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「黒い雨」訴訟、運動と世論で上告断念

「よし!」――思わず声を上げました。26日の午後4時過ぎ。テレビ画面に「『黒い雨』訴訟上告せず、政府方針」の速報が字幕で流れました。

 地裁での勝利判決があったのは昨年の広島原爆の日の直前。八月六日に広島を訪れた際に「黒い雨」訴訟の原告団の皆さんと懇談すると、「川の向こう岸は『黒い雨』が認定され、こちら岸は認定されない。こんな認定基準はおかしいことを裁判所が認めてくれた」という喜びと共に「我々に残された時間は少ない。政府は絶対に控訴するな」という強い思いが語られました。 

ところがその直後、当時の安倍政権は不当にも控訴。原告の皆さんがどんなに憤ったことか。それから一年。今年も原爆の日の直前に出された高裁判決は、地裁判決よりさらに踏み込んで「黒い雨」被害を広く認めた画期的なもの。菅総理も会見で「判決には受け入れがたい部分がある」とも述べるほど、これまでの国の被爆者行政を厳しく断罪しています。にもかかわらず政府が控訴を断念したのは、原告の皆さんの長きにわたる命がけの訴えと世論の力によるもの。

先週、日本共産党と立憲、国民、社民の野党四党の連名で政府に「控訴するな」と申し入れました。我が党からは本村、笠井両衆院議員と私の「被爆二世トリオ」が参加しました。野党共闘の前進も運動を後押しできました。

さあ、さらに原爆症認定の抜本改定と核兵器禁止条約への参加へ。それを実現する新しい政府を総選挙勝利で!  (21年7月31日 「赤旗」東海北陸信越版)

 

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