国会質問議事録

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政治倫理の確立及び選挙制度に関する特別委員会

shitsumon201111.jpg・東日本大震災の被災地の中間地方選挙を延長する法案の質疑


井上哲士君

 日本共産党の井上哲士です。

 東日本大震災で甚大な被害を受けた被災地において統一地方選挙以降の地方選の期日を延期することは、被害の実態を見れば当然のことだと思います。一方、被災地によって様々でありますけれども、救援に全力を挙げる状況から復旧復興ということにも重点が来ておるわけですね。

 この被災地の復興プランというのは、何か政府が上から青写真を押し付けるのではなくて、住民の合意が基本にならなくてはなりませんし、またプランを実施するに当たっては市町村や県、国が連携をして行うこと、さらに、財政的にも国がその大半を持つということが基本にならなくてはならないと考えます。この復興プランの作成に当たっても、住民の信託を受けた首長やそして地方議員が重要な役割を担うわけですね。

 そういう点からいいますと、今後の復興プランを住民合意の下に策定をするということからいえば、やはりできるだけ早くこういう住民の意思が反映される首長選挙、地方選挙をできるようにするべきだと、こう考えますけれども、この点、まず大臣の御意見をお伺いしたいと思います。

国務大臣(総務大臣 片山善博君)

 そのとおりだと思います。

 復興プランをどういうふうにするのかというのはこれからの町の百年の計でありますから、その百年の計を策定するに当たっては、やはり正当な手続を経て住民の皆さんの信任を得た代表がその任に当たるということが最もふさわしいと思います。それを基本にしながら、その現状、その被害の実態、回復の実態をにらみながら、どこで選挙を行えるかということを判断していくことだと思います。

 せっかくの機会ですから申し上げておきますと、大きな被害を受けたところで町長さんが命を失われたところがあります。そこでは管理職の多くも命を失っておられるんですけれども、したがって、町長さんが欠けたということで、職務代理者である副町長さんが今陣頭指揮を執っておられるんですけれども、その副町長さんの任期も近く、近々来るということになっておりまして、そうなりますと今度は次順位の、その次の職務代理者ということになるんですけれども、そうなりますと、もうだんだんと理屈でいいますと民主主義から遠ざかってくるわけでありまして、そういうところこそ実はできるだけ早く真の代表を選ばなければいけないという要素、要請があります。しかし、そういうところが一番ダメージを受けていて選挙の事務執行がしにくいということがありまして、こういう悩ましい事態の中でこれをどう処理するかということであります。

 しかし、今申し上げたのは、要するに、そういうことを考えても、できるだけもう万難を排して選挙の事務を執行していただければと思っておりますので、そういう働きかけとか、それから協力をしてまいりたいと思っているところであります。

井上哲士君

 そういう働きかけ、支援をする上でも、どういう実態にあるかということなわけですが、やはり選挙人名簿の基になる住民基本台帳が非常に大事だと思うんですが、この保存等がある市町村の役場もいろんな被害を受けております。

 総務省自治行政局からお聞きしますと、岩手、宮城、福島の三県三十三市町村、それから茨城県でいいますと六市町村、合計四県三十九市町村が従前の庁舎以外のところでの業務あるいは従前の庁舎の一部を使っての業務ということで、役場自身も大変な被害を受けているわけでありますが、特にこの今回の法改正案及び三月の法改正の対象になっている自治体の中で、この住民基本台帳そのものが損壊をしていると、こういう自治体はどれだけあるんでしょうか。

大臣政務官(総務大臣政務官 逢坂誠二君)

 お尋ねの選挙期日が延期された団体のうち、今回の大震災により住民基本台帳が損壊した団体、三団体ございます。一つが岩手県陸前高田市、岩手県大槌町、それと宮城県の女川町でございます。

井上哲士君

 バックアップが今後されていくというふうにはお聞きをしているんですが、台帳があっても、一方で選挙人の実態がよく分からないというところもあるわけですね。基本的権利である選挙権を保障する上でその把握は非常に重要なわけでありますが、先ほど答弁にもありました全国避難者情報システムでその実態を把握されているというふうにお聞きしているんですが、今このシステムに登録されている人数を岩手、宮城、福島の三県ごとに明らかにしていただけますでしょうか。

大臣政務官(逢坂誠二君)

 全国避難者情報システムでございますけれども、現在、全国の千七百四十一の自治体において情報提供の受付を行っているところです。

 それで、これまでに福島県で約二万四千二百件情報が寄せられた、これ五月十三日現在です。それから、宮城県分で約三千五百件、これも五月十三日現在です。それから、岩手県におきましては、五月十一日現在のデータですが、千六百件の情報提供がされたと報告を受けております。

井上哲士君

 政府やそして県の避難者数の統計を見ますと、これ県内外入り交じってはおりますけれども、岩手でいいますと三万六千四百九十四人ですから今の登録者数は四・四%、宮城県が三万二千八百四十九人ですから登録率が一〇・五%、福島県が九万九千四百七十二人で登録率は二四・三%ということになります。

 今回、避難を余儀なくされているこの数のうち、今回の対象になるものは相当あると思われるんですね。ですから、この住民基本台帳が損傷しているところの復活、それから台帳を基とした選挙人名簿、そして名簿に基づいて入場券等を発送する、それから選挙を告示をする、それから投票所、投票箱の確保などなど、選挙を実際に執行する上にこれから様々な予算と労力が必要になってまいります。しかも、これらの業務は限られた人員の中で復旧復興をやりながらやらなくちゃいけないということになりますので、相当の支援が市町村を尊重しつつやる必要があると思うんですが、そういう選挙ができるようになるための台帳などの復旧の支援、そして選挙そのものの実務の支援、人的にもそして財政的にもすることが必要だと思いますが、この点、どのように総務省はお考えでしょうか。

国務大臣(片山善博君)

 人的支援と財政的支援とが二つの大きな支援の項目になると思いますが、人的支援は、総務省が全国市長会、全国町村会と相談をいたしまして、被災市町村の選挙を含めたいろんな事務について、同一の自治体で同じ仕事についての知識、経験を有する職員を派遣するシステムをつくっております。被災自治体から、こういう職種の人をいつからいつまで何人欲しいというのを要望いただきまして、それを全国に、自治体に呼びかけましたら数倍の応募がありまして、その中で一番ふさわしい人を選んでいただくというマッチングをやっておりまして、現在およそ八百数十人の派遣が既に決まっております。そういうシステムを通じまして、この選挙についても円滑な執行ができるような協力体制をつくっていきたいと考えております。

 それから、財政面では既に、選挙というのはもう四年に一回とかあるものですから、普通交付税の中で毎年標準的に措置されておりますので、一応財政的には十分な対応ができることになっておりますけれども、今回、いろんな事情がありまして、役場が移転を余儀なくされるとか、そういう事情によって通常の選挙よりも余計に経費が掛かるということは当然予想されますので、それについては特別交付税を通じて措置をしていきたいと考えております。

井上哲士君

 住民総意の下で復旧復興をしていく、その土台となるわけでありますから、是非できるだけ早くできるようなしっかりとした支援を改めて求めまして、質問を終わります。

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