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2009年4月7日(火)

外交防衛委員会

  • 北朝鮮の飛翔体発射問題で外務・防衛両大臣の報告を聴取したのち質疑。「人工衛星発射であっても国連決議違反であり、制裁を強化すべきという論には組しない」として、「外交的解決こそ必要であり、六カ国協議の再開に努力を尽くすべき」と外相に求めた。

井上哲士君

 今回の北朝鮮の飛翔体発射は極めて遺憾であります。

 官房長官の談話ではミサイルとせずに飛翔体としているわけですが、打ち上げられたものが人工衛星であったかどうかという判断がまだ付いていないということだと思います。今後、その判断をする上でどういう要素、データを検証するのか。それから、判断を下すまでに前回は二か月程度掛かっておりますが、今回はどの程度の時間が掛かるという見通しを持っているんでしょうか。

防衛大臣(浜田靖一君)

 先ほども申し上げましたけれども、この判断をする場合には、一般論としては、先ほど申し上げたように、地球周回軌道上の物体の存否、そしてまた地球周回軌道に乗せ得る速度の達成の有無、そしてまた飛翔形態、いわゆる弾道ミサイルは放物線を描いて飛翔をしますし、人工衛星の場合には一般的に軌跡が平たんで水平飛行段階が存在するということが考えられます。

 なお、一般的に、通常の弾道ミサイルの発射実験であれ、人工衛星の打ち上げであれ、多段階推進装置の分離に関する技術、姿勢制御、そしてまた推力の制御に関する技術等の試験を実施するのが必要であることは、これは共通していると思っております。

 時期的なこの解析がいつごろになるのかと、結論が出せるのかという話でありますが、ここのところは、前回のお話もありましたが、今回いろいろな情報等が結構いろんなところからも寄せられておるわけでありますので、できるだけ早くとは思っておりますが、今の段階で時期を申し上げるのはなかなか難しいということだけは言えると思います。

井上哲士君

 いろんなところから情報が寄せられているということがありましたが、このミサイル防衛システムは、アメリカの早期警戒衛星Xバンド・レーダーと一体のシステムでありますが、今回の一連の対応、そして今後の判断においてアメリカからの情報を得ていると思うんですが、どの程度のものが来ているんでしょうか。

防衛大臣(浜田靖一君)

 その件に関しては、なかなか我々の方としても、相手のあることでございますので、今ここでどうこうすぐ申し上げるわけにもまいりません。いずれにしても、我々とすれば、そういった情報を含めながら分析を進めてまいりたいというふうに思っております。

井上哲士君

 打ち上げたものが人工衛星であっても国連安保理決議違反であり、制裁を強化すべきだという立場に我が党はくみすることはできません。こういう立場は、六か国協議を通じて北朝鮮の核問題を外交的に解決をしていくという上で障害を持ち込むことになると考えております。

 今後の対応で何よりも重要なことは、北朝鮮による核兵器の開発を終わらせるという最も重要な目的達成のために外交努力を尽くすことであり、六か国協議での対話を再開するためのあらゆる努力だと思いますが、政府として、六か国協議での対話の再開の重要性への認識及びその見通しについてはどのようにお考えでしょうか。

外務大臣(中曽根弘文君)

 六者会合、六か国協議につきましては、北朝鮮によります発射直後の段階でございますので再開の見通しは立っておりませんが、昨年の年末の経緯もあるわけでございますが、我が国といたしましては、懸案の非核化ですね、これの検証の枠組みについて六者間で文書による合意が形成されて、早期に検証が開始されることが重要であると考えておるところでございます。我が国を含む六者会合の関係国が引き続いて六か国会合、六者会合のプロセスを前に進めようと、そういう意思を有しているわけでございますが、北朝鮮が六者会合共同声明の完全実施に向けて建設的な対応をすることを期待をしているところでございます。

 我が国といたしましても、米国を始めとする関係国と緊密に連絡を取りましてこの六者会合が再開されるように、特に議長国である中国ともよく協議をしながら再開に向けて努力をしていきたいと思っております。

井上哲士君

 終わります。


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