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京都民報で秘密保護法の国会攻防と展望語る

 京都民報の12月15日付で秘密保護法をめぐる攻防と今後の展望について語りました。

 IMG_1341.JPG国会の攻防、国民のたたかいと今後の展望について、日本共産党の井上哲士参院議員(参院国会対策委員長)に聞きました。 

 ―6日、参院本会議でも自公両党が強行採決しました。 

 深夜23時を過ぎていたにもかかわらず、「今国会での成立などもってのほか」「憲法違反の法案は廃案に」などと声を上げるたくさんの国民が国会を包囲する中での強行採決でした。京都や全国から多くの激励のFAXをいただきました。こうした声を踏みにじって採決したことに、私も怒りを込めて厳しく糾弾します。

 法をめぐって、賛否の違いをこえて徹底審議すべきという声が広がっていました。直前の世論調査では8割の方が徹底審議を求め、成立直後の世論調査でも「議論が十分でない」という方が76%に及んでいます。ところが、参院では衆院の半分の時間で質疑を打ち切りました。修正案についても、衆院では自民、公明、維新、みんなの4党の修正案を審議したのはわずか2時間。本質的に何も変わっていないという批判が広がる中で、参院ではさらに政府が第三者機関の在り方に関する合意しましたが、この内容については1分も審議していません。

にもかかわらず強行採決が行われましたが、その時(5日)の議事録には「議場騒然、聴取不能」とあるのみ。およそ採決などとは言えないものです。法案を審議すればするほど反対の声が広がる中、追い詰められた結果の問答無用の暴挙です。 

 ―国会質疑を通じて、同法の危険な姿が浮き彫りになりました。 

 私も特別委で何度も質問に立ちました。第1の問題は、「特定秘密」の指定を政府が恣意(しい)的判断で決められ、国民には何が秘密かも秘密なまま、情報に近づけば処罰されることです。政府は秘密を「外交・防衛やテロ対策に限定」と言いますが、際限がありません。そもそも、これまで安保に関する重大なことが秘密にされてきました。日米での核兵器持ち込みの密約で、私たちが米側で公開された文書のコピーを突きつけて、同じものがあるはずだと追及しても、歴代自民党政権は存在を否定し、調査もしてこなかった。

ところが民主党政権時(10年)に外務省で米解禁文書と同じものが発見されました。私は、自民党が国民を欺いてきたことの謝罪を求め、密約のけじめなしに「秘密保護」などいう資格なしと安倍首相に追及(4日)しても全く無反省でした。修正案によって秘密指定期限が60年間になったことで、60年前の旧安保条約時の秘密文書が指定されれば、120年以上の秘密になる、まさに「永久秘密」だと批判したことはマスコミにも注目されました。

 第2の問題は、懲役10年という重罰、威嚇が国民の普通の日常とその自由、また報道の自由を奪うことです。政府は「一般国民は処罰対象とならない」「報道の自由は保障する」と述べています。しかし私たちの追及の中で、捜査機関の判断で逮捕拘留もあることが判明しました。密室での自白の強要が横行する危険があります。さらに、令状や裁判でも何が秘密か知らされない暗闇裁判となります。これでは、言論・表現や報道の自由を委縮させてしまいます。

 秘密を扱うものは政府の「適正評価」によって、自衛隊の情報保全隊や公安警察、公安調査庁から、精神疾患から飲酒の節度、借金などのプライバシーにまで根こそぎ調べられます。評価は公務員だけでなく、民間労働者、その家族や知人まで広がる国民総監視社会です。

 国民の目と耳、口をふさぎ、日本版NSC、集団的自衛権行使容認と一体で戦争する国をつくるもの。私たちは引き続き廃止を求めてたたかっていきます。 

 ―他の野党の様子はいかがでしたか? 

 参院本会議で賛成討論を行ったのは自民党の議員、反対討論を行ったのは日本共産党の仁比議員だけでした。まさしく「自共対決」国会を示す光景でした。

 維新の会とみんなの党は自民党の修正協議に応じながら、採決には退席。民主党は当初賛否を明らかにせず、世論の広がりの中で反対を訴えました。しかし、本会で途中退席して用意された反対討論の場を放棄しました。

 自民党の参院NSC特別委員会の理事者は「共産党の具体的な質問には緊張する」などと漏らしていました。メディアからも、「一貫して反対した野党が共産と社民だけ」「日本維新の会とみんなの党は自民の補完勢力に成り下がった」(京都、7日付社説)、「民主党も最後は内閣不信任案決議案提出に踏み切ったが、衆院通過まで対決姿勢は鮮明でなかった」(毎日、8日付社説)などと評されました。 

 ―反対する世論、たたかいが急速に広がりました。 

 全国的に弁護士会や映画人、学者など、空前の規模で反対の表明と行動が広がりました。採決の日、東京・日比谷野外音楽堂では1万5000人の方々が集まって法案反対集会に参加し、それを上回る方々が国会を幾重にも取り囲んでいました。京都でも弁護士会やKBS労組などをはじめ各地でデモ、集会が連続的に行われ、幅広い市民が立ち上がりました。こうしたかたちでにきの皆さんと「一点共闘」を築けたことは、今後のたたかいにつながります。 

 ―今後の展望を教えてください。 

 成立しましたが、京都での8日の約300人が集まった市民デモに見られるように、撤廃を求めるたたかいはすぐさま始まりました。

そもそも、日本国憲法の国民主権、基本的人権、平和主義という原則にことごとく反する法律です。さらに、国民の多数の反対の声を踏みにじっての採決です。自民党政権は、必ず国民と歴史の反撃を受けるでしょう。日本共産党は「一点共闘」でたたかった方々、法律に不安という方々とこれからもスクラムを組んで、廃棄を求めていきます。京都のみなさん、ともにがんばりましょう。

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