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9条生かした日本共産党の「外交ビジョン」

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 ロシアによるウクライナ侵略と危機に乗じた「力には力を」「憲法九条かえよ」との大合唱の中たたかわれる夏の参院選挙は「戦争か平和か」が正面から問われる選挙になります。

先日、ロシアのガルージン駐日大使と会談し、「ロシアの行為は国連憲章違反の侵略であり、国際人道法違反の戦争犯罪であり、核兵器による威嚇は言語道断だ」と直接抗議し侵略中止を求めました。なぜ会談に至ったのか。3月初めのNHK日曜討論に出演して参院各派幹部とウクライナ問題について議論し、厳しくロシアを批判しました。しばらくすると大使から「ロシア批判は不公平であり遺憾。意見交換したい」と手紙が来たのです。

席上、大使はウクライナ政府やNATO批判を並べ「ロシアはこの脅威に対して特別軍事行動を実施している」と合理化しました。私は「軍事同盟拡大には我々も反対だ。しかし、脅威を理由に他国に武力行使をする権利などどの国にもない。国連憲章違反の侵略だ」と批判しました。大使からは反論はなく「意見は本国に伝える」との言葉でした。

「国連憲章違反だ」という批判が一番ロシアにとって痛いことだと実感しました。だいたい、NHK討論での発言に他国の大使が手紙を送ってくること自体が前代未聞です。それだけ日本と世界の世論を恐れている証拠です。

バイデン米大統領は「民主主義対専制主義のたたかい」だとして国連憲章を口にしませんが、今大事なことは、あれこれの「価値観」で世界を二分するのではなく、「国連憲章守れ」の声でプーチン政権を包囲すること――ロシア大使と会談でもハッキリしました。

国連は安保理はほとんど動いていませんが、国連総会では140を超える賛成で2度の非難決議を挙げました。常任理事国の侵略行為に対する過去6回の決議で賛成数は最多でした。核兵器禁止条約採択でも力を発揮した非同盟・中立の国々の存在感を示しまた。この流れをさらに広げ「国際世論で侵略を止め、侵略者に責任を取らせ、国連憲章に基づく国際秩序を回復する」――こういう終わらせ方が大事であり、憲法九条を持つ日本こそ力を発揮すべきです。

 

ところが今、自民党やその補完勢力は「9条で日本が守れるか」と声高に叫び、「核兵器の共有を」「敵基地攻撃能力の保有を」などの大合唱です。憲法記念日に出演したBSの討論番組で維新の代表は、「非核三原則から『持ち込ませず』を除き2原則に。そうなれば9条改正が浮上する」と述べ、自民党の代表は「核の拡大抑止こそ日本の最大のセーフティネット」と主張しました。私は「被爆二世として許せない。核抑止論はいざという時は使用をためらわず、広島長崎の惨禍を繰り返すものだ」と批判しました。プーチン大統領による核の威嚇で核兵器が「絶対悪」であることが明らかになった今、日本の役割は核兵器廃絶の先頭にたつことです。

自民党の政府への提言は、外交には全く触れず、「敵基地攻撃能力」を「反撃能力」に名前を変え、攻撃対象を基地だけでなく相手の「指揮統制機能」まで含め、そのために軍事費をGDP比2%、今の2倍にまで拡大せよというもの。全面戦争につながりかねず、憲法9条と絶対に相いれません。日本がこのような立場に立てば、相手は「日本が攻めてくる」と脅威を感じ、さらに軍拡を進めるでしょう。軍事対軍事の悪循環で対立がエスカレートすれば、ますます戦争の危険を増すことになります。

 

国連のグテレス事務総長がウクライナで「戦争の最大の代償は常に市民の命であり、戦争は絶対に起こしてはならない」と語りました。戦争を起こさないために九条を生かした外交に知恵と力を尽くすのが政治の役割です。

日本共産党は、9条を生かして東アジアに平和を作り出す「外交ビジョン」を提案しています。注目しているのがASEAN(東南アジア諸国連合)です。ASEANは、「紛争の平和的解決」を義務付けた東南アジア友好協力条約(TAC)を結び、あらゆる問題を平和的な話し合いで解決する努力を徹底した積み上げ、かつてベトナム戦争のあった「分断と敵対」の地域を「平和と協力」の地域に変えてきました。

さらにASEANは、この流れを域外に広げ、ASEAN10カ国と日米中など8カ国で構成する東アジアサミット(EAS)を強化し、ゆくゆくは東アジア規模での友好協力条約を展望しようという壮大な構想――ASEANインド太平洋構想(AOIP)を明らかにしています。私たちの提案と重なります。

日本共産党の「外交ビジョン」は、このように現にある平和の枠組みを活用・発展させて、東アジアを平和と協力の地域にしていくという現実的で合理的なものです。そしてこれは、排他的アプローチではなく、包括的アプローチであることが重要です。軍事ブロックのように外部に敵をつくらず、「あらゆる紛争を戦争にせず、話し合いで解決する」もの。これこそ国連憲章の精神にも憲法9条の精神にも合致したものです。

軍拡の悪循環ではなく、こうした9条を生かした外交努力こそ、平和な東アジアをつくる一番現実的で一番建設的な方向です。参院選ではこのことを大いに訴え日本共産党の躍進をかちとりましょう。

(22.5.9  都内のある後援会のニュースに寄稿したもの)

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