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八月六日、広島で

今年も八月六日は被爆二世として広島で迎えました.。

核兵器禁止条約が発効して初めての原爆の日。そして、原告全員が勝利した「黒い雨」訴訟の上告断念を勝ち取って迎えた日でもあります。前日に広島県被団協や黒い雨原告団の皆さんと懇談しましたが、被爆者の声と世論が国際政治を動かし、政府も県政も動かしたと喜びと確信に満ちた懇談となりました。

 六日の朝は平和公園の原爆死没者慰霊碑に献花し、続いて母校、広島国泰寺高校にある広島一中死没者追悼の碑の前で核兵器廃絶を誓い、原爆が投下された八時十五分に黙とうしました。平和祈念式典での後の二人の小学六年生の「平和への誓い」に感動しました。「私たちには使命があります」として、被爆者の思いや平和の大切さを世界の人々と次世代に伝えなければならない、小さな力でも世界を変えることができると信じて行動したいと誓ったのです。

 しかし、その後の菅総理の挨拶には、使命のかけらも感じませんでした。核兵器禁止条約には一言も触れず、「核兵器のない世界の実現」への決意も、「核兵器の非人道性をどの国よりもよく理解する唯一の戦争被爆国」という部分も読み飛ばしたのです。情けない。被爆国政府の総理としての資格が問われます。

 総選挙勝利で政権交代をはたし、核兵器禁止条約を批准する政府の実現を。広島の地で改めて誓いました。(「愛知民報」21 年8月22日付)

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