国会質問議事録

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文教科学委員会(新型コロナ自粛要請に関する文化芸術分野への補償問題/博物館・美術館への人と予算の支援)


○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。
 文教科学委員会での質問は十三年ぶりで、伊吹大臣以来となりますので、よろしくお願いをいたします。
 政府は今日、コロナ対策での緊急事態宣言を出します。その下で、文化芸術関係、改めて法律に基づく自粛要請が行われることになります。これまでも、政府の自粛要請によって中止、延期された公演、イベントによって、先ほど、五月まで続けば三千三百億の損失になると、こういうお話もありました。この重大な危機に直面している文化芸術活動への支援が必要でありまして、その上で、まず、大臣の基本的な認識をお聞きしておきたいと思うんですね。
 三月十日の当委員会で、こういう支援を求められた際の大臣の答弁は、少なくとも文化は国民の皆さんの心を癒やすツールだというものでありました。私、ちょっと議事録読んで、率直に言って物足りなかったんですね。
 一方、ドイツ政府は、一度失われたものは早急には再建できないとして、三月二十三日に、文化分野での補償を含む数千億円規模の文化芸術への緊急支援措置を公表いたしました。その際に、ドイツの文化大臣は、芸術家は必要不可欠であるだけでなく生命維持に必要な存在だと述べられました。私は、このドイツの大臣のような踏み込んだ認識で支援をしてもらいたいと思うんですが、重大な危機に直面している文化芸術活動の灯を消さないために、改めて大臣の文化芸術に対する認識をお聞きしたいと思います。

○文部科学大臣(萩生田光一君) ドイツの文化大臣が発言された趣旨について詳細は承知しておりませんけれども、文化芸術基本法は、その前文において、文化芸術を創造し、享受し、文化的な環境の中で生きる喜びを見出すことは、人々の変わらない願いである、文化芸術の役割が今後においても変わることなく、心豊かな活力ある社会の形成にとって極めて重要な意義を持ち続けるとしております。
 私としましても、この国の文化芸術のすばらしさを我々が共有することはもちろん、次世代につないでいくために、文化芸術界の皆さんと一緒になって取り組んでいくことが重要であると考えており、文化芸術の灯を守り抜くため、文化芸術の振興に努めてまいりたいと思っております。

○井上哲士君 今日の出される緊急経済対策の中では、人々の心を癒やし、明日への希望を与え、社会の基盤を成す文化芸術という記述があるようでありますけれども、この立場でしっかり取り組んでいただきたいと思うんですね。
 その上で、私たちはこれまでもこの自粛と補償はセットだと強調してきました。緊急事態宣言を出すならば、その措置に伴って生じる損失への補償を一体のものとして行うことがいよいよ重要であります。要請に応えて営業をやめてもキャンセル料などが重くのしかかる、それから賃料や雇用維持のための固定費が掛かるということは、今日も、そしてこれまでも繰り返し指摘をされてまいりました。
 ライブハウスなどを舞台に活躍するアーティストや音楽関係者でつくるセーブ・アワ・スペースという団体の要望書には、集団感染を防ぐことが大切だと理解しながらも、経済的事情で営業を続けざるを得ない状況に陥っている文化施設もあるというふうに述べております。自粛だけを要請して、あとは自己責任でということでは、文化芸術の灯が消えてしまいますし、感染症対策としての自粛の実効性も確保できないと思うんですね。この団体が自粛要請を受けて収入が減った文化施設への助成を求めて取り組んだ署名活動は、三月二十七日の夜から僅か四日間で一気に三十万を超えました。
 是非、この緊急事態宣言の下で改めて法律に基づく自粛要請を行うに当たって、自粛と補償はセットだと、この声に応えていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○文部科学省 文化庁次長(今里讓君) 文化芸術団体からは、今先生からも御指摘のございましたように、政府の自粛要請に基づいて中止した公演について損失の補償を要望されているところでございます。しかしながら、政府全体の方針といたしまして、個別の損失を直接に補償するということは困難でございます。
 一方、文化芸術の灯を絶やさないためにも、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため文化芸術活動の自粛を余儀なくされた方々に対して支援を行うことは重要であると考えておりまして、必要な対策を政府全体として検討してまいりたいと考えております。

○井上哲士君 今日発表される経済対策では、先ほども少し話題上がりましたけれども、いわゆる新しい給付制度が盛り込まれると承知をしております。これまでは融資一本やりだったのが、フリーランスの皆さんも含めて事業継続のためのこういう給付金、こういうものが行われるということは一つの新しい方向だと、こう思うんですね。
 しかし、やっぱりそこには自粛と補償はセットという考え方が欠落をしておりますし、中身も非常に抽象的でありまして、具体的な基準も、それから規模も示されておりません。政府が今日、緊急事態宣言を出すに当たって、基本的対処方針諮問委員会に意見を午前中聞いておりますけど、この諮問委員会の会長である尾身茂先生も、土曜日、四日の夜に放映されたNHKスペシャルで、特措法には経済的支援をする部分が法律に入っていないと、自動的には、だから、ここには法律の範囲を超えた政治的な決断、リーダーシップが非常に重要で、そうでないと、ただ一方的に要請しても実効が伴いませんと、経済的支援をすることがカップルになってやらないと実効が上がらないと、こう述べておられるんですね。
 ですから、この文化芸術の灯を消さないという点でも、そしてこの自粛の実効性を確保するという点でも、方法は様々だと思います、先ほどありました、実態として損失を補填するという規模と内容がなければ、この感染症対策の実効も上がらないし、文化芸術も守れないと思うんですね。
 改めて、私は大臣自身の御認識をお聞きしたいと思います。

○国務大臣(萩生田光一君) 既に発表しております貸付け等の融資などのメニューに加えて、今日、新たな経済対策の中で給付金制度が提案されることになると思います。
 芸術家、芸術関連者といいましてもいろんな雇用形態があるものですから、一概に団体に補助をしたり、一概に個人に補助するということはできないんですけれども、自分の属性に合わせてそれら複数のメニューの中から是非申請をしていただいて、取りあえずしっかり、この芸術を諦めないという期間、頑張ってほしいと思っています。
 その上で、我々、文化庁を所管する文科省としては、その後の反転攻勢、少し落ち着いた段階で皆さんの仕事のチャンスを増やすことに注力をしていきたい、こう思っているところでございます。

○井上哲士君 繰り返しになりますけれども、やはりこの補償、損失の補填ということが基本に座る必要があると思うんですね。
 反転攻勢とかV字回復というお話がありました。文化庁長官の声明の中にも、明けない夜はないと、こういう言葉もあるんですね。だけど、今の状況は、そこまでもたないという悲鳴が上がっているわけですよ。夜が明けてみたら夜逃げしてしまうしかなかったとか、夜が明けたらもう息を途絶えていたとか、そんなことも起こりかねないわけでありますから、今苦境にある文化芸術への支援、これが本当に必要だと思います。しかも、これ、いつまで続くか分かりません。
 ですから、一時的な給付金というような形だけではなくて、いろんな補償も含めて継続的な、事態が続く限りやっぱり支援をすると、こういうものが必要かと思いますけれども、これはいかがでしょうか。

○政府参考人(今里讓君) 今ほど大臣からも答弁ございましたけれども、継続的な支援ということでございますと、その先のやはり文化芸術振興を倍増していくような取組といった形での支援ということが一つ考えられるかと思います。
 そこまでの実施といたしまして、先ほどからお話しになっております新たな給付金の制度の創設、こういったことですとか、あるいは金融公庫等による緊急貸付・保証枠、雇用調整助成金の特例措置の大幅な拡充、こういったことを総合的に進めていくと、このように考えているところでございます。

○井上哲士君 この影響がいつまで続くか分からないということでありますから、改めて、一時的な給付金にとどまらず、事態終息までの継続的な支援、そしてそれからの新しい支援ということを改めて強く求めておきたいと思います。
 続いて、法案でありますけれども、この法案は、文化観光拠点として中核となる施設、文化資源保存活用施設として位置付けられる施設、博物館、美術館などを挙げております。
 博物館は、もちろん単なる展示場ではありません。様々な役割を持っております。私は、とりわけ重要なのは、この資料収集、保存、そして調査研究だと思いますけれども、まずその認識、いかがでしょうか。

○政府参考人(今里讓君) 博物館法は、その目的を、社会教育法の精神に基き、博物館の設置及び運営に関して必要な事項を定め、その健全な発達を図り、もって国民の教育、学術及び文化の発展に寄与することとしているところでございます。
 そして、その同法第二条におきまして、博物館は、歴史、芸術、民俗、産業、自然科学等に関する資料を収集し、保管し、展示して教育的配慮の下に一般公衆の利用に供し、その教養、調査研究、レクリエーション等に資するために必要な事業を行い、あわせてこれらの資料に関する調査研究をすることを目的とする機関とされてございまして、御指摘の資料収集や調査研究につきましても、博物館の本来の取組として重要なものと認識をしております。

○井上哲士君 博物館がそういう本来の役割を果たして文化財を生かしていく上で、この歴史的、文化的な価値、これを見出していくことが大変重要だと思います。これはやはり専門家たる学芸員による調査研究があって初めて成り立つわけです。
 文化庁の委託事業で昨年三月に持続的な博物館経営に関する調査の報告書が出されておりますが、この中で、一九九七年から二〇一三年にかけて、一館当たりの常勤の学芸系の職員数の推移はどうなっているでしょうか。常勤の学芸・事務管理系職員、非常勤職員の学芸系職員の推移と併せてお答えください。

○政府参考人(今里讓君) 今ほど御紹介のございました、平成三十年度に文化庁からみずほ総合研究所株式会社に委託して実施をいたしました持続的な博物館経営に関する調査、これによりますと、一館当たりの常勤の学芸系職員数に注目すると、一九九七年から二〇一三年にかけて二・七人から二・一四人に大きく数を減らしている一方で、常勤の学芸・事務管理系職員の数は一九九七年から二〇一三年にかけて一・九四人から二・二三人に数を増やしている。また、非常勤職員についても、同様に注目すると、学芸系職員数は〇・五六人から〇・六三人に、学芸・事務管理系職員は〇・四〇人から一・〇〇人にそれぞれ増やしているという記述がございます。

○井上哲士君 先ほどの答弁で大臣が、学芸員については余り変わっていないという御答弁ありましたけど、今のこの報告書は、特に常勤の学芸員については大きく減らしていると、こういうふうに報告をしているわけですね。
 常勤の学芸員が減る中で、常勤の学芸・事務管理系職員が増えているけれども、全体としては減らしているという状況になっております。
 この同じ報告書が、博物館財政が逼迫する中で、常勤の学芸員についても、学芸事務に専従するのではなく、事務や管理業務について求められるようになっていると述べて、学芸員は、調査研究、収集保存、展示教育という博物館の基本的な機能を担う存在であり、学芸員の業務の事務管理系業務への広がりや雇用形態の非常勤化はこうした機能を損なう可能性があると指摘をしております。ですから、常勤の学芸員が減り、かつその常勤の人がいろんな事務にも仕事を広げているということで、本来の機能を損なう可能性があると指摘をしているわけですね。
 こういう博物館の基本的な機能を発揮するためにも、やっぱり常勤の学芸員がしっかり配置をされるようにするべきだと考えますけれども、大臣の認識いかがでしょうか。

○国務大臣(萩生田光一君) 先生、一概には言えないんですけど、事務方に回されているというよりも、いわゆる収集保存、研究の仕事がなくなっちゃっているというところに多分大きな問題があるんだと思います。それは、さっき私、他の委員の質問にも答えましたけど、できたときはもう本当に町じゅう皆さんで盛り上がってスタートした博物館が、残念ながら、なかなかリニューアルや新しい展示物が入ってこない中で入場者が減っていく、結果として仕事が減っていくということが今まであったんだと思います。ここは反転攻勢に出る、私、この法律は機会だと思っておりまして、まさしく文化芸術の振興にとって学芸員等の博物館専門職員の人材育成は極めて重要であります。
 文化庁としても、それぞれの職種や経験に応じた多様な研修を毎年度実施しておりまして、令和二年度からは、若手学芸員等の海外研修事業を拡充するなど、人材育成にも努めております。令和二年度予算である博物館等を中核とした文化クラスター推進事業においては、本法案において認定を受けた拠点計画や地域計画に基づき、実施される取組を担う学芸員や、インバウンド支援職員等の人件費も支援の対象としており、博物館、美術館の魅力向上、文化観光拠点としての機能強化が図られることになります。
 また、中長期的な学芸員の在り方については、総合的な博物館の振興方策を検討するため、昨年十一月に文化審議会に新たに博物館部会を設置をさせていただきました。
 今後とも、クラスター推進事業も活用しながら、学芸員を始めとする博物館専門職員の確保、質の向上をしっかりと努めてまいりたいと思います。

○井上哲士君 大臣の言われる、とりわけ地方の博物館の資料収集とか研究予算が不足しているということはちょっと時間あれば後ほど御質問したいと思うんですが、博物館や美術館の人員不足というのは、もう地方の博物館に限った話ではないんですね。国立の美術館、博物館においても同様だと思います。
 東京国立美術館の外部評価委員会の外部評価報告書が出ておりますが、そこではこの職員の業務量についてどういうふうに述べているでしょうか。

○政府参考人(今里讓君) 独立行政法人国立美術館外部評価委員会でございますけれども、これが取りまとめました平成三十年度の外部評価報告書では、職員の業務量の増加について次のように記載されてございます。
 常にサービス向上のため様々な改善を進めている職員の業務量が増え続けている。展覧会以外にも、美術館へ足を運んでもらうための様々なイベントや多言語化への対応により業務量が増大し、時間外労働につながることは看過できない。
 以上でございます。

○井上哲士君 業務量が増え続けているという指摘なんですね。
 これに加えて、今回の法案では、この国立の館の所蔵品の貸与が規定をされております。先ほど、それが非常に地方の博物館などにもたらす意義について大臣からお話がありました。私もそれは大事だと思うんですね。
 ただ一方、この同じ報告書ではこう言っているんですね。作品貸与に対応するには、一点ごとに行われる貸出先との綿密な点検作業に多くの時間と労力が必要とされる上に、重要作品に対する貸出要請が重複しがちな状況において、貸出先の展示環境などの調査に加えて自館におけるコレクション活用等との調整も必要になり、人員が限られる中で各館研究員の負担が増大していることが懸念されると、こういうふうに書いております。
 この法案が貸与を規定しているということであれば、やっぱりそれにふさわしくこの国立の博物館、美術館の人員増も進めるべきではないかと考えますけれども、大臣、いかがでしょうか。

○国務大臣(萩生田光一君) 国立美術館に対する平成三十年度外部評価報告書において、展覧会以外にも、美術館へ足を運んでもらうための様々なイベントや多言語化への対応により業務量が増大し時間外労働につながることは看過できないと記述されていることは承知をしております。
 国立美術館は我が国のナショナルセンターとして世界各国の主要な美術館に比肩すべき役割を担っております。そのためにも、国立美術館が今後も国内外に誇り得るナショナルコレクションの形成、継承、質の高い展覧会の開催等、その役割を十分果たしていくことができるよう、必要な人材確保等に向けた取組の支援に努めてまいりたいと思います。

○井上哲士君 是非必要な人材確保を求めたいと思います。
 それから、先ほど少し大臣からございましたけれども、博物館にとって所有する資料、それからそれぞれの館の独自のコレクションを整えていくということは、魅力ある博物館、美術館になっていくために必要なことだと思いますが、じゃ、そういう資料購入の予算がどうなっているのかと。先ほどの委託事業の報告書ではこの点についてはどういうふうに述べているでしょうか。

○政府参考人(今里讓君) 先ほど申し上げました持続的な博物館経営に関する調査でございますけれども、これによりますと、博物館等の資料購入につきましては、予算につきましては、平成二十四年度の博物館の館種別資料購入予算額から、資料購入予算がなかったとする館は全体の五二・七%に達していることがわかる、特に郷土博物館の約七〇%、歴史博物館の約六〇%が予算がないと回答しており、厳しい運営を強いられていることを読み取ることができる、資料の収集保存はそれ自体が博物館の発揮すべき機能であるとともに、展示教育や調査研究といったその他の機能の基盤となるものである、予算の確保をどのように実現するか方策を考える必要があるとございます。

○井上哲士君 資料収集の保存はそれ自体がこの博物館の発揮すべき機能だというふうに言われながら、この全体の半分を超えるところがその予算がないと、こういう状況であるわけであります。
 同時に、その資料があっても、学芸員の皆さんによる調査研究があって初めて歴史的、文化的な価値が生み出されるわけでありますが、同じ報告書ではこの調査研究の予算についてはどのように述べているでしょうか。

○政府参考人(今里讓君) 同じ調査でございますけれども、調査研究に関する予算につきましては、調査研究についても半数以上の多くの博物館が予算がないと回答している。また、資料の収集、保存と同様に、予算がないと回答している比率が最も高いのは郷土博物館であり、六四・二%の博物館が調査研究のための予算がないことが分かるとしてございます。

○井上哲士君 全体で五二・六%の博物館が調査研究に充てる予算がないと、こうなっているわけですね。
 ですから、人も不足をしている、そして資料の収集、保存の予算も、そして調査研究の予算もないというところがもう半数を超えると、こういう事態があるわけですね。ないない尽くしで、私は博物館の本来の機能が十分果たし得ない現状にあると思うんです。関係者からは、博物館の危機だと、こういう声も聞こえてまいります。
 本法案は、一部の地域、一定の地域の博物館の支援をするわけでありますが、これにとどまらず、文科省全体として、日本全体の博物館の支援を強化すべきだと考えますけれども、大臣、いかがでしょうか。

○国務大臣(萩生田光一君) 全国各地の意欲ある博物館等については、本法案によって認定を受けた拠点計画や地域計画に基づき、クラスター推進事業による支援を活用していただき、その文化観光推進の取組が広く波及することを期待をしております。
 一方で、全国の博物館のうち少なくない博物館が様々な運営上の課題を抱えていることは認識しており、博物館の本来業務を推進することが必要と考えています。
 そのため、文科省としては、博物館全体への支援として、学芸員の質向上のための各種の研修事業、博物館の地域文化の発信や学校や地域との連携を促進するための支援など、事業を着実に進めているところでございます。
 こうした事業を進めつつ、平成三十年十月の文化庁の組織再編に伴い、博物館政策が文化庁の所管となったことを踏まえ、昨年十一月、文化審議会に新たに博物館部会を設置し、総合的な博物館の振興方策の検討に着手したところであり、そこでの検討を踏まえて、今後の博物館支援策をしっかりと講じてまいりたいと思います。

○井上哲士君 法案では、地域の文化財を観光に活用していくということも述べられておりますが、例えば紙に描かれたものでいいますと、光が劣化の原因になるため展示期間を定めております。びょうぶなら二年で六週間ほど、日本美術だと一年で二か月だと聞いております。ですから、一年三百六十五日ずっと展示するわけにはいかないわけですね。観光に役立つ、稼げるからといって文化財を毀損してまで展示するようなことになってはならないし、後世にまでしっかり守ることが大事なことだと思っております。
 文化観光を進めていく上でも、人と予算はしっかり確保して、保存と展示がそれぞれ適切に行われる事業を進めていくべきだということを強く申し上げるとともに、コロナ対策、文化芸術の灯を消さないために自粛と補償をセットと、大きな支援をしていただきたいということを改めて申し上げまして、時間ですので質問を終わります。

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