国会質問議事録

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内閣委員会(FATF(金融活動作業部)勧告対応法案に対する反対討論)

○井上哲士君 日本共産党を代表し、FATF勧告対応法案に対して反対討論を行います。
 FATF勧告の第四次対日相互審査報告書が指摘した資産凍結措置の強化や暗号資産等への対応の強化は、マネロンを始めとする違法な金融取引を取り締まる上で必要な対応と考えます。しかし、本法案がマネロン罪の法定刑を大幅に引き上げた上で、犯罪収益等収受罪などの犯罪を新たに共謀罪の適用対象に加え、共謀罪の拡大を図っていることは到底認められません。共謀罪は、市民にとってはどんなことをしたら処罰の対象にされるのか全く不明確なまま、人の生命や身体、財産などの法益を侵害する危険が客観的にはない計画や準備行為を処罰するものです。
 日本の第七回定期報告に係る国連自由権規約委員会の総括所見は、共謀罪法がテロリズムや組織的犯罪とは一見無関係な犯罪を含む二百七十七の行為を犯罪の成立する範囲として広く指定していること。表現の自由、平和的集会の権利、結社の自由といった規約に規定された基本的権利を不当に制限し、自由と安全に対する権利及び公正な裁判を受ける権利の侵害につながる可能性があると懸念を表明し、テロリズムや組織犯罪と無関係な行為の犯罪化を排除するために共謀罪法の改正を求めています。
 本法案は、こうした勧告にも逆行するものであり、憲法の保障する内心の自由を侵害し、刑事手続に関する人権保障規定を侵害する共謀罪の拡大は断じて認められません。今回のマネロン罪の重罰化については、処罰範囲の明確化なしに法定刑だけ引き上げると不相当に重い刑罰が科せられることへの危険が懸念をされています。また、現状における日本での処罰状況からは、マネロン罪の重罰化の立法事実は認められないとの指摘は重要です。行政書士、公認会計士、税理士などに疑わしい取引の届出を義務付けることは、個人情報保護の鑑定から、観点から容認できません。
 以上、本法案には、暗号資産対策など必要な措置もありますが、基本的人権を侵害する共謀罪の拡大が盛り込まれており、反対であります。
 以上、討論を終わります。

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