国会質問議事録

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内閣委員会(能登地震の被災者支援、トイレの男女格差)

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○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。
 石川県の能登地域で五日に地震があって、珠洲市で最大震度六強を記録いたしました。同市は昨年六月にも最大震度六弱の地震があったところであります。
 私、翌六日に珠洲市に入りました。一部分、一階部分が潰れた木造の家屋、家具が倒れて部屋の壁が崩れている家の中の状況、裏の崖から身長を超えるような大きな岩石が崩れてきたお宅など視察をしました。いつ余震が来るか不安で眠れないという被災者のお声もお聞きしました。
 地盤が緩んで建物も傷んでいる中に、六日の夜から大雨が降って、今朝も震度四の余震がありました。被害を拡大しない対策、そして群発地震への長期的対策が必要であります。
 そして、同市は高齢者人口が半数を超えているんですね。しかも、昨年の地震の被害を修繕をした家屋や工場がまた崩れたと。そして、回復した観光客がキャンセルになると。本当に大きな打撃を受けております。生活やなりわいの再建に希望が持てるような支援がなければ地域の衰退が進むと思うんですね。
 国として被災地への支援をどのように取り組んでいるか、まずお答えください。
○政府参考人(五味裕一君) 石川県能登地方を震源とする地震につきまして、発災直後に官邸対策室を設置するとともに、関係省庁の局長級による緊急参集チームが参集し、初動対応に当たってきたところでございます。
 被災地におきましては、警察、消防、自衛隊、海上保安庁のヘリ等により被災地域の被害状況の把握を行ったほか、国土交通省のテックフォースも地元自治体と連携しまして災害対応を行っております。
 石川県におきましては、発災後速やかに珠洲市、輪島市、能登町の三市町に災害救助法の適用を決定したところでございます。これによりまして、国庫負担により避難所の供与、住宅の応急修理などの住まいの確保が可能となっております。
 内閣府からは、発災当日に調査チームを石川県に派遣をいたしまして、地元自治体と緊密に連携して対応に当たっているところでございます。
 引き続き、政府一体となりまして、地方自治体や関係機関と緊密に連携をし、被害状況の把握と災害応急対策、被災者の生活再建等に取り組んでまいります。
○井上哲士君 被災者の状況や声に合わせて柔軟な制度の適用を求めたいと思うんですが。
 当面する問題で一点お聞きしますが、高齢者だけがお住まいの場合など、倒壊した建物の撤去にもう途方に暮れていると、こういう状況がありました。環境省の災害等廃棄物処理事業によって、倒壊した建物の仮置場への収集、運搬、それから、これが公費で可能であり、そして解体や敷地からの撤去も公費の対象になり得るということでよいか。それから、一旦自費で撤去などされた場合でも手続を取れば公費対象になり得るということでよいか。そして、こういうことをしっかり周知をする必要があると考えますけれども、この点、環境はいかがでしょうか。
○政府参考人(前佛和秀君) お答えをいたします。
 環境省では、廃棄物の処理及び清掃に関する法律に基づき、被災自治体が実施する災害廃棄物の収集、運搬及び処分に対して災害等廃棄物処理事業費補助金による財政措置を行っているというところでございます。この措置におきましては、委員御質問にありましたが、倒壊した建物の解体や敷地からの撤去、仮置場への収集、運搬についてこの補助金の対象というふうにしているところでございます。
 また、倒壊した建物の所有者が市町村に代わって自費で解体や撤去する場合についての費用負担についても御質問があったと思います。これにつきましてなんですが、当該建物の解体撤去等についてなんですが、この市町村が災害廃棄物処理事業等の対象として行うというものであるならば補助対象になり得るというふうに考えておりますが、いずれにしても、事前に市町村によく御相談をしていただきたいというふうに思っております。
 今回の地震に対して、環境省といたしましては、五月六日の日に職員を珠洲市の方に派遣をしております。御指摘の点も含め、引き続きしっかりと災害廃棄物の処理について被災自治体に対し助言等を行ってまいりたいというふうに考えております。
○井上哲士君 被災者と自治体に寄り添って対応の強化を求めたいと思います。
 災害関係はこの二点だけですので、是非現場対応に当たっていただきたいので、これで結構です。
○委員長(古賀友一郎君) 五味審議官と前佛次長におかれましては、御退席いただいて結構です。
○井上哲士君 ゴールデンウイークの人出はコロナ禍前の水準に近づいて、多くの場所が帰省客や観光客などで混雑をいたしました。一方で、多発したのが、駅や高速道路のパーキングエリア、商業施設などで女性トイレにだけ長蛇の列ができているという姿であります。自ら体験をされた方もいるかもしれません。
 公共トイレについては、この間、清潔にする、多機能トイレを設置する、男性トイレにもおむつ替えスペースが造られるなど改善の動きがありますが、この女性トイレの行列というのはなかなか解消していないんですね。
 政府が二〇一五年に、当時の有村女性活躍担当大臣の下に置かれた「暮らしの質」向上検討委員会で、国民からの提案募集を踏まえて、女性用トイレの行列解消、トイレの快適性、清潔性、安全性、授乳スペースの確保、トイレ、そうしたトイレや授乳室の情報提供などを優先的課題とする提言を取りまとめておりますが、まず、小倉大臣、この女性トイレの行列解消について、その必要性についての認識を伺いたいと思います。
○国務大臣(小倉將信君) お答えいたします。
 トイレは、男女問わず全ての人にとって欠かせないものでありまして、使用したいときに使用できるということは当然重要であると考えております。
 井上議員御指摘のとおり、平成二十七年に内閣官房の「暮らしの質」向上検討委員会の基本的な考え方におきましても触れられておりますが、一般論といたしまして、各施設において、男女別の利用者数等を考慮し、利用実態を適切に反映するなどにより、できる限り待ち時間の男女の均等化が図られるよう努められることが望ましいものと考えております。
○井上哲士君 この問題は女性の社会参加と結び付いているんですね。女性用トイレの設置は、働く女性の要求として労働運動でも取り組まれてきました。
 参議院では、初の女性議員の誕生は一九五三年なんです。本館に初めて女性専用トイレができたのは一九五九年、その後、女性議員や職員の増加に伴って、現在は本館と分館合わせて、男性トイレは二十か所、女性用トイレは二十二か所、これ便器の数ではなくて箇所数でありますが、こういうふうな前進をしてきていました。
 じゃ、社会全体ではどうなのかと。二〇一六年の国交省の日常生活で利用するトイレに関するアンケート調査で、利用するために行列に並ばなければいけないと答えた場所は、駅のトイレ、女性四四%、男性三一・三%、駅以外の交通施設、女性四四・二%、男性二四・三%、大規模商業施設、女性四七・六%、男性一五・五%となって、女性の方がより行列を強いられている実態が明らかになっております。
 先ほど紹介した「暮らしの質」向上検討委員会の提言を受けて国土交通省に設置された協議会が、二〇一七年の三月に、女性が輝く社会づくりにつながるトイレ等の環境整備・利用のあり方に関する取りまとめを出しております。その抜粋をお手元に配付をしておりますが、このうち女性トイレの行列解消について、現状と課題、取組の方向性について、国交省、いかがでしょうか。
○政府参考人(岩月理浩君) お答え申し上げます。
 二〇一五年五月に当時の女性活躍担当大臣の下取りまとめられました「暮らしの質」向上検討会提言を受けまして、多くの公共空間を所管する国土交通省の方におきましても、学識経験者や子育て関連団体、施設設置管理者等を構成員とします女性が輝く社会づくりにつながるトイレ等の環境整備・利用のあり方に関する協議会を設置いたしまして、二〇一七年三月に取りまとめを行いました。この取りまとめでは、女性トイレの行列解消につきまして、現状と課題として、まず、鉄道駅等の旅客施設や大規模商業施設のトイレを利用する際に行列に並ばなければならないことを不満に思っている女性が多いこと、そして次に、化粧直しとか着替え等、個室トイレの目的外使用などにより混雑が発生していること等を挙げております。
 その上で、取組の方向性としまして、施設の新設や改修のタイミングで行列が発生しない程度の個室トイレ数を確保することや、個室トイレとは別にフィッティングルームやパウダーコーナーを整備すること等の取組を進めていくことが望ましいということを挙げております。
 以上です。
○井上哲士君 この取りまとめでは、行列の主な原因はトイレ利用者数に見合った個室便房数になっていないことだという指摘があるんですね。
 この利用者数に合った数というのをどう考えるかがポイントだと思うんですけど、二〇一八年四月に読売新聞オンラインに、水に流せない、女子トイレ等の行列問題という記事が掲載されました。
 この中で、現在は大正大学の教授をされている日本トイレ研究所会員の岡山朋子さんが、深刻なトイレ渋滞の影響を受けるのはほとんどが女性ですと述べられております。そして、中日本高速道路の二〇一四年の調査では、女性の個室利用時間が男性の小便器利用時間の二・五倍になっているということを示して、女性のトイレは常に個室が必要で、男性よりも所作が多いとした上で、にもかかわらず、公共トイレの多くが左右対称の造りになっていて、男子用トイレ、女子用トイレが同じ面積で造られていると。これが影響して、全ての個室の女性トイレ、女子トイレは男子トイレよりも便器の数が少なくなることが多く、その上一人当たりの利用時間が長いとなれば、女子側にだけ行列ができるのは当然と言えますと、こういう指摘をされているんですね。
 一方、災害時の避難所については、内閣府の男女共同参画局が二〇二〇年に出した防災・復興ガイドラインで、女性用トイレの数は男性用トイレの数に比べて多くするとしております。
 このガイドラインのような、利用人数が男女で同数の場合は女性トイレの数を多くするという考え方は、私は一般的な公共トイレにも当てはまると思いますけれども、大臣いかがでしょうか。
○国務大臣(小倉將信君) 御指摘の令和二年五月に内閣府男女共同参画局で取りまとめさせていただきました災害対応力を強化をする女性の視点、男女共同参画の視点からの防災・復興ガイドラインにおきましては、避難生活において市町村等が取り組むべき事項として、女性用トイレの数は男性用トイレの数に比べ多くすることを挙げております。
 これは、国際的なNGO等によって取りまとめられました災害援助における人道憲章と人道支援における最低基準でありますスフィアハンドブック二〇一八におきまして、男性トイレと女性トイレの割合を一対三とすることが推奨されていることを踏まえたものであります。
 公共の施設には様々なものがございまして、一概にこの基準が当てはまるとは限りませんが、いずれにいたしましても、各施設においてできる限り待ち時間の男女の均等化が図られるよう努められることが望ましいものと考えております。
○井上哲士君 避難所というのは基本的には男女同数が利用しているわけですから、そこで、今紹介あったように、国際基準としては一対三というのが出されたのは非常に重要だと思うんですね。
 先ほどの国交省の協議会の取りまとめでも、取組の方向性として、行列が発生しない程度の便器数を確保すること、利用者構成に応じた男女別の便器数のバランスを検討することを挙げているわけでありますが、そこで確認しますけども、駅やパーキングエリア、空港、大規模商業施設での男女別のトイレの設置数について、先ほどの取りまとめ以降どういう改善がされているかは把握されているでしょうか。
○政府参考人(岩月理浩君) お答え申し上げます。
 まず、この本取りまとめでございますけれども、これは、元々は鉄道とか高速道路、あるいは空港ビル、大規模商業施設等の様々な施設管理者、設置管理者が構成員となって、協議会で取りまとめられております。その内容はしっかりとこれら関係団体と共有をしておりまして、国土交通省ホームページにおいても公表する等、広く周知をしております。
 そこで、お尋ねのございました、これら施設における男女別のトイレの具体的な設置数ですけれども、これ必ずしも網羅的には把握しておりませんけれども、例えば、事例としまして、高速道路会社においては女性用トイレの個室トイレ数の増設をしたり、あるいはフィッティングルームの整備をしたり、あるいはバスタ新宿、バスターミナルですけれども、こういったところでは女子トイレの個室トイレ数を男子のそれに比べてかなり多く設置するというような取組も取られているというふうに承知をしております。
○井上哲士君 そういう改善も行われておりますけれども、せっかく問題解決のための方向性出しながら全体像をつかんでいないというのは、私、残念なんです。
 実は調べている方がいらっしゃいまして、東京都在住の百瀬まなみさんという方が、都内を中心に岡山、福岡、宮城、愛知など各地の外出先で、駅や空港などのトイレへ行きますと案内図がありますから、それ見て便器の数を調べていらっしゃるんです。今年四月までの約十か月間で三百九か所も調べられまして、女性のトイレの方が多かったのは僅か九か所。平均すると、男性用の小便器と個室を足した数が女性用個室の一・七六倍になったということなんですね。最初は平均数は変わっていたんだけど、三百か所近くになると大体一・七五で安定したそうでありますから、これが現状なんですね。駅の利用者が男性が極端に多いことは考えられませんから、女性用トイレの方が多くあってこそ待ち時間が平等なのに、逆に少ないというのが現状なんですよね。
 こういうことを見ますと、国交省として、協議会の取りまとめを踏まえて、やはり絶対、実態を把握をして更に改善の取組を促進をするということが必要と考えますが、国交省、いかがでしょうか。
○政府参考人(岩月理浩君) 繰り返しになりますけれども、まず、本取りまとめの内容、これしっかりと施設設置管理者と共有して、ホームページにおいて公表する等、広く周知しております。
 これを踏まえまして、これらの施設設置管理者におきましては、利用実態等も踏まえつつということでございますが、可能な限り待ち時間の男女の均等化が図られるよう、本取りまとめに書かれていますように、行列が発生しない程度のトイレの数の確保を始め、フィッティングルームやパウダーコーナーを整備すること、あるいは近隣のトイレへの誘導など様々な取組を進めていくことが望ましいというふうに考えておりまして、今後も改めて周知を図ってまいりたいと思っております。
○井上哲士君 是非そのために把握をしてほしいと思うんですけど。
 先ほど来ありますけど、もう一つの問題は、適切な設置数の考え方が示されていないことだと思うんですね。利用者に応じた男女別の便器のバランスというふうに言われるんですけど、一般的に述べても、利用者数が同じ場合は女性の方を多くするべきだという考え方が必ずしも示されておりません。一方、日本のトイレの多くは空気調和・衛生工学会の定める基準に基づいて設置をされていますが、この工学会の基準は男女同数利用であればおおむね一対一という基準を示しているんです。この影響が大きいと思うんですね。
 厚労省の事務所衛生基準のあり方に関する検討会で小瀬博之東洋大学教授が、女性便器の占用時間は男性小便器の三倍なので便器数も三倍必要なのに、この基準では女性の方が待ち時間が長く設定されているために器具数がある程度抑えられているという見方ができますと述べていらっしゃいます。これでは、もう女性は男性より長く待つのが当たり前だと、我慢しなさいということになりかねないわけですね。
 世界を見ますと、例えばイギリスの、英国の王立公衆衛生協会が二〇一九年に出した報告書では、トイレへのアクセスの平等は重要な要素だと指摘して、衣類、月経、解剖学的な違いに関する時間が掛かる要因から、トイレの提供比率は少なくとも二対一で女性に有利になるのが公平なところだとしております。国内でも、山口県の萩市では、公共施設のトイレに係る整備方針で、男性小便器数と女性便器数の比はおおむね一対二とする目標を掲げて取り組んでいる自治体もあるんですね。
 私は、厳格な何か最低基準にしなくても、こういうトイレの男女比の目安になる考え方というのは是非示していただきたいと思いますし、先ほどの国際ラインは男女比一対三となっているわけですね。この点、是非、小倉大臣に取り組んでいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(小倉將信君) 公共の施設には様々なものがございまして、男女のトイレに対する需要も施設ごとに様々であると考えております。
 したがいまして、一くくりにした目安を設けるというのは非常に慎重な検討が要するものと思われますが、いずれにいたしましても、当時の女性活躍担当大臣の下で検討会が開催をされ、基本的な考え方が示されました。それに基づきまして、国交省におきまして先ほど来議論にありますような協議会を開催をしていただきまして取りまとめをしていただき、施設設置管理者と必要に応じて情報共有を行っていただいておりますので、まずはこの情報共有をしっかりしていただいて、情報発信に関係省庁に努めていただきたいと考えております。
○井上哲士君 そういう取りまとめなどが行われたにもかかわらず、必ずしも改善が大きくされていないということを指摘したわけでありまして、是非、現状把握していただいて、この点での重い負担を女性に強いているという現実を正すために是非取組を強めていただきたい、求めまして、質問終わります。

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