国会質問

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外交防衛委員会(日欧経済連携協定(EPA)①)


○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。
 日欧EPA、SPAについて昨日の本会議でも質問をいたしました。大変驚くべき答弁が続いたんですね。
 まず、EPAの農業に及ぼす影響の試算の問題です。
 今の質疑でも、今回の協定やその対策の基本となる数字自身が十分に出てこないと、こういう問題がありました。私が昨日指摘したのは、欧州委員会の試算と大きな乖離があるという問題であります。
 欧州委員会は、今年七月に公表したファクトシートにおいて、日本とのEPAの締結によって加工食品の対日輸出が大幅に増えると、特に乳製品については二一五%、七億二千九百万ユーロ、約九百四十八億円増加するという試算を明らかにしております。ところが、日本政府の影響試算では、乳製品の国内生産の減少額は最大でも二百三億円だと、こうなっているわけですね。九百四十八億円向こうは増加すると言っていて、日本の減少額は二百三億円、これ四倍以上の差があるわけですね。
 で、余りにも楽観的過ぎるじゃないかという指摘について農水大臣に答弁求めたわけでありますが、答弁は、欧州委員会の試算について、試算の前提や根拠が明らかでないためコメントすることは差し控えるということでありまして、これは私驚いたんですね。だって、農水省の試算は昨年の十二月出したものなんですね。欧州委員会のファクトシートは今年六月ですよ。本当に日本への影響とか対応策を検討する上で、その協定の相手国、貿易の相手国がどういう前提や根拠で試算をしてこういう数字を出しているのかというのは、それ考える上で当然の、当たり前のことだと思うんですね。この欧州委員会の試算や前提の根拠について、農水省としては何の調査もしてないということなんでしょうか。

○副大臣(小里泰弘君) 御指摘のとおりでありますが、対日輸出につきましては御指摘のとおりであります。その数字について、どのような前提や係数を用いて計算しているかは明らかになっておりません。
 他方、農林水産省の影響試算は、日EU・EPA交渉において関税割当てやセーフガード等の国境措置を獲得をしておりまして、その上で総合的なTPP等関連政策大綱に基づきまして万全の対策を講じることとしております。十分にこういった点を勘案して適切に評価した結果であると考えております。

○井上哲士君 いや、何で万全なんて言えるんですかね。だって、相手がいるわけじゃないですか。協定を結んで、相手がこれだけ輸出が増えると、こういう数出しているわけですね。僅かな違いじゃないんですよ、九百四十八億と二百三億と。相手も何の根拠もなくにこんな数を出しているわけないわけですね。ですから、相手の試算の調査、あるいは試算の前提とか根拠をしっかり把握をした上で、日本の試算とは向こうは違うことを考えているとかいろんなことあるわけじゃないですか。何でそれを把握もせずに日本が対策が万全と言えるんですか。

○副大臣(小里泰弘君) こうした試算におきましては、前提条件や分析手法によりまして様々な結果が出るものと考えております。貿易相手国が、あるいは地域がそれぞれの考え方で行っている試算であると認識をしております。

○井上哲士君 それは分かっているんですよ。一般的に、例えばEUが、EU国内で、域内でどうなるかという試算なら別にそれぞれの勝手ですよ。しかし、日本に対してこれだけ輸出増えると言っているわけでしょう。言わば増やすと言っているわけですよ。その前提や根拠がそれぞれが違うと言って、それは知らぬけどこっちは万全でやっていますと言ったって、誰も信用できないじゃないですか。何でつかもうとしないんですか。それで対策ができるんですか。

○副大臣(小里泰弘君) 私どもは、日本国の立場で、日本国の生産者の立場で、どうやれば再生産がこれからつなげていけるか、やっていけるか、そこを一に考えながらこういった対応をしておるわけであります。

○井上哲士君 あのね、日本国内だけの話じゃないんですよ。協定を結んで、相手が輸出増やすと言っているんですよ。それが何でそういうことが言っているのか。そのことなしにどうして日本の農業を守ることができるんですかね。もう一回お答えいただきたいと思います。

○副大臣(小里泰弘君) この協定によりまして、お互いの経済が活性化をされ、GDPが拡大をしてその輸入量が増えることもあるかもしれませんし、一方でまた生産が、国内生産が拡大することも期待するところでありまして、それに向けて一生懸命交渉をし、自後の対策を打つわけであります。

○委員長(渡邉美樹君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(渡邉美樹君) 速記を起こしてください。

○副大臣(小里泰弘君) 先ほどから議論でもございましたが、今回の日EUの交渉におきまして、いかにすれば国内農業者を守っていけるか、そのことを強く念頭に置いて交渉を重ねたわけであります。その中で、そのためにしっかり関税割当てあるいは関税削減をいかに少なくしていくか、そういったところを考慮に入れながら、特に国内農業に影響を与える品目、比較的与えない品目とを分けながら、様々な工夫をして国境措置を設けて対処をしたわけであります。
 その上で、さらに、国内の農業生産者の皆さんが残る不安に対しましては、国内対策をしっかり打っていこうと、国内対策によりまして経営の効率化を図り、またコストの削減を図り、品質の向上を図り、所得の拡大、また生産の拡大、持続化につなげていこうということで万全の措置を打ってきた、またこれからも打っていこうということであります。

○井上哲士君 これ、全く答えていないんですよ。そうやって去年の十二月に、そういう対策を取ったらこの程度になりますという試算を皆さんは出したと。それから、しかし、その後向こうが出してきたわけでしょう。日本の農業を守ると言うけれども、向こうは攻めてきているんですよ。相手がこういう攻め口で来ているというのをわざわざ出したわけですから、それ分析をして、今、日本がやっている対策がこれでいいのかどうかというのを検証するのは当たり前じゃないですか。何でそれができないかということを聞いているんですよ。
 もう一回答えて、ちゃんとこれは。

○委員長(渡邉美樹君) どなたですか。

○副大臣(小里泰弘君) 先ほどの答弁の繰り返しで恐縮でありますけれども、こうした試算は、前提条件、分析手法によりまして様々な結果が出るわけであります。
 我が国は我が国の前提条件、あくまで現場に立脚した前提でしっかり試算をし、対応しているわけであります。

○井上哲士君 日本国内の農業政策だけならそれでいいんですよ。協定を結んだ相手が輸出を増やすと言っているんです。しかも、全く違う数言っているわけですよ。それを何らその中身も検証せずに万全万全と言っていることが、全く中身がないということが私明らかになったと思います。
 昨日の答弁では、乳製品の影響試算について、輸入が増えることを前提として試算をしたものじゃないという答弁がありました。相手がこれだけたくさん輸出増を試算をしているのに、なぜ輸入が増えないというふうに言えるんでしょうか。

○副大臣(小里泰弘君) 昨日、本会議で吉川大臣から答弁したのは、EUからの輸入が増加することを所与の前提として農林水産省で試算したものではないという意味であります。その上で申し上げれば、農林水産省の行った乳製品の影響試算は、国産品が輸入品によってどの程度置き換わるかどうか、それにより意欲ある農林漁業者の方々が再生産できるのかどうかという観点から試算を行ったものであります。
 その結果として、例えば乳製品については、ホエー、チーズの関税削減や関税撤廃等の影響による国産品の価格低下により生産額の減少が生じるものの、一方で、省力化機械の整備やチーズ向け生乳の品質向上等の体質強化対策、経営安定対策の適切な実施等の国内対策によりまして、引き続き生産や農家所得が確保され、国内生産量は維持されると見込んだところであります。

○井上哲士君 今のは、だから、輸出が増えないということを見込んだ上でこういうことをやりましたという話なんですね。だけど、相手の方は、こんだけ輸出増えると言っているんですよ。つまり、日本に輸入が増えると言っているんですよ。それを全く無視をしてこんな対策やっても、何の根拠もないということじゃないですか。
 EUからの輸入が増えたら日本の国内生産の減少額は最大二百三億と、こういう試算そのものが成り立たなくなると、そういうことでよろしいですか。

○副大臣(小里泰弘君) 関税が下がれば価格の低下はあり得るわけであります。しかしながら、一方で、申し上げましたように、国内対策をしっかり打つことによりまして、経営の効率化を図り、コストを下げて農家の生産意欲を持続させることによりまして、生産量としては確保していこうということであります。
 また、一般論として申し上げれば、先ほども申し上げましたけれども、日EU・EPAによるGDPの増加によりまして経済が活性化をすれば、乳製品の輸入が増加する可能性がありますけれども、国内生産も増加する可能性も当然あると考えておりまして、我々はしっかりと国内生産の確保に努めてまいる所存であります。

○井上哲士君 ですから、さっきから言われていますけど、あくまでもEU側からの輸入が増えるということはないというのが何か前提の話ばっかしなんですね。しかし、相手は増えると言っているんですね。
 だったら、このEU側の日本への輸出が増えるというこのファクトシートの試算というのは間違っているということですか。そうであるならば、その根拠を示していただきたい。

○副大臣(小里泰弘君) 申し上げましたように、協定により互いの経済が活性化され、GDPが増大することを期待をするわけであります。
 また、需要面で見ても、需要はどんどん増えているわけであります。国内生産も、若干ながら長期トレンドで見れば増える傾向にあるわけであります。その隙間があるんですね。そこをしっかりと活用して、今回の交渉の結果があるわけです。すなわち、乳製品の輸入が増加する可能性がありますけれども、国内生産も増加する可能性があり、そこをしっかり希求していきたいということであります。(発言する者あり)

○委員長(渡邉美樹君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(渡邉美樹君) 速記を起こしてください。

○副大臣(小里泰弘君) 先ほど説明申し上げましたけれども、この輸入が増えないという前提で申し上げているわけではありません。あくまで大事なことは、この協定の結果、国産品が輸入品によってどの程度置き換わるかどうか、ここに懸かっているわけでありまして、しっかりと置き換わらないように国内生産の確保に努めていくと、そういうことであります。

○井上哲士君 輸入が増えることを前提として試算をしたものではないということの答弁との、今の答弁との関係がよく分からないんですけれども、もう一回お願いします。

○副大臣(小里泰弘君) 先ほど申し上げましたように、国内の需要の増大が期待をされるわけであります。一方で、国内生産も安定的に増やしていく、あるいは持続をさせていく必要があります。その間をうまく利用しながら、国内生産に影響を与えないように、言葉を換えれば国内生産と両立をできるようにこの協定に臨み、そういう結果を出したわけであります。さらに、国内対策をもってそこを確保していくということでありまして、決して輸入が増加することを否定しているということじゃなくて、そういう輸入が増大する可能性もありますけれども、あくまで国内生産も増加する可能性があるし、そこをしっかり頑張っていこうということであります。

○委員長(渡邉美樹君) 井上哲士君、質疑をおまとめください。

○井上哲士君 時間なので終わりますが、増える可能性があるかどうかという話じゃなくて、向こう側は九百四十八億円増加すると相手が言っているわけですよ。そのことをきちっと検証してやらなければ、政府の試算はまともな根拠がないということは私は明らかになったと思います。
 引き続き追及していきます。終わります。

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