国会質問議事録

ホーム の中の 国会質問議事録 の中の 2024年・216臨時国会 の中の 政治改革特別委員会(政治資金規正法改定案等ー日本共産党「政治資金規正法改正案(企業・団体献金全面禁止法案)」「政党助成法廃止法案」の提出者として答弁)

政治改革特別委員会(政治資金規正法改定案等ー日本共産党「政治資金規正法改正案(企業・団体献金全面禁止法案)」「政党助成法廃止法案」の提出者として答弁)

※日本共産党の「政治資金規正法改正案(企業・団体献金全面禁止法案)」「政党助成法廃止法案」の提出者として、宮口治子議員(立憲)、小沼巧議員(立憲)、山添拓議員(共産)の質問への答弁に立ちました。

<宮口治子議員の質問>

○宮口治子君 おはようございます。よろしくお願いします。立憲民主・社民・無所属の宮口治子でございます。
 まずは、二〇一九年の参院議員広島選挙区での大規模買収事件についてお話しします。
 最高裁第一小法廷は十二月九日付けで、二〇一九年参院選広島選挙区の買収事件で公選法違反の罪に問われた広島県議会議員の渡辺典子被告の上告を退けた決定に対する異議申立てを棄却しました。これにより、現金受領側で正式裁判となった十二名全員の有罪が確定をし、河井克行元法相夫妻も含めて一連の事件の刑事裁判は、五年間という長い時を経てやっと、やっと終結をいたしました。
 政治改革関連法の改正の議論のきっかけとなった自民党議員の裏金問題の全貌はいまだに明らかになっておりません。衆参両院での政倫審での裏金議員の弁明も連日行われておりますけれども、進展は見られていません。
 法案に関する質問に先立ちまして、各法案発議者に対し、一人の国会議員として、いわゆる河井事件に対する受け止め方というのをお伺いしたいと思います。また、今回の再改正で本当に裏金問題というのは根絶ができるとお考えでしょうか。併せてお答えをお願いします。

(中略)

○井上哲士君 河井事件での票、金を買うという買収行為は、民主主義を破壊する重大犯罪であり、許されないことであります。河井夫妻とともに自民党そのものが問われていると思います。
 私も広島出身ですので、広島の政治を汚したことへの憤りを持ちまして、当時、予算委員会で菅総理に質問をいたしました。重大犯罪を行った人物を公認をし、総理自身が並んで街宣をして応援をしたと。もう広島の有権者に謝罪をするべきだとこの場で求めたわけでありますが、党の要請に従って行っただけであって、買収など知らなかったといって謝罪を拒否をされました。
 しかし、党として公認をして河井氏側には一億五千万円が特別に送金をされ、うち一億二千万円は国民の税金の政党助成金であります。にもかかわらず謝罪もされないということは極めて無責任でありますし、その姿勢が今の裏金問題の全容解明にも取り組まないことに現れていると思っております。
 提出法案で裏金が根絶できるかということでありますが、裏金の原資の大半は企業、団体が購入したパーティー券代であります。我が党の政治資金規正法改正案では、パーティー券購入も寄附として取り扱って、企業、団体によるパーティー券購入を含む献金を禁止をしております。したがって、それを原資とした裏金の根絶に資するものと考えます。
 また、政策活動費を禁止し、政党から政治家への寄附をできなくしておりますし、代表者の監督の責任も強化をしている、これらによって裏金の根絶に資するものだと考えております。

(後略)

 

<小沼巧議員の質問>

○小沼巧君 (前略)済みません、本日は共産党の先生にも出ていただいております。時間もありませんので手短にお伺いしたいと思うんですが、午前中、じゃなくて先ほどの小泉議員の答弁の中でも、企業・団体献金の話についてありました。今回の共産党が出されている企業・団体献金の話についてはございますが、同様の趣旨がありますね。政治資金規正法第二十一条の改正案について、政治活動に関する寄附又は寄附のあっせんを禁止しようとする際、政治団体を除くということの、先ほどの小泉議員からの答弁でもあった単語を借りると、共産党が提出している案でも政治団体を除くという規定を設けた部分が提案されていると承知しております。
 共産党の提案者に伺います。
 なぜ、政治団体を除くという規定を設けたんでしょうか。
○井上哲士君 政治団体を除くというのは、現行法も基本的に同じなんですね。政治資金規正法の第二十一条でも、会社、労働組合、職員団体その他の団体は、政党及び政治団体以外の者に対しては、政治活動に関する寄附をしてはならない、その上で、二で、「前項の規定は、政治団体がする寄附については、適用しない。」としておりますから、つまり、政治団体を除くというのは現行も一緒なんです。
 これは、この政治活動を行うこと自体を目的とする団体である政治団体が行う政治活動に関する寄附等についてまで禁止をしますと、そうした政治団体を結成する目的そのものが達成できないなど、政治活動の自由、結社の自由等に対する強い制約となり得るということで、政治団体を除くとされております。
 基本的に同じ考えでありまして、例えば政党の本部と他の政治団体の間の政治活動に関する寄附は、行うことは、通常行われているわけでありまして、それを禁ずるということは政党活動の強い制約になると考えたわけであります。
○小沼巧君 戻ってから質問しますね、席に。もう一回当てるので、戻ってから発言しますね。
 自民党からやじ飛んでいますけど、政治団体を除くという規定、これがいわゆる抜け穴であるという批判があります。別にやじった人の名前を言うつもりもありませんけれども。そういった抜け穴であるとの批判に対して、共産党の提案者としてはどのように答えますか。その見解を教えてください。
○井上哲士君 この政治団体を除くという規定が企業・団体献金の抜け穴になることは全くありません。我が党案で抜け穴の付け入る余地がない二つ理由があります。
 第一に、政党、政治資金団体、企業、労働組合、関係政治団体など全ての政治団体は、企業や労働組合等団体から献金を受けることを禁じております。ですから、政治団体が政党に寄附をしても、その政治団体がそもそも企業・団体献金の受取を禁じられているわけでありますから、政治団体を抜け道にして企業、団体が政党に献金することはできないと、抜け道はあり得ないということであります。
 そして第二に、我が党案では、企業や労働組合による政治活動に関する寄附だけではなくて、あらゆる寄附のあっせんも禁じております。ですから、企業や労働組合がその従業員や組合員等から寄附を集めて、それを政治団体に提供することもできません。この点でも抜け穴ではありません。
 労働組合が、企業の皆さんが有志で個人献金を出して政治団体をつくって、その団体からの資金の移動については、その原資は個人献金でありまして、団体献金の抜け道ではありません。
 そもそも、企業や労働組合が政治団体をつくって構成員の強制加入や強制カンパを強いたり、あるいはその会費などを肩代わりするということは、それぞれの会員、組合員の政治信条の自由を奪うものであって、許されないものと考えております。
 以上です。

(後略)

 

<山添拓議員の質問>

○山添拓君 (前略)このパーティー券が献金ではないと、寄附ではないと、こういう言い方、説明というのはもうやめられるべきだと思うんですね。
 しかも、今度の法案は、外資五〇%以上の企業でも五年以上上場していれば例外として寄附ができると、パー券購入ができると、ちゃっかり抜け道も用意しております。
 パーティー券収入による、パーティー券の収入によって裏金が作られてきたのが今度の裏金事件です。ですから、この裏金事件というのは、やっぱり本質的には企業・団体献金の問題だということが言えると思います。パーティー券を含めた企業・団体献金の全面禁止が必要だと思います。
 石破総理は予算委員会で、企業・団体献金禁止は憲法二十一条に抵触すると発言しました。違反するとは言っていないと修正されましたが、抵触というのは法に違反するという意味です。
 日本共産党の法案は、パーティー券購入を対価ではなく寄附だと明確に位置付けて、その上で、企業、団体による寄附を禁止し、パーティー券を含めて企業・団体献金を全面禁止とするものです。憲法二十一条との関係について、発議者の認識を伺います。
○井上哲士君 石破総理が企業献金の合理化でずっと持ち出してきた八幡製鉄事件の最高裁の判決でさえ、この政治献金の自由を、表現の自由、憲法二十一条に関わって、これとして明示をしたわけではありません。そういう点で、主張は本当に根拠不明だと思うんですね。実際、政府は、十三日の衆議院の政治改革特別委員会の理事会で、憲法二十一条に違反するかどうか一概に申し上げることはできないと述べましたし、総理も予算委員会で、事実上、根拠がないことを認められました。
 企業や団体が政治に関して発言をする、表現の自由を持つということは当然あることです。しかし、政治的発言をすることと政治献金をすることは、これは別物なんですよね。憲法の基本的原則は主権在民であって、民主主義は一人一人の投票行動によって支えられております。一方、営利を目的とする企業の献金は見返りを期待するものであって、本質的には賄賂性を持つと。
 参政権がなく投票権もない企業が個人をはるかに超える財力で政治的影響力を行使するならば、政治がゆがめられて国民の参政権を侵害することになると考えます。そういう点でも、企業・団体献金は、パーティー券購入も含めて禁止すべきだというのが我が党の法案であります。

(後略)

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