国会質問議事録

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予算委員会

shitsumon201111.jpg・西松建設の違法献金の問題で、二階経済産業大臣を追及。大臣の答弁は、「知らないものは知らない」と居直ることしかできないもので、疑惑はますます深まった。


予算委員長(溝手顕正君)

 次に、井上哲士君の質疑を行います。井上哲士君。

井上哲士君

 日本共産党の井上哲士です。

 西松建設からの違法献金問題について質問いたします。

 先日のマスコミの世論調査では、約八割が民主党の小沢代表の説明に納得がいかないとしておりました。一方、同様に資金が流れている自民党の議員らの問題も放置をできないという声が広がっております。この問題の解明はまさに国会の責務だと言わざるを得ません。

 まず、総務省にお聞きいたします。

 西松建設のダミー政治団体とされているのは新政治問題研究会と未来産業研究会でありますが、この新政治問題研究会の会則では会費についてどのように定めているでしょうか。

総務省自治行政局選挙部長(門山泰明君)

 お答えいたします。

 新政治問題研究会から届出のございました会則には、会費の額は次のとおりとする、一口一か月一万円、括弧年二回払いと記載されているところでございます。

井上哲士君

 私も手元に持っておりますが、月々の会費でありながら年二回払いというのは余り見たことがないんです。社員に会費を払わせて後でボーナスで補てんをし、企業献金でないように偽装をしているということと符合するわけですね。

 この二つの政治団体を通じて五億円近い資金が政界に流れ込んできました。この中で、新政治問題研究会の収支報告書では、〇五年四月に自民党の派閥である志帥会の政治資金パーティーの購入はどのように報告をされているでしょうか。

総務省自治行政局選挙部長(門山泰明君)

 お答えいたします。

 新政治問題研究会の平成十七年分の政治資金収支報告書を確認いたしましたところ、志帥会「めざせ新しい日本」に対してされた一件五万円以上の支出の金額は、平成十七年三月二十八日に二十万円、平成十七年四月二十日に三十万円と記載されております。

井上哲士君

 合わせて五十万でありますが、では、志帥会の収支報告書では、同じく〇五年四月二十日に開かれたパーティーについて新政治研究会からの収入はどう記載されているでしょうか。

総務省自治行政局選挙部長(門山泰明君)

 志帥会の平成十七年分の政治資金収支報告書を確認いたしましたところ、政治資金パーティーの対価に係る収入について合計二十万円を超える対価の支払をした者として新政治問題研究会という記載はないところでございます。

井上哲士君

 食い違っております。

 同じく新政治問題研究会の収支報告書では、〇四年四月のやはり自民党の宏池会のパーティー券の購入はどのように記載されているでしょうか。

総務省自治行政局選挙部長(門山泰明君)

 新政治問題研究会の平成十六年分の政治資金収支報告書を確認いたしましたところ、宏池会政経セミナーに対してされました一件五万円以上の支出の金額は、平成十六年四月二十三日に八万円、平成十六年四月二十六日に二十万円と記載されております。

井上哲士君

 合計二十八万でありますが、では、宏池会の収支報告書では、〇四年四月二十七日に開いたパーティーの収支に関して、新政治問題研究会からの収入はどう記載されているでしょうか。

総務省自治行政局選挙部長(門山泰明君)

 宏池会の平成十六年分の政治資金収支報告書を確認いたしましたところ、政治資金パーティーの対価に係る収入につきまして合計二十万円を超える対価の支払をした者として、新政治問題研究会という記載はございません。

井上哲士君

 いずれもないわけですね。

 この二十万円を超える対価について記載をしていないというのは、これは規正法違反になるんじゃないですか。

総務省自治行政局選挙部長(門山泰明君)

 政治資金規正法を御説明申し上げます。

 一の政治資金パーティーの対価に係る収入のうち、同一の者からの政治資金パーティーの対価の支払でその金額の合計額が二十万円を超えるものにつきましては、その年における対価の支払について、当該対価の支払をした者の氏名、住所、職業、団体の場合には名称、主たる事務所の所在地及び代表者の氏名、並びに当該対価の支払に係る収入の金額及び年月日、これを記載いたしました収支報告書を総務大臣又は都道府県選挙管理委員会に提出しなければならないとされているところでございます。

 なお、政治資金規正法におきましては、故意又は重大な過失により収支報告書に記載すべき事項を記載しなかった者又は虚偽の記入をした者については、五年以下の禁錮又は百万円以下の罰金に処する旨の定めがございます。

井上哲士君

 これはこういう性格の問題なんですね。

 この西松建設の資金に関する収支報告については、これ以外の政治家や団体で多くの記載漏れや住所の間違いなどが行われておりまして、非常に不透明なことになっております。

 この二つの政治団体からのパーティー券の購入で突出しているのが二階大臣の政治団体であります。先日の質疑のときに西松建設の国沢前社長とは面識があると答弁をされましたが、いつから、どういうきっかけで面識があるんでしょうか。

経済産業大臣(二階俊博君)

 我々も長い間議員生活をさせていただいておりますので、いろんな方面の皆さんとも様々なお付き合いがあるわけでありますが、御質問の方とはいつ、どのようなきっかけで面識を持つようになったかということは覚えておりませんが、いろいろな会議や行事などで御一緒になることはあったと思います。

井上哲士君

 ゼネコン汚職で西松建設の副社長が贈賄で逮捕されました。そのときの常務が国沢氏であるわけですが、当時は御存じだったでしょうか。

経済産業大臣(二階俊博君)

 副社長のそういう事件の当時に今お尋ねの方が常務であったかどうか、これは私は定かに覚えておるわけではありません。

井上哲士君

 この国沢氏が企業献金を偽装するためにこの二つの政治団体を設立をしたわけですね。

 先日の当委員会で二階大臣は、この二つの政治団体について、どういう団体か存じ上げていないと答弁をされました。では、この二つの政治団体と西松建設が関係あるということはいつ認識をされたんでしょうか。

経済産業大臣(二階俊博君)

 新聞等でいろいろ報道されておる状況は新聞を拝見しておりますが、私自身、いまだにそれの認識はありません。

井上哲士君

 新聞等の報道というのは今年に入って以降の様々な報道ということでよろしいでしょうか。

経済産業大臣(二階俊博君)

 新聞でいろいろな報道がなされておる、それは今年以降というか、随分前からそんな報道があったかどうか、それは私は知るところではありません。ですから、恐らく最近のことであろうと思いますが、私の方はそういう認識はありません。

井上哲士君

 最近になって新聞で見たということですが、誠に不可解な答弁なんですね。これ、問題になったのは今回が初めてじゃないんです。

 あなたの政治団体の新しい波の〇五年、〇六年の政治資金収支報告書は訂正をされておりますが、総務省に聞きますけれども、この二つの政治団体が購入したパーティー券収入について新しい波の収支報告書が訂正をされていると思いますが、その内容を述べてください。

総務省自治行政局選挙部長(門山泰明君)

 お答えいたします。

 新しい波から提出されました訂正願によりまして、次のような訂正がされております。

 まず、平成十七年分の収支報告におきましては、政治資金パーティーの対価の支払に関して、トップセミナーイン愛知では新政治問題研究会からの対価の支払金額が六十万円から八十万円に訂正されております。

 それから、トップセミナーイン大阪では、新政治問題研究会からの対価の支払金額七十万円及び未来産業研究会からの対価の支払金額六十六万円が追加され、それから躍進の集いイン東京では新政治問題研究会からの対価の支払金額九十六万円及び未来産業研究会からの対価の支払金額六十六万円が追加されているところでございます。

 また、平成十八年分でございますが、これも新しい波から提出されました訂正願によりまして、躍進の集いイン東京での未来産業研究会からの対価の支払金額が三十六万円から六十万円に訂正されているところでございます。

井上哲士君

 つまり、合わせて三百四十二万円も未記載があって、訂正をされております。これは二〇〇七年の九月に大きな問題になりまして、当時自民党の総務会長をされていた二階大臣は記者会見をしてこの問題で釈明をされていると思いますが、どういう説明をされたんでしょうか。

経済産業大臣(二階俊博君)

 今御指摘のあった点は、政治資金規正法に基づいて訂正をさせていただく訂正届を出しておるようでありますが、いずれも事務的な単純ミスだというふうに事務局から聞いております。

 総務会長のときの発言については、私は今覚えておるものではありません。

井上哲士君

 当時の報道では、ローマ字で銀行口座に振り込まれて事務的ミスが発生をしたというふうに言われているんですね。二つの政治団体が解散してから一年半もたってから訂正するのも極めて奇妙なんですが。

 私、当時この二つの政治団体から、新しい波のパーティー券の購入の際の振り込み受付書を束で持っておりますが、いずれもこの都市銀行の麹町支店から振り込まれているんです。ですから、その一部だけが未記載になったというのは極めて解せないんですが、なぜそんなことになったんでしょうか。

経済産業大臣(二階俊博君)

 私がそういう細かい事務をやっておるわけではありませんから、私の知る範囲ではありません。

井上哲士君

 あなたが記者会見でこう言っているんですよ。そして、当時の報道を見ますと、この新政治問題研究会が西松建設のOBを代表にした団体だということがあなたの記者会見と一緒に報道をされているんです。少なくともこの時点でこの団体が西松建設と関係したと知らないのはおかしいんじゃないですか。

経済産業大臣(二階俊博君)

 記者会見の報道がどういうものであったか、あらかじめおっしゃっておいていただければ私も調べてくるんですけど、今現在私は覚えておりません。

井上哲士君

 これはおかしいですよ。二階さんの記者会見が報道されて、その同じ記事の中で西松とのことを指摘をしているんです。

 当時からやはり知っていたんじゃないですか。なぜ隠すんですか。

経済産業大臣(二階俊博君)

 何も隠しているわけではありませんよ。さっきからのことでもみんな事務的な単純ミスだということを申し上げておるわけであります。そして、知らないものは知らない。

 ですから、私もまあ一応事務局に問い合わせてみます、今日御質問あったことを。しかし、私は、隠すと言われると、私は隠しているわけではありません。

井上哲士君

 じゃ、更に聞きましょう。

 大臣と新政治問題研究会との関係というのは更に十年さかのぼるんですね。二階大臣の資金管理団体である新政経研究会は、九五年には百八十万、九七年に三百万、九八年には三百万円、この新政治問題研究会から献金を受けております。つまり、新政治問題研究会の設立当初から献金を受けたことになるわけですが、当時、全く知らない団体から献金を十年も前から受け始めているんですか。

経済産業大臣(二階俊博君)

 いろいろな団体、いろいろな個人から応援をいただいておりますが、そこがどういう団体で、その団体からの献金が増えたとか減ったとか、そういうことに一々私が指図をしたり、その帳面を繰って調べてみるというようなことはしておりません。

井上哲士君

 時間だから終わりますけれども、これは大臣自身の資金管理団体なんです。しかも、九五年に寄附をしている政治団体、四つしかありません。それから十三年間ずっと献金がされていながらこの団体について知らないということは、だれも国民は納得をしないと思います。真相解明を一層するべきだということを申し上げまして、質問を終わります。

予算委員長(溝手顕正君)

 以上で井上哲士君の質疑は終了いたしました。(拍手)

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