※日本共産党の「政治資金規正法改正案(企業・団体献金全面禁止法案)」「政党助成法廃止法案」の提出者として、小沼巧議員(立憲)の質問への答弁に立ちました。
○小沼巧君 おはようございます。立憲民主党の小沼巧でございます。昨日に引き続きましてよろしくお願いいたします。
昨日の質疑で時間の途中となっておりました積み残しの論点、すなわち企業・団体献金の廃止、禁止についてから質問をさせていただきたいと思っております。
昨日、共産党の井上委員、提出者に伺いまして、企業・団体献金の規定、すなわち政治資金規正法の共産党提出案のうち政治団体を除くという規定を設けた趣旨について、そして、政治団体を除くという規定が抜け穴であるとの批判があるが、それに対してどう答えるかという見解について問いました。
その次の積み残しについて問うてまいりたいと思います。
衆議院での議論では、この政治団体を除くという規定を削除する、削る、これによって合意が進むのではないかと、こういうような意見があったと承知しております。この指摘については、共産党提出の案文についても同様のことが指摘できるのではないかと思います。
ということを踏まえて、井上委員にお伺いします。この政治団体を除くという規定を削除した場合の問題は何か、そして、削除するための努力といったものは可能かどうなのか、この点についての御見解をお願いいたします。
○井上哲士君 お答えいたします。
繰り返し申し上げますが、この政治団体を除くという規定は、今回の我が党の提出法案で新たに盛り込んだのではありません。現在の政治資金規正法にある規定をそのまま残しているわけであります。それは、この規定を削除しますと、そうした政治団体を結成する目的そのものが達成できないなど、政治活動の自由や結社の自由等に対する強い制約となり得るからであります。
具体的にどのような問題が起きるのかという御質問ですが、例えば、ある政治家を応援したいという人たちが任意で政治団体をつくって、そして寄附を集めてその政治家の資金管理団体に寄附をすると、こういうことも禁止になるわけですね。しかし、こうしたやり方は、ここにいらっしゃる多くの議員の下で行われているんじゃないでしょうか。それが禁止されますと、大変大きな活動の制約になりますし、まさに政治活動の自由、結社の自由等に対する強い制約となります。
また、政治資金団体から政党への寄附、それから政党から公職の候補者の資金管理団体への寄附など、この政治団体間の資金移動が不可能になります。例えば、自民党の国民政治協会から自民党への寄附はできなくなるわけでありまして、企業・団体献金をなくせば国民政治協会の意味がなくなるのかもしれませんが、こういうこの政治団体と政党の間の資金移動などが禁止されるということは大変大きな政治活動に対する制約となり得るということでありまして、こういう問題が起きるということで、私たちはこの規定を残しているわけであります。
これを削除するための努力は可能かという御質問でありますが、今申し上げたような政治活動の自由や結社の自由に対する強い制約を生まないようなやり方ができるのかということを議論することは、否定はいたしませんけれども、極めて困難だろうと思っております。
以上です。
○小沼巧君 もう一問積みますので、座ってから発言しますね。
御答弁ありがとうございます。傾聴に値するロジックではないかなと思いましたが、併せてもう一問だけ。
衆議院での議論及び参議院での議論でもありましたが、このいわゆる企業・団体献金の禁止ということにつきまして、一回やってみて、そして駄目だったらもう一回撤回するのかというような発言もあったところでございます。
井上提案者にお伺いしたいと思いますが、この企業・団体献金の禁止について、期限を設けて試行的に実施してみる、こういったことも立法政策論として許容できるのではないか、可能なのではないかと考えますが、この意見についての見解をお願いいたします。
○井上哲士君 お答えします。
我が党は、法律で禁止されていなくても、自ら企業・団体献金は受け取っておりません。企業・団体献金禁止を政策では掲げてもまだ受け取っているという党が受取をやめて個人献金に転換をしたらこんなに有権者との結び付きが広がったと、などアピールすることによって、企業・団体献金にしがみついておられる自民党を包囲をして、禁止へ進めていく大きな力にはなると思います。
ただ、この期限を決めた試行的実施ということは、禁止しても党の運営とかは大丈夫か、どんな効果があるのかということを検証するということになると思うんですが、この禁止に反対している政党の場合、運営は困難で効果はなかったというような結果になるように試行することになるのではないかと思います。そういう点でいいますと、これは余り意味がないのではないかと思っておりまして、やはり法律で明確に禁止をすることが必要だと思います。
以上です。
(後略)