国会質問

ホーム の中の 国会質問 の中の 2017年・193通常国会 の中の 予算委員会(南スーダンPKO日報「廃棄」問題、南スーダン情勢)

予算委員会(南スーダンPKO日報「廃棄」問題、南スーダン情勢)


○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。
 質問に先立ち、北朝鮮が今朝、日本海に向かって弾道ミサイルを発射したことを厳しく抗議をいたします。
 その上で、南スーダンPKOについて聞きます。
 まず、陸上自衛隊の派遣部隊からの日報の問題です。昨年の七月に南スーダンの首都ジュバで激しい戦闘が起きました。そのときの日報に対する情報公開請求に対して、当初廃棄済み、不開示とされましたけれども、その後、統合幕僚監部に全て保存されていることが明らかになりました。(資料提示)
 これまでの質疑をまとめますと、日報は南スーダンの派遣部隊が作成をして、それを陸自の指揮システムというところにアップロードする形になっております。そして、報告を受ける側の中央即応集団はこの指揮システムからダウンロードをして、そしてモーニングレポートを作成して司令官に報告をする。この時点で用済みになるので、文書もこのシステムの中のデータも廃棄、削除をしてきたと、こういう説明でありました。ところが、陸自ではない、統合幕僚監部に五年間の派遣期間中全ての日報データが保管をされていたことが明らかになりました。なぜかと。統幕もこのシステムにアクセスが可能で、業務上の必要性から日報をダウンロードをしていたと、こういう説明であります。
 そこで、まず防衛大臣に聞きますが、ダウンロードをしていたのは統幕のどの部署の何の担当者か、この業務上の必要性というのは一体何なんでしょうか。
○国務大臣(稲田朋美君) まず、委員が御指摘になられましたように、この南スーダンの日報は施設隊が日々作成をして、そして、中央即応集団に報告をすれば用済み後廃棄、一年未満の用済みも廃棄の文書で、それに従って廃棄をされていたものであります。そして、このルールは、南スーダンに派遣隊が、施設派遣隊が派遣された平成二十四年一月、すなわち野田政権からずっと続いていたものであります。今般、私がその報告を受けて、どこかにあるのではないかと、電子データはどこかにあるのではないかといって探して、統合幕僚監部に改めて探すよう指示した結果、見付かったものであります。
 そして、今のお尋ねの統合幕僚監部ですけれども、報告の宛先は中央即応集団であり、統合幕僚監部に直接報告されるものではありません。他方、陸上自衛隊指揮システム上でアクセスする権限を持っている者による閲覧は可能であったため、統合幕僚監部においては運用部の担当者がダウンロードをしておりました。そして、統合幕僚監部参事官付きの担当者は、執務の参考とするため、適宜、日報を参照することがあったとの報告を受けております。
○井上哲士君 一年間までで廃棄したことがよかったかは別の問題でありますが、今ありましたように、運用部の担当者がダウンロードをしていた。これ報道では、省内などに配付する南スーダンPKOの活動概要を作成する際に参照したと、こういうふうに言われております。
 大臣は衆議院の予算委員会で、日報そのものは見ていないが、様々なものをまとめたもので毎日報告を受けておりますと答弁をされておりますが、こういう活動概要、報告というのが毎日作られて、統幕から大臣に報告をされていたということでいいのか、そして、その際にこの報告の内容、活動概要の内容は統幕の誰が内容を決裁していたのでしょうか。
○国務大臣(稲田朋美君) 今御指摘のように、統合幕僚監部では南スーダン派遣施設隊の日々の活動の概要についての資料を休日を除きほぼ毎日作成しており、大臣室を含む省内等の関係先に配付をしております。活動概要は参事官付のUNMISS担当者が作成をしておりますけれども、特段決裁を取るようなことは行われておりません。
 いずれにいたしましても、私は、その日報の内容のみならず、外務省、国連、友好国等、他の情報源からの情報を加えて、現地の情勢や部隊の活動状況を総合的に整理、分析をした、活動の概要の資料以上の詳細な日々の報告を受けているところでございます。
○井上哲士君 土日を除いて概要が大臣に届けられていたと。
 総理にもお聞きしますけれども、衆議院の予算委員会で、統幕が日々の日報をちゃんと整理して、私のところにも上がってきて、週三回ぐらいブリーフィングがあったと、こういうふうに言われていますけれども、総理の答弁です、総理の答弁ですけれども、そういうことでいいですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) それは種々のブリーフィング、防衛省から種々のブリーフィングでございますから、スーダンの情報ということではなくて種々のブリーフィングについて私のところにあるということでございます。
○井上哲士君 統幕が日々の日報をちゃんと整理して私のところにも上がってきますと、こういう答弁をされているわけですね。
 もう一回整理しますと、この陸自の中央即応集団のモーニングレポートというのは司令官に報告止まりなんですね。一方、今ありましたように、統幕は、独自に毎日ダウンロードをして活動概要を作って、大臣にも報告をしていたと。ですから、たまたま五年間のデータがここにあったわけではないわけですよ。統幕の業務としてダウンロードしてきたからこれが残っていたわけです。
 ところが、衆議院の予算委員会で新しい事実が明らかになりました。昨年の十二月の二日に不開示を決定する前に、統幕に対して、派遣部隊も中央即応集団にもないので廃棄済み、不開示にするということでよいかと、こういう照会に対して、統幕は不開示でよいと、こういう決裁の上、意見なしと回答したというわけですね。大臣は、衆議院で、この決裁過程に関与した者で開示請求を受けた日報が統幕参事官付に存在しているとの認識はなかったとして、不開示でよしとしたことを理解できると、こういう答弁をされました。
 しかし、先ほど言いましたように、統幕は、日報を業務としてダウンロードして毎日の活動概要にまとめて大臣にも報告をしたわけですよ。それを誰も存在を知らなかったというのは余りにも私は不自然だと思いますけれども、なぜこれが理解できると言われたんでしょうか。
○国務大臣(稲田朋美君) まず、私、先ほど答弁いたしましたように、日々の活動の概要というのはすごく短いもので、それは大臣室に配付されておりますけれども、私のところに上がってきますのは、日報、それから国連、友好国、他の部隊、いろんな情報、統治の、あと報道機関、もういろんな情報を詳細にまとめたものを日々私のところに報告を来るわけでありまして、私のところに来るのが日報そのものであったり活動の概要ではなくて、更にいろんな情報を盛り込んだ詳細なものが来るということでございます。
 その上で、なぜ理解できるのかといいますと、日報の開示請求に関して、防衛省では、日報の作成元の派遣施設隊と報告先の中央即応集団司令部で日報を探索をしましたが、廃棄済みのため不存在であった、かかる探査結果を受けて、陸幕長から不存在のため不開示との上申がなされ、昨年の十一月二十八日、大臣官房から統幕に対して意見照会が行われました。
 統幕参事官付では、日報の作成元である陸上自衛隊が廃棄済みのため不存在とした判断についての意見の有無を問われ、政策調整官まで了解を取り、意見なしとの回答をいたしました。このとき了解に関与した者は、当該文書について、統幕が報告先でもなく、保存せよとの業務上の指示も受けていなかったことから、開示請求を受けた日報が統幕参事官付内に存在しているとの認識はなかった旨報告を受けており、このことは十分に理解できるものです。すなわち、この統幕では、組織立って、組織として保管していたのではなくて、必要に応じてダウンロードしていたにすぎないということであります。
 しかしながら、私としても、今回、一回不開示にしたものを探して公表した際に、最初に探す範囲がこれで十分であったのかどうかということ、そういった点について不十分であった点は否めないということで、思いますし、再発防止策を取ることは重要だと考えております。
○井上哲士君 私にはとても理解できないんですよ。先ほども言いましたように、毎日の報告をダウンロードしてずっと活動概要を上げていたわけですね。それを統幕の中で、少なくとも決裁に関与した中で誰も知らなかった。少なくともそういう意見照会が来れば、先ほどあったようなUNMISSの担当者、国会班の担当者に声掛けるのが当たり前じゃないですか。それも一切しないで存在しないということを了解をすると、私は、これはとても信じ難いし、余りにも不自然だと思うんですね。
 そこで、この決裁には、先ほど言われました政策調整官以外に誰が関与をしたのか、そしてこの南スーダンのPKOの、UNMISSの担当である人にも照会がされたのかどうか、これを明らかにするように通告してありますけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(稲田朋美君) 今御答弁いたしましたように、十一月二十八日、陸自が日報を不存在とした判断について意見照会があり、これに対して統幕参事官付政策調整官は、部下職員から照会文書の提示を受け、口頭で意見なしとの回答を了解をいたしました。この過程において文書は作成されておりません。口頭での了解であったため明確に確認することはできませんでしたが、通常、この種の了解の過程には政策調査官を含む数名の職員が関わるものと考えられます。
 いずれにせよ、政策調整官が了解したものであって、その前の段階の個別のものにかかわらず意思決定を行ったのは政策調整官であるとお答えすれば十分であると考えております。
○井上哲士君 いや、十分じゃないから聞いているんですよ。
 だって、毎日毎日統幕でダウンロードして概要を作っていたわけですね。知らないはずないんですよ。それが不存在でいいかと照会があったときに誰も知らなかったと、これは余りにも不自然だから、一体決裁に当たって誰に聞いたのかと、そしてこのUNMISSの担当者には聞いたのかと、そのことを調査して明らかにしてくださいと通告してあるんですから、それを十分だ、必要ない。必要だから聞いているんですから、答弁してください。
○国務大臣(稲田朋美君) そもそもこの日報は防衛省が自ら発見して開示決定を行っている以上、情報公開法上の規定に、手続の違法はありません。これまでに当該探索先の状況も明らかになり、文書も発見されたことから、関係部隊からの報告を殊更に検証する必要はなく、再発防止策を取ることがより重要であると考えているところであります。
 また、統幕参事官付は、不開示決定の後、私の探索指示を受けて日報を発見し、これを公表しております。
 統幕参事官付が昨年十一月に意見なしとの回答したことをもって日報を隠蔽しようとしたのではないかと疑いをお持ちのようですけれども、その後の経過を見ればそういった疑いはありません。しかしながら、先ほど私も御答弁いたしましたように、探索先が不十分であった、これは今後しっかりと探索をするということでございます。
○委員長(山本一太君) ちょっと速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(山本一太君) 速記を起こしてください。
○国務大臣(稲田朋美君) そもそもこの日報の作成者は派遣部隊、そしてその報告先は中央即応集団。報告先でもなく、任意にダウンロードしていたものであり、保管せよとの指示も受けていなかったものであります。したがいまして、その意見なしとの了解は政策調整官が行ってあるものであることから、それ以前に関わった個別の者の特定までは必要がないということでございます。
○井上哲士君 何で必要がないんですか。さっき大臣自身が、経過については反省し、今後に生かすと言ったじゃないですか。だったら、何でそういう事態が起きたのか、本当にこの担当者などに聞いたのか聞かなかったのか、そういう経過は明らかにして調査するのは当然じゃないですか。
 そして、不十分だという話じゃないんですね。二〇一二年の、パネル出してください、九月に、行政文書管理及び情報公開業務の適正な実施についてという、これは防衛事務次官通達が出されております。開示請求の対象になる行政文書を特定するに当たり、当該文書が不存在という判断に至った場合においても、再度入念に確認を行う。それでも不存在という判断に至った場合は、必要に応じて探索範囲を拡大して改めて当該文書の特定に努めるというものなんですね。
 ですから、開示請求の前に、統幕に照会があったときにこのとおりやらなくちゃいけないんですよ。それをやっていないんですよ。これ不十分じゃないんですね。次官通達違反じゃないですか。当然、調査すべきじゃないですか。
○国務大臣(稲田朋美君) ですから、この文書自体は用済み後破棄、一年未満用済み後破棄、破棄することのルールの下の文書で、作成元も報告先も破棄をしていたということであります。しかしながら、今回の日報の開示請求への対応については、私の指示により、自ら範囲を広げて探索を行い、日報のデータを発見し、開示決定を行ったものでありますので、御指摘の事務次官通達の趣旨に沿った対応を行ったものだと考えております。
 なお、当初不存在のため不開示決定を行った後、当初の探索範囲ではなかった統合幕僚監部において再探索を行った結果日報が発見されているので、私は、当初の対応に不十分な点があったことは否めず、再発防止策を取ることは重要だというふうに考えております。
○井上哲士君 これ、一旦不開示にしているんですよ。後から出てきたからいいという問題じゃないんですね。
 そもそも、十二月の二日にこの廃棄済み不開示と決定をした。開示請求した人は布施さんというジャーナリストですよ、発信力もある。ネットにも流しました。その中で、十二月の十四日付けの神奈川新聞が一面で大きく報道して、「揺らぐ文民統制」と、こういう記事書いたんですね。その直後に、慌てて十六日に大臣のところに報告があった。そこでやり直しを指示されたと言われていますけれども、その後、更に報道広がる中で、十二月二十六日に統幕の中にあったと言われていますけれども、それから一か月間大臣には報告なかったわけですね。ですから、物事が大きくならなければできるだけ隠そうという姿勢がずっと一貫しているじゃありませんか。これは、情報公開業務の適正な実施を求めた通達に明確に反しているんです。
 そして、そもそもなぜこういう通達が出されたのか。これは、二〇〇四年の護衛艦「たちかぜ」で二十一歳の乗務員が上官などからのいじめを苦にして自殺するという事件がありました。このときに遺族は国の責任を求めて提訴したわけでありますが、いじめが自殺の原因だと明らかにする上で、事故直後に全乗組員に行ったアンケートが焦点になったんです。遺族は情報公開を求めましたけれども、海上自衛隊はアンケートを廃棄と答えたんですね。ところが、自衛隊の中からは、これは実はあるという内部告発がありました。上官から、君も組織の人間だろうといって、その告発を抑えようという生々しい音声のデータまで公開をされ、そして裁判でもそれが、上申書が出されました。二〇一二年の四月に裁判所に陳述書が提出されて、その直後の六月に海上自衛隊は、実はありましたと、こういう会見をして陳謝をしたんですね。こういう経過なんですよ。
 翌二〇一三年に、情報公開・個人情報保護審査会は、この事件について答申をして隠蔽について指摘をしておりますけれども、これどういう内容だったか、御紹介いただけますか。
○政府参考人(山内達矢君) お答えいたします。
 御指摘の答申書は、平成二十五年度行情答申第二百三十三号と思われますが、その答申書の該当すると思われる箇所を読み上げさせていただきます。
 「相談を受けた他の事務官らは報告を勧めるどころかむしろ廃棄を働きかけている。これらの経緯からすれば、個々の職員の対応の問題にとどまらず、処分庁には組織全体として不都合な事実を隠ぺいしようとする傾向があったことを指摘せざるを得ない。」。
 以上でございます。
○井上哲士君 自衛隊・防衛省には組織全体の隠蔽体質があると、これ指弾する厳しい内容ですよ。異例の中身ですよ。
 さらに、東京高裁は二〇一四年に、このいじめが自殺の原因として国に賠償を命じるとともに、自衛隊の文書隠匿行為を違法だと厳しく判示をいたしました。
 ですから、大臣がやるべきことは、こういう指摘、厳しい指摘がされてきた自衛隊に対して、少しでも隠蔽や後ろ向きな傾向があれば厳しく正すことなんですよ。ところが、報道されるまで日報が廃棄、不開示したことの報告も大臣になかった。統幕への照会に対して、決裁に関与した人は知らなかったと、こういう不自然な事態もある。そして、探索範囲の拡大もやらなかった。それでも理解できると。これでは、組織全体として不都合な事実を隠蔽しようとする傾向を正すどころか温存しているじゃありませんか。シビリアンコントロールも何もあったものじゃないですよ。防衛大臣としての資格が問われると思いますけれども、いかがですか。
○国務大臣(稲田朋美君) 本日報は、一年未満廃棄、用済み後廃棄するルールの下のそういう文書なんです。そして、作成先と報告先を探索して、そして不開示にしました。三十日、限られた三十日以内で見付からず不開示としたものの、私が報告を受けたときに、その神奈川新聞のことなど全く知りませんよ。私は、その話を聞いたときに、でも電子データだったら経験則に照らしてどこかにあるんじゃないのと、徹底的に探して、あるんだったら公表すべきだと言って、私の指示を受けて徹底的に探した結果、公表したんですよ。公表したことによって、この手続は適法になったわけです。
 隠蔽という御指摘は当たりませんし、私の指示でもって、一年未満、用済み後廃棄としているその日報を徹底的に探して公表した。しかし、反省すべき点はありますよ。そういう点は反省をしますけれども、隠蔽でもないし、シビリアンコントロールが利いていないという御批判は当たらないと思います。
○井上哲士君 だったら、十二月二日のその不開示決定の前の統幕に対する照会について、誰が一体関与したのか明らかにしてくださいよ。それをやらないでおいてそういう答弁をするのは、私は全く納得できません。結局よしとしているわけであります。
 私は、こういう事態について調査をせずにこういう当時不開示にしたことを理解をすると、これでは私は防衛大臣としての資格が問われると思いますけれども、総理、いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今、この稲田大臣の言わば仕事ぶりということでの御批判だと思いますが、先ほど稲田大臣が答弁させていただいたように、この南スーダン派遣部隊の作成した日報については、用済み後すぐに破棄するという文書管理のルールが決めてあった。これは民主党政権時代に決めていたわけでありまして、基本的にずっと廃棄されてきたということの延長線上の中にあるわけであります。
 そして、その点で三点申し上げたいと思います。第一点は、今般、文書が見付かったのは、稲田大臣が統合幕僚監部に改めて探すよう指示した結果であり、大臣としてしっかりとリーダーシップを取ったと思います。そして、例えば当初不存在とされた文書が後に開示された例は、これ過去にも実はこれ残念ながらあるんです。それは海賊対処に関する報告書の事例でありますが、これ開示請求から公開まで二年を要しております。これは、まさに鳩山内閣時代にこれは要請があったのでありますが、鳩山内閣時代には見付からず、菅内閣でも見付からず、そして最終的には野田内閣であったわけでありまして、ほぼ三年を要したわけでありますが、今回は、済みません、三年、二年か、二年でありますが、二年を要しておりますが、しかし今回は四か月でそれを言わばしっかりとこれ探し出したわけでございまして、殊更稲田大臣がこれは怠慢だったというわけでは全くないということでありまして、関係した大臣は三人の防衛大臣、三人の内閣の下でありましたが、一内閣一大臣の下で四か月でこの問題について対処したということでありまして、この点ははっきりと申し上げておきたいと、こう思う次第でございます。
○井上哲士君 いや、安倍内閣について聞いているんです。
 そして、先ほどから言われていますけれども、防衛事務次官の通達でいっても、あの統幕に照会があったときに、それはおかしいと、やらなくちゃいけなかったんですよ。それをやっていないということに私は一番の問題があります。
 この統幕に対して照会があった際に、誰に、決裁に当たって誰が関与をしていたのか、その事実経過を報告をするように求めたいと思います。委員長、お取り計らいをお願いします。
○委員長(山本一太君) 後刻理事会で協議をいたします。
○井上哲士君 結果的に日報は出てきたわけでありますが、そのことで国民から何を隠そうとしてきたのかが浮き彫りになりました。
 私、昨年十一月の外交防衛委員会で、PKOの派遣部隊の家族向け説明会の資料を示して質問をいたしました。昨年の十次要員の家族向けの資料が上ですね、下が十一次要員の家族向けの資料です。二月時点では反政府側の支配地域となっているのが、八月時点では活動が活発な地域に書き換えています。そして何よりも、戦闘発生箇所というのが衝突発生箇所に書き換えられているんですね。
 当時、答弁では、現地の報道等各種情報を引用して戦闘発生箇所という表現を用いたけれども、憲法上の誤解を生じかねないので修正したという答弁でありました。ところが、これ、報道じゃなかったわけですね、日報に戦闘と書いてあったわけですよ。あの日報を見ますと、戦車や迫撃砲を使用した激しい戦闘がUNハウス、UNトンピン周辺で確認されるなど緊張は継続など、生々しい記述がありました。それを衝突に言い換えて家族にも説明をしていると。
 御家族、どんな思いか。様々な報道をされておりますけれども、例えば二十代の息子が現地で活動する青森市の男性会社員。戦闘があったと認識しているなら家族に報告するのが筋だ、不安を抱えながら送り出した家族を何だと思っているのか。こういう家族の声に、憤り、大臣、どう応えますか。
○国務大臣(稲田朋美君) まず、日報に記載されていたところの戦闘という言葉、全く隠していません。それはモーニングレポートにも......(発言する者あり)えっ、モーニングレポートにもありますし、また教訓要報にもあるんですね。戦闘という言葉は隠していないんです。
 私がるる申し上げてきましたのは、国会の場で戦闘行為という言葉を、戦闘行為という言葉は法的な用語です。そして、戦闘行為に当たるということは国際紛争の一環として行われる人を殺傷し、物を損傷する行為であって、戦闘行為があったとなれば、それですなわちPKO五原則違反で即撤収なんです。ですから、その戦闘行為という言葉を国会の場では使わない、このことは民主党政権でもずっとそうされてきたことであります。
 したがいまして、私は、戦闘という言葉は全く隠してもいませんし、それを使うなと指示をしたことはありません。
○井上哲士君 家族向けの資料で明らかに変えているじゃありませんか。そして、それを報道の引用だと言っていたけれども、実は日報に書いてあったということなんですよ。
 それだけじゃありません。平和安全法制家族説明資料という文書を私、入手しましたけれども、部内限りとされているもので昨年の八月に配られたものですけど、この中から、家族から、自衛隊自身が武力紛争に、駆け付け警護をすれば自衛隊自身が武力紛争に巻き込まれることになるんじゃないかと、こういう質問が出たら、南スーダンが国連PKO活動に同意して受け入れている状況においては武力紛争に巻き込まれることはないと、こういうふうに答えなさいというふうに指示しているんですね。安心しなさいと家族に言っている。
 ところが、日報には、ジュバ市内での政府軍と反政府軍の戦闘が生起したことから、市内での突発的な戦闘への巻き込まれに注意が必要と書いてあるじゃありませんか。
 一方で現地からは巻き込まれに注意が必要だと言いながら、家族には巻き込まれることはないと。本当にこれは私は、家族に対して、現実に危険があり、そして事実上憲法に反するような事態が起きているのに隠す、こんなことで自衛隊も家族も欺くようなことは私は許してはならないと思いますけれども、大臣、いかがですか。
○国務大臣(稲田朋美君) まず、今も南スーダンの状況、PKO五原則は守られております。そして、戦闘行為は、法的な意味ですよ、戦闘行為は起こっておりません。それはなぜなら、国又は国準、国際的な紛争の一環としての武力紛争がないからです。そういう意味において、武力紛争に巻き込まれないというのは、法的意味においてそれは正しい指摘だと、正しい言い方だと思います。
 しかしながら、御家族の皆さんに対して、私は、そのPKO五原則が守られていたらそれでいいんじゃないんです。PKO五原則が守られていることと同じように、というかそれ以上に、自衛隊員の自らの要員の安全を確保しつつ有意義な活動ができるかどうか、それをしっかり見ていかなきゃいけないということであります。
 そういう意味において、現地の部隊が戦闘という言葉を使うかどうか、それは全く問題じゃないんです。私が問題にしているのは、国会の場の議論を言っているのみでございます。
○井上哲士君 いや、私、そんなこと聞いていないんですよ。家族には武力紛争に巻き込まれることはないと説明をしながら、日報では戦闘に巻き込まれる、注意が必要だと書いている。事実を、今言われたような安全かどうか、それを覆い隠しているじゃないかと、そのことを申し上げているんです。
 今、南スーダンの政府の中では、次々と高官や政府軍の幹部が辞任をしております。そして、多くが、今の大統領が民族浄化を行っているとか、こういうことを批判をして次々と辞任をしているんですね。今や南スーダンは内戦、しかも大統領と反大統領だけではなくて、民族を大きく巻き込むようなこういう民族浄化、大虐殺、こういうことも国連がその危険を指摘するような事態になっているんですね。
 私は、そういう中で、今のキール大統領の政府というものが事実上もう紛争の当事者になっている、中立性をなくしていると思います。そういう中で......
○委員長(山本一太君) 井上哲士君、時間が終わっております。
○井上哲士君 南スーダンPKOを引き続き送るような事態はありませんし、新任務の付与も直ちにやめる、撤退を求めまして、私の質問を終わります。
○委員長(山本一太君) 以上で井上哲士君の質疑は終了いたしました。(拍手)

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