国会質問

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外交防衛委員会(厚木基地米軍機訓練問題)

○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。
 米軍基地と米軍機の訓練の問題についてお聞きをいたします。
   〔委員長退席、理事塚田一郎君着席〕
 ゴールデンウイーク中などに横浜港の米軍施設、横浜ノースドックとその周辺で米軍横田基地のヘリコプターが日本側へ通知せずに特殊訓練をしていたということを十六日付けの朝日新聞が報道をいたしました。これによりますと、連休中の四月の二十九日午前十一時前、灰色のヘリが横浜港上空を何度か旋回した後、ノースドック上でホバリングし、特殊器具で機内の兵士を地上へつり下ろした。ヘリはその後、埠頭にある風力発電ハマウィングの風車の上部より低空で旋回飛行してからノースドックに戻り、地上の兵士を機内につり上げたと、こういうものであります。
 この事実を防衛省はいつ知ったのか、それから、米側に確認をしたようでありますけれども、その結果、訓練をしていた部隊名及びいつどのような訓練をしていたのか、明らかにしていただきたいと思います。

○政府参考人(防衛省地方協力局長 中島明彦君) お答え申し上げます。
 今先生御指摘の訓練でございますけれども、本年五月十六日の新聞報道を受けまして、同日、米軍に確認いたしました。その結果、まず米軍の部隊でございますけれども、米空軍第三七四空輸航空団の第四五九空輸中隊、この部隊所属のUH1ヘリコプターでございました。このヘリコプターが横浜ノースドックにおきまして、先月の二十五日には昼間と夜間にホイスト訓練、ホイスト訓練と申しますのは、飛行中のヘリコプターからつり下ろしたケーブルで人員などをつり上げたりつり下げたりする訓練でございますけれども、かかる訓練を実施し、二十九日には昼間のみ訓練を実施した旨の説明を受けたところでございます。

○井上哲士君 この記事では、みなとみらい地区に家族で遊びに来ていた女性のコメントも紹介しておりますが、突然現れ、何事かと怖かった、たくさんの人がいる行楽地で軍隊が訓練したのなら信じ難いことですと、こういうふうに言われております。当然だと思うんですね。
 ノースドックは米軍が貨物の陸揚げと保管をしている場所であります。いわゆる地位協定に基づく提供区域でもありません。そういうところで事前の連絡もなくこういう特殊訓練が行われたということでありますが。
 そこで、大臣にお聞きいたします。三点聞きますが、第一に、過去、このノースドックで米軍の訓練が行われたという例があるのか。二つ目、なぜこのような訓練がこういう場所で行われるのか、その根拠。三つ目、連絡もなく観光商業施設の密集地近くでこういうことが行われたことに対して米側に是正を求めたのかどうか。この三点、お答えください。

○国務大臣(防衛大臣 中谷元君) まず、根拠につきましてですが、米軍は日米安保条約の規定第六条に基づきまして我が国において施設・区域を使用することが認められておりまして、同条約上の目的達成のために、訓練等の軍隊としての機能に属する諸活動を一般的に行うことを当然の前提としているところでございます。
 米軍は個々の飛行訓練の内容等につきましては我が国への連絡を行う義務というものはこの条約上はございません。このため、防衛省といたしまして、米軍による飛行訓練の一つ一つにつきましては承知をいたしておりませんけれども、米軍のホームページによりますと、昨年八月、横浜ノースドックにおいて、確認飛行ですね、地形の、これを実施したということでございます。
 一般論といたしまして、米軍が我が国において飛行訓練を行う場合には、我が国の公共の安全に妥当な考慮を払って活動すべきであるということは言うまでもないということでございます。
   〔理事塚田一郎君退席、委員長着席〕

○井上哲士君 一般論とか一般的訓練の話ではないんですね。
 この記事では、このつり下げ装置を使ったホイスト訓練について、自衛隊のパイロットのコメントを紹介しております。高度な技術と判断力が必要で、かなりの危険が伴うと、こう言っているんですね。こういう訓練をこのような密集地の近くで行った、しかも風力発電ハマウィングの風車の上部より低空で旋回をしたと。日本の航空法の最低高度よりも下でやった可能性も極めて高いんです。
 こういうような訓練が行われても、一般的に許されるから問題ないと、それが防衛省の立場ですか。

○国務大臣(中谷元君) このホイスト訓練というのは、飛行中のヘリコプターからつり下ろしたケーブルで人員等をつり上げつり下げ、そういった訓練でございます。陸上自衛隊の保有しているヘリコプターにおきましても、こういったケーブルで人員をつり上げつり下げするというのは、災害派遣のときなども人命救助のために必要上行っておりまして、こういった訓練等におきましてこのホイスト訓練というのは行われるものでございます。
 なお、この場所におきましては、このノースドックというところでございますが、これは以前から横浜の中で埋め立てた場所を米軍が使用しているという場所でございまして、みなとみらいの地区からは海を挟んで多少の距離等がございますので、こういった地域でこういったホイスト訓練をすること自体は、私の感じといたしましては、そのような危険を伴うような訓練ではないというふうに思っております。

○井上哲士君 記事にもありますように、先ほど紹介しましたように埠頭の周辺なども含めてやっているわけでありまして、私は今の答弁は本当、どこの国の政府かなという思いを持って聞きました。
 続いて、同じ神奈川県内の問題で、についてお聞きをいたします。
 政府は、厚木基地に駐留する米軍空母の艦載機部隊が二〇一七年頃に岩国基地に移駐させるということでアメリカと合意をしておりまして、その後については、これは二〇一〇年四月の質問主意書に対する答弁書でありますけれども、「空母艦載機の訓練については、原則として、厚木飛行場及びその周辺の訓練空域で行われることはない」と、こういうふうに言っております。ところが、在日米軍の海軍司令部作戦部長のジョン・ピタ中佐が十一日に記者の質問に答えて、岩国移駐後も厚木基地とその周辺を使用する場合がある旨を述べております。
 まず、防衛省は、この中佐の発言をどのように確認をされていらっしゃるでしょうか。

○政府参考人(中島明彦君) お答え申し上げます。
 今先生御指摘になられました五月十二日の報道の内容につきましては、これの当日、在日米海軍司令部に対して確認をしております。その結果でございますけれども、空母艦載機の岩国飛行場への移駐後も継続して硫黄島で米空母艦載機着陸訓練、FCLPを実施するが、引き続き予備飛行場の一つとして厚木飛行場は指定され得ると、また移駐後も空母艦載機が給油などで厚木飛行場を使用することもあり得ると、したがって空母艦載機部隊が移駐後に厚木飛行場を全く利用しないわけではないといった旨の発言があったというふうに確認をしておるところでございます。
 防衛省といたしましては、厚木飛行場から岩国飛行場へ移駐される空母艦載機の訓練につきましては、原則として厚木飛行場及びその周辺の訓練空域で行われることはないと承知しておりますけれども、その詳細につきましては現在米軍において検討中でありまして、現時点で確たることを申し上げることは難しいというところでございます。
 一方、平成二十六年度は年間二百日、二十七年度は年間約百八十日、空母が横須賀海軍施設に寄港しております。その間、空母艦載機が厚木飛行場を使用したことを踏まえますれば、当該移駐によりましてジェット戦闘機などの運用が大幅に減少することから、厚木飛行場周辺の騒音状況は相当程度軽減されるというふうに考えておるところでございます。

○井上哲士君 詳細については現在米軍において検討中だと、そして確たることを申し上げることは困難だというお話でありますが、その検討している中身が政府がこれまで言っていた原則ということと違っているんではないかと、そうであればちゃんと正す必要があるんですね。大臣、そこ、いかがなんでしょうか。
 政府が二〇一〇年に示していた、原則として行われることはないと。この見解には、今回の中佐の発言のように、厚木基地を艦載機の予備飛行場として使うと、それ以外にも使用することがあるということは当時から含まれていたと、こういうことなんですか。

○国務大臣(中谷元君) 防衛省といたしましては、厚木基地から岩国飛行場へ移駐されるこの空母の艦載機の訓練につきましては、原則として厚木飛行場及びその周辺訓練空域で行われることはないと承知しておりますが、この詳細につきましては現在米側において検討中でありまして、引き続き米側と検討、調整をしていきたいと考えております。
 一方で、空母艦載機の岩国飛行場への移駐によりまして、ジェット戦闘機等の運用、これは大幅に減少をいたします。このことから、厚木飛行場への周辺の騒音状況は相当程度軽減されるものであると考えております。

○井上哲士君 全然お答えになっていないんですよ。当時、原則として使われることはないと言っていたけれども、その中身には今回のように使う場合もあるということをあらかじめ含んでいたんですかと、こういうことを聞いているんですね。
 ですから、この厚木の第四次の騒音訴訟の原告団の方は、移駐したといったって騒音被害はなくならないと原告団は主張してきたけれども、結局、移駐計画がまやかしであることが裏付けられたと、こういう厳しい批判をしているんですよ。そのことをどう受け止めますか。

○国務大臣(中谷元君) この空母艦載機への岩国の移駐によりまして、先ほどもお話ししましたが、戦闘機の運用、これは大幅に減少することから、騒音状況は相当程度減少されるものと考えておりまして、厚木の周辺の騒音状況、これが軽減されないような前提に立ってのこういった移駐計画はまやかしであるとする御指摘は全く当たらないと考えております。
 また、防衛省といたしましては、この移駐につきましては、厚木飛行場周辺の騒音問題を踏まえまして、抑止力を維持をしつつ地元の負担を軽減する重要な政策であると認識しておりまして、引き続き平成二十九年頃までの完了に向けまして、今後とも地元の御理解を得られるように取り組んでまいりたいと考えております。

○井上哲士君 この厚木の第四次訴訟の高裁判決は、自衛隊機の飛行差止め、深夜、早朝、これまで命じたぐらい大変な被害を被っているわけですよ、皆さんは。だからこそ、こういう、結局は今後もあるということに対してまやかしだと言っているわけですね。それを正面から受け止めていただく必要があります。
 続いて、じゃ、岩国基地に移駐した艦載機が何をもたらすかなんですが、岩国基地周辺ではどの空域で艦載機は訓練をすることになるのか、いわゆる自衛隊のエリア7、いわゆる米国が使っているエリア567、こういうことも使うことがあり得るのか、いかがでしょうか。

○政府参考人(国土交通省航空局交通管制部長 石崎仁志君) 空母艦載機の岩国移駐に伴います訓練空域でございますが、現在、日米合同委員会の民間航空分科会におきまして、民間航空の安全を確保することを前提に協議を行っているところでございます。
 岩国基地に移転いたしました空母艦載機部隊が移転後どの空域で訓練を行うかということにつきましては、米軍の運用に関わることでもありまして、回答は差し控えさせていただきます。

○井上哲士君 広島から島根県に及ぶ自衛隊の訓練空域エリア7、これを米軍はエリア567と称して使っておりますが、国交省の資料では、米軍の使用のために調整が行われた実績は、三月から二月の一年間で、二〇一四年には二百三十八日、千三百八十八時間、二〇一五年には二百五十七日、千六百六十一時間になっておりまして、深刻な騒音被害が出ております。保育園などで本当に子供たちが泣く、いろんな事態が起きているわけですね。これに艦載機が加われば一層深刻な事態になることは明白なわけでありまして、私は、こういう被害が現に出ている中で、艦載機の使用はもちろん、この同エリアの米軍の使用そのものも中止をすべきだと考えますが、大臣、いかがでしょうか。

○国務大臣(中谷元君) 米軍が訓練をするというのは、これパイロットの技能の維持向上を図る上で、また即応態勢を維持するために不可欠な要素でございまして、日米安保条約の目的達成のためには重要なことではございます。しかし、米軍が我が国において飛行訓練を行う場合には、我が国の公共の安全に妥当な考慮を払って活動すべきであるということは、これは言うまでもございません。
 このような観点から、防衛省におきましては、苦情等を受けた場合におきましては、米軍に対して飛行の有無等の事実を問い合わせるとともに、機会あるごとに、飛行訓練につきまして地域住民に与える影響を最小限にとどめるように申入れをいたしております。また、島根県知事、広島県知事からの御要望、御要請等を踏まえまして、両県に騒音測定器、これを設置をいたしまして、騒音状況の把握に努めているところでありまして、空母艦載機の移駐後も引き続き実施をいたします。
 また、移駐後の運用につきましても、米側に確認した内容や運用の実態等を踏まえまして、地元の自治体の皆様方に丁寧に説明してまいりたいと考えております。

○井上哲士君 同じような答弁何度も聞きましたけど、それでも現に今も大変な騒音被害に苦しんでいるんですから、私は、こんなことを放置していて主権国家と言えるのかと思います。中止を改めて求めまして、質問終わります。

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