国会質問

ホーム の中の 国会質問 の中の 2017年・193通常国会 の中の 外交防衛委員会で参考人質疑

外交防衛委員会で参考人質疑


○井上哲士君 共産党の井上哲士です。
 今日は、参考人の皆さん、本当に貴重な御意見ありがとうございます。
   〔委員長退席、理事堀井巌君着席〕
 酒井参考人に二点、まずお伺いいたします。
 今のトランプ政権の中東政策がむしろテロの土壌を拡大しているという趣旨のお話があったと思うんですが、その一つに大使館のエルサレム移転のお話がありました。これがどういう中東にとって意味を持つのか、もう少し詳しくお話しいただけないかというのが一点です。
 それから、世界的には、国連事務総長やまたEU諸国も含めて、いわゆる入国拒否問題などに様々なコメントを出している、批判のコメントを出したわけですが、安倍総理は、これは内政問題だということで特段コメントをしないということになっております。
 ただ、これは先ほど言われましたように、テロの土壌を拡大するということもありますし、国連総会でも、特定のそういう宗教や国と結び付けないということはこれは総会でも確認をされてきたということでいいますと、やはり国際問題だと私は思うんですね。
 そういう点で、先ほどPLOの過去の話とかありましたけれども、今、日本がアメリカに対して、また国連の場などで、外交としてこの問題でどう発言をしていくのかということについて、是非御意見をいただきたいと思います。
○参考人(酒井啓子君) ありがとうございました。
 まず、一点目のエルサレム移転についてどのような意味を持つのかということでございます。
   〔理事堀井巌君退席、委員長着席〕
 報告の中でも少し触れさせていただきましたけれども、エルサレムをイスラエルは今後首都にするというふうに言っているわけなんですけれども、御存じのように、エルサレム西半分はイスラエルが建国時に本土の中に入っていたわけですけれども、東エルサレムの方は、これは西岸地域の一部ということで、一九六七年の第三次中東戦争で占領し併合したという、基本的には国際法的にはイスラエルの占領下にあるとみなされたものなわけですね。一方的な形で併合いたしましたので、これに関しては、ジュネーブ条約でも出ておりますように、占領地に対して一方的な変更はあってはならないというふうな規定があるとおりに、これについては国連の決議等々でも併合に対する批判的な決議が出ているわけです。
 ですので、そうした東と西と併合地を含むエルサレムをまとめて国の首都にするということに対しては国際的には非常に批判が強いということで、イスラエル自身は首都として各大使館を招致したいというふうに言っているわけですけれども、アメリカも、ブッシュ政権の時代もそうした動きはございました。しかし、やはり国際法上の問題、そして国際世論に対し与える悪影響ということで実施してきていないわけです。それだけ中東イスラム圏の人々にとっての意味は大きいということはもちろんですけれども、国際法上、別に中東イスラムの国の人たちだけではなくて、明確な国際法違反行為ということになりますので、もし実行するということになると非常に大きな問題がある。実際問題、そういうことを行えばアメリカに対して実力行使も辞さないと言っているような武装勢力は多々ございますので、その影響は計り知れないということがあろうかと思います。
 二番目の、入国禁止令のことについてということでございますよね。
 入国禁止の問題につきましては、報告の中でも申し上げましたように、実際問題、アメリカの国内の政策として出されていることは確かなんですけれども、先ほど申し上げましたように、トランプ政権の最大の問題は、対外的なインパクトが非常に大きい外交政策として配慮しなければいけない問題を、国内政策であると言い切って単独で実施しているというところが問題でございますので、その外交政策に与える影響というのは、これはアメリカだけで処理する問題ではない。先ほどカナダの事例を挙げましたように、アメリカがそういう政策を取っても、欧米諸国あるいは国際社会全体がそのように中東イスラム圏に対して排外的な、排除するような政策を取っているわけではないんだということを強く示していく必要があろうかと思います。
 その意味では、ここはアメリカのそうした政策と日本は距離を取って、日本はまた別に、先ほど言いましたように、難民あるいはそれらの国々出身者の人材育成に努めるというような、むしろ積極的に政策を打ち出していくいい機会なのではないかというふうに私は考えております。
○井上哲士君 ありがとうございます。
 次に、岡本参考人にお聞きいたしますけれども、米国がTPPを離脱表明したにもかかわらず日本国内では批准をして、今後二国間交渉に入ったときに、求められたときに一層の譲歩が求められるんじゃないかということを指摘、私どもしてきましたし、そういう声がありました。
 そういう中で、総理は今度訪米をするわけでありますけれども、あらかじめもう、いわゆる七十万人の雇用をアメリカにつくるとか、そういうのを持っていくということが今報道されています。話合いもする前から、いろんなトランプが発信することをおもんぱかって持っていくようなやり方に対してはいろんな声も上がっておるわけですけれども、こういうのを見ますと、今後一層日本が譲歩をどんどん受け入れていくんじゃないかという懸念の声がありますが、その点は岡本参考人、どのようにお考えでしょうか。
○参考人(岡本行夫君) 私、安倍総理がどのような案をお持ちになるかは一切存じませんので、その点についてのコメントは差し控えさせていただきます。
 アメリカとの交渉で日本が損をするんではないか。現在、日本は、昨年の貿易統計でいけば中国に次いで、中国よりはずっと少ないですけれども、第二番目の黒字をアメリカに対して記録しているわけでございますね。ですから、日本がアメリカから一方的にやられるだろうというのは私は同意できません。七十万人の雇用も、私はその真偽のほどは分からないわけでございますけれども。
 TPPは、先ほども私ちょっと絶望的というきつい言葉を使ってしまいましたけれども、本当はアメリカの国内にもTPPをやりたいと思っているセクターは農業セクターとか大企業とかいろいろあるわけでございまして、今後の展開によってはまだ分からないわけでございますね。ですから、何事も交渉であります。先に何の譲歩もしないぞという覚悟でいくのも、これも私はいかがかと思う次第であります。
 以上です。
○井上哲士君 ありがとうございました。
 終わります。ありがとうございました。

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