国会質問

ホーム の中の 国会質問 の中の 2017年・195特別国会 の中の 外交防衛委員会(空自C2輸送機のドバイ・エアショーへの参加、中東への武器輸出について)

外交防衛委員会(空自C2輸送機のドバイ・エアショーへの参加、中東への武器輸出について)


○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。
 給与法の改正案は、人事院勧告に沿った国家公務員全体の給与引上げの一環であり、賛成であります。
 最初に少し時間をいただきましたので、私からも、佐藤外務副大臣の一昨日の発言の問題について質問いたします。
 先ほど来、服務の宣誓ではなくて基本的姿勢を述べたものだから問題がないんだと、こういうお話がありました。しかし、公務員は様々な宣誓を行います。国家公務員、地方公務員、警察官、消防職員、あります。いずれも任命者に対して宣誓するものでありまして、防衛省の政務三役もこのような宣誓は行っておりません。そして、外務省の職員は、海外でそれこそ様々な任務に当たりましても、一般公務員と同じ宣誓をしているわけですね。なぜこの自衛隊員のみが今問題になっているあの事に臨んではという宣誓をするのか。それは、武力を持った実力組織だからこそ、こういう宣誓が唯一自衛隊に、隊員にされるわけであります。
 一方、憲法の文民規定。当時、憲法ができたときには、日本には自衛隊すらありませんでした。にもかかわらず、わざわざこの文民規定を入れたというのは、やはり歴史の痛苦の教訓があったわけですね。強力な武力を持っていた軍隊が、様々な政治への関与が問題になってきました。二・二六事件もありましたし、そして、この軍の関係者が政治の方向を大きくゆがめて日本の運命を誤らせたと、そういう教訓があったからこそ、この文民規定、つまり、こういう軍の関係者が政治に関与してはならないということを明記しているわけですよ。
 そういうときに、外務副大臣としての挨拶で、その実力組織である自衛隊の服務規定をそのまま引用すると。これは、私は極めて不適切だし、憲法の精神にも反すると思いますけれども、いかがでしょうか。


○副大臣(佐藤正久君) お答え申し上げます。
 先ほど来答弁させていただいておりますように、私の挨拶は自衛隊の服務の宣誓を行ったものではございません。その意味で私自身の言葉ではありませんでしたが、我が国の安全と繁栄を維持し、国民の生命と財産を守るために、外務副大臣としてその職務を全うするという私の基本姿勢を述べたものでございます。この点については御理解をいただきたいと思います。
 他方、本件挨拶につきまして、結果として誤解を招いてしまったのであれば、大変遺憾に存じます。誤解のないよう自分の言葉で述べるべきだと、前回の委員会で委員からも御指摘がありました。そういう委員の御指摘も踏まえながら、今後、その思いをしっかり受け止めさせていただいて、次につなげてまいりたいというふうに思います。


○井上哲士君 私、基本姿勢としても、事に臨んではとありますけれども、そういうことが起こらないようにするというのが本来外交なわけでありまして、対極にある言葉だと思います。こういうことを引用されたということは極めて不適切かつ遺憾だということを重ねて申し上げた上で、質問に移ってまいりますが、武器輸出と中東外交についてお聞きをいたします。
 この夏以降、防衛装備庁の主催でアジア諸国との二国間の官民防衛産業フォーラムが開かれております。その目的、相手国ごとの参加企業数、全体で参加した企業数とその名前を明らかにしていただきたいと思います。


○政府参考人(中村吉利君) お答え申し上げます。
 防衛省におきましては、国際社会の平和と安定へのより一層積極的な貢献や諸外国との安全保障協力の強化などに資するよう防衛装備・技術協力を行っており、その一環といたしまして、官民で連携をしつつ、諸外国との間で相互の関連政策、制度の理解や産業間交流の促進を目的として官民防衛産業フォーラムを開催をしてきております。
 今年の夏以降、これまでインドネシア、インド及びベトナムとの間で官民防衛産業フォーラムを開催をしてきており、我が国と相手国の参加企業数の合計といたしまして、インドネシアのフォーラムでは十四社、インドとのフォーラムでは三十四社、ベトナムとのフォーラムでは十一社が参加をしてきております。
 また、これまでに参加されたこれら三か国との官民防衛産業フォーラムにおきましては、我が国の企業には複数回参加した会社もありますことから、合計で四十四社が参加をしてきております。我が国からは、三菱重工業株式会社や川崎重工業株式会社などの重工系の企業、三菱電機株式会社などの通信電気系企業、こういった会社が参加をしてきているところでございます。


○井上哲士君 日本の企業数だけだったら全体幾つですか。


○政府参考人(中村吉利君) 日本の企業数というお尋ねでございます。
 インドネシアとのフォーラムでは日本側は八社、インドとのフォーラムでは十二社、ベトナムとのフォーラムでは八社、合計をいたしますと、先ほど申し上げましたとおり複数回参加している会社もございますので、十三社ということになります。


○井上哲士君 官民一体の武器輸出の仕掛けづくりでありまして、これ税金使って開いているのに全ての企業名を公表できないというのはおかしいと思います。是非公表をしていただきたいと思います。
 さらに、アラブ首長国連邦、UAEのドバイで先日開かれた中東最大の航空ショー、十五回目のドバイ・エアショーにも日本が参加をいたしまして、C2輸送機が展示をされました。航空機としては何回目の参加だったのか、参加の経緯、団体、目的、展示の内容について明らかにしていただきたいと思います。


○政府参考人(石川武君) お答え申し上げます。
 ドバイ・エアショーには、防衛省として本年初めて出展し、航空自衛隊のC2輸送機を地上展示いたしました。これは、UAE政府からの招待を受けたものでございまして、航空自衛隊によるC2の国外運航訓練に合わせて参加したものでございます。また、防衛装備庁もC2説明用のブースを初めて設置いたしました。本エアショーへの参加は、我が国の高い航空技術を国外の政府関係者に広く発信し、防衛装備・技術協力の推進に寄与することを目的としたものでございます。


○井上哲士君 紛争の絶えない中東は世界最大の武器輸出市場だと言われておりまして、先月十五日に開かれた防衛装備庁の技術シンポジウムでは、このエアショーから帰国した国際装備課長が、売り込みという批判もあるけれども将来に大きな可能性を秘めたショーだったと、こう言われておりますし、そして、UAEの防衛関係者もテレビの取材に、C2はすばらしい機体であり、だからこそ我々は関心を持っていると答えておりまして、まさに中東、特にUAEへのC2の輸出が目的なのは明らかだと思うんですね。
 この紛争が絶えない中東でも、イエメンがこの間非常に内戦状態が続きまして、世界最大の人道危機とも言われる事態になっております。そこに連合軍による空爆などが重なって深刻な事態になっております。グテレス国連事務総長は、三日、報道官を通じて声明を出して、イエメン紛争に軍事解決はないと指摘をして、全ての当事者に攻撃の中止を要求いたしました。
 こうした深刻なイエメンの情勢と人道危機の実態について、外務省としての認識をお願いしたいと思います。


○国務大臣(河野太郎君) イエメンにおきましては、戦闘が継続し、多数の国内避難民を含む一般市民が困難な人道状況に置かれております。イエメンの人口約二千七百万人の七五%に当たります二千七十万人が最低限の生活のために何らかの人道支援を必要としており、うち九百八十万人は生存のために早急な支援が必要でございます。国内避難民は約二百九十万人、食料不足の更なる深刻化及びコレラの蔓延により要支援人口は二〇一七年初めから二百万人増加をし、危機的な人道状況が改善する見通しは立っておりません。二〇一六年秋頃からコレラの流行が確認され、今年に入りますと爆発的にこれが拡大し、コレラ感染者数はこれまで約五十万人報告されております。
 イエメンの人道状況の関連会合が国連総会で今年開かれまして、私も出席をし、厳しい人道状況への懸念を表明するとともに、対話を通じた政治的解決を呼びかけました。また、昨晩、サウジアラビアの外務大臣と電話で会談をし、イエメンの状況について意見交換をしたところでございます。
 政府といたしましては、引き続き国連特使の仲介努力を支持するとともに、関係国に対し対話を通じた政治的解決の実現に向けた取組を働きかけてまいり、また、引き続き人道支援を通じてイエメンの安定及び人道状況の改善に向け、貢献してまいりたいと思っております。


○井上哲士君 深刻な状況の下に、この間非常に空爆も激しくなっておりますし、空港や港の封鎖が行われて、食料とかそして今の医療支援が届かなくなっているという下で、グテレス事務総長は、何百万人もの児童、成人が大規模な飢餓、疾病及び死亡の危険にさらされかねないと、こう述べております。
 今、この間のことがありましたけど、ちょうどあしたから、大臣、中東に出張されまして、UAEやサウジの要人と会談をする予定にもなっておりますが、このイエメンの停戦や復興に向けてどのような話合いをし、関与をされる御決意でしょうか。


○国務大臣(河野太郎君) 委員御指摘の外国訪問につきましては、現時点でまだ決まっておりません。
 いずれにしろ、政府といたしましては、イエメン情勢については対話を通じた政治的解決が必要であるとの考え方であり、このような立場は累次の機会にサウジアラビアを含む関係国に伝えてきているところでございます。


○井上哲士君 あしたの夕方出発するという紙を我々はいただいておりますが。まさに空爆をしている当事者でありますから、サウジ、UAEと本当に停戦と復興の問題できちっとした話をしてほしいと思うんですね。
 重大なことは、このエアショーが行われたUAEは、このイエメンに空爆や国境封鎖を行っているサウジ中心の連合国の一員だという問題であります。先ほど紹介したUAEの国防の関係者は、サウジ主導の連合軍で使用する場合は、C2は軍の装備品を輸送することになると取材に述べております。
 そうなれば、この深刻な空爆や人道危機に日本の輸送機が使用されることにもなりかねないわけでありまして、戦争に加担をし、内戦を助長し、人道危機を広げることにつながるんじゃないでしょうか。大臣、いかがでしょうか。


○国務大臣(小野寺五典君) UAEとの間では、平素からいかなる防衛装備・技術協力が可能か、様々な可能性について意見交換を行っておりますが、その個別具体的な内容については、相手国との関係もあり、お答えを差し控えさせていただきます。いずれにせよ、現在、UAEに防衛装備を移転する具体的計画はありません。
 なお、個別の防衛装備を実際に海外に移転するに当たっては、平和国家としての基本理念を引き続き堅持しつつ、防衛装備移転三原則に基づき厳正かつ慎重に対処していくことは当然と考えております。


○井上哲士君 UAE側から複数の取得の打診もあったというような報道も行われておりますが、私は、今こういう人道危機と言われるような事態が起きている当事者とその場で初めて航空ショーに参加をする、そして、そういう輸入についての様々な話合いが行われると、そのこと自体がこの中東に対する私は極めて悪い影響を与えると思いますけれども、今後こういう紛争を助長するという可能性があるということであれば輸出は行わないと、こういうことでよろしいですか。
○国務大臣(小野寺五典君) 防衛省としましては、個別の防衛装備を実際に海外移転するに当たっては、平和国家としての基本理念を引き続き堅持しつつ、防衛装備移転三原則に基づき厳正かつ慎重に対処していく方針であります。


○井上哲士君 国連が空爆やめろと言っているような空爆を実施しているような国の装備の輸送に使われるようなこと、これは私は平和国家の理念に反すると思いますけれども、そういうことでよろしいでしょうか。


○国務大臣(小野寺五典君) 繰り返しになりますが、防衛省としましては、防衛装備を実際に海外移転するに当たっては、平和国家としての基本理念を引き続き堅持しつつ、防衛装備移転三原則に基づき厳正かつ慎重に対処してまいります。


○井上哲士君 私は、これは、C2のUAEへの輸出になれば明らかに、紛争を助長することは明らかであり、絶対に行うべきでないと思います。
 そこで、外務大臣にお聞きしますが、中東に武器を輸出しますと、日本と中東との関係に大きな変化が起きると思うんですね。
 外務大臣は、二〇一〇年の著作「私が自民党を立て直す」と、この中で、日本は独自の動きで中東和平の実現を目指すべきだと強調されております。そして、日本が中東を植民地にしたこともなく、宗教対立もなく、中立的に入れることとともに、欧米諸国やロシア、中国と違い、日本は武器輸出もしていない、中東で戦争が起きても軍需産業がもうかるという構図がないのも当事者の信頼につながるだろうと、こう述べておられます。私、これは非常に重要な指摘だと思うんですね。逆に言いますと、武器輸出をすれば当事者の信頼を失うことになると考えます。
 この著書のお考えは変わりは今もないでしょうか。


○国務大臣(河野太郎君) 増刷もされなかった本でございますが、お読みをいただきまして誠にありがとうございます。
 政府としては、全ての中東諸国と、今、日本は良好な関係にあるわけでございまして、この日本の独自性を生かして、中東の安定に向けて貢献をしていきたいというふうに思っております。
 防衛大臣からも御説明がありましたけれども、いかなる国とどのような内容の共同開発を行うかについては、防衛装備移転三原則及び運用指針に従って厳格に審査して決定される、また、防衛装備移転三原則において、我が国の安全保障の観点から積極的な意義がある場合には移転を認めるというのがルールでございますが、委員御指摘のUAEへの防衛装備品の移転を含め、中東への防衛装備品の移転について、今の時点で何ら決定をされていないと外務省も承知をしております。


○井上哲士君 日本が中東における、非常にどの国とも、イランも含めて、関係を持っているというのは、まさに言われたとおりの日本の独自のやはり立場だと思うんですね。
 私聞きましたのは、日本が武器輸出をしていないことが、中東で戦争が起きても軍需産業がもうかるという構図がないことが当事者の信頼につながっていると、この認識が今もお変わりはないかということをお聞きしています。


○国務大臣(河野太郎君) 中近東におきましては、そうしたことを含め、また、過去の植民地の歴史もない、あるいは宗教的に日本は極めてニュートラルである、様々な要因があり、また、これまで我が国は可能な限り中東諸国に対して様々な支援を行ってまいりました。そういうことが重層的に積み重なってきて、今全ての中東諸国と良好な関係にあるわけでございますので、これをこれからも大切にしてまいりたいと思っております。


○井上哲士君 逆に言いますと、武器輸出をすればこういう信頼は崩れることになるんじゃないかと私は恐れますけれども、いかがでしょうか。


○国務大臣(河野太郎君) 日本が中東からいただいているこの良好な関係、信頼というのは、今申し上げましたように様々な要因が重なり、また、それを長い年月積み重ねてきたということが背景にあるんだろうと思いますので、一つの要素が崩れたから全てがなくなるかということではないんだろうと思います。ただ、信頼というのは、築くのには時間が掛かりますが、なくなるときには早いというのは、これは多くの方が感じていらっしゃることだと思いますので、今まで我が国が築き上げてきた信頼を損なうことがないようにしっかりとやってまいりたいと思います。


○井上哲士君 今おっしゃったように、築くのは時間が掛かるが壊れるのは早いと、本当にそうだと思うんですね、私。大臣が本で言われている、こういう中東で戦争が起きても軍需産業がもうかるという構図がない、これが当事者の信頼を得ていると。重要な要素が壊れるようなこと、崩すようなことは絶対あってはならないと思います。
 武器の輸出は行わずに、外交的、人道的貢献に徹するべきだということを改めて強調をいたしまして、質問を終わります。

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