これまでも捜査機関のいろんな違法、不当な捜査というのはこの委員会でも問題になってきたわけですね。
例えば、国家公務員の人が休日に自分の居住地で政党機関紙まいただけで逮捕されたという事件もありました。これ、一年間も公安警察は内偵捜査していたんですね。裁判所に出た証拠だけでも、二十九日間連続、延べ百七十一人の捜査官を投入して、歯医者に行ったとか友達と劇を見に行ったと、そういうものを全部ビデオで記録していますよ。
こういう監視的な手法がますます合理化をされると。そして、見込みでコンピューターを差し押さえるというふうなことだって現に起きてきているから多くの人たちは懸念を持っているんですね。今の状態でもあるんですよ。だから、何か懸念はないようなことを言われてもこれは払拭できないんです。やっぱりそういうものを、口実を更に与えるというようなことは私はやるべきでないと、こう思うんですね。
しかも、ウイルスの定義が非常に広いということがそういう恣意的な運用を可能にするということが関係者の不安と萎縮を招いているんですね。サイバー条約では犯罪化を求める対象を絞っております、幾つかの犯罪について。ところが、この法案は、先ほど来ありますように、非常に幅広く処罰をしております。サイバー条約よりも広いということは法制審でも認めていらっしゃるわけですが、なぜ犯罪を行うためのものというふうに限定せずに幅広く処罰対象としたんでしょうか。