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井上哲士ONLINE
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2004 年 3 月 24 日

法務委員会
予算委嘱審査

  • 行刑改革会議の提言について質問。また、保護司制度の充実について質問。

井上哲士君

 日本共産党の井上哲士です。

 まず、保護司制度について質問をいたします。

 犯罪や非行を起こした人がきちんと社会復帰を果たすのか、それとも再び罪を犯して刑務所に入ることになるのか、非常に重要なのが更生保護だと思います。私、一昨年は更生保護施設について、去年は保護観察官について質問をする機会がありましたけれども、今日は保護司制度について質問をいたします。

 一月の当委員会の委員派遣でも、愛知県で保護司会の会長さんのお話伺いました。私も、地元の京都で保護司会の代表の皆さんと懇談をする機会がありました。主に少年の保護観察のお話でありましたけれども、相手にどういう愛情が不足してきたのかということをずっと考えて、一年ぐらい面接を続ける中で親にも言えないようなことを話してもらえるようになったとか、それから、保護観察が終わってからもずっと人間的付き合いが続いて子供が生まれたら名付けの親になったんだと、こんなお話もお聞きをいたしまして、非常に献身的な活動に感銘をいたしました。

 これ、世界でも例のない制度だと言われておりますけれども、この保護司の制度の果たしている役割について、まず大臣の御所見を伺います。

国務大臣(野沢太三君)

 我が国の保護司制度は、地域社会における民間の篤志家の方が犯罪者や非行少年の更生、社会復帰を無報酬で援助するという世界に類例のない制度でありまして、その立ち直りと社会の安定に極めて重要な役割を果たしていると認識しております。

 今、小泉内閣では民間でできることは民間へと、こういうことを掲げて努力をしておりますが、既に法務省では、現行のこの保護司制度は昭和二十四年から司法保護委員という方で、形でスタートをし、戦前から既にその濫觴、実績があるわけでございまして、この制度を持っているということは、法務行政が国民の皆様にとって身近なものであり、かつまたそれが自発的なボランタリーな行為で支えられているということは私どもにとっては宝のような存在であると、こう考えておりまして、一層今後ともこの制度の充実とまた拡大に努めてまいりたいと、かよう考えております。

井上哲士君

 宝のような制度だという高い評価がございました。

 一九九八年に保護司法が改正をされましたし、二〇〇〇年の十一月には、当時の矯正保護審議会が二十一世紀における矯正運営及び更生保護の在り方についての提言というのも出しております。この中でも、この保護観察事件に占める少年の割合が七割を超えているという現状の下で、ベテランとともに若い保護司の確保が非常に必要だということを指摘をしております。そして同時に、この適任者の確保が非常に困難だということも言っております。こういう、この保護司の確保のために法務省としてはどういう努力をされてきているんでしょうか。

政府参考人(津田賛平君)

 近年、保護観察事件がますます複雑多様化しておりますし、処遇困難な対象者も増えておりますから、ただいま委員御指摘のとおり、幅広い分野から若手の保護司さんを含めまして多様な保護司さんを確保することが必要であるというふうに考えております。

 そこで、社会を明るくする運動を始めまして、あらゆる機会を通じまして、保護司制度でございますとか、保護司の活動を紹介するような広報に努めておるところでございますし、また各地の保護観察所におきましては、地方公共団体との連携を密にいたしますとともに、学校関係者でございますとか社会福祉関係者等の幅広い分野から保護司さんの適任者の推薦をまとめるようなことをいたしております。

 さらには、保護司会のほかに、地域の組織でございますが、例えば自治会でございますとか、民生児童委員協議会でございますとか、社会福祉協議会等の代表の方々で構成いたします委員会のようなものを設けまして、その中で適任の方々の推薦を受けると、このようなことも行っておるところでございます。

 このような形で、地域の方々の御協力によりまして幅広く保護司の適任者の確保に努めておるようなところでございます。今後とも、さらに保護司の適任者の確保に努めてまいりたい、このように考えておるところでございます。

井上哲士君

 この提言の中でも、保護司の適任者を確保することの困難な理由の一つに、職務に比較して評価、待遇が必ずしも十分ではないと思われていることを挙げております。

 保護司の皆さんは無給でありますけれども、実費については支給をするということになっていますが、その基準それから予算はどうなっているでしょうか。

政府参考人(津田賛平君)

 ただいま御指摘のとおり、保護司に対しましては、保護司法の規定によりまして、職務に要する費用の全部又は一部を支給するという形になっております。

 その主なものといたしましては、保護観察事件を担当した場合には担当事件一件につきまして一月五千六百二十円以内、あるいは環境調整事件を担当した場合には報告書、報告一回当たり千六百五十円、それから犯罪予防活動等の地域活動に従事した場合には一人当たり年間で一万六百二円が支給されると、このようになっております。このほか、研修に出席した場合などにつきましては所定の実費が支給されております。

 それから、保護司実費弁償金の予算総額でございますが、平成十五年度が三十七億九千万円、平成十六年度の予算案におきましては三十八億九千万円を計上しておるところでございます。

井上哲士君

 それで実際に実費が賄えていると、こういう認識でしょうか。

政府参考人(津田賛平君)

 必ずしも賄えるとは考えておりません。

井上哲士君

 懇談でお聞きしましても、それこそ交通費も出ないことがあると、こういうふうなことでありました。

 もちろん、保護司の皆さんは、無給だからこそこの役割を果たせることができるということも言われまして、保護観察をしていた青年の更生を目の当たりにしたときの喜びはほかに代え難いということで、本当に誇りを持ってやられております。

 ただ、やはり、今後新しい人材を確保していくという場合には、やはりこの問題というのはネックになると思うんですね。やっぱり、最低、実際の実費が出るようにまでやっぱり上げていくべきだと思うんですが、その点、いかがでしょうか。

政府参考人(津田賛平君)

 委員御指摘のとおりだと思いますので、できるだけとにかく実費弁償金の増額ということに努めてまいりたいと、このように考えております。

井上哲士君

 是非これはお願いをしたいと思います。

 かつ、この実費が補償されない上に、自分たちで会費を払ってこの保護司会の活動を支えているという問題があります。

 保護司法が改正をされた際に地方自治体との協力関係というのが明文化をされて、自治体の人的、物的支援の拡大を期待していると、こういうことが言われました。ところが、京都でお聞きしましても、最近、自治体からの補助金というのは軒並み毎年のように削減をされていると、こういう事態なわけですね。

 一方では、今、地域の防犯活動を強化をしようといろんな自治体の取組もあるわけですが、そこで本来役割を担うべき保護司会への補助金が削られると、こういうことになっております。これは、やはり保護司会任せではなくて、国がしっかり理解と協力を求める活動が必要だと思うんですが、この点弱いんじゃないでしょうか。どうでしょうか。

政府参考人(津田賛平君)

 御指摘のとおりだと思っておりますので、法務省といたしましても保護司活動に対する支援の一層の充実を図ってまいりたいと、このように考えております。

井上哲士君

 自治体の方は削ってもまだ出しておるんですが、国の方はこの保護司会に対してはお金を直接出していないわけですね。やはり実費が賄えていないという状況の下で、せめてこの保護司会の運営についてはもっと国に体制を支えてほしいという、これも強い要望をお聞きをいたしました。

 この矯正保護審議会の提言でも、「保護司法の改正に伴い、保護司組織の役割の重要性が一層高まったことにかんがみ、地区保護司会等の事務局体制の整備に国としても相応の措置を講じる必要がある。」と、ここまで踏み込んでいるわけですが、この事務局体制の整備への国としての措置という点で、その後どういう具体化がされてきているんでしょうか。

政府参考人(津田賛平君)

 御指摘のとおり、保護司法の規定によりまして、保護司はその職務を行うために要する費用の全部又は一部の支給を受けるということになっておりますが、保護司組織に対する実費弁償という規定はございません。一応、その関係がございまして、保護司組織そのものに対する形での財政的支援ということはいたしておりませんが、地区の保護司会の代表者として関係機関と連絡調整等をされておられる保護司さんに対しましては、その活動に対しまして保護司実費弁償金を支給するという形は取っております。

井上哲士君

 そうすると、保護司会の事務局の人件費などを国が支える上での何か制度的な支障があると、こういうことですか。それはないんですね。

政府参考人(津田賛平君)

 そのようなものでございませんで、先ほど申しましたのは、地区の、例えば単位会の保護司さん、保護司会がございますけれども、その保護司会の代表として活動しておられる保護司さんに対して別途実費弁償金を支給しておるということはあるということでございます。保護司組織そのものに対してではございません。

井上哲士君

 これは先ほども紹介しましたように提言でも言われてきた問題でありますし、元々この保護司、日本で保護司が担っている分野というのは諸外国では公務員が担っているわけでありまして、本来国の仕事なわけですね。ですから、この保護司の皆さんの献身的な活動にどうこたえていくのかということが問われております。

 この今の問題で、やはり保護司法の改正の際に、当時の下稲葉法務大臣は、実費弁償とはいえわずかでございます、保護司そのものに対するものと、あるいは保護司会に対するものと両方の問題があろうかと思いますが、これらの問題につきましては法務省としても最善の努力をいたしたいと、こういう答弁もされております。

 にもかかわらず、この保護司会への援助というのは実現をしていないわけで、私は、今後予算も確保してやはりこの保護司会の事務局を支える、また実費弁償を増やしていく、この点での予算的な配慮をして、国が責務を果たすべきだと思います。その点で、大臣の御決意をお願いをします。

国務大臣(野沢太三君)

 ボランタリーな御奉公をいただいているという点が極めてこの価値のあることと承知はしておりますが、あわせて、これが具体的に仕事として効果を上げるためには、御指摘のとおりの実費の支給、あるいは今言った保護司会の組織を活性化するということも極めてまた重要だと認識しております。

 実は、この御質問をいただきまして、私自身も今委員と同じ、その感覚で改善をしなければならない、そういった思いに駆られておるわけでございまして、下稲葉前、元大臣の御所見と併せ、更にひとつ努力を重ねてまいりたいと思っております。

井上哲士君

 宝のようなものだという最初の答弁ありましたけれども、本当にそれにふさわしい援助を、援助と責任を果たすということで、重ねて要望をしておきます。

 次に、行刑改革の問題について質問をいたします。

 行刑改革会議の提言が出されました。これは一昨年以来、当委員会でももう何度も集中審議も行いましたし、視察も行いました。多分、出していただいた資料、死亡帳など段ボール箱一つでは収まらないぐらいの資料も目を通して議論をしてまいりました。その中でこの会議が立ち上がりまして、審議過程もマスコミに公表される、議事録も顕名で明らかにされる、大変それまで出なかったような資料も公表されるという点では大変重要な会議でありました。読みましても、非常に真剣な議論が伝わってまいります。

 この中でこういうくだりがあります。「かつて他人の人間性を踏みにじった受刑者の人権を尊重する必要などあるのかという声も国民の中にあるかもしれない。また、受刑者のために一層のコストをかけることに対して抵抗感を抱く国民もいるかもしれない。しかし、我々は、受刑者の人権を尊重し、改善更生や社会復帰を図るために施す処遇を充実させることに要するコストを無駄なものとは考えない。」と。「なぜなら、この改革において実現される処遇により、受刑者が、真の意味での改善更生を遂げ、再び社会の担い手となるべく、人間としての自信と誇りをもって社会に復帰することが、最終的には国民全体の利益となるものと考えるからである。」と。

 議論を通じてこういう結論を出されたということは、非常に私も感銘をもってこの提言を読みました。もちろん、更に踏み込むべき問題はあるわけでありますけれども、大変、刑事施設視察委員会の設置など画期的な内容を含んでおります。立法化が必要なものもありますし、すぐにできるものもあるわけでありますが、この提言に基づいた改革に向けての体制、そして決意をまず大臣からお聞きをいたします。

国務大臣(野沢太三君)

 私、就任以来、この行刑改革会議の会議にも後半からでございますが参加をし、拝聴、議論を拝聴してまいりまして、ただいま委員からも御紹介のありましたような一言半句に至りますまで、この報告書の作成について我々のまたお願いも申し上げてきた立場でございます。

 そういう中で、これからやはり努めるべきことは、国民の皆様に理解されてかつ支えられる、また役に立つ行刑施設ということになりますと、やはりそこでお世話を受けています受刑者の人間性尊重というところに改めて思いを致すということ、そこで真の改善更生、社会復帰が期待できる、これが一つでございますが、もう一つは、お世話をしております刑務官の皆様の御負担が物すごく今過重でございます。これをやはり軽減していくということが同時に解決されないと、やはり人間的な処遇ということもなかなか達成できないということがありますから、これが二つ目の大きな課題であり、そして最終的には開かれた行刑を実現するということで、国民にとってよく理解され、かつ、これは役に立つ刑務所であるなという御認識が行き渡るように、外からの御意見もいただけるような仕組みもひとつ整備しようじゃないかと、こういう内容の三つの柱で成り立っていると考えておるわけでございますが、これを実現していくために、私どもは法務省の中におきます検討のグループを作りまして、最終的には監獄法の改正作業も視野に置きながら、取りあえず現行の法制下でできることについては直ちに実行しようじゃないかと。これはもう十数項目にわたる具体的な提言をいただいておりますので、その幾つかは既に実行に移しておりますけれども、それを進めながら、最終的には法改正で、百年越しの懸案でございました監獄法の見直しもできるだけ早く実現をいたしたいと、かように考えております。

井上哲士君

 問題は、立法作業の在り方に一つあります。この提言は、この受刑者と未決拘禁者の法的性格の違いなどを踏まえて細かく検討しなければならない問題があるけれども、これは時間的制約もあってできていないということを言った上で、「専門的な知識、ノウハウをいかして、速やかにこの点の検討を行うことを期待する。」と、こういうふうに述べております。

 ですから、代用監獄の問題、未決拘禁者の問題はこの会議では全く検討されていないわけですから、当然この提言に基づく立法作業からはこの分野は除かれるというのが関係者の理解であります。当然、この立法作業としては分けるということで確認をしたいんですが、いかがでしょうか。

国務大臣(野沢太三君)

 いわゆる代用監獄や未決拘禁者処遇の問題につきましては、様々な御意見がありまして、監獄法改正に当たってもこれを切り離すべきとの御意見があることは承知しております。他方、監獄法の改正ということになりますと、未決拘禁者の処遇について、受刑者と同様、その改善を図るべきとの意見も同時にございます。したがいまして、今後の監獄法改正の議論に当たりましては、このような様々な御意見を踏まえまして、慎重に考えたいと考えております。

井上哲士君

 これまで刑事施設法案が三度国会に提出をされながら成立しなかったと、その一番の原因がこの代用監獄の問題でありますから、それをそのままにしたこのかつての法案に今回の提言を付け加えて立法すると、こういうやり方は、この行刑改革会議の提言の趣旨にも反しますし、過去の経緯からいいましても、そういうやり方では立法自身も成功しないと、せっかくの提言を無にしてしまうということになりますので、この問題はやはり切り離して立法していくということを改めて求めておきます。

 同時に、ちょっと確認をしておきたいんですが、先ほど法務省の問題で、専門家であるがゆえに国民の声が届かなかったんではないかと、こういうような反省の答弁も大臣からありました。そうしますと、この提言で言っています「専門的な知識、ノウハウをいかして、速やかにこの点の検討を行うことを期待する。」とあるわけですが、まさか、法務省が一番専門的に分かっているんだから自分たちの専門的知識とノウハウだけでこの検討を進めると、こういうことはないかと思うんですけれども、その点もう一回大臣、御確認しておきたいんですが、いかがでしょうか。

政府参考人(横田尤孝君)

 この問題につきましては、先ほど大臣がお答えになったとおりで、やはりいろんな考えございますので、慎重にまた検討してまいりたいということでございます。

井上哲士君

 慎重に検討する上で法務省内部だけでやったりしないでしょうねと、先ほどの反省もあるわけですから、このことはちょっと大臣、是非確認をしておいてください。

国務大臣(野沢太三君)

 専門家であるということを十分生かしながら、この作業に当たってまいりたいと思っております。

井上哲士君

 これは、この間の司法制度改革もそうですし、この行刑改革の問題もそうだったわけですから、正に、広く国民の声をしっかり聞く、やり方はいろいろあると思います。そのことなしに立法化の問題も成功しないし、この提言の趣旨を生かすことはできないんだということで、改めてこれは強く求めておきます。

 それで、じゃ直ちに実施できる方策との関係でありますが、医療の問題についてお聞きをいたします。

 提言は、被収容者に対しては、国は基本的に一般社会の医療水準と同程度の医療を供給する義務を負うというふうにしております。そして、矯正医療の改善を求めているわけですが、私、昨年も質問いたしましたけれども、冤罪を主張し、高裁での第一回の期日を前にして東京拘置所の中で自殺をされた水野憲一さんという方がいらっしゃいます。この方は、精神科で治療を受けていて、やっと相性のいい薬が見付かって、それを服薬して十数年間は普通に働いておられました。これが、拘置所に入りますと、こういう今まで処方されてきた薬が処方されないということになりました。頼んでも与えてもらえないという中で、結局この病気を悪化をさせられまして、冤罪を晴らすこともなく自ら命を絶たられたと。

 これ、今御家族が国家賠償の訴訟をされているわけでありますが、こういうことは二度とあってはならないと思うんですね。特に、こうした精神科に掛かっていらっしゃる方の場合には、薬の相性があるわけですから、必要な薬が与えられるという点での医療の改善というのは、今回の提言を生かしてどのようにされようとしているのか、いかがでしょうか。

政府参考人(横田尤孝君)

 お答えいたします。

 今御指摘のあった事例につきましては、現在、死亡した本人の遺族から民事訴訟を提起されておりまして、これは委員今おっしゃったとおりです。裁判の過程でこの投薬の適正さに関する評価も含めて専門家による検証が行われるというふうに考えております。

 なお、行刑施設におきましては、医師が治療上必要と認められる薬剤を患者に投与しておりまして、必要があれば、その者が社会におりますときにおける投薬内容等についても医療機関に照会の上、これを参考としつつ投薬内容を決定するなど、適切な医療の確保に努めているものと承知しておりますが、行刑改革会議の御提言の趣旨も踏まえ、近隣の医療機関等との連携協力体制の更なる強化に努めるなどいたしまして、その万全を期していくことにしております。

 以上です。

井上哲士君

 ただ、問題は、やはり予算が限られているということがあります。

 行刑改革会議に出されました「行刑施設に勤務する医師に対するアンケート結果」というのを私も読ませていただきましたけれども、非常にこの困難な中で医師の皆さんが御苦労をされている姿も非常によく分かりました。同時に、こういう声が載っているわけですね。薬や医療材料が予算で決められているために予算面で過剰収容に対応する必要があると、予算が限られているので機器や薬も限定されると、こういうのが現場の医師の生の声としてこのアンケートにも出ております。先ほどの裁判の関係でいいますと、水野さんの御家族がこの八王子の拘置所に行った際に、そういう薬は高いから置いてないんだということを言われたということもお聞きをいたしました。

 私は、やはりこういう自殺者も出たということを見ますと、二度とこういうことが起こさないように必要なやはり薬というのが、特にこういう精神医療の場合には特段の配慮をするということの徹底、それから、こういう予算の枠の中で必要な薬が出すことができないようなことが起きないような予算の確保も含めたことが必要かと思いますが、この点での大臣の所見をお願いします。

国務大臣(野沢太三君)

 私も、行刑施設視察するときには、必ずその施設の中の医療設備、それから担当しているお医者さんの御意見を聞いて歩いたわけでございます。委員御指摘のような、確かに十分な予算はないところもありますけれども、しかしながら、その中で工夫と努力によりまして最善の手当てをしている方がもう大部分でございまして、また難しい問題につきましては医療刑務所という形で専門の医師のいる刑務所もまた備えられていることは御承知のとおりでございます。

 この医療問題につきましては、そういう意味で、人権擁護という面からしても一番基本的な要素でございますので、これからもひとつ御提言をいただきながらしっかりこれの確立を図ってまいりたいと思うわけでございます。

 特に、この平成十六年度予算で見た場合には、医療専門施設の治療体制の充実、歯科医と精神科の医療体制の整備、それから健康診断の充実と、こういったことが盛り込まれておりまして、外部に対する移送の費用が拡大される。これは対前年度五億一千万円増の約二十八億五千五百万ということが、金額が計上されておりまして、関係の機関との連携もこれで図れるということになっております。

 行刑施設の医療関係につきましては、これからも社会のレベルに十分配慮をいたしまして、適切な対応を取ってまいりたいと考えております。

井上哲士君

 終わります。


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