2009年9月11日
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映画『嗚呼 満蒙開拓団』を先日、見に行きました。羽田澄子さんが演出、ナレーションをつとめられ、満蒙開拓団に動員され残留孤児になった人たちに焦点をあてて丹念に事実を掘り起こし、平和への強い思いが伝わってくるすばらしい作品です。
選挙前から東京の岩波ホールで上映されていましたが、時間がとれず、選挙後に京都の映画館で見ることができました。
中国の旧満州方正(ほうまさ)県にある中国が建てた日本人の墓へお参りするツアーへの参加者の話を中心に展開します。この墓はソ連軍の進攻に追われてここまで避難して死んだ多くの日本人ために作られた公墓です。
「日本の一般市民も日本軍国主義の被害者だ」という周恩来の指示、判断によるものだったと語られ、現在もその精神が貫かれていることも紹介されます。
ツアー参加者の大半は中国残留孤児で、その後日本に帰国した人々。その話はすさまじい。「お国のために」と国策で旧満州に送り込まれ、敗戦が決まると真っ先に列車で避難したのは幹部軍人とのその家族でした。
列車に積み残され、小さな家族を抱えて避難行し、極限状態の中でわが子に手をかけ、歩みの遅い老親を置き去りにした人たちがどれだけいたか。
中国人に育てられた残留孤児たちの日本への帰国自体が遅れ、帰国後も言葉や仕事に悩む人々にあまりに冷たい日本の政府。その理不尽さが胸に迫って来ます。
最後に登場された残留孤児の方は、長野県泰阜村出身。同村には私も訪ねて関係者のお話をきいたことがあります。わずかな農地しかない狭い山間野村から開拓団として送り込まれ、そこに待っていたのは地獄でした。
そして、開拓団が入植した土地は中国人を追い出して得たものでした。侵略戦争は市民にどのような悲劇生むのか。ぜひ、多くの人に見ていただきたい映画です。
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