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学術会議任命拒否、総理会見の反響

 学術会議人事について菅首相が昨日の会見で、105人の名簿「見ていない」とべたことに反響が広がっています。だいたい、 2日の官房長官会見では、「首相の意向は反映されていない」といい、 5日の総理会見では「総合的、俯瞰的な活動を確保する観点から判断した」 と正反対の内容です。

 そこに「判断した」と言いながら「名簿はみていない」というのですから支離滅裂。 会見のたびにコロコロ変わるのは、説明できないことをやってるからです。

 任命拒否された方々からも、その専門の立場から批判がされています。早稲田大の岡田教授は以下のコメントをだされています。以下、紹介します。

 昨日、学術会議が推薦した105人のリストを首相自身が見ていないということが、首相発言で明らかになりました。その意味は、菅首相の「任命行為の違法性」がますます明確になった、ということです。総理大臣が推薦段階の105人の名簿を見ることなく任命行為を行った、ということであれば、法的には当然、次のようなことになります。

(1)「推薦段階の105人の名簿については「見ていない」」、「自身が決裁する直前に会員候補のリストを見た段階で99人だった」ということは、日本学術会議からの推薦リストに基づかずに任命した、ということです。これは、明らかに、日本学術会議法7条2項「会員は、第17条の規定による推薦に基づいて、内閣総理大臣が任命する。」という規定に反する行為です。

(2)6人の名前を見ることなく決裁した、ということは、学術会議からの6人の推薦が内閣総理大臣に到達していなかった、ということですから、改めて6人について「推薦に基づいて、内閣総理大臣が任命する」という行為を、内閣総理大臣は行わなければなりません。任命権者に推薦が到達していないのですから、任命拒否はありえないし、なしえないことです。

(3)任命権を有する内閣総理大臣に推薦リストが到達する前に何者かがリスト上の名前を105人から99人に削除した、ということであれば、総理大臣の任命権に対する重大な侵害であり、日本学術会議の選考権に対する重大な侵害です。リストを改ざんした者は、虚偽公文書作成罪(刑法156条)の犯罪人です。

(4)推薦のあった6人を選ぶことなく、放置して「今回の任命について、変更することは考えていない」という態度をとることは、憲法15条に違反します。なぜなら、国民固有の権利である「公務員を選定する行為」を内閣総理大臣は放棄できないところ、その職務を行わないことは、憲法と法律によって命じられた職務上の義務に違反するからです。

このようなあからさまな首相の違法行為と職務怠慢は、即座に是正されなければなりません。

 10月10日(土) 岡田正則(早稲田大学)

 また、立命大の松宮教授は、私のFBへの書き込みで以下のように述べておられます。

 「自身が決裁する直前に会員候補のリストを見た段階で99人だった」という言葉が、学術会議からきた推薦者リストだと思っていたリストにすでに99人しかなかったという意味なら、有印公文書偽造または変造(刑法155条1項)ですね。
 いずれにせよ、犯罪行為が介在した不完全な任命であったということになります。
「学術会議からきた推薦名簿ですが、あらかじめ、数人の名を塗りつぶしておきました。」という趣旨であれば、公用文書毀棄罪(刑法258条)です。3月以上7年以下の懲役と、これもかなり重い罪です。罰金で済ませることはできません。
 
 国会での徹底追及が必要です。

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