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2004 年 4 月 6 日

法務委員会
破産法案及びその整備法案(質疑終局)

  • 破産手続きにおける罰則規定等の適正な運用について質問。また、非免責債権の拡大・商事留置権の消滅などについて質問。

井上哲士君

 日本共産党の井上哲士です。

 前回に続きまして、まず免責不許可事由の拡大の問題で質問をいたします。

 給与所得者再生手続を選択をして、かつ再生計画を遂行した債務者がその後にリストラや病気などで職を失って多重債務に陥ることはあり得るわけで、こういう場合にも一律に免責不許可となることは問題ではないかということを、この間の質問の最後に法務省に立法趣旨をお聞きをいたしました。

 今日の午前中の参考人質疑でも、現場で管財人とかされております弁護士さんからもこの点での柔軟な対応ということの御意見が出されたわけでありまして、最高裁としてのそういう場合の柔軟な対応の必要性についての御認識をまずお伺いをいたします。

最高裁判所長官代理者(園尾隆司君)

 今回の破産法案は、免責不許可事由がある場合にも、事案の内容を考慮し、裁判官の裁量によって免責許可決定をすることができるということを明文の規定をもって明らかにしております。現行破産法でも同じように解釈がされていたわけでございますが、規定上より明らかにされたという認識でございます。

 お尋ねの個人再生事件でのハードシップ免責を受けたようなもの、これについても七年経過前に破産免責の申立てがあったということについて免責不許可の事由とされているわけですが、やはりこの点についても、裁判官の裁量で免責許可決定をすることができるということが明文上明らかになっているということに基づいて運用していくということになります。

 従来、モラルハザードが生じるのを避けるという目的で、再度の免責許可決定をすることについてはこれはかなり制限的に解釈をするというような運用がなされておりました。しかし、最近ではこの再度の免責の許可を、例えば十年というふうに限られているわけですけれども、八年後の免責申立てについて再度の免責を許可しなければならないのではないかというように思われる事案がまれではございますが出てきております。そのような場合には、特に最近広がってまいりました少額管財手続で低廉な費用で管財人を選任しまして、その管財人の意見を聞きながら免責を許可するかどうかを決めるというような運用がなされ始めております。

 私も経験した事例によりますと、八年ほどしか経過していない、前の免責許可決定の確定から八年ほどしか経過していないという事案につきまして、違法な金融、いわゆるやみ金融から融資を受けて追われているというようなことで、免責の決定をしてしまわなければその問題が解決がされないというような問題が起こる事例に遭遇するというようなことがございましたが、破産管財人の意見を聞いて様々なその破産者の状況を総合的に勘案して、あえて免責、再度の免責の許可決定をしたというような事例がございます。

 そのように必要性が高いという場合には、やはり裁量権を行使するという場合が出てまいっておりますので、今の広がってきております少額管財手続に付して管財人の意見も聞きながら運用するというような様々な運用上の工夫を重ねながら、適切な運用がされていくようにこれから研究が続けられていくだろうというように考えております。

井上哲士君

 そういう柔軟な運用について是非周知徹底をお願いをしたいと思います。その上で、次に罰則の問題についてお聞きをいたします。

 今も出ましたやみ金融などの不当な取立てなどについてしっかり規制をしていくということは大変大事でありますが、同時にこのことが労働組合等が行う正当な行為にまで波及をしていくのではないかと、こういう懸念の声があります。いざ会社が倒産をしたという場合には、労働債権をいかに確保するかということは当面の生活の糧を失った労働者にとっては死活問題であります。そういう場合に、労働債権の確保等に向けた労働者や労働組合等の行為が正当行為であり、そういったものが処罰をされるということになりますと大きな問題になります。

 そこで、幾つかお聞きをいたします。

 まず、二百六十五条の詐欺破産罪です。債務者の現状を改変して、その価格を減損する行為、それから債務者の財産を債務者の不利益に処分し、又は債務者に不利益な債務を債務者が負担する行為、これを詐欺破産罪として処罰の対象とし、その相手も罰則を加えることとしておりますが、この趣旨はどういうことなんでしょうか。

政府参考人(房村精一君)

 債務者が経済的に破綻して破産に至る場合、破産手続開始の前後を問わず破産者の財産を隠匿する、あるいは損壊する、あるいは無用の債務を負担すると、こういうような形によりまして実質的に自己の財産を減少させるというようなことが行われます。これによりまして総債権者の利益が害されるわけでございますので、この法案ではそういう総債権者の利益を害する一定の行為類型をこの二百六十五条に規定いたしまして処罰の対象としたわけでございます。

井上哲士君

 破産争議の場合には、労働組合が債権確保のために事業所を占拠すると、こういうような場合もあるわけですね。こういう労働組合の行為がこの罰則の対象になることはないわけですね。

政府参考人(房村精一君)

 ただいまの御指摘の行為、該当する可能性があるとすれば、この二百六十五条一項三号の「債務者の財産の現状を改変して、その価格を減損する行為」ということになろうかと思いますが、ここで「現状を改変して、その価格を減損する」と申しますのは、破産財団に属する財産の物理的状況を改変することによって当該財産の価格の著しい減少を招来する行為をいうという具合に解されますので、御指摘のような労働組合が事務所を占拠しているというにすぎない場合はこれに該当することはないと考えます。

井上哲士君

 労働債権の確保という点でいいますと、特に中小企業なんかの場合は退職金といっても非常に少額の規定しかないという場合がありまして、上積み協定をしたり、あるいは売掛金や商品在庫を労組に譲渡したり、そんなことはこれまでもいろんな形で現場でやられてきておりまして、そういうことも含めて罰則の対象にして、結果としてやはり労働債権の確保が困難になると、こんなことがならないような運用を改めて求めておきます。

 もう一点、二百七十五条についてお聞きをします。

 これ、破産者等に対する面会強請等の罪でありますが、刑法にある証人等威迫罪とか、それから暴力行為等処罰ニ関スル法律にあります集団的・常習的面会強請、強談威迫、こういうところに使われているこの面会の強請、強談威迫、これを破産法の処罰規定に取り込んだということですけれども、この趣旨はどういうことなんでしょうか。

政府参考人(房村精一君)

 この二百七十五条、御指摘のように「破産者又はその親族その他の者に破産債権を弁済させ、又は破産債権につき破産者の親族その他の者に保証をさせる目的で、破産者又はその親族その他の者に対し、面会を強請し、又は強談威迫の行為をした者は、三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。」ということになっております。

 これは先ほども出ましたけれども、特にやみ金融のような違法な金融機関が、破産手続が開始したにもかかわらずその破産者あるいはその親族に対して破産債権の弁済を求める、求めて面会を強要し、あるいは極端な場合には脅すというようなことも現実になされております。破産宣告がなされますと、すべての債権者は自らの権利を行使することが禁止されまして破産管財人による平等な弁済を受けると、こういう手続が進んでいるわけでございますが、今申し上げたようなやみ金融のようなやり方は、こういう、正に他の債権者が禁止されている中で実力をもってその債権者間の平等を害しようとする行為でありますし、またこういう行為が行われますと個人である破産者の経済的な再起が妨げられると、こういうことが指摘をされているわけでございます。

 そこで、この法案では、そういった指摘を受けまして、そのような行為に対して罰則でこれを取り締まるということを考えたわけでございます。そこで、対象といたしましては、破産者、個人である破産者に限りましてその者あるいはその親族に今申し上げたような破産債権を払わせる、あるいは保証させると、こういう目的でこのような面会の強要とか強談威迫の行為をするということを刑罰をもって禁止したものでございます。

井上哲士君

 貸金業法などでの取締りもこの間行われてきました。これではできないということなわけですね。

政府参考人(房村精一君)

 まあ、貸金業法での取締りは取締りとしてございますが、すべてが貸金業者というわけではございませんし、やはり破産の局面に限定して、特にそういう保護を図る必要がある場合について破産法で独自の罰則を設けると、こういう考え方でございます。

井上哲士君

 面会の強請というところまでが罰則を科すわけですが、これはどうも幅が広過ぎるんではないかと、こういう意見も聞きます。いわゆる強談威迫、直接会ってやる以前のところまでこの処罰対象にした理由はどういうことで、どういう具体的な問題を想定をされているのかと、この点いかがでしょうか。

政府参考人(房村精一君)

 今回の法案では、強談威迫にとどまらず、その前段階の面会強請、これも処罰の対象にしております。

 ただ、現実に問題になる局面を考えますと、破産宣告を受けて、言わば非常に経済的にも精神的にも追い詰められている、そういう方々に対して、本来破産債権として管財人の前で平等に受けなければいけないそういう債権を直接取り立てようとする行為、これは直接会って強く威迫をするということまでいかなくても、面会を強く求められるだけでも、その元々弱い立場にいる破産者にとっては非常な困惑を感じるのではないか。

 そういう意味で、他の法律のことについてはどうか分かりませんが、少なくともこの破産の局面で、本来行使できない債権を行使してその債権者平等を害して満足を得ようと、そういう行為と、それから破産者が受けるそういった被害感情あるいはその置かれた立場というのを考えますと、やはり罰則をもってその面会の強請まで取り締まらないと十分なその保護が図れないのではないかと、こう考えた次第でございます。

井上哲士君

 やみ金業者などがそれこそ親戚のところまで行ってやったりとか、様々な問題は聞いておりますので、そういう点でこういう問題にしっかり取締りがされるということは大事だと思うんです。

 ただ問題は、やはりこの二百七十五条によりまして、企業の労働者、労働組合が行う労働債権確保のための正当な行為ですね、団体交渉を申し入れるとか、こういうことまで処罰の対象になるんではないかと、こういう危惧の声があるわけですが、この点はいかがでしょうか。

政府参考人(房村精一君)

 まず、この条文で処罰の対象となっておりますのは個人債務者が破産した場合に限定されておりますので、企業破産の場合にはおよそ対象になっておりません。したがいまして、ほとんどの場合、労働組合が存在するほどの会社であれば、会社であればというか事業であれば、会社形態で行われていることが大半だと思いますので、まずそれで外れるということが一つございます。

 それから、個人事業者がやっている場合ももちろんなくはないと思いますが、この場合であっても、労働条件等に関する団体交渉ということであれば、その破産債権について弁済をさせ、あるいは破産債権について破産者の親族その他の者に保証をさせると、こういう目的からは外れるということになるのではないかと、こう考えております。

井上哲士君

 基本的に企業の労働組合が行うこと、そしてまた労働組合、個人事業主の場合でも労働組合活動の範疇であれば外れるという答弁でありました。

 もう一点、警察の援助についてお伺いをします。

 第八十四条で、管財人が職務の執行に抵抗を受けるときに、その抵抗を排除するために裁判所の許可を得て警察の援助を求めることができることになるわけですが、まずこの八十四条の立法趣旨についてお伺いします。

政府参考人(房村精一君)

 これは実は個別執行である民事執行手続におきまして、執行官が職務の執行に際して妨害を受けたような場合には、これを排除するために警察上の援助を求めるということが現在の民事執行法で規定されております。破産管財人は言わば、そういう個別執行を超える包括執行の言わば執行を担う立場でございます。現行法の下におきましては、その破産管財人についてはそういう実力による妨害行為を受けた場合にも警察上の援助を受けるという制度が設けられておりませんので、やはりこれを何とかしてほしいという、こういう御指摘が前からございました。

 そこで、今回、個別執行の執行官に並ぶものとして、包括執行の破産において破産管財人にそういった抵抗を受けたときに警察上の援助を求めることができると、こういう制度を八十四条に規定したものでございます。

井上哲士君

 今趣旨については答弁いただきましたが、これも運用に当たっては労働組合のいろんな正当な争議、破産争議について警察の介入などを招くというようなことはあってはならないと思うわけですが、裁判所の許可を得てという運用になるわけで、この点で運用について最高裁からお願いをします。

最高裁判所長官代理者(園尾隆司君)

 管財人による警察上の援助請求がどのような場合に使われるかといいますと、例えば暴力団の関係者が破産財団に属する物件を不法に占拠しているというような場合に、占有関係の調査やあるいは物件の立入りを禁ずる封印措置を取るというために管財人が現地に赴きますが、その場合に暴力団関係者から脅迫をされたり、あるいは場合によっては危害を受けるというようなことがあるものですから警察官の援助を求めるということがあるわけでございます。

 この規定が労働組合の正当な行為に及ぶことがないかどうかという点についてでございますが、一般に適法な労働組合の活動が正当な業務行為として尊重されるということは当然であるというように考えております。したがいまして、そのような正当な行為に対して裁判所から選任される管財人が警察上の援助の規定を使うということは一般的に考えにくいことでございます。

 また、警察上の援助請求につきましては、裁判所の許可を更に要件としてございますので、言わば二重の安全策があるというように考えておりまして、これによって適正な運用が図られるというように考えておるところでございます。

井上哲士君

 罰則や警察の援助について何点かお聞きをしましたけれども、全体としてやみ金などの非常に不当な取立てであるとか、そして今ありました暴力団などにおける妨害、こういうものを除去していくというのが全体の立法趣旨かと思いますので、そういうものを是非周知徹底をしていただいて、労働組合等の正当な行為についてこういうものが及ばないという点での徹底を是非図っていただきたいと思います。

 あと何点かお聞きをいたします。

 一つは、非免責債権の拡大についてですが、二百五十三条で免責許可を受けても免責対象とされない非免責債権の対象を拡大をしております。その内容とこれを入れた趣旨についてお願いをします。

政府参考人(房村精一君)

 破産の場合に、すべての財産を清算いたしまして残った債権についても、免責をすることによってその再出発を図るというのが現行法あるいは今回の法案の基本的考え方でございますが、ただ債権の中にはそのまま免除したのでは相当でない、モラルハザードを招く、あるいはその債権の保護に欠けるというようなものもございます。そういうことから一定範囲の債権につきましては免責許可があってもなお免責されないと、こういうことといたしているわけでございます。

 現行法の下では、租税債権であるとか悪意の不法行為に基づく損害賠償請求権あるいは労働者の労働債権と、こういったものが非免責債権として挙げられておりますが、今回、それらと並びまして、新たに破産者の故意又はそれと同視すべき重大な過失により人の生命又は身体を侵害する不法行為に基づいて生ずる損害賠償請求権、それから破産者が扶養義務者として負担すべき費用に関する請求権、この二つを非免責債権といたしました。

 その趣旨といたしましては、やはりこの二つの債権はいずれもその保護の必要性が特に高い。やはり、他人の生命又は身体を侵害するという重大な違法行為を行った損害賠償請求権については、破産をしたからといって免責をするのはやはりその債権を取得した者に対する保護に欠けることになるだろう、こういうことが考えられますし、扶養義務についても全く同様でございます。そういうことから、今回、この二つの種類の債権について範囲を拡大いたしたものでございます。

井上哲士君

 養育費につきましては、昨年改正をされた民事執行法で将来にわたる養育費についても保障するということになりましたので、その点と併せて大きな前進になることだと思います。

 それから次に、特定調停の問題でお聞きをするんですが、多重債務の整理法としては簡易裁判所の手続の一つである特定調停もあります。報道によりますと、二〇〇〇年には十六万二千九百六十六件が、二〇〇二年には三十九万四千百三十三件ということで、自己破産以上に大変これを利用される方が急増しているということであります。費用が格安であること、自分でこの返済計画を立てる分、苦労もあるけれども、支出と収支の概念が身に付いて生活再建にも役に立つということから、むしろこちらを勧めるという方も随分いらっしゃるようですが、この破産との違い、そして今回の改正によってむしろ破産の方に誘導しようというような、そんな思いがあるのか、今改正との関係はどういうことなんでしょうか。

政府参考人(房村精一君)

 御指摘のように、特定調停、非常に多くの方々に利用していただいております。

 この特定調停のメリットは、ただいま御指摘もありましたが、やはり何といっても費用が低廉である、また迅速に柔軟な解決ができると。で、専門的な知識、経験を有する調停委員のその関与の下でそういった柔軟、迅速な解決が図れるという意味で、非常にある意味では使いやすい制度だろうと思っておりますが、しかし、調停という性格がありますので、どうしても当事者の合意が成立しなければ仕方がない。そういう意味で、協力的でない方が関係者におりますと、この特定調停が成立するということが難しくなるわけでございます。

 一方、これに反しまして破産法は、特定調停に比べますと手続も厳格でございますし、費用も掛かります、また時間も掛かりますが、しかし、これは当事者の合意ということではなくて、裁判所の関与の下に債権者の意に反してもその整理ができると、こういう特質がございますので、そういった意味でそれぞれその特色があろうかと思います。

 その事案に応じて柔軟、迅速で、当事者の協力が得られるときには柔軟、迅速な解決を求めて特定調停を利用していただくことがふさわしいでしょうし、より多くの関係者がいて裁判所の関与の下に厳格な手続で平等な弁済を図るということを重視すれば、これは破産手続を利用するということになろうかと思います。

 今回、この破産法を改正いたしまして、従来に比べれば相当利用しやすく、また手続についても柔軟な扱いができるようになったと思いますが、やはり基本的なそういう大きな違いは残っておりますので、今後もその事案に応じてこの二つの制度、あるいはそのほかの再生手続等も含めて、倒産関係の諸手続を適切に使い分けていただければと、こう思っております。

井上哲士君

 最後に、商事留置権の消滅の問題について聞きます。

 百九十二条で、破産手続開始のときに破産財団に属する資産に商事留置権がある場合に、一定の条件の下で管財人が留置権の消滅を請求することができるということにしておりますけれども、この内容とその趣旨についてお願いをします。

政府参考人(房村精一君)

 これは、留置権者が留置をしておりますと、破産管財人としてはそのものを自ら利用するということができませんし、また売却することもできないわけでございます。ところが、破産をいたしましてもなお事業を継続するという場合もございます。そういうときに、例えばその事業に必要なものが留置権で留置されてしまう、例えば原材料であるとか半製品が留置されてしまいますと事業の継続ができなくなってしまう。事業を継続することによって少しでも弁済のための原資を増やすということが破産管財人としては望ましいわけでございますので、そういうときには何とかその留置権を消滅させることによってそれらのものを使えるようにできないかと、こういうことから、今回、この商事留置権の消滅請求の制度を設けることとしたわけでございます。

 また、それ以外にも、事業そのものを例えば営業譲渡をするというときに、それと一体となっているものが商事留置権で留置されてしまいますと営業譲渡もできなくなってしまう。そういったことから今回認めました制度でございまして、その破産管財人の方で裁判所の許可を受けまして一定額を弁済すると、留置権者に弁済を申し出て、それと引換えに留置権を消滅させると。こういう仕組みといたしまして、留置権者とすればその留置しているものの価額相当の額を弁済してもらえばそれ以上占有を続ける必要はないはずでございますので、そういうことによりまして留置権で担保された債務の弁済を確保すると同時に、留置物を利用したいという破産管財人の要望も満たすと、それを裁判所が中に入ってそういった仕組みで適正な解決を図ると、こういう形でございます。

井上哲士君

 破産手続が開始をされましても事業を継続するということが、債務者にとっても、そして債権者にとっても、財団の維持や増資化に資するという点で双方に望まれるときに、こういうことは大変一部の債権者の横暴などを抑えるという点でも効果があることかと思います。全体として中小企業などにも評価をされていることかと思います。

 繰り返しになりますけれども、やはり罰則等の問題について本来のやはり法の今回の改正の趣旨に付いた運用を改めて求めまして、質問を終わります。


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