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2009年3月27日(金)

予算委員会

  • 締めくくり総括質疑に立ち、再び、西松建設違法献金問題で二階経産大臣と麻生総理を追及した。

予算委員長(溝手顕正君)

 次に、井上哲士君の質疑を行います。井上哲士君。

井上哲士君

 日本共産党の井上哲士です。

 まず、総務省にお伺いしますが、政治資金規正法の目的と精神は何でしょうか。

総務省自治行政局選挙部長(門山泰明君)

 お答えいたします。

 政治資金規正法の目的でございますが、同法第一条に規定されております、政治活動の公明と公正を確保し、民主政治の健全な発達に寄与するところにあるとされております。

 また、基本理念につきましては、同法第二条に規定されておりますが、第一として、政治資金の収支の状況を明らかにすることを旨とし、政治資金拠出についての国民の自発的意思を抑制することがないように配慮すべきこと、第二に、政党その他の政治団体や公職の候補者は、政治資金の収受を公明正大に行うべきことを定めております。

井上哲士君

 規正法の中で刑罰が一番重いのが虚偽記載ですけれども、なぜでしょうか。

総務省自治行政局選挙部長(門山泰明君)

 お答えいたします。

 政治資金規正法は昭和二十三年に議員立法により制定されておりますが、制定されました当初から、収支報告書に虚偽の記入がされた場合の刑罰につきましては最も重い刑罰が定められております。

 収支報告書といいますのは、政治団体の一年間の収入及び支出の状況に関する言わば決算書というべきものでございまして、政治資金の収支の公開を通じて政治活動の公明と公正を確保しようというこの法律の目的から見まして極めて重要な役割を担うものでございます。虚偽の記載がされますと、このような本法の目的が達成されないおそれがあることから、事の重要性にかんがみまして重い刑罰が定められているものと認識いたしております。

井上哲士君

 虚偽記載という問題は形式的なことではなくて、やはり政治資金規正法の精神を踏みにじる問題であります。西松建設からの偽装献金だと知っていたのではないかという核心の問題について、民主党の小沢代表は十分な説明をされておりませんし、同時に、同じ構図で資金を受けてきた自民党の側も説明責任を果たしてはおられません。

 そこで、二階大臣にお聞きいたしますが、前回の質疑の際に、派閥のパーティー券にとどまらず、大臣自身の政治資金管理団体が九五年の新政治問題研究会の発足当時から献金を受けていたということを指摘いたしました。その後、これがどういう政治団体と認識して受けたのか、確認をされたでしょうか。

経済産業大臣(二階俊博君)

 お尋ねの件は、何分古い話であります。改めて事務所に確認しておりますが、収支報告書は保存期間を過ぎてしまっておりますので、現在では官報等で確認をするという以外ないと思いますが、今事務所で確認をしておると聞いております。

 なお、当時の担当の者が浄財をお願いして寄附していただいたということでありますが、その経緯や詳細は私も今承知しているわけではありません。

井上哲士君

 つまり、担当者の側からお願いをしたという話でありますが、新政治問題研究会の成立は九五年の十一月一日なんです。その年のうちに百八十万円献金しているわけですね。

 自治省届出の政治団体は当時五千三百九十二ありました。その中からピンポイントで要請したというのは極めて不可解でありますが、大臣は西松建設の前社長の国沢容疑者、元社長の金山氏とは面識はあるけれども、この二つの政治団体の代表には面識がないということを答弁されました。五千三百九十二もある中で面識もない政治団体に要請をしたというのは、私は極めて不自然だと思いますが、西松建設の関係団体と御存じだったんじゃないですか。

経済産業大臣(二階俊博君)

 そのいわゆる二つの政治団体と言われますが、私はその代表者はいまだに存じ上げません。ですから、私が要請したということはあり得ません。

井上哲士君

 あなたの資金管理団体が要請をしているわけですね、先ほど担当者が、言いました。じゃ、なぜこの五千三百九十二もある中でこの団体に要請をされたんでしょうか。

経済産業大臣(二階俊博君)

 五千幾つかの団体の中でなぜここに要請したかということでありますが、それはもう全く私の知るところではありません。

井上哲士君

 全く説明責任を果たしていないんですよ。これでは政治不信が広がるばっかりであります。

 更に聞きますが、関西新風会という政治団体と大臣との関係はどういうものでしょうか。

経済産業大臣(二階俊博君)

 これは、たしか私が衆議院選挙に出る前のころからでございますが、私の政治家の大先輩の方々が関西にそういう後援会組織をということでおつくりいただいたというふうに記憶しております。

井上哲士君

 この団体が事務所として年間二百八十万円で大阪市西区の立売堀にあるマンションの四百一号室を借りておりました。

 だれから借りていたんでしょうか。

経済産業大臣(二階俊博君)

 関西新風会の事務所のお話ですから、私の方では事務所がどういう方からお借りしたかということは存じませんが、先般の御質問からこういうことについて確認をしたところ、株式会社オーエーエンジニアリングというのが大家さんだったというふうに聞いております。

井上哲士君

 西松建設の関連設計会社とありますが、西松建設がこの関西新風会の事務所の家賃を補てんしていたという疑惑が新たに報道されておりますが、大臣が支部長である自民党和歌山県第三選挙区支部に対して西松建設から個人献金の形を取って年間三百万円が振り込まれていたんではないですか。

経済産業大臣(二階俊博君)

 それは、個人献金の形を取っているというんではなくて、個人献金として納めておっていただいたというふうな報告を受けております。

井上哲士君

 私、政党支部の〇六年、〇七年の収支報告書を持っておりますが、五万円以下の政治献金というのは二年とも三百万円ずつなんです。端数が全然ないというのは余りにも不自然でありまして、二年間とも同じ三百万円と。

 報道とも符合するわけですが、西松からの政治献金でないということであれば、この三百万円はだれからの献金か明らかにしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

経済産業大臣(二階俊博君)

 それは、五万円以下のことについての名義が明らかになっていないということに対して、今それを明らかにするようにという議員の御指摘でありますが、私の方では今それだけの資料は持ち合わせておりません。

井上哲士君

 いや、入金記録も帳簿もあるはずなんですよ。これは、これだけの疑惑がある以上、これはきちっと説明責任を果たしていただくことが必要だと思います。これは事務所費の問題のときと同じような言い訳をされているわけですね。

 じゃ、総理、お聞きしますが、小沢代表の秘書が起訴をされた日に、政治資金の問題で政治不信が広まるのを恐れるとコメントされましたけれども、二階大臣の説明で国民の政治不信が払拭されるとお考えでしょうか。

内閣総理大臣(麻生太郎君)

 これはどなたの話のときにも同じお答えをしておると思いますが、井上先生、個別の事案についてコメントするということは差し控えさせていただきます。これがまず大前提です。

 その上で、政治資金の扱いとか透明性の話になりますと、これは国民に不信を持たれるということがないように、これはどの党であろうと、そういったことは各々の政治家がしっかりと説明すべきものだと思っております。今強いて答えよと言われれば、二階大臣の説明責任を果たすようということで、しっかり努めようとしておられるような印象を受けました。

井上哲士君

 国民の政治不信とは全く懸け離れた態度だと思います。

 これ、総理が任命をした閣僚の問題なんですね。自民党の細田幹事長は、先日、民主党小沢代表の続投のときに、上場企業による偽装献金の大きな問題を軽く見過ぎていると、こういうふうに発言をされましたけれども、私は自民党自身が問題を軽く見過ぎていると思います。

 国民の政治不信は増すばかりだ。やはり、企業献金の部分的規制を行う法規制は行われてきましたけれども、結局網の目をくぐっての違法献金が続けられてきた。元を絶つ、企業団体献金は禁止すべきだということを申し上げまして、質問を終わります。

予算委員長(溝手顕正君)

 以上で井上哲士君の質疑は終了しました。(拍手)


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