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2011年5月24日(火)

法務委員会

  • 民法等改正案の質疑2回目。児童虐待を理由に親子分離された保護者への指導、支援による家族再統合への援助強化を求めた。

井上哲士君

 日本共産党の井上哲士です。

 この間、関係者の努力があって、児童虐待の早期の通報、そして必要な場合には親子を分離して子供を守るということが、様々制度が前進をしてまいりました。ただ、親子分離をしても、最終的には目標は、子供が安心して家庭に戻れるようにすること、家族の再統合にあります。しかしながら、それが十分に進んでいるのか。

 先日の参考人質疑の際にも、家族再統合への援助は極めて低調で、子供たちは家庭復帰への見通しがない中で長期の施設生活を余儀なくされていると、こういう指摘もありました。先日の質疑の際に小宮山厚労副大臣も、この間、議員立法の見直しをしてきた者として、親の教育や親指導はやり残した課題だと率直に述べられておりました。参考人からは、今回の改正案に盛り込まれた親権の一時停止についても、二年後という大きな節目が設けられることにより、援助目標やそれまでに達成すべき課題について親と児童相談所が共有しやすくなるんではないか、また、停止解除の申立てを条件として児童相談所が親に対して指導を受けるように説得するといった運用を行えば親の動機付けになると、こういう家族の再統合への期待をされているわけですね。ですから、この制度が本当に意義を発揮する上でも、親への援助の強化が併せて行われる必要があると思っております。

 この間、この問題でずっと衆議院でも答弁があるわけなんですが、まず、〇八年三月に児童虐待を行った保護者に対する援助ガイドラインが策定されておりますが、これはどういうふうに活用され、効果が上がっているんでしょうか。

政府参考人(厚生労働大臣官房審議官 石井淳子君)

 虐待を行った親に対して、親子の再統合に向けてその指導、支援を適切に行うということは極めて重要でございます。そのため、その保護者に対する援助に関する基本的なルールを定める児童虐待を行った保護者に対する援助ガイドライン、これを平成二十年三月に策定をいたしまして、その中で、児童福祉司等による面接や家庭訪問での指導、支援、関係機関が実施する親子の再統合に向けたプログラムへの参加の促進などを示しているところでございます。

 厚生労働省が、平成二十年度中に児童虐待により施設入所又は里親委託をした全事例を対象としまして保護者指導あるいはその後の措置解除の状況について調査をしておりまして、これ五月二十三日まで回答があった六十九自治体のうち四十三自治体の状況でございますけれども、保護者指導を行った割合は九三・一%となっております。

 また、日本子ども家庭総合研究所が実施をいたしました平成二十年度の委託研究によりますと、ガイドラインについて、児童相談所からはおおむね有用なものと評価、九割以上の児童相談所が現状でよいと回答しておりまして、おおむね有用なものと評価されているとされておりまして、またさらに、このガイドラインが示されたことは、援助の中長期的又は短期的な目標とこれに到達するための羅針盤が与えられたことを意味するとされておりまして、保護者に対する指導、支援の充実に資する、そういう評価がなされているというふうに考えております。

 また、予算面では、精神科医などを児童相談所で活用するなど保護者指導を行う体制を支援する経費を補助しまして、ガイドラインが実際に運用できるような体制にサポートも行っているところでございます。

井上哲士君

 ガイドラインとしては、今ありましたように行政の対応の手順というものだと思うんですね。それ自体が今有用なものだというお話もありましたが、ただやはり虐待の場合、親自身が虐待しているという自覚がありません場合が多いわけですから、参加させること自身が大変でもありますし、様々なやっぱり手法、技術的なプログラムの確立が大事だと思うんですが、この点も研究されているというお話なんですが、どういう時期にどういう形で現場に出てくるものになるんでしょうか。

政府参考人(石井淳子君)

 先ほど申し上げました保護者援助ガイドラインにつきましても、実は平成十九年度のこども未来財団研究の研究成果を基にして作り上げたものでございます。このガイドラインに基づきまして、個々の事例に即した保護者の援助技術の開発について、現在、日本子ども家庭総合研究所において研究が行われているところでございます。具体的には、家庭復帰事例について、家庭復帰後の指導援助と保護者の状況との関係などを明らかにするために継続的な調査が行われているところでございます。

 また、もう一つ、保護者指導や援助方法についての研究としまして、特に施設における再統合のアプローチとか、あるいは連携の問題を研究しているものとしまして子どもの虹情報センターがございまして、ここに対して私ども補助を行いまして支援をしているところでございます。

 この再統合プログラムにつきましては、まだまだ開発をし、また研究をしなきゃいけないと思っておりますが、現状については以上でございます。

井上哲士君

 人的措置についても先ほどありました。家族の再統合のための保護者指導支援員などを児童相談所で活用するための補助も行っているという答弁もあるんですが、この保護者指導支援員というのはどういうもので、どれぐらいこの補助に基づいて配置をされているんでしょうか。

政府参考人(石井淳子君)

 まず、保護者指導支援員でございますが、これは施設に長期に入所している児童の親など困難事例に対して、改善に向かうよう児童福祉司と連携をして継続的な指導を行うものとして配置を進めているものでございます。

 これは実は平成二十一年度に創設をした事業でございますけれども、現状におきましてはまだ利用が必ずしも十分進んでいないという状況でございまして、二十二年度におきまして五自治体が実施をされている、事業を活用しているにとどまっております。

井上哲士君

 具体的にどこでしょうか。

政府参考人(石井淳子君)

 北の方から申し上げまして、栃木県、東京都、広島県、川崎市、そして広島市でございます。

井上哲士君

 やはり補助事業として昨年度から始めたファミリーグループカンファレンス事業、それから宿泊型事業への補助について、これはそれぞれ利用状況はどうなっているでしょうか。

政府参考人(石井淳子君)

 この事業は児童虐待防止対策支援事業におけるカウンセリング強化事業の中の一つのメニューとして、追加で平成二十二年度から実施をしているものでございます。

 事業の中身は、ファミリーグループカンファレンス事業は、祖父母などの親族も交えて今後の援助方針、子供のケアなどについて話し合う機会を設けるものでございまして、これはかなり先駆的なプログラムというふうに認識をいたしております。それからもう一つ、宿泊型事業は、親子での宿泊を伴う行動観察を行って、必要な支援の実施や家庭復帰の可否についての判断などを行うものでございます。

 これはまだ始まったばかりということでありまして、それぞれ一児童相談所で実施をしているのが二十二年度の状況でございます。

井上哲士君

 どこで。

政府参考人(石井淳子君)

 具体的に実施している箇所を申し上げますと、ファミリーグループカンファレンス事業実施自治体は仙台市でございまして、宿泊型事業実施自治体としましては北九州市でございます。

井上哲士君

 始まったばかりの事業という側面もありますが、この間の厚労省の答弁聞いておりますと随分進んでいるかのように聞こえたわけでありますが、実際にはまだまだ、せっかくの制度もほとんど活用されていないというのが実態だと思うんですね。

 これ、制度の使い勝手がどうかとかあると思いますが、地方自治体の方の姿勢というのもあると思うんですね。児相の体制もかなり凸凹があるわけです。例えば、我々、地方議会などでも、せっかくこういう制度があるのにどうなっているんだとか、もっとちゃんと交付金に沿って増やせとか、いろんなことも地方議会なんかで議論できると思うんですよ。

 なぜこういうことが必ずしも十分に活用されていないのか、地方議会、自治体側の姿勢の問題も含めていかがお考えか、どうでしょうか。

政府参考人(石井淳子君)

 この新たに追加された事業はカウンセリング強化事業の中の一つのメニューでございまして、従前から行っている事業はかなり利用されておりまして、例えばカウンセリング促進事業は約八割の児童相談所で活用されておりますし、家族療法事業につきましても約四分の一の児相では利用しているという状況にございます。

 まだ使われていないこの二つのメニューでございますけれども、なかなかその分析は難しいところございますが、先ほど申し上げましたようにファミリーグループカンファレンス事業、これはかなり先駆的なプログラムということで、まだその良さについて私どもの周知が足りないというのも一つあろうかというふうに思っておりますけれども、やはり自治体における実施体制がまだ整っていない、あるいは補助金を使わずに再統合の取組をまず行ってみようとしている自治体があるという、そういう理由があるというふうに聞いているところでございます。

 ただ、平成二十三年度の動きといたしまして新たに補助金の申請を予定している自治体もあるやに聞いておりますので、私どもやはり、せっかく予算でいただいている事業で使える事業でございますから、もっとその意義につきましてしっかり周知を図りまして、必要としているところが使えるような状況に持っていきたいというふうに思っております。

井上哲士君

 保護者指導支援員も五自治体の活用ということなんですね。これが進んでいないのはどういうことなんでしょうか。

政府参考人(石井淳子君)

 やはり同様の理由だというふうに承知をいたしております。

井上哲士君

 やっぱり必要性があって親子、家族の再統合ということがあって、いろんなことが打ち出されていながら現にこうなっているということは、もっと原因をしっかり見る必要があると思うんですね。

 先ほど最近の調査のあれが出ましたけれども、こども未来財団が二〇〇六年に行った調査では、虐待を理由に親子分離されている事例で家族再統合に向けて援助を行われているのは児童養護施設では八・九%で極めて低調だと、こういう報告もされております。

 全体として、やはり参考人の質疑があったように、まだまだ進んでいない課題だと思うんですね。全体やはりこの問題が十分に進んでいない、その理由というのはどういうふうに厚労省としてはお考えでしょうか。

政府参考人(石井淳子君)

 親子再統合につきましてはまだまだ途上にあると、課題は大きいというふうに私ども理解いたしておりまして、何らかの形の保護者指導とかそういうものを、保護者指導、保護者支援を行うような状況ができつつあるものの、中身においてまだまだ十分ではないというふうな認識は、委員と同じ認識に立っているものでございます。

 そして、なかなかこうしたような保護者指導について全体的にまだ十分ではないその理由でございますけれども、まず児童相談所の保護者指導を取り巻く状況として、やはり児童の安全確認あるいは安全確保といった初期対応に圧倒的多数の職員が必要となると。やはり子供の命がかかわる問題でありまして、何をさておき、まずそこに最優先で取り組むということが一つございます。その結果、後回しと言ってはなんでございますが、再統合の方が若干それに準じた扱いになってしまっているという事情があるのは、これは否定できない事実かというふうに思っております。

 それから、もう一つ大きな問題といたしまして、やはり様々なお子様の親御さんがおられまして、保護者がもうどうしても改善指導に、改善する意欲が乏しくて指導とか支援に乗ろうとしないと。保護者側の事情でなかなかうまくこの指導、支援の方に結び付くことができていないと、そういうケースがあるというものも保護者指導を困難にしている事情ではないかというふうに思っております。

 こうしたことから、やはりその体制というものがどうしても出てくるわけでございまして、児童福祉司の地方交付税措置につきまして厚生労働省として要望をし、また平成二十二年度の補正予算におきまして、安心こども基金の中で児童虐待防止に係る緊急的な対応、その中で先ほど非常勤の職員の配置などもできるようにしたということでありますが、十分の十補助をいたしましたので、かなりこれは思い切ったことをしたつもりでございます。

 それからもう一つは、平成二十年の児童福祉法改正によりまして保護者指導につきまして委託ができるような規定ができておりますので、それを推進をしていくだとか、さらには平成十九年の児童虐待防止法改正で保護者指導に従わない場合の入所措置とか親権喪失等の対応の明確化が図られておりますので、こういったようなことをしっかり進めていくということが重要なんだろうと思っております。

 今後とも、保護者指導に関する多様なプログラムの実施状況やその効果等について調査研究をしっかり行いながら、いいものは、体制きついだけにできるだけ効果的な方策を見付けて提供していくということが国としても必要だろうと思っておりますので、そうした姿勢で取り組んでまいりたいと思っております。

井上哲士君

 人的体制の不足というのはやっぱり何といっても大きいと思うんで、これはもう是非積極的拡充をお願いをしたいと思うんです。

 同時に、この間、参考人の質疑の中で出されたのは、児童相談所が言わば鬼の顔をする強権的機能と仏の顔をする援助機能という矛盾する機能を一手に引き受けているという問題の指摘があったわけですね。言わば鬼の顔で親を子から分離をさせて、その同じ児相が援助をするという、ここに矛盾があるというお話がありました。

 この中で、強権的機能と言われる主なものがこの一時保護だと思うんですね。児童相談所長の必要と認めるときにはこれができるということになっております。児相が関与をしながら一時保護が行われないまま重大な事件になりますと非常にこれは厳しい社会的非難もありますから、そういう中で必要以上に一時保護を行っているんじゃないかという指摘もあります。

 ただ、やっぱり判断に迷った場合に、少しでも必要性があると思えば私は子供の危機を守るということを優先するのは、それはあり得ることだと思うんです。ただ、やはり一時保護というものが結果としては子供の権利の侵害になる場合もありますし、行き過ぎた措置として保護者との間で裁判等になる場合もあるわけですね。

 そういう中で、今回、二か月を超えて一時保護をする場合には児童福祉審議会の意見聴取を義務付けたわけですが、これはどういう理由からだったんでしょうか。

政府参考人(石井淳子君)

 一時保護は、暫定的、一時的に児童相談所長が虐待を受けた児童などを保護する仕組みでありまして、原則的に二か月を超えてはならないこととされておりますが、ただ、現実にはもう少しその期間が延長することになるケースがあるわけでございます。

 すなわち、児童相談所長又は都道府県知事が必要と認めるときには引き続き一時保護を行うことができるという規定がございまして、この規定を用いて必要な場合は延長をしているという実態がございます。ただ、そうした二か月を超えて一時保護を行う場合でありますけれども、特に親権者などの意に反して長期にわたって一時保護を行うことは、やはりやむを得ない場合を除いてこれは望ましくないというふうに考えております。

 このため、今回の改正におきまして、親権者等の同意なく二か月を超えて行う一時保護について、適切な運用を図るべく手続的な措置を設けることといたしております。具体的には、児童福祉や法律、医療等の専門家で構成される第三者機関であります都道府県児童福祉審議会の意見を聴くことといたしまして、親権者の意向に配慮するとともに、いたずらに一時保護が長期化することを防ぎ、専門家からの助言を得ることができるようにすることを狙いといたしております。

 なお、親権者の意に反する強制入所等の措置について、家庭裁判所に既に承認の申立てをしている場合、あるいは児童相談所長が家庭裁判所に民法上の親権喪失あるいは親権停止の審判の請求をしている場合につきましては、既に児童の処遇等について司法の判断に委ねておりますので、この場合には都道府県児童福祉審議会の意見の聴取は不要というふうな扱いで考えているところでございます。

井上哲士君

 衆議院の参考人質疑の中でも、この児童福祉審議会を親と施設、児相との対立調整の機関としての役割を果たしてほしいと、そのためにも親からの申立ての手だてというのも用意されるべきだというような御意見も出ているわけですが、この児童福祉審議会での意見聴取の際にはそういうような機能があるんでしょうか。

政府参考人(石井淳子君)

 この仕組みの手続というのが円滑に実施されることが必要でありますので、そのため、都道府県児童福祉審議会の組織や運営方法、あるいは児童相談所が都道府県児童福祉審議会に意見を聴く際の具体的な手続等について、現場の意見も聞きながらモデルを示していきたいと思っております。このモデルの中に親の意見の聞き方についても示していきたいと考えております。

井上哲士君

 審議会が直接聞くようなことになるんですか。

政府参考人(石井淳子君)

 どのような聞き方をするかというのはこれからの話でございますが、例えば書面で親の意見を提出してもらうといった方法も一つのやり方ではないかなというふうに思っております。

井上哲士君

 一歩前進だとは思うんですが、やはり一方で、行政の枠の中ということもありますし、必ずしも自分たちの意見を聞いてくれなかったということは残っていくと思うんですね。

 私はやはり、親と児相の対立解消という点でも、それから、特に長期になった場合に子供の権利侵害にもなりかねないということを考えますと、やはり司法が関与するという仕組みが検討されるべきではないかなと思うんですね。もちろん、緊急の場合のときに手続はできませんから、緊急の保護権限は引き続き児童相談所長に置くけれども、事後的にとか、そして一定期間後に司法の関与を入れると、こういうことも考えられるべきだと思うんですけれども、いかがでしょうか。

副大臣(厚生労働副大臣 小宮山洋子君)

 委員のおっしゃるとおりだというふうに思います。

 緊急なときにはやはり親権者や児童の意思に反してもその実施をすることが必要でございますけれども、そうでない場合に、今おっしゃった事後的な仕組みということも検討していければいいというふうに思っておりますし、司法が関与するようになりましたら児童相談所と親権者の対立を緩和する、そういう効果が期待できるという見解もあるということは承知をしております。

 この点につきまして、社会保障審議会の児童部会児童虐待防止のための親権の在り方に関する専門委員会の議論では、一時保護に際して司法審査の導入が望ましいなどの意見も提起をされました。

 ただ、今の司法とか児童相談所の体制がなかなかそれをやり切れないというような現状を考慮しますと、その手続を司法が必ず関与をして厳格化をすることによりまして、かえって迅速な一時保護が困難となる、そういうようなことになって児童の保護が図られなくなるおそれがあるとされまして、今回の改正案では盛り込まれなかったんですけれども、今おっしゃったような事後の仕組みを含めて検討課題だというふうに認識をしております。

井上哲士君

 手続が非常に煩雑になって、今の児童相談所や家庭裁判所の人員体制の下ではなかなかできないということが今回盛り込まれなかった一つの状況だと思うんですね。

 ただ、先ほど申し上げましたように、児相が矛盾した機能を持っているという下で、いろんな親との間に深刻な対立が生まれた結果、その対応に非常に、大変長い時間を取ったり、それから再統合に向けた援助がなかなかできないということがあるわけで、むしろ司法が関与することによってそういうところが緩和をされることによって、結果として今のいろんな繁忙状況についても緩和されるという効果も私は出てくると思うんです。

 いずれにしても、そういうことがしっかりできるような児童相談所もそして家庭裁判所も体制を取るということも併せて必要だと思うんですが、こういう司法関与の効果、そしてそれができるような条件整備をするという点で、最後、法務大臣の答弁を聞いて、終わりたいと思います。

国務大臣(江田五月君)

 一時保護における司法の関与が児童相談所と保護者との間の対立関係の緩和に役に立つんではないかと、こういう井上委員の御指摘は、そういう場面があると思います。そして、そういう見解も当然ございまして、今、小宮山副大臣から御紹介のあった専門委員会でもそうした議論がなされたと聞いております。

 しかし、この迅速な一時保護というのが、今の司法やあるいは児童相談所の体制の現実を考慮しますと、そういう迅速な一時保護が困難となって、かえって児童の保護が図られないおそれがあるというそういう指摘もございまして、様々な意見ございました。

 今回はそういう制度を取り入れなかったわけでございますが、今のやり取りを聞かせていただいて、その根本には、やはり子供をしっかりと支えていく、そういう社会的なサポート体制の弱点であるとか、あるいは司法、とりわけ家庭裁判所の人員の脆弱性であるとか、そうしたものが根本にあるということをやはり私たち考えていかなきゃならないと思っております。

井上哲士君

 終わります。


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