国会質問

ホーム の中の 国会質問 の中の 2019年・198通常国会 の中の 予算委員会(防衛大綱・中期防、空母保有、軍事費膨張)

予算委員会(防衛大綱・中期防、空母保有、軍事費膨張)


○委員長(金子原二郎君) 次に、井上哲士君の質疑を行います。井上哲士君。

○井上哲士君 日米新ガイドラインが策定をされ、その具体化として憲法違反の安保法制が強行されて三年余りとなりました。この間、日米の軍事一体化と自衛隊の大幅増強が急速に進んでいる、この問題についてお聞きをいたします。
 昨年末に、防衛大綱と中期防が閣議決定をされました。安保法制の議論の際に、当時の中谷防衛大臣は、新たな法整備で防衛費の大増強は必要ない、防衛大綱などを見直す必要があるとは考えていないと答えたわけですね。ところが、通常十年で見直す大綱を五年で見直して、従来とは抜本的に異なる速度で防衛力を強化するとしました。そして、今後五年間の軍事費を二十七兆四千七百億円として、前の五年間から二兆八千億円も増える防衛費の大増強であります。
 防衛大臣、当時の答弁と全く違うんじゃないですか。

○防衛大臣(岩屋毅君) 我が国を取り巻く安全保障環境は、前回大綱を作ったときに想定していたよりもはるかに速いスピードで、厳しさと不確実性を増しております。国家間のパワーバランスも急速に変化をしてきておりますし、宇宙、サイバー、電磁波といった新たな領域の利用が急速に拡大をしてまいりまして、これまでの陸海空という物理的な領域における対応を重視してきたこれまでの安全保障の在り方は、根本から変わろうとしております。
 そういう中にあって、もう一々申し上げませんが、北朝鮮の核、ミサイルの問題、あるいは東シナ海や南シナ海における力を背景とした様々な活動などが、テロの脅威も続いておりますし、そういう中にあって、この新たな安全保障環境、厳しい安全保障環境に対応できる真に実行力のある防衛力を整備するために、今回の大綱、中期防の改定を行ったところでございます。

○井上哲士君 前回大綱後に、安保法制の審議があったんですね。そのときに、防衛費の大増強は必要ないと答弁しているんですよ。
 そこで聞きますけど、じゃ、この大綱に周辺情勢が本当にきちんと反映しているのかと。総理は、施政方針演説で、日中関係は完全に正常な軌道に戻りましたと述べて、昨年十月の首脳会談で習近平主席とお互いに脅威はならないと確認をしたと強調されました。そして、その上で、日中関係を新たな段階へも押し上げてまいりますと述べました。このお互いに脅威とはならないことを確認したことの意義、そして新たな段階というのは、これはどういうことでしょうか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 昨年十月に日本の総理大臣として七年ぶりに中国を公式訪問いたしまして、日中関係は完全に正常な軌道に戻りました。
 習近平主席との間で今後の両国の道しるべとなる三つの原則を確認しましたが、その一つが、お互いに協力のパートナーであり互いに脅威とならないというものであります。その意義は自明であり、この訪問後に、日中の間で海空連絡メカニズムに基づき防衛当局間の年次会合の開催を実現するなど、東シナ海における偶発的な衝突を避ける上で大きな成果を得ることができました。
 日中両国が安定的な関係を築くことは地域の平和と安定に資するわけでありまして、共に責任を果たしていく共通の基盤はできていると考えておりまして、今年、習近平主席を日本にお招きをし、首脳の相互訪問を通じ、関係を新たな段階へと押し上げていきたいと、日中新時代を切り開いていきたいと考えておりますが。
 先ほど、中谷大臣の、当時の大臣の答弁で防衛費が増えないと言ったのは、言わば、平和安全法制を制定することによって、これに関連して防衛費がすごく増えていくということはないというふうに答弁したと私は記憶しております。

○井上哲士君 今総理が答弁した日中関係については、この新しい防衛大綱には一切触れておりません。なぜですか。(発言する者あり)

○委員長(金子原二郎君) 御静聴。

○国務大臣(岩屋毅君) 日中の外交環境が総理がおっしゃったように改善の方向に向かっているのはそのとおりだと思いますけれども、防衛当局といたしましては、やはり中国の軍事力あるいはその活動の状況というものをしっかり見据えなければいけないというふうに思っております。
 したがって、大綱、中期防におきましては、やはり中国につきましては、非常に高い水準で国防費を増加させていると、そして、先ほども申し上げたように、東シナ海、南シナ海などで非常に活発な活動を展開していると、防衛当局としては強い関心を持って注視していく必要があるというふうに記述をしたところでございます。

○井上哲士君 中国による東シナ海や南シナ海での力による現状変更の動きは重大でありますし、国連憲章等が定めた紛争の平和的解決の諸原則に反するものだと我々も考えます。これは国際社会では許されません。
 それから同時に、これは軍事対軍事の悪循環にするのではなくて、お互いに脅威にはならないと確認しているわけですから、それに基づく外交的解決が必要なんですよ。そのことが全く、この新しい防衛大綱には全く書いてありません。
 もう一つ、北朝鮮問題でありますけれども、総理は一月四日の年頭記者会見で、北東アジアをめぐる情勢も、昨年六月の米朝首脳会談により歴史的転換点に差しかかっていますと述べられました。
 この米朝首脳会談の意義、そしてこの歴史的転換点というのはどういうことなんでしょうか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 昨日、米国のトランプ大統領が、第二回米朝首脳会談を今月の二十七及び二十八日にベトナムで開催することを発表しました。昨年の六月の歴史的な米朝首脳会談で、トランプ大統領と金正恩委員長が朝鮮半島の非核化に合意し、共同声明に署名した意義は大きいわけであります。重要なことは、米朝首脳間の合意が完全かつ迅速に履行されるよう後押しすることであります。
 第二回米朝首脳会談に向けて日米ですり合わせを行っていきたいと、こう考えているところでございますが、大切なことは、核、ミサイル、そして我が国にとって重要な拉致問題について緊密に連携をしていき、その解決に向けて進んでいくことでありますが、核問題についてもミサイル問題についても、現在のところ北朝鮮側がその廃棄、検証可能な形で完全に廃棄をしていくということについて進んでいるわけではないわけでございまして、これをしっかりと成し遂げていくことが大切であろうと、こう考えております。

○井上哲士君 いや、歴史的転換点と言われたのは、それはどういう意味ですか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 歴史的転換点というのは、米朝の首脳が初めて首脳会談を行ったということと、先ほど申し上げましたように、合意を、朝鮮半島の非核化という合意を両首脳がサインをして行った、これはもう初めてのことでございます。

○井上哲士君 総理は、一七年十二月の総選挙のときに、北朝鮮の核・ミサイル問題を国難だと叫んだわけですね。そしてそのときに、従来の延長上でない防衛大綱の見直しを強調しました。その後に、今、文字どおり歴史的転換点と言われた米朝の首脳会談が行われました。トランプ氏は、先日の一般教書演説で、朝鮮半島の平和に向けた歴史的な奮闘を続けると、こういうふうに言ったわけですよ。
 ですから、総理が大綱の見直しを強調したときとその前提が今大きく変わっているんじゃないですか。いかがですか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 日本を射程にした弾道ミサイルを数百基これは配備をしているという現実は、残念ながら変わってはいないわけでございます。実際に、核兵器等を廃棄したわけでも全くないという状況があるわけでございまして、我々は日本の国民の命と平和な暮らしを守り抜いていく責任があるわけでありますから、その責任をしっかりと果たしていかなければならないと、このように考えております。(発言する者あり)

○委員長(金子原二郎君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。

○井上哲士君 総理自身が歴史的転換点と言われるような状況が一方で起きていても、これを無視をして、結局もう軍事的対応一辺倒と、こういうことになっているんですね。これは何をもたらすのか。
 安保法制のときにも安全保障のジレンマというのが問題になりましたけど、防衛大臣、これはどういうふうに考えていらっしゃいますか。

○国務大臣(岩屋毅君) その安全保障のジレンマということをどう考えているかということですか。これは、防衛力を増強することが相手方の更なる軍事力の増強を招いて、それがどんどんとエスカレートしていくということを安全保障のジレンマというのだというふうに思いますが、我が国の場合は、むしろ近隣諸国のその大幅な軍事力増強の中で極めて抑制的に防衛力を整備してきているというふうに思います。
 今般の中期防でも、実質で年率の伸びは平均一・一%でございますし、何よりも中身を非常に透明にしております。防衛に対する基本的な考え方、人員、装備、調達、主要装備の保有量や調達数量など、世界の中でも極めて透明性の高い防衛力整備を行っていると思いますので、我が国がその安全保障のジレンマを招く、あるいは加速させるということにはなっていないというふうに考えております。

○井上哲士君 当時、中谷大臣は、この安全保障のジレンマは防衛力の強化のときに起こり得るものであって、安保法制は装備や予算の増強をするものでないので安全保障のジレンマにはならないというふうに答弁をされたんですね。
 しかし、皆さんの作った新しい防衛大綱で、従来とは異なる速度で軍備増強を進めるとしているじゃないですか。今の話と全然違いますよ。まさにこれは安全保障のジレンマつくるんじゃないですか。

○国務大臣(岩屋毅君) 防衛力の装備の規模については、先ほど申し上げましたように、年率でいっても一・一%の伸びにしかなりません。それから、もう御案内のとおり、GDPの一%枠というのは取り払われているわけですけれども、三十年度の防衛費というのは対GDP比で〇・八八%ほどであるというふうに思います。
 そういったことからすれば、急速に変わる安全保障環境にしっかりと速いスピードで対応しなければならないというのはそのとおりですけれども、その中にあっても防衛費はできるだけ抑制的に整備をすると、こういう考え方を維持しているというふうに御理解をいただきたいと思います。

○井上哲士君 来年度予算案を見てそんなふうに考える国民はほとんどいないと思いますが。どんなに前向きの平和な動きがあっても、とにかくかつてない速度での軍拡を掲げる、これはまさに軍備対軍備の悪循環になると、北東アジアの平和と安定に逆行するものだということを言わざるを得ません。
 具体的にお聞きしますが、この新防衛大綱と中期防の下での最初の予算が来年度予算です。トランプ氏からの防衛費、武器購入圧力も加わりました。トランプさんは、安倍総理との首脳会談後、三回も、日本がアメリカ製の武器の大量購入を約束したと、こう発言をされました。十一月三十日の会見では、日本はアメリカから数多くのF35を購入すると約束してくれたと、感謝を表したいと、こう述べたわけですね。その後に、中期防でF35を百五機追加購入し、百四十七機体制にするということが決まりました。
 岩屋大臣は、一月十六日のアメリカでの講演で、これによってアメリカの同盟国の中で日本がF35の最大の保有数になるというふうに胸を張られました。他の同盟国の保有数はどれだけということに承知されているのか、そして、なぜ日本がこのように大量に購入をすることになったんですか。

○国務大臣(岩屋毅君) 米国では事実を説明したのであって、胸を張っていたわけではございませんので、御理解をいただきたいと思います。
 F35の各国の保有状況についてでございますが、全部申し上げると長くなりますので、当然米国が一番多くて二千四百五十六機、保有見通しです、それから英国、イギリスが百三十八機、オーストラリアが百機、トルコも約百機、カナダが八十八機、イタリア六十機、ノルウェー五十二機、イスラエル五十機、韓国四十機等々となっております。
 なぜ我が方が最終的に百四十七機のF35を保有する計画になったかというふうに申し上げますと、御案内のとおり、F15のうち近代化改修に適しないものが九十九機ございます。これを最新鋭のF35に置き換える。さらに、もちろん教育用の機も必要でございますので、F35戦闘機の追加的な取得数を百五機とし、最終的に百四十七機を導入することとさせていただいたということでございます。

○井上哲士君 総理は本会議でこれについて、主体的に判断をしたと、こういうふうに言われました。果たしてそうなのかと。
 F35はアメリカ政府とのFMS契約によるものでありますが、これ、FMS契約というのはどういう条件になっているんでしょうか。

○防衛省防衛装備庁長官(深山延暁君) お答え申し上げます。
 FMSは、経済的な利益を目的とした装備品の販売ではなく、米国の安全保障政策の一環として同盟諸国などに対して装備品を有償で提供する制度であります。具体的に申しますと、価格は見積りであること、納期は予定であること、そのほか、原則前払であること、納期後に精算を行うなどとした米国が定めた制度の下で行われているものであります。

○井上哲士君 つまり、価格、履行期限、契約解除、こういう重要な点は全部アメリカに握られているんですよ。
 これ、大きな問題になってきました。会計検査院は、一七年の十月にこのFMSに関して防衛装備庁に是正改善の措置を求めておりますけれども、これ、どういう内容でしょうか。

○会計検査院第二局長(原田祐平君) お答え申し上げます。
 防衛装備庁等がアメリカ合衆国政府から防衛装備品等を調達するFMS調達におきまして、受領検査における防衛装備品の不具合十二件、三千百九十四万円、及び計算書の誤り十九件、一千三百九十一万円に対する是正措置の要求を合衆国政府に対して速やかに行っておらず当該要求が合衆国政府から却下されている事態、六十四契約の契約額計約六百七十一億円について、計算書と受領検査調書との照合に当たり、その過程や結果に関する記録及び保存を行っていなかったり、極めて多くの記載内容が一致していなかったりしていた事態が見受けられました。
 そのため、防衛装備庁に対して是正措置の要求を速やかに行うことを周知徹底するよう是正改善措置を求め、また、照合の過程や結果を書面等に記録及び保存するとともに、記載内容が一致していない根本的な原因を調査し、適切な照合を行うための効果的な方策について検討するよう意見を表したものでございます。

○井上哲士君 ですから、本当に価格、履行期限、契約解除が全部アメリカが握っている。それに対して、今指摘されたような本当にでたらめな中身になっているんですね。ですから、結局価格の決定とか納品も全部米国の都合になっております。
 このFMSが安倍政権で急増しております。二〇一二年度では千三百七十二億円でしたけれども、来年度予算では実に五倍の七千十三億円であります。(資料提示)
 この防衛装備品の中央調達について、企業とアメリカ政府を合わせて契約相手方別の契約高順位、二〇一二年と二〇一七年で上位五位はどうなっているでしょうか。【配付資料190207①.pdf】

○防衛省防衛装備庁長官(深山延暁君) お尋ねの中央調達におけます契約高上位五社ということでございましたが、二〇一二年におきましては、第一位が三菱重工株式会社、第二位が日本電気株式会社、第三位が三菱重工株式会社......(発言する者あり)あっ、失礼しました、川崎重工株式会社、大変失礼いたしました。第四位が米国政府、第五位でございますけれども、第五位が三菱電機ということになっております。
 二〇一七年におきましては、第一位は米国政府、第二位が三菱重工株式会社、第三位が川崎重工株式会社、第四位が日本電気株式会社、第五位は三菱電機株式会社となっておるところでございます。

○井上哲士君 ですから、FMSが急増して、二〇一五年から契約相手方、米国政府がトップになっているんですね。二〇一七年は三千八百七億円で、二位の三菱重工の二千四百五十七億円の一・五倍の断トツになっているんです。
 総理、こういう中で、国内の防衛産業から、予算がアメリカに吸い取られていると、こういう声すら上がっておりますけれども、これどう受け止められていますか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 国内の防衛産業に対する御理解もいただいているのかなと思いますが、我が国を取り巻く厳しい安全保障環境を受けまして、高性能な防衛装備品について早期導入が求められる傾向にあるため、その結果として国内調達が減少し、国内の防衛産業基盤の維持強化が必要との指摘があることは承知をしております。
 国内の産業基盤は我が国の防衛力を支える重要かつ不可欠な要素であり、新たな防衛大綱及び中期防においては、技術基盤の強化と産業基盤の強靱化について優先事項として取り組むこととしております。具体的には、我が国の防衛産業が今後必要となる優れた装備品をしっかりと開発することができるよう重要技術に重点的に投資を行うとともに、国内防衛産業の競争力の強化を進めていくこととしております。
 安全保障環境の変化に応じた競争性のある強靱な国内防衛産業を構築すべく、将来を見据え、様々な施策を総合的に推進していく考えであります。

○井上哲士君 そういうことをるる言われながら、予算はアメリカのFMSばっかし行っているじゃないかという声があることについてどう考えるのかと私は聞いているんです。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 初めに申し上げましたように、非常に高性能な防衛装備品について早期導入が求められているという傾向があるわけでありまして、その中で、例えば先ほど御説明をさせていただいたF15の代替機については、今既に存在をしている第五世代の戦闘機であるF35を導入するということも決定をさせていただいたところでございます。
 しかし同時に、我が国自体の防衛産業が今後開発を行い、独自の装備品をしっかりと彼らが生産できるというこの基盤も構築していく必要があると、このように考えております。

○井上哲士君 FMSによって米国の高額兵器の購入がどんどん増えますが、維持費も大変掛かります。それが軍事費を膨らませてまいりました。【配付資料190207②.pdf】これ、黄色い部分が維持費でありますけれども、平成一年度は全体の三割でありましたけれども、大体今や五割前後が維持費ということになっております。
 アメリカの政府監査院は、五回にわたってこのF35の欠陥を指摘をしてきました。昨年六月に発表した報告書で、一月時点で九百六十六件の技術的な問題点があるとしております。この問題点を解決しなければ必要な性能を欠いたままの運用を強いられ維持費高騰は免れないとして、大量生産に踏み切る前に対処することを要求をしております。
 この後に中期防で購入決めたわけでありますが、こういう報告書の内容を承知した上で百四十七機決めたんですか。

○国務大臣(岩屋毅君) F35につきましては、今先生御指摘のように、昨年六月に米国の会計検査院が議会に提出した報告書におきまして、搭載するソフトウエアを中心に多数の課題がある旨指摘されているところでございます。
 米国防省は、この報告書における指摘につきまして既に改善のための取組を開始しておりまして、重要な欠陥と指摘されているものについて、本年十月を予定している量産段階への移行前に改善する計画であるというふうに承知をしております。
 なお、防衛省としては、現在保有しておりますF35Aについても問合せを行っておりますが、三沢基地において運用している空自機に関しては、試験段階の運用や飛行の安全性に影響する問題はないというふうに確認をしているところでございます。

○井上哲士君 見込みと聞いている、これもアメリカ政府任せだと思うんですが、この報告書は、この問題点の中に、安全性や重要な性能を危険にさらす問題が百十一件あって、うち二十五件は量産段階までに解決できないおそれがあると、ここまで指摘しているんですね。にもかかわらず、閣議決定が行われました。
 さらに、購入が予定されているF35Bでありますが、昨年九月にサウスカロライナ州で初めて墜落事故を起こして、米国政府は世界のF35Bの一時飛行停止措置をとりました。しかも、アメリカ国防総省の運用試験・評価局が先日、一月三十一日に議会に提出をした二〇一八年度の年次報告書で、初期に製造されたF35Bの寿命が想定の八千飛行時間を大幅に下回って二千百時間以下にとどまるという見通しを示しました。そうしますと、おおむね三十年の寿命が僅か十年程度で尽きる可能性があるということなんですね。
 この報告受けて、政府、どういう対応をしているんですか。

○国務大臣(岩屋毅君) 昨年十二月に決定した中期防におきましては、STOVL機、短距離で離陸ができて垂直に降りられる航空機のことでございますけれども、それを導入するということは決定しておりますけれども、機種の選定はこれからでございます。
 機種の選定に当たりましては、当然のことながら、私ども、どういう性能が必要かということを、要求性能をはっきり示した上で提案を受け、必要なプロセスをきちんと踏んでいきたいというふうに思っておりますので、もちろん35Bも有力な候補機の一つではありますが、御指摘の点も含めてしっかりと性能を確認をした上で機種の選定を行ってまいりたいというふうに考えております。

○井上哲士君 機種選定はこれからと言いますけど、F35を百四十七機購入というふうに中期防では決めているんですよ。事実上、F35Bを買うという流れになっているじゃないですか。ですから、私は、アメリカ国内でこれだけの問題点が指摘をされているF35を、アメリカの、価格も納入もアメリカが握っている、こんな有利なFMSで購入をすると、これが果たして自主的判断なんと言えるのかということが問われていると思いますよ。百四十七機購入先にありきは根本的に見直すべきだと思います。
 更に重大なのは、このF35Bを運用できるように、ヘリ搭載護衛艦「いずも」を改修し空母化をするという問題であります。【配付資料190207③.pdf
 政府は従来、他国を攻撃するような攻撃的な脅威を与えるような兵器を持っているということは憲法の趣旨とするところではないと答弁をしてまいりましたけれども、防衛大臣、こういうことでよろしいでしょうか。

○国務大臣(岩屋毅君) それはおっしゃるとおりでございまして、憲法上、性能上、専ら他国の国土の壊滅的な破壊のためにのみ用いられるような兵器、これを保有することは、自衛のための必要最小限度の範囲を超えることになるため、憲法上許されないというふうに考えております。

○井上哲士君 そういう中で、従来答弁では、例えば大陸間弾道ミサイル、ICBM、長距離戦略爆撃機、攻撃型空母については保有できないと言われてきたと思いますが、この攻撃型空母というのはどういうものでしょうか。

○国務大臣(岩屋毅君) この攻撃型空母と申しますのは、先ほど申し上げましたように、我が国の憲法上持てないとされている大陸間弾道弾でありますとか戦略爆撃機などと並べて当時政府が説明をした用語でございまして、この考え方は現在も維持されております。したがって、他国の国土を壊滅的に破壊するほどの能力を持った空母ということになりますので、常時かなりの数の戦闘機を艦載し、また核兵器等の大量破壊兵器というものを搭載することができるような、そういう能力を持ったものを攻撃型空母というふうに考えているところでございます。

○井上哲士君 今、核兵器と言われましたけど、核兵器搭載しなかったら攻撃型空母ではないということですか。

○国務大臣(岩屋毅君) 極めて大きな破壊力という意味で例示として挙げさせていただいたところでございまして、いわゆる大量破壊兵器と言われるものであればそれに該当するのではないかというふうに考えております。

○井上哲士君 アメリカ海兵隊のF35Bが昨年九月、初めて実戦投入をされました。強襲揚陸艦エセックスから発進をして、地上の掃討作戦を支援するためにアフガニスタンを空爆したんですね。
 アメリカ中央軍の発表で、司令官はF35Bについて、戦域における強襲及び航空戦闘能力、作戦上の柔軟性並びに戦術上の優位性における著しい強化になると、常に安定と安全を向上させる海上優勢を可能としつつ国際水域から地上作戦を支援すると述べ、高く評価をいたしました。同じように、このF35Bを搭載するようなことになりますと、国際水域から飛び立って他国を空爆するようなことになる。これは他国に攻撃的な脅威を与える戦闘型空母になるんじゃないですか、攻撃型空母になるんじゃないですか。

○国務大臣(岩屋毅君) 「いずも」型護衛艦というのは、そもそも多用途に造られておりまして、輸送機能あるいは医療の機能、指揮艦としての機能等、そして、通常は哨戒ヘリを積んで、対潜水艦戦といいますか哨戒活動に当たれるように造られている護衛艦でございます。
 今回の改修は、そこに機能の一つを付け加えると、そして、STOVL機が必要があればその「いずも」型護衛艦から離発着することができるようにするという考え方でございますので、今先生がおっしゃったような他国を攻撃するために常時戦闘機を搭載するというような構想を持っているわけではございません。

○井上哲士君 常時であるとか構想という問題じゃないんですね。能力を持つかどうかが問題なんです。
 イギリスは、空母クイーン・エリザベスを就役させまして、昨年九月にF35Bの発着艦を開始をいたしました。イギリスのウィリアムソン国防相はこう述べているんですよ。これにより英国は世界中のいかなる海域からでも圧倒的な攻撃を行う能力を再び持つことになると、こう言っているんですね。つまり、「いずも」へのこの戦闘機の搭載は、同じように、いかなる海域からでも圧倒的な攻撃を行う能力を持つことになるんじゃないですか。

○国務大臣(岩屋毅君) 他国の艦艇のその運用の方法について評価は控えたいというふうに思いますけれども、「いずも」型護衛艦における航空機の運用は、新たな安全保障環境に対応し、我が国の場合、広大な太平洋を含む海と空というものを有しておりますので、その守りを自衛隊員の安全を確保しながら行っていくために必要だという考え方で今回改修を決定をしたところでございます。

○委員長(金子原二郎君) 済みません。井上哲士君。

○井上哲士君 何か太平洋に限定されるように言いますけど、果たしてそうですかね。
 「いずも」及び「かが」について、この間、二か月以上の海外展開をしておりますけれども、その期間、展開地域、行動内容、それから米艦防護の実績とアメリカへの給油実績はどうなっているでしょうか。

○防衛省防衛政策局長(槌道明宏君) お答えいたします。
 海上自衛隊の護衛艦「いずも」は平成二十九年五月一日から八月九日にかけて、また護衛艦「かが」は平成三十年八月二十六日から十月三十日にかけて、それぞれインド太平洋方面を航行いたしました。その期間中、「いずも」は、アメリカ、オーストラリア、インド、カナダ、フィリピンなどと共同訓練等を実施したほか、シンガポール海軍の主催する国際観艦式やベトナムでのパシフィック・パートナーシップに参加をし、また、「かが」は、アメリカ、イギリス、インド、フィリピンなどと共同訓練等を行いました。
 そして、米艦防護の実績でございますけれども、これはもう先生御案内のとおりでございますけれども、自衛隊法第九十五条の二に基づく米軍等の警護につきましては、米軍等の活動への影響や相手方との関係もございますので、個別具体的な実施の有無についてお答えすることは差し控えさせていただいているところでございます。
 また、給油の実績でございますけれども、「いずも」につきましては、二か月以上の海外展開をした際の米軍への給油として、平成二十九年六月、南シナ海での日米共同巡航訓練において、米海軍に対して給油を行った実績がございます。他方、「かが」につきましては、二か月以上の海外展開をした際に米軍への給油を行った実績はございません。

○井上哲士君 「いずも」がインド洋で行った日米印の共同訓練、マラバールというのがありますが、その目的と内容はどういうことでしょうか。

○防衛省防衛政策局長(槌道明宏君) 御指摘の護衛艦「いずも」は、平成二十九年七月十日から十七日までの間、インド東方海空域におきまして、日米印共同訓練、マラバール二〇一七に参加いたしました。この訓練は、米印との三か国訓練の実施を通じまして、海上自衛隊の戦術技量の向上を図るとともに、各国軍との協力の強化を促進することを目的として実施したものでございます。

○井上哲士君 ですから、先ほど太平洋というふうに大臣強調されましたけど、実際にはこういうことをやっているんですね。インド洋などにも行っております。日米訓練もやり、米艦防護もやったと報道もされているわけです。そこにF35Bを載せるということになるわけですね。
 運用を考えていないとか言われますけど、安倍政権は、行使できないと言ってきた集団的自衛権を行使を閣議決定でひっくり返してやったわけですよ。ですから、今考えていないって、何の担保にもなりません。憲法に反する攻撃的兵器は保有をしないと、保有をしないということが、時の政権の姿勢にかかわらず、専守防衛を守る担保になるわけでありまして、持つこと自身が問題だということを申し上げなくちゃいけません。
 さらに、海上自衛隊は一昨年、「いずも」の改修を想定した調査研究を行っておりますが、この報告書によりますと、この調査は、「いずも」による米軍の後方支援実施を目的とすると明示をして、米軍のF35Bが垂直着艦するという運用を前提条件としていますね。つまり、改修した「いずも」で米軍機の離着艦が行われるということでよろしいですね。【配付資料190207④.pdf

○国務大臣(岩屋毅君) そのときの調査は、「いずも」という護衛艦について、変化する安全保障環境や急速な技術革新に対応できるのか、果たしてどのくらいの拡張性を「いずも」という護衛艦が有しているのか、最新の航空機のうちどのようなものが離発着可能なのかという、現有している艦艇の最大限の潜在能力を客観的に把握するために行った調査でございまして、もちろん、その調査結果を受けて検討を重ねた結果、さきの大綱、中期防の結論に至ったわけですけれども、この段階では、我が国自身がSTOVL機を運用するという構想はまだ固まっていなかった段階でございました。
 そういうことで、あくまでも現有艦艇の最大限の潜在能力を把握するために行った調査だったというふうに御理解をいただきたいと思います。

○井上哲士君 一般的F35Bじゃないですよ、米軍の後方支援として米軍のF35Bが垂直着艦するということを一点、前提条件としているんですね。これ、何を想定したんですか。

○国務大臣(岩屋毅君) この調査に当たる前にも、「いずも」には、米軍のMV22オスプレイあるいは哨戒ヘリMH60R、多用途ヘリUH60Lのほか、オーストラリア、インド、カナダ、フランスといった国の航空機が共同訓練の際に発着艦をいたしておりました。
 また、既に我が国には米軍のF35Bが配備されておりましたので、そうなりますと、このF35B、米軍のF35Bが共同訓練や不意のトラブル等によって臨時的に「いずも」に発艦あるいは着艦する必要性が生ずる可能性があると、そういう潜在的な可能性があると、こういう前提があったということも御理解をいただきたいというふうに思います。

○井上哲士君 いやいや、訓練やトラブルじゃないんですよ。後方支援と明記しているんですよ。【配付資料190207⑤.pdf
 そして、あの安保法制のときの答弁でありますけれども、国際平和共同対処事態の際に、弾薬の提供、戦闘作戦行動のために発進準備中の航空機への給油、整備についても法的措置を講じたということであります。つまり、こういう発進、戦闘行為への発進準備中への航空機への給油、これが後方支援として「いずも」も法的には可能だということでよろしいですね。

○国務大臣(岩屋毅君) 例えば、仮に重要影響事態という事態認定が行われた際には米軍の後方支援を行うことができるというふうにされているわけでございますから、そういう事態に立ち至ればそういう活動も可能であるということだと思います。

○井上哲士君 いや、国際平和共同対処事態もそうですね。重要影響事態だけじゃなくて。

○国務大臣(岩屋毅君) 同様でございます。

○井上哲士君 その際に地理的制限があるんでしょうか。後方支援の場所。

○国務大臣(岩屋毅君) 重要影響事態にしても国際平和共同対処事態にしても、それは地理的な要因を前提にしたものではないというふうに承知をしております。

○井上哲士君 ですから、法的には世界中どこでも、イラク戦争とか湾岸戦争などのような事態を想定した国際平和共同対処事態において、米軍戦闘機が「いずも」で給油を受けて、他国領土への爆撃で発進していくことが可能になっているんですよ。ですから、これ、世界中で給油とそして滑走路を提供することができるということになっているんですよ。私は、こんな、憲法の下で許されない空母化の中止を強く求めたいと思います。
 最後に、時間もありませんので補正予算の問題で聞いておきますが。【配付資料190207⑥.pdf
 この間、軍事費は、当初予算で増えて、更に補正でも計上されて、毎年最高額を更新をしてまいりました。本補正予算では、防衛省所管分は三千九百九十八億円と巨額になっておりまして、一七年度補正と比べても二倍近い数でありますが、これは補正の計上額としては最大ではないかと思いますが、どうか。それから何を今回補正に計上したのか、お答えください。

○国務大臣(岩屋毅君) 先ほどの先生のお話では、事態認定が行われれば必ずそういうことを行うかのようなお話でございましたが、当然、何を行うかという計画を立て、国会等の関与をいただいて決定をするということでございます。
 補正予算についてでございますが、主な内容といたしましては、自衛隊施設や自家発電機の整備、防災・減災、国土強靱化のための三か年緊急対策を行うための経費、厳しさを増す安全保障環境や頻発する自然災害に対応するため、装備品の早期納入など、自衛隊の安定的な運用態勢の確保のための経費、それから、隊員のための隊舎、宿舎等の整備や営舎用備品等の確実な更新など、隊員の生活、勤務環境の改善を図るための経費等でございます。

○井上哲士君 いろいろ言われましたけど、ステルス戦闘機F35Aとか哨戒ヘリなどの装備品の購入費、これが三千百七十七億円が大半なんですよ。しかも、これは元々来年度予算の概算要求に計上をされていたものを前倒しで補正に入れたんですね。何でこういうことにしたんですか。【配付資料190207⑦.pdf

○国務大臣(岩屋毅君) これは累次説明をさせてきていただいたように、非常に厳しさを増す安全保障環境に一刻も早く対応するために、企業に前倒しで支払を行うことで製造工程の進捗を図り、必要な装備品を着実かつ可能な限り早期に取得するためでございます。

○井上哲士君 財務大臣にお聞きしますけれども、補正予算とは財政法でいかなる場合に組むことができるんですか。

○国務大臣(麻生太郎君) これは御存じのように、防衛費に係ります補正予算につきましても、いずれにいたしましても、いわゆる緊急事態とかそういったような状態に合わせて、当初予算の成立後にも、いわゆる、最近では対自然災害とかいろいろありますけれども、そういったものを含めまして、自衛隊の運用態勢が今話がありましたように厳しさを増しております中では、我々としては、安定的な運用を確保するために、我々といたしましては予算制度に従って緊要性のある経費を計上してきておると思っております。

○井上哲士君 今回の前倒しは災害とか関係ないんですよ。しかも、これFMS契約ですよね。FMSというのは、もう既に契約した内容を前提にやっているんです。しかも、納期はアメリカが握っているわけですね。これを前倒しにしたことによって何か納入早まるんですか。

○国務大臣(岩屋毅君) 何がどの程度早まるかということについて確定的に申し上げることはできませんけれども、というのは、今、米側と調整中でございますが、早まることは確実でございます。

○井上哲士君 そういうのは緊要って言わないんですよ、願望だけじゃないですか。こんなことで何で前倒しができるんですかね。こういう、法に定める要件をないがしろにしてこの法制の仕組みを濫用しているという形が、私は、安倍政権後ずっと補正に防衛費が組み込まれることが行われてきたと思いますけれども、これはやはり改めるべきじゃないですか。総理、いかがですか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 既に防衛大臣から、またあるいは財務大臣からこの補正予算に計上した理由、正当性について答弁をさせていただいているところでございますが、格段に速いスピードで厳しさと不確実性を増す安全保障環境にしっかり対応して、国民の命を守り、平和な暮らしを守り抜いていく考えであります。

○井上哲士君 安倍政権で補正で毎年度のように、当然のように二千億円前後が防衛費に計上されてきました。今回、倍に膨れ上がったわけで、今のような説明付けたらもう歯止め利かなくなりますよ。それは必ず予算の圧迫や負担増の形で国民に回るわけでありまして、こういうことはやめるべきだということを強く求めまして、時間ですので質問を終わります。

○委員長(金子原二郎君) 以上で井上哲士君の質疑は終了いたしました。(拍手)

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