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2006年4月25日(火)

文教科学委員会
「学校教育法改正案」について(質疑・採決)…修正案提出

  • 学習障害(LD)児童への支援にあたり、教員配置の抜本増などの具体的な支援を要求。また、障害児学級を廃止して特別支援学級とする計画について、担任の教員の安定的な配置をなくさないよう、教員配置について質問。

井上哲士君

 日本共産党の井上哲士です。

 前回に続いて質問をいたします。

 まず、特別支援学校での教育課程について質問をいたします。

 一人一人のニーズに合った教育ということが強調されているわけですが、一つの施設に集めるだけではこれは意味がないわけで、この特別支援学校における教育課程の在り方は非常に重要だと思うんですが、これはどのような検討がされているんでしょうか。

副大臣(馳浩君)

 今現在、中教審初等中等教育分科会教育課程部会特別支援教育専門部会において以下七点検討されております。

 一、社会の変化や児童生徒等の障害の重度・重複化や多様化等に対応した教育課程の改善。二つ、特別支援学校における効果的かつ弾力的な教育課程の編成。三つ目、特別支援学校が地域の小中学校等への支援などを行うセンター的機能の在り方。四つ目、一人一人のニーズに応じた指導を推進するための個別の指導計画、関係機関との連携を図るための個別の教育支援計画の在り方。五つ目、障害のある児童生徒等の自立と社会参加を促進する観点からの職業教育等の充実。六つ目、小中学校等において、LD、ADHD、高機能自閉症等を含めた障害のある児童生徒等への指導の充実。七つ目、障害のある児童生徒等と障害のない児童生徒等の交流及び共同学習の推進。こういった以上七点の観点において検討がされております。

井上哲士君

 今、弾力的ということもあったわけですが、昨年十二月の中教審の答申では、障害種別を超えたグループ別の教育課程編成の可能性ということも述べられております。

 今後、この学級編制は障害種別ということになりますので、つまり学級を超えた教育課程ということになるわけですね。その際に、担任の教師が自分の受持ちの子供の授業を余り担当しないということも出てくることがあります。そうしますと、一人一人の子供を複数で見ながらも、やはりその発達をトータルに見極める人というのが非常に大事だと思うんですが、そのことが困難になるんじゃないかというおそれを持つんですが、その点いかがでしょうか。

政府参考人(銭谷眞美君)

 障害のある児童生徒の指導に当たりましては、障害の状態や発達段階、学習の進度等を考慮いたしまして、チームティーチング、個別指導、グループ別指導など授業形態や集団の構成を工夫するとともに、教師の協力的な指導によりまして学習活動が効果的に行われるようにすることが重要であると思います。

 小学部では学級担任制を原則としているわけでございますが、学級担任による指導を中心としつつもグループ別指導等を工夫することとなりますけれども、この場合においても学級担任とグループ別の担当教師との密接な連携協力を図る必要があると思っております。また、中高等部では教科担任制を原則としていることから、学級担任と各教科を担当する教師間の連携協力を図る必要があると思っております。

 いずれの場合におきましても、児童生徒の指導に当たる教師間の連携協力の下に、最も効果的な指導を展開していくということが重要だと思っております。

井上哲士君

 京都市でいろいろお話を聞いてきたんですが、既に個別の指導計画に基づいて一人一人の時間割が作られております。クラススタディー、ライフスタディー、ワークスタディーに分けてグループ指導が行われているんですが、場合によっては担任していても週の半分以上は自分の担任の子供の授業を見ないというようなケースもあるということもお聞きをいたしまして、一人一人の子供の発達を見極めるのは困難だというようなことも現場からお聞きをしたわけですね。

 教師間の情報の共有というのは必要なわけですけれども、その結果言わば書類書きに忙殺をされると、そんなことになったらこれはまた本末転倒なわけでありまして、やはり一人一人の子供に対してしっかり寄り添えるような状況というのをこの教育課程の面でもしっかり見極めていただく必要があるということを思います。

 その上で、次に、ちょっと順番を変えまして、特別支援学級の問題でお聞きをいたします。

 今回、特殊学級が特別支援学級ということになるわけでありますけれども、今後いわゆる特別支援教室という方向が打ち出されております。先ほどの答弁にもありましたように、中教審の中でも現行の特殊学級等を直ちに廃止することに関して、障害の種類によっては固定式の学級の方が教育上の効果が高いとの意見があることなど、配慮しなくちゃいけないということが打ち出されております。

 今、やはり障害児学級というのは障害を持つ子にとっては大変大切な場になっておりまして、終日学級にいることが必要な子供もいれば、学級をホームベースにしながら比較的多くの時間を通常の学級で過ごせる子供もおります。いずれにしても、こうしたことは担任の教員が安定的に配置をされて丁寧に子供にかかわっているからこそ可能だと思うんですね。これがなくなって、安定した担任の配置の保障がなくなるということになりますと、子供たちの健やかに育つ上での非常に重要な問題だと。そういう点でいいますと、私たちは障害児学級をなくしていくということについては反対であります。

 それで、こういう今回の中教審答申でも言われたようないろんな意見を考えますと、特別支援学級においてもやはり引き続き安定的な教員の配置というのは非常に必要だと思いますけれども、その点がどうかということが一点。同時に、今後特別支援教室の検討もされていくわけでありますけれども、その際の固定式学級の機能の維持という点についてどのようにお考えか、その点お答えください。

政府参考人(銭谷眞美君)

 まず、特別支援学級における教員の配置につきましては、従来の特殊学級における教員の配置と同様に、障害種別に特別支援学級が編制され、そこに教職員が配置をされるということになるわけでございます。

 次に、特別支援教室構想につきましてお尋ねがございました。

 中央教育審議会におきましても、障害のある児童生徒が原則として通常の学級に籍を置き、必要に応じて指導を受ける特別支援教室という構想について随分議論をいたしました。ただ、昨年の中央教育審議会の答申の段階におきましては、特別支援教室につきましては、現行の特殊学級を廃止することに対して固定式学級の機能の維持を求める声があること、児童生徒が籍を置く学級である特殊学級がなくなることに伴いまして必要な教職員配置をどのようにするのか、特別支援教室の担当教員には従来の障害に加えLD等に関する知識、理解が必要になりますけれども、その専門性をどのように確保するのか等々なお検討すべき課題があるということで、今後の引き続きの検討の課題になったところでございます。

 ただ、文部科学省といたしましては、特別支援教室につきまして、今後とも、研究開発学校制度やモデル校などを活用しつつ引き続き検討して、将来的に特別支援教室という方向を実現できるその可能性について引き続き検討していきたいというふうに思っているところでございます。

井上哲士君

 これまで障害児学級が果たしてきた役割というものをしっかり生かしていただきたいと思います。

 この特別支援学級ですが、障害による学習上又は生活上の困難を克服するための教育というふうに条文では位置付けられておりますけれども、これにとどまることなく、障害のない同年齢の子供たちと同等の学習内容を保障していくと、これは当然必要だと思うんですけれども、こういうことで確認してよろしいでしょうか。

政府参考人(銭谷眞美君)

 特別支援学級は小中学校に置かれる学級であることから、従来の特殊学級と同様、小中学校の学習指導要領に基づく教育課程を基本といたしております。その上で、児童生徒の障害の状況等に応じた教育を行うために、特に必要がある場合には、障害に基づく種々の困難を改善、克服するための指導領域、いわゆる自立活動を設けるなど、特別の教育課程を編成したきめ細かな教育が行われるということになるわけでございます。

井上哲士君

 軽度発達障害の子供たちでも、場合によっては通級ではなくて特別支援学級で対応することが必要な場合ということもあると思うんですが、それは対応されるということでよろしいでしょうか。

政府参考人(銭谷眞美君)

 軽度発達障害の子供につきましては、この四月一日から通級による指導の対象としたところでございます。

 これは、軽度発達障害につきましては、知的障害者等、特別支援学級の対象となっている障害のある者に比して、比較的学習上又は生活上の困難が軽微と考えられるために特別支援学級に籍を置く対象とはせず、通級による指導の対象としたものでございます。したがって、LDやADHDの児童生徒につきましては、他の障害を併せ有する場合はともかく、基本的には特別支援学級に籍を置くことまでは必要がないと、こう考えております。

 なお、LD、ADHDの児童生徒に対する通級の指導の形態は、これまでの他の障害のある児童生徒に対するものと同様のものとすることを想定をしておりまして、LD、ADHDの児童生徒も場合によりましては特別支援学級において通級による指導を受けることはあり得ると考えております。

井上哲士君

 次に、軽度発達障害への対応についてお聞きをいたします。

 LD、ADHD、高機能自閉症など軽度発達障害と一くくりにしますけれども、その悩みというのは決して軽いものではないわけですね。なかなかその行動が理解されない。周りの大人からも親からも怒られ続けて一層深刻な状況になることもありますし、保護者も教員も、周囲から育て方が悪いとか、教え方が悪いとか、そういうことで自信を失うなど、関係者の非常に悩みも深刻であります。

 今回、法案でこういう軽度発達障害への指導ということが位置付けられるわけでありますが、今もありましたけれども、この四月から既に施行規則の改定をしているわけですね。その内容について、もう少し詳しくお答えいただきたいと思います。

政府参考人(銭谷眞美君)

 今年の三月に学校教育法施行規則の一部改正を行いまして、LD及びADHDの児童生徒については通級による指導の新たな対象としたところでございます。また、併せて告示の一部改正を行いまして、児童生徒の障害に応じた適切な教育を実施をする観点から、通級による指導の指導時間数の弾力化を図ったところでございます。

 この中では、LD及びADHDの児童生徒につきまして、月一単位時間程度でも指導上の効果が期待できる場合があることから、指導時間数の下限の標準を月一単位時間程度としたところでございます。

井上哲士君

 今ありましたように、既に施行規則の改定で軽度発達障害の子供たちへの指導改善をしたわけですね。その上で今回法改正をするということは、どういう意味があり、何がどう変わるのか、この点、大臣、いかがでしょうか。

国務大臣(小坂憲次君)

 文部科学省といたしましては、児童生徒が通常の学級に在籍しながら障害に応じた特別の指導を受ける、いわゆる通級による指導の対象障害種別に平成十八年度からLD及びADHDを加えたところでございまして、これは御指摘のとおりでございます。

 一方、改正案の第七十五条第一項は、小学校、中学校等において、同条第二項に規定する特別支援学級に在籍する児童生徒、その他通常学級に在籍し通級による指導を受ける児童生徒、また通常の学級のみに在籍する児童生徒など、教育上特別な支援を必要とする児童生徒等に対して障害による学習上及び生活上の困難を克服するための教育を行うことを明確化したものでございます。

 各学校におきましては、既に障害のある児童生徒等に対する支援が行われてきておりまして、今回の改正は、こうした取組について法律上も明確化することによりまして、LD、ADHDの児童生徒への適切な対応を含め、各学校における取組がより一層充実することを期待をいたしているところでございます。

井上哲士君

 各学校での取組が充実をしていく、その推進力になっていくということなんだと思いますが、やはり具体的な教育条件の整備が伴わなければ掛け声倒れになってしまうと思うんですね。現場では、教職員の皆さんもいろんな努力をされておりまして、困った子と見るんじゃなくて、困っている子なんだということでいろんな手を差し伸べております。

 ただ、なかなか単純に解決する問題ではありませんで、担任教師に求められていることも多いわけですし、不適切な指導が二次障害を起こすこともある。それから、学校のすべての教師にその課題や対応についても理解をしてもらわなくちゃならない。それから、周囲の子供や保護者にも理解を得る必要があるわけですが、理解をしてもらっていても、やっぱり現実には子が暴力を振るわれたりした場合にいろんな抗議が寄せられる場合もある。それから、教室で特別に手当てをしていると、その子ばっかりかかわっていると言われることもある。本当にいろんな悩みを抱えながら、現場では苦労をされていると思います。

 参考人質疑の中で、LD親の会の山岡さんも、長期的な取組の中の第一段階であるととらえたら合格点だと、こういう御発言でありました。ですから、今後、具体的な教育条件の整備をどう進めていくかということがやはり大問題だと思うんですが、そこでまず聞くんですけれども、この四月一日から施行規則が変わったわけですが、それまでの通級指導の対象児童生徒数、それから通級教室の数、さらにその担任教員の数、さらに四月一日からこのLD、ADHD等も対象になったわけですが、それによって増えた数が今の三つについてそれぞれどうなっているか、お答えいただきたいと思います。

政府参考人(銭谷眞美君)

 文部科学省におきまして調査をいたしました平成十七年五月一日現在における各小中学校の通級による指導の実施の状況は以下のとおりでございます。

 まず、対象児童生徒数は、小学校で三万七千百三十四人、中学校で千六百四人、合計で三万八千七百三十八人でございます。教室数は、小学校で二千三百二十三教室、中学校で百四十七教室、合計で二千四百七十教室となっております。担当の教員数は、小学校で二千七百六十五人、中学校で二百一人、それから盲・聾・養護学校で七十七人、合計で三千四十三人となっております。これが昨年度の通級指導の児童数、教室数、担当教員数でございます。

 四月から学校教育法施行規則の改正によりまして、新たにLD、ADHDの児童生徒も通級による指導の対象となったところでございますが、まず教職員定数につきましては、平成十八年度予算におきましては、特別支援教育の充実への対応のため、LD等への対応について二百八十二人の定数改善を図ったところでございます。

 ただ、本年度における通級による指導の対象児童生徒数等につきましては、基本的にはこれまでの通級による指導の対象となっていた児童生徒数等に新たに通級の対象となったLD、ADHDに係る児童生徒等が加わったものになると考えられるところでございますけれども、新たな制度の開始から間もないこともございまして、現時点ではまだ数の把握はできていないところでございます。例年実施をいたしております通級による指導の実施状況調査を通じまして把握に努めてまいりたいと思っております。

井上哲士君

 まだ新たな増加の実態の把握はこれからだということでありますけれども、先ほどの答弁にありましたように、施行規則の改定に加えて法改正やったことがより学校でのこの充実につながっていくということを考えますと、この法改正により更に通級指導を必要とする、求める児童生徒の数は相当数増えるんだろうと思うんですが、それはどの程度文科省としては予測をされているんでしょうか。

政府参考人(銭谷眞美君)

 改正案の七十五条一項におきまして、小中学校等における教育上特別な支援を必要とする児童生徒に対する教育について明示を行ったわけでございます。これによりまして通級指導も増えるのではないかと、こういうお尋ねでございますけれども、児童生徒の障害の状態に応じまして通級は各学校長の判断により実施をするものでございまして、今回の法改正による直ちの影響についてはちょっとにわかには判断できないところがございます。

 なお、先ほど申し上げましたように、LD、ADHDを対象とした通級による指導につきましては、数も調べますし、今後、趣旨の周知に伴いまして増加も見込まれるのではないかというふうに思っているところでございます。

井上哲士君

 そのLDの親の会の資料などを見ておりますと、学校に対応を求めてもなかなか理解されなかったというような苦労も随分出ておりました。大変今回の法改正を皆さんその点では歓迎をされているわけでありますが、そういう法改正によるアナウンス効果というんでしょうか、も含めて、やはり必要な皆さんがこれを、こういう通級指導などを求めていくということが広がらなければどこが充実かということになろうかと思うんです。

 当然、今年度の予算については、先ほどから議論ありますように、まだ法改正前の段階でいろいろ財政当局との折衝も御苦労があったかと思うんですが、法改正がされるということになりますと、やはり来年度予算の中で、今年はLD加配二百八十二人にとどまっているわけですけれども、相当十分な体制の強化ということが当然必要だと思うわけですが、その点での大臣の御決意をお聞きしたいと思います。

国務大臣(小坂憲次君)

 LD等に対する通級による指導の拡充への対応につきましては、これを含めて第八次公立義務教育諸学校教職員定数改善計画を策定することといたしておったわけでございますけれども、総人件費改革を進めるとの政府の方針の中で、やむを得ず十八年度からの第八次としての計画の策定は見送ったところでございます。

 しかしながら、一方、平成十八年度予算におきましては、大臣折衝におきまして、教職員配置を見直した上で、LD等への対応につきまして二百八十二人の御指摘のとおり定数改善を図ることとしたところでございまして、文部科学省といたしましては、今日的な教育課題への対応のために、すなわち食育、またこのLD等への対応を含めたこういった対応のために、今後とも計画的に特別支援教育の充実を図っていくことが必要であると考えておりまして、このため、総人件費改革に取り組みながら、今後の教職員定数の在り方についてどのような対応が可能であるかを含めて、十九年度以降の予算編成過程におきまして検討してまいりたいと、このように考えております。

井上哲士君

 是非これは強い決意で必要な教員体制の整備ということに取り組んでいただきたいと思います。

 それで、先日、大人のADD & ADHDの会というところがアンケートの発表をしておりました。

 それで、既に大人になっている方が学校時代にどういうことがあったのかということでいろんなことが書かれておりますが、ADDやADHDの症状のために学校に通うのがつらいと感じたことがあるかという答えに、八四%の方があると答え、そして、そのときに先生は理解してくれましたかということに、九二%が理解してくれなかったと答えております。今大人の方ですから、まだまだこういう問題が十分に学校現場で認知をされてなかったときのことかと思いますけれども、しかしここには非常に悲痛な叫びもあります。その中でも、なぜつらいと感じたかというトップは友達との関係ということになっております。これはもちろん先生の理解で解決できる事柄もあるわけですね。しかも、私が注目しましたのは、気付いてから、そういう症状があるんじゃないかと気付いてから実際に診断を受けるまでの平均期間というのは四十一・四か月なわけですね。ですから、気付いても三年以上の方が診断を受けるのを戸惑っていらっしゃる。なかなかこの軽度発達障害であることを認めるのには、本人も親もいろんなハードルもありますし、また、ほかに知られたくないというような気持ちも働く部分もあるんだろうと思います。

 ただ、今回の法改正などで特別な支援を受けることになりますと、それは明らかになることもあるわけですね。それから、教員の側のこれは支援が必要だという認識と本人や保護者との認識の違いということもいろいろ出てくると思うんです。その辺の様々な配慮、丁寧な対応が必要だと思うわけですけれども、こういうことはどのように考えられているんでしょうか。

政府参考人(銭谷眞美君)

 今、大人になったLDの方々の学校時代の感じにつきまして先生の方からお話がございました。

 このLDやADHDの児童生徒を通級による指導の対象にするに当たりましては、保護者や専門家の意見を聞きつつ、やはり総合的な見地から慎重に判断をするということが重要だと考えております。

 文部科学省におきましては、平成十六年にLD、ADHDの児童生徒の支援体制を整備するためのガイドライン試案を作成をし、この中で行政機関や学校における保護者への理解推進や相談の必要性、保護者における子供の障害の理解や子供とのかかわり方など必要な配慮事項を示しているところでございます。

 今、友達関係あるいは先生との関係、いろいろ当時のことがお話ございましたけれども、障害のある児童生徒の保護者のみならず、障害のない児童生徒の保護者への理解を進めること、あるいは障害のある児童生徒の保護者の気持ちの受け止め方、保護者への支援体制などいろいろ配慮すべきことはあろうかと思っております。

 今後とも、このガイドラインの活用を促すとともに、先進的事例の情報提供を行うことなどを通じまして、必要に応じて保護者に対する支援も行いつつ、LD等の児童生徒に対する適切な指導及び支援が行われるように取り組んでまいりたいと思っております。

井上哲士君

 新しい取組にふさわしい教育条件の整備に格段の力を発揮をしていただきたいということを改めて求めまして、時間ですので質問を終わります。

修正案

井上哲士君

 私は、日本共産党を代表して、学校教育法等の一部を改正する法律案に対する修正の動議を提出いたします。その内容は、お手元に配付されております案文のとおりであります。

 まず、修正案の提案理由を御説明申し上げます。

 本法律案で、軽度発達障害への対応を従来の障害児教育も含め、特別支援教育として学校教育全体で取り組むことを法文上初めて明記することは、適切な支援を進める契機となり、関係者の願いにこたえたものであります。

 しかし、障害児教育の新たな取組を進めるにもかかわらず、教職員の配置の充実は今後の課題とされています。文部科学省の調査では軽度発達障害の子供たちは普通学級に約六十八万人が在籍していると推計されており、その対応のためには、通級指導担当教員の増員、さらには四十人となっている通常学級の学級編制基準の引下げなど、抜本的に教職員を増員する必要があります。

 また、盲・聾・養護学校は特別支援学校となり、新たに小中学校等に在籍する障害のある児童生徒の教育について助言、援助を行うセンター機能を位置付けています。しかし、特別支援学校が在籍する児童生徒への教育を行いながらセンター的機能を果たすためには、担当する教職員配置が必要になります。

 このような観点から修正案を提起するものであります。

 以下、修正の概要を申し述べます。

 本法律案の附則に、小中学校等での学級編制基準の見直し、通級による指導の充実、特別支援教育コーディネーターの配置、特別支援学校の教職員数を現在の水準から後退させることなく、新たに取り組まれるセンター的機能を担う教職員の配置を進めることを、法施行後の状況等も勘案し、政府に検討と必要な措置を義務付けるものであります。

 以上が修正案提出の理由及びその内容の概要であります。


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