

外交防衛委員会

  • 午前は、秋山直樹・日米平和文化交流協会理事の参考人質疑があり、わが党の大門みきし議員が質問。午後は、新テロ特措法の質疑で防衛利権問題を質問。

〈午後の質問〉

井上哲士君

 日本共産党の井上哲士です。

 今日、午前中も参考人質疑が行われましたけれども、防衛利権の疑惑はとどまることを知りません。

 午前中も質問がありましたが、年末の報道によりますと、山田洋行がGEやノースロップ・グラマンの代理店契約を守るために、政界工作資金として秋山直紀日米平和・文化交流協会の常勤理事に対して約二十五万ドル、日本円で三千万円の資金を渡したということを記した内部文書の存在も明らかになっております。また、久間元大臣に支援を要請する文書も秋山氏に手渡されたとされております。この内部文書、対象事案、GE及びノースロップ・グラマン代理店保全にかかわる支援行動というものでありますが、これによりますと、実際に日本の防衛族議員を通じて米国の元政府高官二人にメーカー側への働き掛けを要請をし、実行をされたということが記載をされております。つまり、防衛装備品の契約というものが金によって左右をされていたということであり、これは非常に重大だと思うわけですが、まず防衛大臣にこの問題についての御所見をお伺いしたいと思います。

防衛大臣(石破茂君)

 委員御指摘の報道は私承知をいたしております。今朝の参考人の質疑においても、この点は否定をされたのではないかというふうに私は拝見をいたしました。

 私どもといたしまして、この今御指摘のようなことにつきまして事実関係を承知いたしておるものではございません。また、内部文書なるものを拝見をしたこともございませんし、今御指摘の久間元大臣についての支援の要請とか三千万円がどうしたとかいうようなことについて全く私としては存じ上げておりませんので、恐縮でございますが、お答えをいたしかねるところでございます。

井上哲士君

 内部文書が作られたのが一昨年の十月ごろと言われているわけでありまして、あえて虚偽のものを当時作る必要性は私はなかったと思いますし、今朝の秋山氏の発言を聞いておりましても、極めて疑惑は私はむしろ深まっていると思います。

 それで、これは防衛省としてきちっと調べるべきことだと思うんですね。といいますのは、この資金は、山田洋行のアメリカの子会社、ヤマダインターナショナルコーポレーションのイスラエル事務所がシリアのゴラン高原でのPKO活動に参加した自衛隊の生活物資の調達業務を請け負った際に国から支払われた、その資金を一部をプールをしたものだと、こういうことが複数の報道があるわけですね。現地の部隊から米ドルで支払われたお金を他の郵便物に入れるなどしてアメリカの子会社に送って、それを裏金としてプールをして、これが今回の工作資金に使われたと、こういうことなんです。

 となりますと、正にPKOを通じて支払われた国民の税金が食い物にされて政界工作に使われたということになるわけでありますから、私はこれは防衛省自身がそういう認識を持って当たるべきだと思うんですけれども、もう一度、大臣、いかがでしょうか。

防衛大臣(石破茂君)

 山田洋行との契約につきましては、現在すべて見直しを行っておるところでございます。そこにおいて支払われたものに水増し請求あるいは過大なものがなかったかどうか、このことについて現在一つ一つ調べておるところでございます。今委員御指摘のゴラン高原につきましても、それは例外ではございません。

 ただ、山田洋行あるいはヤマダインターナショナル、いろんなものを納めております。そのことにつきましても一つ一つ精査をいたしておるところでございますが、そのような事実がないかどうか、現時点では全く把握をいたしておりませんけれども、いずれにしても、委員御指摘のように、国民の血税というものがきちんと使われているかどうか、そのこと等々につきまして当省としてはきちんと確認をし、明らかにする責任があると存じております。

井上哲士君

 具体的に聞きたいんですが、この山田洋行ないしはその子会社によるゴラン高原でのPKOに関する契約の実績、件数及び金額、これはどうなっているでしょうか。

防衛省防衛参事官(小川秀樹君)

 お答え申し上げます。

 御指摘の防衛省がゴラン高原国際平和協力業務の実施のために、まず山田洋行と締結した契約でございますけれども、十四年度以降で見まして、契約件数が三件、契約金額の合計が約八千六百万円でございます。

 また、同じく防衛省がゴラン高原の国際平和協力業務の実施のためにヤマダインターナショナルコーポレーションと締結した契約でございますけれども、平成十四年度以降、十九年度についてはちょっと資料の関係上九月三日までしか取れておりませんけれども、契約件数が六百九十一件、契約金額の合計が約一億二千万ということでございます。

井上哲士君

 そのうち、随意契約の割合それから見積書の有無は、この契約件数のうちどうなっているでしょうか。

防衛省防衛参事官(小川秀樹君)

 お答え申し上げます。

 まず、先ほど申しました山田洋行と締結した契約三件でございますけれども、これについてはすべて一般競争入札手続を実施したわけでございますけれども、三件のうち二件につきましては応札者が山田洋行一社のみであったところでありまして、再度、二度の入札をして予定価格に達しなかったということで、落札者がなかったということで、規定上同社との間で商議を経て随意契約を締結したということでございますので、三件中二件が随意契約であったという、結果としてはそういうことでございます。この三件の契約の締結に際しましては、いずれも見積書を徴取しておるところでございます。

 他方、ヤマダインターナショナルコーポレーションと先ほど申しました締結した六百九十一件でございますけれども、委員の方にあらかじめ御報告しておりますけれども、まず、六百九十一件でございますけれども、これは外国で締結した契約でございますのですべて随意契約で締結をしております。見積書を徴取したか否かにつきましては、委員にあらかじめちょっと御報告しておりますけれども、まだ現時点で具体的な状況を確認できておらないということでございます。

井上哲士君

 この六百九十一件の契約実績については一覧表で契約ベースでいただきました。生活物資ですから、だしのもとなど食料品も含めて大変細かい契約はされております。

 ただ、私、先日も、山田洋行が契約をしたイラクでの装備品の問題で、見積書もない随意契約が行われているということで商社の言い値になっているんじゃないかということを指摘をいたしました。

 今日、先ほどありましたように、このヤマダインターナショナルの受注が一億二千万余りですね。ところが、そのうちで三千万円をプールをして送って裏金になったということが言われているわけですね。そうしますと、これは相当の水増しが行われていたんではないかという疑惑が極めて高いわけであります。

 私は、このゴラン高原のPKOにかかわる契約についての水増しという問題はしっかりと調べなくてはいけないと思うんですね。この間、山田洋行の問題はかなり出てきたわけでありますが、このヤマダインターナショナルコーポレーションのこのゴラン高原におけるPKOにかかわる契約の水増し実態ということについて、もう一度、どういう把握をし、どういう調査をされようとしているのか、お願いしたいと思います。

防衛大臣(石破茂君)

 この件は前回も委員から御指摘をいただきました。

 繰り返しになりますが、山田洋行との契約につきましては、平成十九年十一月二十二日、外国製造メーカーの見積書を改ざんする手法により二件の過大請求が判明をしたことでございます。

 当省といたしましては、山田洋行及びヤマダインターナショナルコーポレーションとの間の遡及できます限りすべての契約を対象に調査を実施をし、過大請求の全容解明を進めておるところでございます。現時点におきましてそのような事実は確認をいたしておりませんが、これは、そのようなことはかりそめにもあってはならぬことでありますので、全件調査をし、明らかにせなければなりません。

 また、言いなりになっておるではないかというお話でございます。

 予算決算及び会計令の第九十九条の六、これもこの間御説明をしたところでございますが、随契によろうとするときは、なるべく二人以上、二人以上の者から見積書を徴さなければならない、なるべくと、こう書いてあるのであってと、絶対にとはこう書いてないのだということになるわけでありますが。しかしながら、これ、なるべくとは書いてございますけれども、できるだけきちんとした見積書を取らねばならぬというふうに思っております。

 ただ、まくらとかシーツとか、そういう大体幾らということが分かっておるものについて、それにまで見積書を取るのかねという議論はそれはあろうかと思いますし、実際にサマーワのような地域で、さてシーツの入札、さてまくらの入札、なかなかそういうような状況にはないということも実際問題はあろうかと思います。

 どういうような運用になるかはこれまた議論をしてみなければいけませんが、少なくとも商社の言いなりというような御指摘を受けることがないように運用の改善もしていかねばならないと考えておるところでございます。

井上哲士君

 結局、外国での契約のためということで随意契約になり、ほとんど見積書も取られてないということを、私は、山田洋行なりヤマダインターナショナルなりが悪用をしてこういうことが行われていたんじゃないか、それが裏金に回っていたんじゃないかと。やはり具体的なこういう問題が出ているわけでありますから、しっかりとこれは点検をするべきだと思うんですね。

 そして、この裏金が久間氏に回っていたんではないかということが言われるわけです。これは現実に符合するわけですね。この山田洋行が代理店契約を守るように久間氏に依頼をしたということを、そのための資金を記載をされた内部文書が作られたのが一昨年の十一月ということでありますが、その直後に現に、その直後の十二月の五日に、久間氏は日本ミライズを発足させた宮崎氏からスッポン料理屋で接待を受けております。これは本人も認めておられます。秋山氏も同席をしていた。その場で久間氏は、山田洋行の創業者である山田親子が自分のところにあいさつに来たと、いい親子じゃないかということを宮崎氏に対して語りまして、宮崎氏はそれを聞いて、久間氏は山田洋行に手を出すなというプレッシャーを掛けているというサインを感じたと、こういう証言も宮崎氏はしております。

 それから続いて去年の六月、これはパリで開かれたエアショーの際に、防衛省の航空課長が出席をして、GEの幹部に、なぜAランクである山田洋行との代理店契約を解消してDランクの日本ミライズに変えるのかということを言った。この発言がその後問題になったときに、この課長は、私は大臣の指示でやっていると答えた。当時の大臣は久間氏なわけであります。

 さらに、守屋氏の証人喚問の際に守屋氏はこう証言しました。事務次官を退任後、久間氏から、君に言わないでおったことが一つあったと、GEと直接契約できないか担当課長に指示しておいたと、こういうことを言われ、大変違和感を感じたということを守屋氏もこの場で言われました。

 ですから、この文書が発行され資金が渡されたというそれ以降、一貫して久間氏は山田洋行側に付いた発言と行動をしているわけですね。私は、そこに国民の税金が使われているという疑惑があるわけですから、これは捜査当局任せにせずに、防衛省としても調べるべきであるし、久間氏からも直接事情を聴くべきだと思うんですけれども、大臣、いかがでしょうか。

防衛大臣(石破茂君)

 パリのエアショーの御指摘でございます。

 当時の航空機課長が昨年六月のエアショーに出張いたしておることは事実でございます。当省として当時の課長から聴取をいたしました。当時の課長は、この出張について当時の久間大臣に報告もしていない、また何らの指示も受けていない、私どもの聴取に対しまして当該課長はこのように答えておるものでございます。

 また、直接GEと契約することを検討するよう久間当時の大臣から指示があったのではないかということですが、これも担当部局、関係者等に聴取をいたしましたところでは、CXエンジンといった個別具体的な調達契約の締結について直接契約をGEとすることを検討するよう指示があったとは承知していないということでございました。

 ですので、いろいろな報道がございます。また守屋氏の証言もございました。私どもとして必要な確認はすべていたしております。ただ、現在、守屋氏につきましては捜査当局による捜査が進められておるところでございますので、私どもとしてお答えできる範囲、また捜査権限を持っておりません当省としてできます範囲にもそれは限界がございます。

 ただ、報道で言われておりますように、そのようにしてきちんとした調達の在り方というものが曲げられていないかということにつきましては、今までも確認を行ってまいりましたし、これからも必要があればそれはちゃんと行わねばならないと思っておるところでございます。

井上哲士君

 これやはり久間氏本人から真相を発言をしていただく必要があると思います。真相解明のために、改めて久間氏の証人喚問を求めたいと思います。お取り計らいをお願いいたします。

外交防衛委員会委員長(北澤俊美君)

 ただいま井上哲士君からの御発言につきましては、後刻理事会で協議をいたします。

井上哲士君

 終わります。


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