国会質問

ホーム の中の 国会質問 の中の 2014年・186通常国会 の中の 原子力問題特別委員会

原子力問題特別委員会

○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。  当委員会で、二月の十八日に福島第一原発の視察をいたしました。その後も様々なトラブルが続いております。特に直後の二十日に、H6エリアのタンクから高濃度汚染水百トンがあふれ出る事故がありました。先ほども指摘がありました。タンク上部の天板から雨どいを通って、タンクの堰の外に水が漏れたわけであります。  東電の資料でも、直接的な原因として二つ挙げておられます。  一つは、先ほどありましたように、この弁の開閉管理ができていなかった、間違って開いたり閉まったりしていたという問題です。  もう一つが、この異常を示す二つの兆候を見逃してしまったと、こうなっております。先ほどもありましたけれども、送水していたはずのEエリアタンクの水位が上昇していなかったことを気付かなかったということ、もう一つは、H6単位の水位計から水位が高いことを示す警報が発生したにもかかわらず、誤動作だということで何も手を打たなかったということであります。  この水位計は昨年の三百トンの水漏れ事故の教訓から付けたわけですね。ですから、せっかくそうやって付けたにもかかわらず、それが鳴っていても誤動作だということで対応しなかったといえば、もう何の反省も意味がなかったということになるわけですね。どうしてこういうことになったのか、まず廣瀬社長、お願いします。

○参考人(東京電力社長 廣瀬直己君) 先ほど新妻先生の御質問と答えがダブりますけれども、まさに大変、そうした警報が鳴るなり、あるいはその水位計で判断ができるなり、そうしたチャンスが間違いなくございましたので、それをしっかり生かし切れなかったというのは大変反省しなければいけないと思っているところでございます。  とにかく、そうしたことを繰り返さないようにしっかりとした訓練をしなければいけませんし、研修もしなければいけませんし、そうした、またそれからハード面でインターロックのような、もう自動的にとにかく警報が鳴ったらポンプを止めるというようなことで、人間系に頼らずにまずは止めるというようなこともこれから入れていかなければいけないというふうに考えておりますので、本当にとにかく二度とこうしたことが起こらないように、またしっかりとした対応をしていかなければいけないというふうに思っております。  本当に申し訳ございませんです。

○井上哲士君 いろんな、多重にやっても、やはり人為的ミスとかこういうことが起きれば、やっぱり事故は起きると思うんですね。  規制委員会として、このH6エリアのタンクからの汚染水漏れの問題はどういうふうに評価をされ、対応をされているんでしょうか。

○政府特別補佐人(原子力規制委員会委員長 田中俊一君) 本件につきましては、先ほども山本の方からお答えしましたけれども、まず、既に、この事故の大きな原因ですけれども、今社長からもありましたように、水位計の警報が発生したにもかかわらず、タンク水位の確認が不十分であった、これがまず第一です。水位計の故障と誤って判断をしたこととか、汚染水の移送先のタンクの水位を適切に確認していなかったことなど、異常の兆候への対応が不十分であったということがまず大きな原因だと思っています。  次に、もう一つは移送先とは異なる弁の開閉状態であったことなど、弁の開閉管理が適切にできていなかったということを問題点として挙げております。  東京電力の再発防止対策としては、異常な兆候への対応としては、警報発生時には、現場にて天板からのタンク水位を確認し、移送先のタンク水位の状態監視といった監視強化、要するに目視ですね、そういったことを確認することを求めています。また、弁開閉操作に関する対応については、現状の弁の開閉状態を確認して、弁の施錠管理の実施、弁の開閉操作の実績を記録するなどの対応を行うこと等、そういったことを求めています。それについて今対応は既に取られているというふうに認識しております。  こういったことを繰り返し、こういった事例が起こらないように、私どもとしては、現地の保安検査官による現場確認を含めて、規制委員会としては確認作業を強化していきたいと思っております。

○井上哲士君 事故に即して具体的な対応を取り、またマニュアルなども整備することは必要だと思うんですね。しかし、幾らやっても想定外のことは常に起きるわけです。そのときに、そういうことを見逃さない、直ちに対応するという、そういうものがなければ私は繰り返すことになると思いますし、現にそういうことが起きました。  ALPSの不具合も相次いでおりますけれども、三月の十九日の未明にALPSの性能が急低下したということで装置を停止させておりますが、結局、処理したのに汚染されたままの水が一万五千トンも発生をして、浄化水タンクが汚染をするという事態が起きました。これは、十七日の昼には、処理した水がちゃんと処理されているかということを分析する、三日に一遍やっているそうでありますが、その水をこの施設に持ち込もうとしたときに、入口のスクリーニングの調査で強い放射線が発見をされたと。この時点でおかしいと装置の異常を疑うべきだったわけでありますが、このときも、採水ミスという判断をして、結局そのまま運転を続けて被害を広げたということになりました。  私は、やっぱりこういうことが続いているということは、個々のマニュアルとかいろいろなことも改善をする必要がありますけれども、基本的な姿勢というんでしょうか、そういうことの大きな問題があると思いますが、社長、いかがでしょうか。

○参考人(廣瀬直己君) 御指摘の事象につきましては、まず、ちょっと細かくなりますが正確にお話し申し上げますと、十七日の午前中に定期的なサンプリングがあって、そのサンプリングを持ち込もうとしたら、先生御指摘のように非常に高そうであったということです。したがって、これは、もちろんしょっちゅうあることではないですけれども、その入れ物の方が例えば汚染されているケースとか、あるいは採取するときに誤ってほかのものを拾ってしまうとか、そういったようなことがあるケースもございますので、もう一回測ろうということでもう一度測りました。  その二回目のサンプリングも含めて、化学分析棟という入口のそばにある分析をする場所ですけれども、そこに持っていきましたところ、そこは汚染濃度の低いものをしっかり検査するところでありまして、そこで汚染の高いものを取り扱いますと汚してしまうというリスクがありますので、それは化学分析棟で測る以上の濃度がありそうだということから別のところに持っていって検査をしたということで、確かに、おっしゃるようにそこで何度かの時間を要してしまったということがございましたが、で、翌日に高いというのが分かって、その後、そうした手続、処理をして、止めるという処理をしていったということでございます。  おっしゃるように、もう少し早く気が付き、ALPSを止めるというようなことにこれから持っていかなければいけないと思いますけれども、まずとにかくそうした対策の一つとして、出たもののサンプル、いきなり最後のところまで流しませんので、サンプルタンクというところで一旦受けてそこで検査をして、その上で大丈夫だというのが分かったと確認した上で今後は流していくというようなことを、まずはとにかく暫定対策として立てさせていただいているところでございます。

○井上哲士君 やはり私は、事故や不具合が起きていても見逃してしまうという、ここに非常に深刻な問題があると思いますし、国民の皆さんも改めて不安に思っているわけであります。こういう事態になっている東電が果たして今後原発の安全な運転ができるのかということも問われるわけですね。  前回の質疑の際も、私は、柏崎刈羽の適合審査の申請が行われている下で、それに対応する人員も東電側は相当必要になると、今はもう汚染水対策と廃炉に集中すべきではないかということも申し上げました。そういう点で、こういう事態が続いている下で、適合審査は中止をすべきじゃないかということも原子力委員会に申し上げたわけでありますが、結局、その後こういう事態が続いていることを考えれば、私は改めて、もう一旦審査は中止をして、こうした廃炉や汚染水対策に集中すべきだと考えますが、規制委員長、いかがでしょうか。

○政府特別補佐人(田中俊一君) 福島第一原子力発電所の状況というのは、汚染水だけではなくて様々なトラブルが次々と起こっているということは、これは本当に遺憾なことだと思っております。ただ、残念ながら、ああいう状態でございますので、予測せぬようなこともいっぱいあると思います。先ほど御指摘になりましたALPSについても、ああいった施設、ああいう装置は初めてのことだから、いろんなトラブルが起こるだろうと思います。そういったものが非常に環境とか人に影響を与えないようにするということがまず福島第一についての安全対策の一番の眼目にすべきだろうと私自身は思っておりまして、先日も廣瀬社長に直接そのことをお会いして申し上げたところでございます。  柏崎刈羽の申請を中止すべきではないかということでございますけれども、これは、こういった事業者から提出されました適合性審査につきましては、規制委員会としては法的にこれを審査をするということが義務になっております。ただし、こういった審査の過程においても、もちろん技術的な審査だけではなくてソフト的な、能力の問題とかいろんな点も含めて厳重に審査を進めていくということを考えております。

○井上哲士君 まさに今最後言われたことが問われている状況にあると思いますし、非常に困難な状況が今福島第一にあるからこそ、そこに本当に全力を東電としても、そして政治としても集中すべきだということを改めて申し上げておきたいと思います。  こういうトラブルが起きている背景に、やはり労働者の士気の低下ということも指摘をされております。その一つが危険手当の問題なんですね。非常に過酷な労働環境、それぞれ同僚委員からもありましたけど、私もこの間の視察で本当に実感をいたしました。特に暑くなったらどうなるんだろうかということも思ったわけでありますが、事故直後から、同じ作業をしていても会社によって危険手当が支給されている労働者とされていない労働者がある、金額も異なるということで様々な不安の声が上がっておりました。  前回の質疑の直前に東京電力が危険手当を一万円から二万円に増額すると発表されたことは、大変現場では歓迎されたわけですが、これ何のために増額をされたのか、改めてお聞きしたいと思います。

○参考人(廣瀬直己君) これは、御指摘のとおり、田中委員長のいろいろ御指摘も受けて、私どもも現場の環境を少しでも良くしなければいけないということを考え、昨年の十一月八日だったと思いますが、かなり大きなパッケージでそうした対策を発表いたしました。その中の一つに、もちろん、休憩所を造るであるとか、全面マスクのエリアを小さくするであるとか、そうした少しでも働きやすい、安心して働いていただける、そういう環境をつくっていかなければいけないだろうというふうに考えた次第でございます。  そのうちの一つとして、危険手当と、我々そういうふうに定義はしておりませんけれども、厳しい環境の中で働いていただくための労務費の増分手当というふうに呼んでおりますけれども、それを発表させていただいたということでございます。

○井上哲士君 この増額は、どの時点からの契約に適用をされているのか。また、この増額の額とか趣旨については、契約書などではどういうふうになっているんでしょうか。

○参考人(廣瀬直己君) 十一月八日に発表して、十二月の発注分から適用させていただくということで今進めさせていただいております。  私ども、元請さんに工事として発表いたしますので、私どもから、これが労務費です、これが材料費です、これが何とか費ですといって個別に分けるのでなくて、一つのお仕事に対して幾らということでお願いをするわけですが。ただその際に、中がはっきりいたしませんと、元請さんあるいはその次の下請企業の方々がどういうふうに人件費をその中から御自分で割り当ててそれぞれの作業の方々にお渡しするのかということも不明だということ、それですと私どもの意図が伝わりにくいだろうというふうに考えましたので、現在は、総額例えば一億円の工事ですよというのはこれは明確になりますが、そのうち、今回こういう考え方で増やした分、例えば二万円のところを三万円にしました、一万円のところを二万円にしました、それぞれいろいろございますので、その増分の一万円の分、それの合計が、例えば一億円の工事の中で今回は一千万円入りますよ、あるいは五百万円入りますよということを明示させていただいて、それを、ですから、私どもの意図としては、それをちゃんと最後のお一人まで届けてくださいねという意味でそうした明示をしております。  加えて、それぞれ、今言いましたように、二万円が三万円になったり三万円が四万円になったりと、いろいろなカテゴリーによってこの労務費の増分というのは違います。それは先ほども申しましたように、厳しい環境に対する割増しというふうな定義でございますので、マスクをされる方は例えば二万円から三万円にしますとか、あるいはボンベをしょってやるような作業の場合は幾らから幾らにしますということで、それについてもはっきり、今回三万円にしますと、こういう作業については、マスクを着用される作業については三万円にいたしますと、そうしたことも併せてお示しをすることによって、私どもの意図といいますか、私どもの狙いが最後まで行き着くようにという配慮をさせていただいているところでございます。

○井上哲士君 今言われたように、やっぱり過酷な条件の下で危険な作業をしている現場の労働者にきちっと届いてこそ増額の意味があると思うんですね。これまでも中間業者でピンはねをされているというのが随分ありましたし、東電自身が行った就労実態調査でも、これ、企業を通してやったアンケートでも五一%しか受け取っていないということになっていたわけでありまして、この増額分を明示したということは現場に行く上では一つのプラスにはなると思うんですが。  ところが、昨年の十一月二十六日に東電の資材部長名で元請各社に連絡文書を出されておりますが、この危険手当について割増し額が更に一万円増額されるものではないと、言い方をされまして、受け止めは、中抜きを結局助長するようなものではないかと、こういう指摘もあるわけです。  その点どうお考えかということと、私は、やっぱりきちっと現場の労働者の皆さんが会社ともいろんな話合いもできるように、先ほどおっしゃったような、マスクをするような作業は何万から何万にしましたとか、そういうことをきちっと明らかにして、具体的に明らかにすることが、いろんな混乱をやめ、そして確実に渡る力になると思いますので、それの公表も求めたいと思うんですが、いかがでしょうか。

○参考人(廣瀬直己君) この私どもの資材部長から元請各社の皆さんに渡した書類というのは、十一月の二十九日付けの文書だというふうに思います。  その文章では、これは私も今大いに反省しておるんですけれども、十一月八日に、先ほどいろいろなパッケージで、労働環境改善のためのパッケージをお示しいたしましたけれども、その中で私も、これは私が記者会見して発表したんですけれども、例えば労務費分の割増しが一万円から二万円になりますということでお話ししたんですが、これはあくまでも代表例でございます。先ほど言いましたように、作業の工程によってそれぞれ元々の増分が違いますので、増分を増やしたわけですが、元々の増分自身もカテゴリーが幾つかあったわけですが、ちょっと私どもの説明の仕方も悪かったのと、それからメディアも、報道も、我々の発表を基に報道された関係で、あたかも、元々一万円が払われていましたね、更にそれが二万円に今度なりましたねというふうにお一人お一人に理解されてしまったという懸念がございましたし、また、逆に元請企業の方々から、そういうふうに自分たちが言われていて、今までも一万円出していたのかというようなことを言われているというふうな御指摘もありましたので、その辺の誤解を解くために、一万円から二万円というのはあくまでも代表例でありますと。  それから、元々一万円を、先ほどの一億円の例でいえば、一億円の中に入ってしまっている金額でございますので、何か別に一万円というのがボーナスとしてあたかも渡ったかのごとくに、渡っていたかのごとくに捉えられたということで、これはこれで誤解でございますので、私どもが総額の工事一億円というものを決めるに当たって、こういう過酷な状況でこういう仕事をやる場合には、十日間で毎日十人ずつ掛かるだろうというのを我々としては当然設計するわけでございまして、その中でボンベをしょう人は何人いて、何とかで何人でということで積算してまいりますので、その部分についてはちょっとなかなか正確に伝わっていないなということから文書を出しました。  繰り返しになりますが、先ほどから、そうしたことをこれは元請さんに対してしっかりお伝えしなければいけないことで、また、元請さんはそれを受けてしっかりその部分を次の下請の方に契約でしっかり明示をしていくということになると思います。したがいまして、そうしたことを今明示をするということで誤解を防ぐとともに、しっかり私どもの増分の労務費が最後のお一人まで届くようにということをお願いしているところでございます。

○井上哲士君 時間ですので終わりますが、先ほど申し上げましたように、確実に渡るためには、やっぱりこういう作業は今までこれだけだったのがこれだけ増えたということを具体的に明示をしていただくこと、契約の中身もより現場にしっかり届けるということを義務付けするようなことも含めてしっかり改善をしていただきたいと思います。  終わります。

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